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「薄毛の治療薬」の種類を詳しく解説!効果や選び方・副作用もご紹介!

 更新日:2024/07/10
「薄毛の治療薬」の種類を詳しく解説!効果や選び方・副作用もご紹介!

薄毛はそれ自体が原因で健康被害が現れるような病気ではないですが、見た目の印象を大きく左右するため、QOL(Quality of life)に多大な影響を及ぼします

近年では薄毛の病態解明が進み、有効な治療薬が開発され、皮膚科の診療においても積極的に処方されるようになりました。

ここでは、薄毛の中でも代表的な病態である男性型脱毛症(AGA)の治療薬の種類やその効果、副作用などについて詳しく解説しています。

薄毛に悩まれている方は皮膚科の受診と合わせて、こちらの記事も参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

薄毛の治療薬の種類

飲み薬
男性型脱毛症(AGA)の治療は基本的に薬物療法によって行われ、フィナステリドやデュタステリドの内服、ミノキシジルの外用が推奨されています。
一方、女性型脱毛症(FAGA)は、フィナステリドやデュタステリドの内服は推奨されておらず、ミノキシジルの外用を基本とした治療が一般的です。
いずれの治療薬も保険診療の対象外で、自由診療で医師の処方により購入することができますが、ミノキシジルについては処方箋がなくても薬店で購入することができます。

内服薬

内服薬はフィナステリドとデュタステリドが推奨されており、いずれの治療薬も薄毛の原因となる男性ホルモンに作用し、薄毛を抑制する効果が確認されています。
男性型脱毛症にとってはどちらの薬も有用な働きをするため強く推奨されていますが、女性型脱毛症の治療には推奨されておらず、使用すべきではないとされているので注意しましょう。
フィナステリドは、プロペシア錠とそのジェネリック医薬品としてフィナステリド錠という名称で、デュタステリドはザガーロ錠とそのジェネリック医薬品としてデュタステリド錠という名称で商品化されており、いずれも抜け毛予防に効果的です。
外用薬で推奨されているミノキシジルは元々は降圧剤として開発されましたが、日本では内服薬としては認可されていません。
多毛症を引き起こすことから安易に処方されたり、個人で入手するケースも見受けられますが、危険性や効果が十分に検証されていないので、内服は避けましょう

外用薬

外用薬は男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに、ミノキシジルが推奨されており、内服薬と違い処方箋がなくても薬店で購入することが可能です。
内服薬が抜け毛予防に効果を発揮するのに対し、ミノキシジルには発毛促進効果があるので、自身の判断で購入する際は症状に合っているか確認するようにしましょう。
5%ミノキシジルと1%ミノキシジルがあり、男性型には5%、女性型には1%が有効であることも確認されています。

薄毛の治療薬の効果

頭皮マッサージをする男性
薬の効果は大きく2つに分類され、内服薬と外用薬で異なります。
フィナステリドとデュタステリドの内服は抜け毛を減らす効果が、ミノキシジルの外用は育毛を促進する効果があり、状態に合わせてどちらか一方、または併用して治療を行います。
薄毛治療の効果が現れているかを確認するためには、治療期間は最低でも3ヶ月、通常は6ヶ月以上継続する必要があり、自分の判断ではやめるタイミングを見誤る可能性も否めません。
治療期間、終了の判断は医師の診断をもとに決めるようにしましょう。

抜け毛を減らす

フィナステリドとデュタステリドの内服は抜け毛を減らす効果が確認されています。
薄毛は男性ホルモンのテストステロンが更に活性が高いジヒドロテストステロンに変換されることに起因しますが、フィナステリドとデュタステリドはこの変換を阻害する効果があります。
男性ホルモンが活性化すると、通常はひげや胸毛などの毛は濃くなり、毛髪の成長期は延長しますが、前頭部や頭頂部においては逆に毛母細胞の増殖が抑制され、毛髪の成長期が短縮することが報告されています。
そこでこのテストステロンの活性化をブロックすることにより、薄毛の促進が抑制されるというわけです。

育毛を促進する

ミノキシジルの外用には血管拡張作用や皮膚の線維化抑制効果により、直接的に育毛を促進する効果があることが確認されています。
ミノキシジルは毛髪を包んでいる組織である毛包に直接作用し、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進することで、休眠している毛包が初期成長期毛包へと成長することを促進します。
その結果新しい毛髪が発毛し、さらに後期成長期毛包への移行を促進し維持することで、小さくなった毛包を成長させ、太く深く成長させるという仕組みです。
このように小さく萎縮した毛包を大きく深くすることがミノキシジルの最大の特徴で、このことにより発毛・育毛が促進すると考えられています。

薄毛の治療薬の選び方

ヘアセットに不満な男性
ひとくちに薄毛といっても症状は様々です。
最近薄毛が気になってきた、まだ大丈夫そうだけど現状を維持できるか不安がある、既に薄毛が進行しているので発毛したいなど、薄毛に対する悩みや、薄毛をどのように治療したいかは人それぞれ違います。
また、薄毛治療の効果を得るには最低でも3ヶ月、基本は6ヶ月以上継続して治療する必要があります。
治療期間が長いので効果は抑えたいものの、費用面での不安も付きまといます。
さらに、持病や体質との関係にも十分注意して治療薬を選ぶ必要があります。
このようなことをトータルで考えたうえで、信頼できる医師に相談し、自分の体にとって安全で効果的な治療方法を選択しましょう。

期待する効果で選ぶ

自分の薄毛の状態とその状態をどのようにしたいかで、選ぶ治療薬も変わってきます。
まだ大丈夫そうだけど現状維持の為予防的に薬を使用したいという場合や、最近抜け毛が気になるといった場合には、テストステロンが活性化を阻害するフィナステリドとデュタステリド内服が必要です。
また、抜け毛が進行しており新たな発毛や育毛を促進したい場合にはミノキシジルが必要です。
ある程度まで進行していればこれら2種類の治療薬を併用することが望ましく、さらに効果を求める場合はサプリメントを併用することも有効でしょう。
これらを適切に判断するには医師による症状の見極めが必要となります。

価格で選ぶ

薄毛の治療薬は、1週間程度の服用では効果が期待できず、最低でも6か月以上の継続的な服用・外用が必要です。
更に保険が適用されない自由診療のため、薬の価格の負担が重くのしかかります。
また、価格が高いと継続して使用することが難しく、効果が出る前に途中でやめてしまうリスクも高まります。
受診の際には、ジェネリック医薬品など薬の種類による効果も確認し、価格も含め総合的に判断したうえで治療に入るとよいでしょう。

体質に合わせて選ぶ

薬を選ぶ際には持病や体質にも十分注意しておく必要があります。
医師に処方してもらう前に、現在患っている病気や服用中の薬、過去に起きた副作用などを詳しくあれば伝えておきましょう。
そうすることで自分にとって安全性が高く、十分な効果を期待できる薬を処方してもらうことができるでしょう。

薄毛の治療薬の副作用

サプリメントと薬の錠剤
薄毛の治療薬には以下のような副作用が認められているので、治療を始める前に確認しておきましょう。
フィナステリドの主な副作用としては、肝機能障害、蕁麻疹(じんましん)、発疹、勃起機能不全・射精障害など性機能の障害 などが挙げられます。
デュタステリドの主な副作用としては、肝機能障害、黄疸(おうだん)、蕁麻疹、発疹、アレルギー症状、、抑うつ気分、めまい性欲減退、勃起機能不全、射精障害など性機能の障害 などが挙げられます。
また、フィステナリド・デュタステリド共に妊婦に投与するとジヒドロテストステロンの低下により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、妊婦または妊娠している可能性のある女性や授乳中の女性への投与は避けないといけません
ミノキシジルの主な副作用としては、かゆみ、紅斑、毛包炎、顔面の多毛下肢の浮腫、、動機、頻脈、ふらつきなどが挙げられます。副作用の症状が現れた際は、すぐに医師・薬剤師に相談しましょう。

頭皮のかゆみ

外用薬である育毛剤を使用した際に頭皮のかゆみが発生することがあります。
育毛剤によっては血管拡張作用により血行を促進させることによって、発毛しやすい環境を作る効果が得られる成分やアルコールが含まれているものがあり、これらの成分の副作用としてのかゆみやかぶれが考えられます。
また、脂性肌、乾燥肌といった頭皮の状態に合わない育毛剤を使い続けていることでかゆみの症状が出ているということも考えられるでしょう。
中には薄毛とは別の皮膚疾患を患っている場合もあるので、かゆみが収まらない場合やフケ・湿疹などの症状が現れた場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。
自分の頭皮環境に合った治療薬を使用することは、薄毛の治療においてとても大切なことなので、自己判断で選ぶ前に皮膚科で診察を受けることをおすすめします。

肝機能障害

薄毛の治療薬のうち、内服薬は肝臓で処理されるため、稀に肝機能障害が起こることがあります。
肝機能障害とは、何らかの原因で肝臓が障害を受けて炎症が起こり、肝細胞が破壊されている状態を指し、原因として薬剤の服用も挙げられます。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、異常が起こっていても軽度の場合は自覚症状がほとんど感じられず、食欲不振・吐き気・全身倦怠感・黄疸・肝臓肥大などの症状が確認されるころにはかなり症状が進んでいるといえるでしょう。
しかし、自覚症状が現れてからだと既に手遅れになっていることが多いので、早期の段階で肝臓の異常に気づけるよう、定期的な検査を行う必要があります。
薄毛の治療薬による肝機能障害の重篤化するケースはきわめて稀ですが、治療薬を服用する場合は定期的に血液検査を行い、肝臓の状態を確認しておくとよいでしょう。

薄毛の治療薬は医療費控除の対象になる?

医療費の自己負担
薄毛の治療薬の購入にかかった費用は、医療費控除における医療費としてカウントされません。医療費控除の対象となる医療費は、病気の治療を目的とした行為に対して発生した費用です。
薄毛は見た目によるQOLの低下を改善することが目的であり、美容目的の自由診療とみなされます。薄毛自体が特段健康に大きな支障をきたす病気ではないので、保険は適用できないというわけです。
同様に美容に関する治療のほとんどが医療費控除の対象外となっています。
ただし薄毛だと思って受診したところ、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎、円形脱毛症などの別の病気が見つかったという場合は、上記の理由からその治療にのみ保険が適用され、医療費控除の対象となります。

まとめ

医師 薬剤師 歯科医 白衣を着た男性
薄毛を改善するには原因に合わせた適切な治療が必要ですが、それを自分自身で判断するのは難しいでしょう。

ひとくちに薄毛といっても、髪の毛が減る理由には男性型脱毛症のほか、円形脱毛症、薬剤性脱毛症、あるいはほかの病気によるものなど、さまざまな原因が考えられます。

そのため薄毛が気になり始めた段階で、まずは皮膚科を受診して、医師の診断に基づいて、適切な治療を受けることが重要です。

診察の結果、男性型脱毛症と診断された場合でも、軽症から中等症であれば内服薬や外用薬の使用による改善が期待できます。

気になる症状があったときは放置せず、なるべく早く皮膚科の受診を検討しましょう。
また、男性型脱毛症の治療薬については、誤った情報を含むさまざまな情報があふれています。薄毛が気になりだした、薬店で育毛剤を購入できるけれど選ぶ基準がわからないといった場合には、正しい知識を身につけるためにも医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

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