FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「嗄声(させい)」とは?原因・症状について詳しく解説!【医師監修】

「嗄声(させい)」とは?原因・症状について詳しく解説!【医師監修】

 更新日:2023/04/04
声がかすれる「嗄声(させい)」はご存知ですか?医師が監修!

嗄声は音声障害の症状の一つです。声がガラガラ・声がかすれるなどの音質異常のことを総称して嗄声と呼びます。

嗄声の症状が長引くと会話もままならなくなり、周りとのコミュニケーションに影響がでてしまうため、早めの対処が必要です。

今回は嗄声について、原因・考えられる疾患・対処法についての解説をします。嗄声でお悩みの方は、参考にしてみてください。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

プロフィールをもっと見る
【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

嗄声の特徴と原因

マスクをして辛そうにしている女性

嗄声とはどのような状態ですか?

  • 喉には声を出すための声帯があります。この声帯に異常が起きて、声がかすれてしまったりガラガラ声になったりする状態が嗄声です。
  • 通常の声よりも弱い・しわがれ声・ガラガラ声など音声異常の症状を総称して嗄声といいます。声を酷使する仕事をしている方に起こりやすいです。

嗄声は病名ではなく症状なのですね。

  • 上記でお話した通り、嗄声は声がれなどの音声障害の総称で病気の名前ではありません。そのため、嗄声を治療するためには、まず嗄声を起こしている原因・疾患を特定する必要があります。
  • 病気が原因で嗄声が起こっているならそれにあわせた治療を行い、別の原因があるなら嗄声の原因をなくすための対処をすることになるのです。

嗄声を起こす病気を教えてください。

  • 嗄声を引き起こす可能性がある疾患は下記の通りです。
  • ウイルスや細菌による感染症(上気道炎、クループ症候群、急性喉頭蓋炎など)
  • 急性咽頭炎
  • 声帯ポリープ
  • 声帯結節
  • 癌(喉頭がんなど)
  • 帯状疱疹(ヘルペス)
  • けいれん性発声障害
  • 上気道炎
  • 大動脈瘤
  • 嗄声が起こる原因として多いのは、ウイルスや細菌による感染症です。風邪をはじめ、上気道炎や組ルーム症候群などが原因で嗄声の症状が現れる可能性があります。また、声を酷使するお仕事や趣味をお持ちの方は、声帯ポリープや声帯結節など声帯に関わる疾患を起こす方が多いです。声をだすための反射神経への圧迫や異常も嗄声を起こす原因になります。
  • 甲状腺癌・肺癌・食道癌や胸部大動脈が、反射神経を圧迫するケースも多いです。手術によって神経に障害が起こることで嗄声の症状がでることもあります。

病気以外が原因のこともありますか?

  • 病気以外で嗄声が起こる原因の1つは喫煙です。たばこの煙にはタールが含まれており、気管や気管支を刺激して声帯に炎症を起こします。とくに中年以降の方の喫煙は声帯がむくみ腫れて声がかすれる方も多いです。
  • また、お酒の飲み過ぎも嗄声の原因になります。アルコールも喉を刺激して炎症を引き起こす可能性があるからです。また、カラオケで歌いすぎたときなど喉を酷使した後、声帯が炎症やむくみを起こして、声がかれるケースもあります。
  • 加齢によって嗄声が起こることも多いです。高齢になると、声帯が委縮して息が漏れてしまい、声がかすれてしまう場合があります。

嗄声の対処方法・治療方法

患者と医者

原因が病気ではない場合の対処方法が知りたいです。

  • 嗄声はカラオケで歌いすぎたなど、日常の動作でも起こる症状です。日常の動作が原因で嗄声が起こっている場合は、声を使いすぎないように注意をするだけで改善されることもあります。嗄声が起こった場合は、まずできるだけ声帯を休めるようにしましょう。熱いものや刺激のある飲食物を控えてください。
  • 喫煙や飲酒が原因の場合は、原因となるタバコ・アルコールを控えることで改善される可能性があります。話をする際は嗄声が落ち着くまで、小声にしたり筆談をしたりするのもよいです。喉にかかる負担を少なくすることを意識してください。
  • 炎症が酷い場合など、必要に応じて薬を使用して治療を行います。市販の薬で様子をみてもよいです。声を使う職業の方や早めに改善したい方は、早めに受診しましょう。必要に応じて、トローチや喉スプレーなどの薬を使って改善します。

嗄声の原因を知るために行う検査はありますか?

  • 嗄声の原因を特定するには喉の奥の状態を確認する検査が必要です。咽頭ファイバースコープを使った内視鏡検査を行います。癌や神経麻痺を疑われる場合は、CTやMRIを使った詳細な検査が必要です。
  • 嗄声の症状がある場合は、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう。必要によって呼吸器科や循環器科を紹介されるケースもあります。

病気が隠れていた場合の治療方法を教えてください。

  • 検査の結果、病気が原因で嗄声が起こっている場合はその病気に対する治療が必要です。風邪やインフルエンザなら、薬などで疾患の治療をします。
  • 声帯ポリープや声帯結節が原因の場合は、声帯への刺激を避けることに気をつけながら、吸入や投薬で声帯の炎症を抑える治療で改善されるケースも多いです。ただ、声をださないなどの対応で改善されない場合は、顕微鏡を使用した外科的な切除手術を行います。
  • 喉頭癌が原因の場合は、状態によって放射線治療・抗がん剤治療・手術など、患者さんの状態に適した治療をすることが多いです。腫瘍があっても初期であれば可能な限り喉の機能を温存できるように治療します。

嗄声の注意点

イソジン

症状があるときに気をつけることを教えてください。

  • 嗄声の症状があるときは、改善されるまでの間、できるだけ喉に負担をかけないことが大切です。大声・高すぎる声・低すぎる声は喉に負担がかかるため、症状がある間は控えてください。電話などで長話をしないことも意識しましょう。
  • 喉に違和感があると、咳払いをする方もいますが、咳払いもよくありません。飲酒や喫煙も控えるほうが改善されやすいです。本人はもちろん、周りの方も患者さんの近くでタバコを吸わないように気をつけてください。
  • 下記の4つを意識することで、嗄声の改善だけでなく予防にも繋がります。
  • 喉を冷やさない
  • 湿度を50~60%に保つ
  • 空気の悪いところに長居しない
  • こまめにうがいをする
  • もちろん、気をつけていても症状がなかなか改善しない場合や、早めに治したい場合は病院を受診して適切な治療が必要です。

すぐに受診した方がよいケースを知りたいです。

  • 声のだしすぎや風邪など、嗄声の原因がはっきりわかっている場合は、風邪の治療や声をださないように注意をするだけで改善することがあります。しかし、嗄声を引き起こしている原因がわからない・症状が2週間以上続く・かすれが酷くなる場合は、早めに受診をしてください。嗄声のほかに飲み込みにくい・喉に異物感がある・痛みのないしこりがあるなどの場合は喉頭癌の可能性があるため、受診が必要です。
  • また、突然の嗄声に加えて強い胸痛や呼吸困難を伴う場合は、アレルギーによるアナフィラキシーの可能性があります。アナフィラキシーを起こしている場合は命に関わるため、休日・夜間にかかわらず、速やかに受診をするようにしてください。

原因の病気が治れば嗄声も改善しますか?

  • 嗄声は、癌などが原因でなければ長くても1週間ほどで改善されます。
  • 嗄声を引き起こしている病気が治れば、嗄声も改善される可能性が高いです。風邪やインフルエンザで喉に炎症が起こっている場合は、疾患が治り喉の炎症が治まれば嗄声も改善されます。
  • 悪化させない・早めに治すためにも症状がでている間は、できるだけ喉に負担をかけないように注意をしましょう。2週間〜1カ月たっても症状が改善されない場合は、病院を受診して適切な対処をしてもらうようにしてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

  • 嗄声は声がかれてしまう状態のことをいいます。原因が明らかで一時的な嗄声であれば、喉に負担をかけない工夫・生活習慣の改善や、簡単な治療でよくなることが多いです。声がかすれてしまうと、日常生活の中で人とのコミュニケーションに支障がでる可能性があります。
  • また、嗄声の原因には癌など重篤な病気が隠れているケースもあるため、長引く場合や嗄声のほかに気になる症状がある場合は、受診をして原因の特定と治療をするようにしましょう。
  • また、歌手・教師・アナウンサーなどの声を使う職業の方や、カラオケが趣味の方などで嗄声を繰り返す場合は、喉に負担をかけにくい声の出し方の指導を受けることをおすすめします。

編集部まとめ

喉に違和感を覚える女性

声がかすれる・ガラガラする・声がだしにくいなどの症状の総称が嗄声です。嗄声は喉に負担をかけたことによる炎症や、風邪などの疾患が原因で起こる症状になります。

ヘビースモーカーの方や多量の飲酒など普段からの生活習慣がある方や、声を必要とする職業の方は喉に負担がかかりやすく嗄声の症状も起きやすいです。

喫煙や飲酒の量を減らすなど生活習慣の改善や喉に負担をかけない声の出し方の指導を受けるなどの工夫で、嗄声の予防をしましょう。

嗄声には癌などが原因で起こる可能性もあります。原因がわからない場合や、症状が改善しない・悪化するなどの場合は早めに受診をしてください。

この記事の監修医師