「骨折」とは?症状・種類・治療法についても解説!
転倒やスポーツ時の衝撃などで起こる骨折は、痛みや腫れを伴うためすぐに受診が必要です。また、何度も同じ部位を酷使したり、病気が影響したりすることで骨折することもあります。
骨折を予防するには、安全に十分注意しながら骨を強くする食生活を意識することも大切です。今回は、骨折の種類や症状、原因、治療方法や受診科目などを紹介します。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
骨折とは
骨折とはどのような状態ですか?
骨折の症状
骨折するとどのような症状が現れますか?
骨には痛みを感じる神経が通っていないため、骨自体には痛みがありません。しかし、骨の表面を覆う骨膜が痛みを感知します。そのため、骨膜にダメージがないと痛みを感じない場合もあるのです。
骨折すると、痛みだけでなく外見上の変化もあります。激しい骨折の場合、折れた骨が皮膚を突き破って外から見えるものや、腕や脚などが曲がっているのがわかるものもあります。こういった骨折では、痛みが激しいため動かせません。
一方で、少しヒビが入ったり欠けたりした骨折では、比較的痛みが少ないため、自分で打撲と勘違いしてしまうこともあります。
また、脱臼と症状が似ている場合や脱臼を伴う骨折の場合もあるので、症状が軽くても違和感があれば病院を受診するようにしましょう。
骨折の原因と種類
骨折の原因を教えてください
通常の骨折(完全骨折・不全骨折)
完全骨折と不全骨折はどのような骨折ですか?
また、骨折部が皮膚から露出した骨折を「開放性骨折」、骨折部が粉砕された骨折を「粉砕骨折」(以前、複雑骨折と呼ばれていたもの)と呼びます。
このように、折れた骨の連続性や転位(ずれ)などによって、さまざまな呼び方があります。
疲労骨折
疲労骨折とはどのような骨折ですか?
負荷を与え続けることで骨が耐えられなくなり、多くの場合は骨にヒビが入ります。ヒビが入った状態でさらに運動を続けると、完全に折れてしまうこともあります。
病的骨折
病的骨折とはどのような骨折ですか?
脆弱性骨折
脆弱性骨折とはどのような骨折ですか?
本人が自覚しにくく、気付いたら骨折していることもあります。
脆弱性骨折の代表的な病気
脆弱性骨折の原因となる、骨粗しょう症について教えてください。
骨は、新たな骨が作られる「骨形成」と、溶かして壊す「骨吸収」を繰り返していますが、骨粗しょう症では、このバランスが崩れることで骨の密度が低下します。
骨折しやすいのは、大腿骨頚部(太ももの付け根)や背骨などです。特に女性ホルモンが減少する閉経後の女性に多くみられ、老化との関わりも深いといわれています。
骨折の受診科目
骨折の疑いがある場合、何科を受診すればよいですか?
また、骨折の疑いがある場所はできるだけ動かさないようにしてください。添え木などでできるだけ固定して受診するようにしましょう。
骨折の検査
骨折が疑われる場合は、どのような検査を行いますか?
骨折の性差・年齢差
骨折に性差・年齢差はありますか?
骨折の治療法
骨折をしたら、どのような治療を行いますか?
保存的治療
保存的治療とはどのような治療ですか?
しかし、骨が大きく転位しているとうまく癒合しません。その場合、徒手整復を行ってから固定します。徒手整復とは、手で皮膚の上から骨を本来の位置に戻す方法です。
徒手整復と保存的治療は、軽い骨折で行われます。
手術的治療
手術的治療とはどのような治療ですか?
多くの場合、骨を本来の位置に戻してボルトやネジで固定します。その後は保存的治療と同じように固定したまま安静にして、骨が癒合するのを待ちます。
編集部まとめ
骨折とは、骨が折れたり壊れたりすることをいいます。ヒビが入ったり、一部が欠けたり、へこんだりすることも骨折です。骨折の種類には、「通常の骨折」のほかに「疲労骨折」「病的骨折」「脆弱性骨折」があります。
男性は子ども時代に多く、女性は閉経後の高齢期に多い傾向があります。高齢期には、骨の密度が低下するため、骨粗しょう症による脆弱性骨折のリスクが高まるので、注意してください。
転位が少ない骨折では多くの場合、保存的治療が行われます。一方で、転位の大きい骨折では手術が行われる場合があります。
骨折の疑いがある場合は、整形外科を受診してください。軽い打撲と思ってもヒビが入っていることもあるので、違和感がある場合は自己判断せずに病院で画像検査を受けましょう。
参考文献