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「パプリカ」と「ピーマン」の“意外な違い”は? 食べ過ぎで起きる不調も解説!

 公開日:2026/02/06
「パプリカ」と「ピーマン」の“意外な違い”は? 食べ過ぎで起きる不調も解説!

パプリカとピーマンの違いは?メディカルドック監修医が栄養素・健康効果・食べる時の注意点・保存方法について解説します。

池田 早苗

監修管理栄養士
池田 早苗(管理栄養士)

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委託給食会社勤務後、企業での商品開発や食品表示作成などを経て、現在は介護施設にて栄養管理業務に従事。

パプリカとは?

パプリカとは?

パプリカは、南米熱帯地方原産のナス科トウガラシ属に分類されるカラーピーマンの一種です。カラーピーマンとは、従来の緑色とは異なる色のピーマンの総称で、細長いくさび型や扁平のトマト型、小型のピーマンタイプなど、さまざまな形や大きさがあります。その中でも100g程度以上の大型で肉厚のものをパプリカと呼びます。パプリカの色は赤・黄・オレンジ・白・黒・茶・紫・緑と様々で、赤・黄・オレンジ・茶は完熟した色、白・黒・紫・緑は未熟から完熟する過程で見られる色です。日本で一般的に流通しているのは大型のベル型品種で、熟すにつれて緑色から色づき、甘みも増していきます。
また、香辛料として使用されるパプリカパウダーは果肉を乾燥させて粉末状にしたもので、辛味がなく野菜として流通しているパプリカとは別品種になります。

ピーマンとは?

ピーマンとは?

ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜で、見た目はパプリカに似ていますが、未熟な実を収穫した緑色のピーマンが一般的です。
「ピーマン」という名称はフランス語のpiment(ピマン)に由来し、元々は唐辛子全般を指す言葉でした。
ピーマンが日本に伝わったのは明治初期ですが、戦後、食の欧米化と共に一般家庭にも広まりました。近年では、子ども向けに苦みの少ない品種も開発されています。

パプリカとピーマンの違いとは?

パプリカとピーマンの違いとは?

項目 パプリカ ピーマン
収穫時期 完熟してから収穫 未熟な緑色の状態で収穫
味わい・風味 甘みが強くフルーティー 特有の青臭さや苦みがある
食感・果肉 大型で肉厚、柔らかくジューシー 比較的小型で果肉は薄くシャキシャキ

パプリカとピーマンは、収穫時期や味わい、食感、栄養価などに違いがあり、料理や好みに応じて使い分けられます。パプリカは完熟してから収穫されるため、鮮やかな色と甘みが特徴です。大型で肉厚,食感は柔らかくジューシーで、甘みが強くフルーティーな風味があるため、生でも加熱でも食べやすい野菜です。
一方、ピーマンは未熟な緑色の状態で収穫されることが多く、特有の青臭さや苦みがあります。比較的小型で果肉は薄くシャキシャキとした食感で、炒め物などの加熱調理に向いています。

パプリカとカラーピーマンの違いとは?

パプリカとカラーピーマンの違いとは?

パプリカとカラーピーマンの違いは、主に日本での呼び方や流通・食文化上の使い分けによるものです。
パプリカは主に大型のベル型品種を指し、比較的高価で輸入品が多い点が特徴です。
一方、カラーピーマンは「色のついたピーマン」を総称する呼び名で、赤や黄色などに色づいたピーマン全般を指します。品種は中型から大型まで幅があり、完熟度や甘さにはばらつきがあります。パプリカほど甘味が強くない場合もありますが、通常の緑ピーマンに比べると苦味は少なく、加熱調理や生食に使いやすい野菜です。国産品が多く、用途や価格帯も比較的幅広いのが特徴です。
また、日本食品標準成分表では、パプリカもカラーピーマンもピーマン類の「赤ピーマン」「黄ピーマン」などとして扱われ、栄養成分上の区分は同じです。

パプリカに含まれる栄養素

パプリカに含まれる栄養素

ビタミンC

パプリカはビタミンCが豊富です。ピーマン100gあたり76mgに対し、赤パプリカは100gあたり170mg、黄・オレンジパプリカは150mgと、いずれもパプリカの方が約2倍以上のビタミンCが含まれています。
ビタミンCは免疫力を保ち、ウイルスや細菌から体を守る働きがあります。また、コラーゲンの生成を助けて肌の健康を保ち、抗酸化作用によりストレスや疲れによって弱った体の防御機能を支える働きもあります。

β-カロテン

β-カロテンの含有量はパプリカの色によって大きく異なり、赤パプリカ100gあたり940㎍、黄パプリカは160㎍、オレンジパプリカは420㎍と差がみられます。ピーマンには100gあたり400㎍含まれています。
β-カロテンは抗酸化作用により活性酸素を抑え、細胞のダメージや老化を防ぎます。また、体内で必要に応じてビタミンAに変換され、目の健康や皮膚・粘膜を守り、免疫力の維持にも役立ちます。

ビタミンE

ビタミンEの含有量は、赤パプリカ100gあたり4.3mg、黄パプリカは2.4mg、オレンジパプリカは3.1mgです。ピーマンには100gあたり0.8mg含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用が非常に強く、過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化抑制や、赤血球の膜を保護する作用もあることが知られています。また、細胞の酸化を防ぐため老化防止も期待できます。

パプリカの健康効果

パプリカの健康効果

免疫力の向上

パプリカには、免疫力をサポートする栄養素が豊富に含まれています。特にビタミンCは白血球の働きを助け、体を守る力を高める役割があります。また、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンEも含まれており、細胞のダメージを防ぐことで免疫機能の維持に役立ちます。

健康的な肌づくり

パプリカにはビタミンCやカロテノイドが豊富に含まれており、肌の健康を内側からサポートします。ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。さらに、抗酸化作用によって紫外線やストレスで発生する活性酸素の影響を抑え、シミ・くすみ・乾燥の予防にも役立ちます。

ストレス軽減

パプリカに豊富に含まれるビタミンCは、ストレス軽減に役立つと考えられています。精神的・身体的なストレスを受けると、体内ではストレスホルモンが分泌されますが、ビタミンCはこのホルモンの合成や分泌に関わるため消費量が増えます。その結果、不足すると疲労感やイライラなどの症状が起こりやすくなります。パプリカを食事に取り入れることで、心と体のバランスを整え、ストレスに負けにくい体づくりをサポートします。

パプリカを食べる時の注意点

パプリカを食べる時の注意点

食べ過ぎに注意

パプリカは食物繊維を多く含むため、食べ過ぎると胃腸が弱い人ではお腹の張りや消化不良を起こす可能性があります。また、β-カロテンも豊富で、体内では必要に応じてビタミンAに変換されますが、過剰に摂取するとビタミンAの摂り過ぎにつながり、頭痛や吐き気、めまいなどの症状が現れることも考えられます。毎日食べる場合は1日1~2個程度を目安とし、サプリメントを併用している場合は表示されている用量を守るなど、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

アレルギーのリスク

パプリカは一般的にアレルギーを起こしにくい野菜ですが、ナス、トマト、じゃがいもなどのナス科の野菜や、ラテックスにアレルギーがある人などでは、まれにアレルギー反応が報告されています。症状としては口や喉のかゆみ、蕁麻疹、腹痛、下痢などです。このように他のアレルゲンと反応して起こる症状を「交差反応」と呼びます。加熱すると症状が出にくくなることがありますが、重いアレルギーがある場合は少量でも注意し、必要に応じて医師に相談することをおすすめします。

農薬残留の影響

日本国内で流通しているパプリカの約90%は輸入品といわれています。輸入される農産物は、日本国内で定められた厳しい基準をクリアし、残留農薬などの安全性が確保されたものだけが市場に出回っていますが、心配な場合は調理前に水でしっかりと洗ってから食べるようにしましょう。

パプリカを効率的に摂取する方法

パプリカを効率的に摂取する方法

生で食べる

パプリカに豊富に含まれるビタミンCは熱に弱いため、生で食べると損失を抑えられます。また、水溶性のビタミンであるため水にも弱く、調理の際は最初に水で洗ってから切るようにしたり、切るときは繊維に沿って縦切りにすると、栄養をより効率よく摂ることができます。

油と一緒に食べる

パプリカに含まれるβ-カロテンやビタミンEは脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂ると体内への吸収率が高まります。オリーブオイルやごま油などで和えたり、軽く炒めたりすると、効率よく摂取できます。

加熱しすぎない

強火や長時間の加熱は、ビタミンCの減少につながります。そのため、パプリカはサッと炒めるか蒸すなどの調理法がおすすめです。

パプリカの保存方法や期間

パプリカの保存方法や期間

冷蔵保存

丸ごとのパプリカは、涼しい時期であれば常温でも保存できますが、基本的には冷蔵保存がおすすめです。丸ごとの場合は、1個ずつキッチンペーパーに包んでからビニール袋などの保存袋に入れます。パプリカは水分が多いワタから傷むため、カットする場合は縦半分に切ってワタと種を取り除くこと。水気に弱いため、切り口の水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ってから、乾燥を防ぐためにラップで包むのがポイントです。丸みがある方を下にすると重さで傷みやすくなるので、切り口を下にして野菜室で保存します。目安の保存期間は7日から10日です。

冷凍保存

冷凍の場合も同様にワタや種を取り除き、細切りや乱切りなど食べやすく切ってから冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。目安の保存期間は1カ月です。凍った状態で炒め物などの加熱調理に使用でき、サラダなどのトッピングなど生で食べる場合は冷蔵庫で自然解凍するようにしましょう。

「パプリカとピーマンの違い」についてよくある質問

「パプリカとピーマンの違い」についてよくある質問

ここまでパプリカについて紹介しました。ここでは「パプリカとピーマンの違い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

ピーマンが熟すとパプリカになるのでしょうか

池田 早苗池田 早苗

ピーマンもパプリカも、どちらもナス科トウガラシ属の野菜ですが、それぞれ別の品種です。ピーマンは、未熟な緑色のうちに収穫されることが多く、完熟すると赤くなりますが、それは「赤ピーマン」と呼ばれ、パプリカとは異なります。一方パプリカは、緑色の未熟な状態から完熟すると赤・黄色・オレンジ色などに色づき、甘みが強くなるのが特徴です。

パプリカがカラフルな色をしているのはなぜでしょうか

池田 早苗池田 早苗

パプリカがカラフルな色をしているのは、成熟の過程で含まれる色素が変化するためです。もともとパプリカは未熟なうちは緑色で、この時期は葉と同じ「クロロフィル(葉緑素)」という色素が多く含まれています。成長して完熟するとクロロフィルが減り、代わりに赤パプリカではカプサンチンなどの赤色系色素、黄パプリカではβ-カロテンやルテインなどの黄~オレンジ色系色素が多くなります。また、オレンジパプリカでは赤色系と黄色系の色素が混ざることでオレンジ色に変化します。このように、それぞれの色素によってパプリカは鮮やかな色を持つようになります。

まとめ

パプリカとピーマンは、大きさや収穫時期、味、食感、栄養価などに違いがあります。パプリカはビタミンCやβ-カロテン,ビタミンEが豊富で、免疫力向上や美肌づくり、ストレス軽減などの効果が期待できます。また、色によって栄養素の含まれる量が異なりますが、パプリカとカラーピーマンは植物学的に明確な違いはないとされ、栄養成分上の区分は同じです。パプリカやピーマンそれぞれの特徴を活かし、調理法や料理に合わせて使い分けながら、日常の食事に効率的に取り入れていきましょう。

「パプリカ」と関連する病気

「パプリカ」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内分泌・代謝系の病気

  • カロテン血症
  • 柑皮症

「パプリカ」と関連する症状

「パプリカ」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

パプリカに関連する症状

この記事の監修管理栄養士