「乱視」の見え方・症状はご存知ですか?医師が監修!
乱視は、近視や遠視と同じ目の屈折異常です。
目の角膜や水晶体の歪みによって、目の中で光の焦点の結ぶ位置が縦と横でずれてしまい、ものが二重三重にぼやけてみえてしまいます。
一方乱視は、軽度を含めるとほとんどすべての人が持つ症状であり、矯正した方がいいケースとそうでないケースがあります。
今回は乱視の見え方の種類や近視とどう違うのかを紹介していきましょう。
また自分が乱視かどうかわかるセルフチェック方法も合わせて紹介しますので、参考にしてください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
乱視の原因や見え方
乱視の原因は何ですか?
この水晶体は周りの筋肉によって厚みを変えることで、遠くのものや近くのものが見えるように調整をしているのです。この調整がうまくいかなくなると、焦点が網膜に合わなくなる屈折異常が起こります。
乱視はこの屈折異常が起き、網膜に焦点が結んでいない状態を指します。遠くのものが見えにくくなる近視、近くのものや遠くのものが見えにくくなる遠視も屈折異常の1つです。
乱視の見え方や症状は?
例えば遠くにある窓枠を見た時に、横枠よりも縦枠の方がはっきり見えるような症状が発生します。しかしながら実際は、人は誰しも角膜や水晶体に歪みを持つものにあり、軽度の乱視があるのです。
生活に支障がない軽度の乱視は問題になりませんが、中〜重度の乱視は視力の低下や眼精疲労に繋がるため、治療をおすすめします。
乱視の種類は?
一方不正乱視は、角膜の表面が不規則に歪み、目から入ってくる光が拡散し網膜にバラバラに届くことによって、ものがぼやけて見える状態を指します。
正乱視は角膜や水晶体の歪みに一定の規則があるので、補正レンズなどで矯正がしやすいです。しかし光がバラバラに拡散してしまう不正乱視は、完全に矯正が難しい場合があります。
不正乱視の原因としては角膜の病気やケガなどで角膜の表面が不規則に歪んでしまうことです。
近視との違いを教えてください。
もっとも強い乱視は視力低下を招きますので、乱視と近視・遠視を併発しているケースもあります。
乱視の検査や対処方法
乱視の検査方法を教えてください
また縦方向と横方向にそれぞれ別の度数が入ったレンズであるクロスシリンダーレンズや、その機能が入った検査機器を使って乱視の測定や度数を測ります。
乱視はメガネやコンタクトレンズで矯正できますか?
一方不正乱視は、メガネやコンタクトレンズでは完全な矯正が難しいものもあります。
乱視は手術で治すことができますか?
日本では、LASIK(レーシック)と有水晶体眼内レンズが有名です。レーシックではフェムトセカンドレーザーというレーザーを用いて角膜の表層部位にフラップを作製し、それをめくって角膜実質を露出させ、そこにレーザーをあてて角膜のカーブを調整することで、屈折力を変え網膜上に焦点を結ぶように矯正する手術です。
有水晶体眼内レンズとは屈折矯正力のある薄い眼内レンズを、目の中に挿入する手術になります。
乱視を放っておくとどうなりますか?
もっとも、人は誰でも多かれ少なかれ乱視を持っているので、軽度の乱視は気にする必要がありません。
乱視のセルフチェックや進行予防
乱視のセルフチェック方法は?
ほか、アムスラーチャートを使ったチェック方法を紹介しましょう。アムスラーチャートとは、黒い四角形にたくさん白い格子状の線が入った図で、中央に白い点があります。この白い点を、片目を隠した状態で約30㎝離して見た時に、周りの白い線がゆがんで見えたり、暗く見えたりした時は強い乱視の可能性があります。
ただこれらはあくまで簡単なチェック方法です。屈折異常や目の異常を感じた時は、眼科医の専門的な検査を受けましょう。
乱視が進行しないようにするには?
乱視は、目のピントのずれを完全に直してしまうと、快適な日常生活が送れないことがあります。乱視の検査及び円柱レンズの度数を決めることは時として難しく、検査数値通りのレンズを処方しても、人によっては合わないと感じることもあります。
ものの見方は結局個人によって変わりますから、軽度の乱視が残った状態での快適な状態というのも個人によって微妙に差があるのです。眼科医としっかり相談しながら、快適なメガネやコンタクトレンズを決めるといいでしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
逆に中~強程度の乱視は、メガネ・コンタクトレンズ・手術による矯正が必要で、放っておくと眼精疲労や視力低下の一因になります。もし、ものが2重3重に見えたり、ぼやけて見えたりした時は視力検査を受けてください。乱視表を用いたセルフチェックもありますので、まずはそちらを試すのもいいでしょう。
編集部まとめ
乱視は、角膜や水晶体の歪みによって、目の縦のピントと横のピントが焦点を結ぶ位置がバラバラになってしまう屈折異常を指します。
症状としてはものが二重三重にぼやけてみえますが、一般的に縦の方向が横の方向より見やすいことが多いです。
また縦と横でピントがずれる正乱視のほか、角膜が傷ついたことによって、目の中で光の焦点がバラバラになってしまう不正乱視と呼ばれる乱視もあります。
正乱視はほとんどメガネ・コンタクトレンズ・手術によって矯正できます。
乱視は放置しておくと、眼精疲労や視力低下を招く可能性がある病気です。もし乱視かなと思った時は、乱視表やアムスラ―チャートで一度目のチェックをしてみましょう。