「上咽頭がん」を疑う初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!
上咽頭がんとは、鼻の奥から食道の入り口までの部位を指す上咽頭に発生するがんのことをいいます。初期症状が強いものではないため、早期発見が難しい病気です。
しかし、発見が遅れると完治が難しくなってしまう可能性があります。そのため、病気についての知識を身につけ、早期発見・早期治療・予防に取り組むことが大切です。
本記事では、上咽頭がんの症状や原因などの知識を紹介しています。ぜひ参考にして、病気の治療や予防に役立ててください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
上咽頭がんとはどのような病気?
上咽頭がんとはどのような病気か教えてください
上咽頭がんの初期症状を教えてください
耳の症状として表れるのは、耳のつまり感・聞こえにくさなどです。これは、上咽頭が耳管という耳につながる管が腫瘍で塞がれることによって生じる症状です。鼻の症状としては、鼻血・鼻づまりなどが挙げられます。ただし、これらの症状は上咽頭がん以外の病気の症状としてもみられるため、がんの発見が遅れる可能性があります。症状が続いて不安な場合は、早めに医療機関を受診すると良いでしょう。病状が進行してがんが転移することで症状が表れ、病気が発覚するケースもあります。リンパ節への転移があると首に腫れやしこりが確認されるため、触診での発見が可能です。
また、脳神経に障害が生じるケースもあります。その場合、物が二重に見えるなどの視覚的な症状や、飲み込みにくさなどの症状が表れます。
上咽頭がんの主な原因はなんですか?
上咽頭がんの生存率を教えてください
上咽頭がんの診断と治療について
上咽頭がんの診断におけるチェック項目を教えてください
内視鏡検査は、上咽頭の病変を確認するために行われます。口腔や鼻腔に内視鏡を入れ、上咽頭を確認する方法です。生検では内視鏡で細胞を採取し、細胞を顕微鏡で観察してがん細胞の有無を確認します。CTスキャンは、悪性腫瘍の大きさや広がりを確認する検査です。この検査を行うと、腫瘍の転移などが診断できます。また、がんがリンパ節に転移している場合、リンパ節の腫れが症状として表れます。その腫れを確認するために行われる方法が触診です。
以上の検査を組み合わせて行い、病変が確認できた場合に上咽頭がんであると診断されます。
上咽頭がんの治療方法を教えてください
また、これらの治療方法が病状に応じて組み合わせて行われることもあるでしょう。医師によって適切な治療方法が選択されるため、医師の指示に従って治療を行ってください。
上咽頭がんの予防方法はありますか?
発症した場合には、早期発見することが重要になります。早期発見・早期治療は病気の完治や症状の緩和につながります。できるだけ早く病気を発見するために、定期的に健康診断を受けると良いでしょう。健康診断を受けることで、初期症状がほとんどない場合でも病気を早期発見できる可能性が高くなります。
上咽頭がんの予後について
上咽頭がんのリハビリ期間について教えてください
また、食べものや飲み物が上手に飲み込めないと、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。そのため、嚥下困難になった場合は回復のためのリハビリテーションを行うことが必要です。リハビリテーションは言語聴覚士や看護師の指導を受けながら嚥下訓練を行います。リハビリテーションに必要な期間は治療の内容によりますが、数日~数ヶ月程度になります。
上咽頭がんが再発することはありますか?
また、再発した場合には、早期発見をすることが重要になります。上咽頭がんで再発が多い時期は、治療後2年以内です。2年の間は定期的に検診を行い、早期発見に努めると良いでしょう。ただし、2年経過後も再発する可能性はあるため、定期的な健康診断で再発の有無を確認することが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします
しかし、軽い症状を見逃さず病院を受診すれば、初期段階の状態で発見できる可能性が高くなります。気になる症状があれば、早めに医療機関で診察を受けるようにしましょう。
また、定期的な健康診断も大切です。自覚症状がなくても、健康診断で病変が発見できる場合があります。上咽頭がんの治癒には、早期発見が重要です。通院や定期健診を行い、早期発見ができるように心がけましょう。
編集部まとめ
上咽頭がんは、子供の成長に伴って誰しも起こる病気です。男児に多いですが、過度な運動が原因であるため、女児も十分可能性があります。
上咽頭がんは、上咽頭にできる悪性腫瘍です。EBウイルスの感染や、喫煙・飲酒などの生活習慣によって引き起こされます。
初期症状として鼻づまりなどの鼻の症状や、耳の違和感などの耳の症状が表れます。しかし、自覚症状がみられず、発見が遅れてしまうケースも多いです。
早期発見をすることで、病気のスムーズな治療が期待できます。定期健診を行い、初期症状がみられない場合でも早期発見できるようにしましょう。
また、病気の予防をすることも大切です。過度の喫煙やアルコールは、病気発症のリスクを高めます。
予防のために生活習慣を整え、喫煙・飲酒は控えるようにしましょう。気になることがあれば、早めに医師に相談するようにしてください。