「急性肝炎」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!
自身や家族が急性肝炎と診断されたら、どのような病気なのかと不安や心配で気持ちがふさぎがちになるでしょう。
肝炎には種類があり、急性肝炎にもまた種類があります。病気のことをしっかりと知って対応することが大切です。
今回は急性肝炎について解説していきます。肝炎の種類から症状・原因・潜伏期間などについても解説しています。
また診断や治療方法も紹介しているので、治療のための参考にしてください。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
急性肝炎の種類と症状
急性肝炎とはどのような病気でしょうか?
ウイルスの内、急性肝炎の主な原因となるのはA型とE型で、B型とC型は急性肝炎と慢性肝炎の両方を引き起こす原因となることが多いです。自然治癒の可能性もある病気ですが、放置することで劇症肝炎・急性肝不全などの重篤な症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。
急性肝炎には種類があると聞いたのですが…。
急性:ウイルス性・薬物性・自己免疫性
慢性:ウイルス性・アルコール性疾患…肝硬変・肝がんへの移行あり
急性肝炎の場合には主にA型・E型のウイルスによるウイルス性急性肝炎が多いのです。B型・C型は急性・慢性どちらの肝炎も引き起こす原因となり得ます。D型はB型ウイルスの共存が必須で他のウイルスと少し違うのが特徴です。またウイルス以外の薬物性肝疾患や自己免疫性肝疾患もそれぞれ急性肝炎の種類の1つといえるでしょう。ただし自己免疫性肝疾患は慢性肝疾患の種類にも分類される場合があります。肝硬変や肝がんに移行するのは主に慢性肝炎で、自覚症状がほとんどないままに進むことがあるので注意が必要です。
どのような症状がみられますか?
- 発熱・頭痛など風邪のような症状
- 倦怠感
- 黄疸
- 発熱・頭痛など風邪のような症状
- 吐き気や嘔吐
- 腹痛
急性肝炎の初期段階では風邪とよく似た症状で発熱や喉の痛み頭痛などがあります。全身の倦怠感が表れ、目の結膜や肌が黄色くなる黄疸や尿の色が濃くなることで肝炎と診断されることが多いです。
その後嘔吐・吐き気・腹痛などがひどくなり、尿の色は黒に近くなります。そうなるまでに受診して治療を受けることが大切です。
発症する原因を教えてください。
その他には服用した薬によって肝炎を発症する場合や何らかの要因で免疫機能に障害が起きることで肝炎を発症する場合もあります。
人にうつる病気でしょうか?
またE型ウイルスは食肉などからも感染するため、しっかりと加熱調理を行うことが大切です。
急性肝炎の治療
潜伏期間はどのくらいありますか?
潜伏期間ではありませんが薬の服用による急性肝炎については比較的早く、症状が現れるまでの期間は数時間から数日です。
どのような診断を行うのでしょうか?
その他の検査として血液凝固機能検査やアンモニア値の測定で、急性肝炎の重症度を計る場合もあります。必要に応じて腹部超音波検査や腹部CT検査が行われることもあります。
治療方法を教えてください。
症状が重い場合には次のような薬物療法が行われる場合もあります。
- 輸液による点滴
- 副腎皮質ステロイド薬
- 抗ウイルス剤(B型肝炎の場合)
- 抗ウイルス剤(C型肝炎のみの内服薬)IFN治療
特に必要と医師が判断した場合に限り上記の薬物療法が施されますが、特に抗ウイルス剤に関しては特に慎重な専門医の対応が必要になります。
急性肝炎の場合何よりも安静にすることが大切で、安静にした上で低蛋白質・低脂肪の栄養を補給します。安静にすることで肝臓の機能を回復させ、肝臓の働きを抑えることで肝臓を休ませる効果があるのです。
入院期間はどのくらいでしょうか?
その場合でも2週間前後ということが多いでしょう。もちろん重症化してさらに入院治療が必要となった場合には、1ヶ月以上の入院となることもあるので症状によると考えてください。
急性肝炎の予防
急性肝炎は治る病気でしょうか?
ただ一旦重症化・劇症化してしまうと、なかなか完治し難い病気でもあります。決して無理をせずに早めに受診し医師の診断・判断を仰ぎましょう。
予防する方法はありますか?
その他の予防方法として、生の海産物は避ける・食べ物は火をしっかり通して食べる・手洗いや消毒をしっかり行うなどで感染を抑えることが可能です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
急性肝炎は基本的に安静が主な治療方法で、とにかく安静に横になることで肝臓の機能回復を待つことが重要なのです。無理をしないでしっかりと治すようにしてください。
編集部まとめ
急性肝炎は主にウイルス感染により起こる肝機能障害の病気で、風邪のような初期症状から全身の倦怠感・黄疸・嘔吐・腹痛などが主な症状です。
重症化すると肝不全など重篤な症状になる場合もあるので、重症化することのないように早めに医師の診断を仰ぐことが大切です。
通常急性肝炎の治療方法はとにかく安静にして肝機能を回復させることを目的としています。
また、肝臓の働きを休めさせるために低蛋白質・低脂肪の食事を心掛けることも治療の一環と考えましょう。
そしてウイルス感染を広げることのないように注意して、医師の指示に従い病気の回復につとめてください。