「ビオチンのとりすぎ」で現れる症状とは?過剰摂取の原因や不足すると現れる症状も解説!

ビオチンをとりすぎるとどうなる?メディカルドック監修管理栄養士が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
落合 晴美(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「ビオチン」とは?

水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。
糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わる補酵素として働き、エネルギー生成を助けます。
また、神経伝達物質の合成や代謝に関与する酵素の働きを支えることで、神経系の正常な働きにも関わっていると考えられています。
さらに、抗炎症物質の生成に関与することで、アレルギー症状の緩和に役立つ可能性が示唆されています。
ビオチンの一日の摂取量

『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、ビオチンの1日の摂取目安量を、12歳以上の男女ともに50μgとしています。
ビオチンは腸内細菌によっても合成されますが、必要量を十分に維持できないため、食品からの摂取が基本となります。
また、通常の食事による摂取では、過剰摂取による健康被害の報告はほとんどなく、耐容上限量は設定されていません。
ビオチンの効果

皮膚・粘膜の健康維持
細胞の代謝やターンオーバーをサポートし、皮膚や粘膜の健康維持に役立つと考えられています。外部刺激を受けやすい肌や口腔内を健やかな状態に保つことが期待されます。
アレルギー症状の緩和
抗炎症物質の生成に関与することで、アレルギー症状の緩和に役立つ可能性があります。皮膚や粘膜の炎症を起こしにくい状態を保つサポート役ともいえます。
エネルギー代謝のサポート
糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わる補酵素として働き、エネルギー生成を助けるとされています。日常活動や体温維持に必要なエネルギー産生を支えます。
ビオチンをとりすぎると現れる症状

ビオチンは水溶性ビタミンであり、通常の食事からの摂取で過剰になることはほとんどないとされています。ただし、インターネット上の情報などでは、高用量のサプリメントを継続的に摂取した場合に「摂りすぎ」になる可能性があるといった記載もみられます。また、ビオチンは単独自のサプリメントだけでなく、ビタミンB群サプリメントや一部のマルチビタミン・ミネラル製品にも含まれていることがあります。そのため、複数の製品を併用することで、知らないうちに摂取量が多くなる可能性があると指摘する情報もあります。
吐き気・下痢などの軽い消化器症状
インターネット検索レベルでは、高用量摂取により、まれに吐き気や下痢などの軽い消化器症状がみられることがある、とする記載も見受けられます。ただし、これらは一過性で軽度であることが多いとされ、ビオチンとの因果関係が明確でないケースもあります。体調に変化を感じた場合は、摂取を中止し、医療機関に相談しましょう。
皮膚の発疹やかゆみ
高用量摂取時に、発疹やかゆみなどの皮膚症状が現れる可能性があると紹介している情報もあります。ただし、ビオチンそのものの影響なのか、サプリメントに含まれる他の成分によるものなのかは明確でない場合もあります。症状が出た場合は、自己判断せず医師に相談することが大切です。
血液検査結果への影響
一方で、医学的に注意喚起がなされているものとして、高用量ビオチンが血液検査結果に影響を及ぼす可能性が挙げられます。特に、ビオチンを測定系に用いる免疫測定法による検査(甲状腺ホルモンや心臓マーカーなど)では、実際とは異なる値を示すことがあると報告されています。サプリメントを使用している場合は、検査前に服用状況を医療スタッフへ申告することが重要です。
ビオチンが多い食品

鶏レバー/生
▼100 gあたりのビオチン含有量:230.0μg
レバーはビオチンを非常に多く含む代表的な食材で、特に鶏レバーは含有量がトップクラスです。種類によって幅はありますが、豚レバー/生は80.0μg、牛レバー/生は76.0μg、豚スモークレバーは130.0μg、豚レバーペーストは29.0μg(いずれも100gあたり)が含まれています。
落花生/いり
▼100 gあたりのビオチン含有量:110.0μg
ナッツ類や大豆製品などの植物性食品にも、ビオチンが比較的多く含まれています。
他には、落花生/乾は92.0μg、ヘーゼルナッツ/フライ/味付けは82.0μg、アーモンド/フライ/味付けは60.0μg、高野豆腐は21.0μg、糸引き納豆は18.2μg(いずれも100gあたり)が含まれています。
鶏卵/卵黄/生
▼100 gあたりのビオチン含有量:65.0μg
鶏卵の特に生の卵黄にはビオチンが多く含まれています。一方、生の卵白にはアビジンという成分も含まれており、ビオチンの吸収を妨げることがあります。そのため、生卵や卵白を大量に継続して摂取すると、ビオチン不足の原因になる可能性があります。しかし通常の摂取量であれば大きな問題はないとされています。また、アビジンは加熱によって変性し、ビオチンと結合する力を失うため、加熱した卵であれば吸収阻害の心配はありません。なお、鶏卵のビオチン含有量は、卵黄/ゆでは54.0μg、全卵/生は24.0μg、全卵/ゆでは25.0μg、全卵/目玉焼きは27.0μg(いずれも100gあたり)とされています。
ビオチンが不足すると現れる症状

肌トラブル
不足すると、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れ、湿疹のような皮膚の赤み・乾燥、皮膚炎(ウロコのようになり皮膚が剥がれ落ちていく)が起こることがあります。重度の欠乏では、口や目、耳の周囲などから症状が現れ、徐々に広がるケースも報告されています。
髪の悩み
不足すると、細胞分裂が活発な皮膚や粘膜、髪、爪などに影響が出やすわれます。毛髪をつくる細胞の働きが低下し、髪の成長が遅れたり、細く切れやすくなったり、頭皮の乾燥や炎症によって抜け毛が増える可能性があります。ただし、加齢や遺伝など他の要因による場合も多く、ビオチン不足だけが原因とは限りません。
神経症状
ビオチンは糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助ける補酵素として働くだけでなく、神経の正常な機能にも関与しています。そのため、欠乏が進行すると神経系に関連する症状が現れることがあります。具体的には、抑うつ気分、無気力、集中力の低下などの精神症状や、手足のしびれ、ピリピリとした異常感覚(知覚異常)などが報告されています。重度の場合には、けいれんや発達遅延(乳児の場合)などがみられることもあります。
ビオチンの効率的な摂取方法

食事から摂る
ビオチンは水溶性ビタミンのため、ゆで汁に溶け出しやすく体内に蓄積されにくい性質があり、煮汁ごと食べられる料理や蒸し料理を取り入れ、バランスのよい食事を継続することが安定した摂取につながります。また、生の卵白に含まれる「アビジン」はビオチンの吸収を妨げますが、加熱するとその作用は失われるため、卵はゆで卵や目玉焼きなど加熱調理で摂ることが望ましいとされています。
腸内環境を整える
ビオチンは食事から摂取するだけでなく、腸内細菌によって体内でも一部が作られています。そのため、腸内環境が乱れていると、ビオチンの利用効率が低下する可能性があります。日頃から、発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)や食物繊維(野菜、海藻、豆類など)を意識して取り入れ、腸内環境を整えることが、ビオチンを効率よく活かすための大切なポイントです。
サプリメントの活用
食事だけで十分な量を摂るのが難しい場合は、サプリメントの活用も一つの方法です。
ビオチンは水溶性ビタミンのため、通常の摂取で重大な健康被害が報告されている栄養素ではありませんが、高用量を摂取した場合、まれに胃の不調や下痢などが起こる可能性や、血液検査に影響する場合があります。
含有量や成分を確認し、必要以上の摂取は避けましょう。
心配な場合は、医療専門家に相談してください。
「ビオチンのとりすぎ」についてよくある質問

ここまでビオチンを紹介しました。ここでは「ビオチンのとりすぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
ビオチンにはどのような効果がありますか?
落合 晴美
ビオチンは、食べた栄養をエネルギーに変える働きを助け、肌や髪の健康を支えるビタミンです。ただし、ビオチンは多く摂れば摂るほど効果が高まるものではありません。普段の食事で必要量は十分に補えていることが多く、過剰に摂取しても目に見える効果が出るとは限りません。まずはバランスのよい食事を大切にし、サプリメントを利用する場合も、目安量を参考に無理のない範囲で取り入れましょう。
まとめ
ビオチンは水溶性ビタミンで、体内に蓄えにくく、余分に摂取した分は尿として排出されやすい性質があります。そのため、通常の食事であれば過剰摂取による健康被害の心配はほとんどありませんが、毎日の食事の中でこまめに補うことが大切です。
一方で、サプリメントなどから高用量の摂取を長期間続けた場合には、まれに体調不良がみられたり、血液検査の数値に影響を及ぼすことがあります。そのため、「多く摂れば効果が高まる」という栄養素ではないことを理解し、必要以上の摂取は控えることが大切です。
日々の食事では、特定の食品やサプリメントに偏らず、さまざまな食品を組み合わせたバランスのよい食事を心がけることが、ビオチンを安全に、上手に活かす基本となります。
「ビオチン」と関連する病気
「ビオチン」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「ビオチン」と関連する症状
「ビオチン」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。
ビオチンに関連する症状
- 皮膚炎
- 萎縮性舌炎
- 食欲不振
- むかつき
- 吐き気
- 憂うつ感
- 顔面蒼白
- 性感異常
- 前胸部の痛み
- 皮膚の赤み
- 切れ毛
- だるさ
- 手足のしびれ




