「もやしを食べ過ぎる」と体にどんな異変が? お手頃食材の盲点を管理栄養士が解説!

もやしを食べ過ぎるとどうなる?メディカルドック管理栄養士がもやし・豆もやしを食べた際の症状や、一日の摂取量・栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
鈴木 友美(管理栄養士)
健診センターでの特定保健指導・栄養相談の経験を生かして、より多くの方々の健康をサポートできるように知識を深めています。
目次 -INDEX-
もやしとは?

日本では、平安時代に書かれた最古の薬草書『本草和名(ほんぞうわみょう)』に「毛也之(もやし)」として記載されており、当時は薬用として栽培されていたと伝えられています。
もやしは種類ごとに食感や風味が異なり、料理の仕上がりにも大きく影響します。
それぞれの特徴を知っておくと、料理の幅がぐっと広がります。
以下では、代表的なもやしを紹介します。
◎緑豆もやし
最も一般的に流通しているもやしで、原料の緑豆は中国原産の「青小豆」とも呼ばれる豆です。
太めの軸で食べごたえがあり、みずみずしい食感が特徴です。
春雨の原料としても知られています。
◎黒まめもやし(ブラックマッペ)
シャキシャキした歯ごたえと、豆の自然な甘みが魅力のもやしです。
原料の黒豆(ブラックマッペ)は小豆に近い品種で、インドの「ナン」にも使われる豆です。
豆もやしとは?

韓国料理のナムルやチゲに欠かせない、大きな豆が付いたもやしです。
青森県・大鰐(おおわに)温泉では江戸時代から栽培されてきた歴史があり、豆の部分までおいしく食べられるのが特徴です。
歯ごたえがしっかりしており、加熱しても食感が損なわれにくい点が特徴です。
通常のもやしが「軽くてみずみずしい食感」を楽しむのに対し、豆もやしは「豆の旨みとしっかりした食感」を味わえます。
もやしは一日1袋まで食べて良い?

・もやしは1日1袋まで食べてよいのか
厚生労働省が推進している「健康日本21(第三次)」では、生活習慣病予防や健康維持のために、1日の野菜摂取量350g以上を目標としています。そのうち、緑黄色野菜を120g以上とし、残りを淡色野菜で補うことが推奨されています。
もやしは淡色野菜のひとつで、1袋あたり約200g前後のものが一般的です。そのため、1日1袋程度であれば野菜摂取量を補う選択肢のひとつといえるでしょう。ただし、もやしだけで野菜量を満たすのではなく、緑黄色野菜も組み合わせてバランスよく取り入れることが大切です。
また、炒め物やナムルなどにする場合は、調味料や油の使いすぎによって塩分や脂質が増えないよう注意しましょう。
・もやしの1日の上限量
もやしに明確な摂取上限は設けられていません。健康な方であれば、適量を食事の一部として取り入れる分には問題ないと考えられます。
ただし、一度に大量に食べると食物繊維の影響でお腹が張ったり、ゆるくなったりすることがあります。体調に合わせて量を調整し、さまざまな野菜や主菜・主食と組み合わせた食事を心がけることが重要です。
もやしに含まれる栄養素

アスパラギン酸
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、スタミナ維持や疲労回復を助ける働きがあります。
もやしの中でも特に大豆もやしに多く含まれているのが特徴です。
そのほかにも、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが体内で働きやすいように手助けをしたり、アンモニアの排出やたんぱく質づくり、記憶や学習に関わる脳の働きにも関与していると言われています。
また、食品添加物としても使われ、うま味を生み出す成分としても知られています。
カリウム
カリウムはミネラルの一種で、心臓や筋肉の働きをサポートし、血圧の安定にも役立つ成分です。
余分なナトリウムを体外へ排出しやすくするため、塩分を摂りすぎた日の調整役としても頼りになります。
また、水分バランスの維持にも関わっているため、むくみが気になる方にも適した栄養素です。
食物繊維
食物繊維は腸の働きを整えたり、小腸での栄養吸収をゆるやかにして食後の血糖値の急な上昇を抑える働きをしてくれます。
もやしには腸内環境を整え、血糖値やコレステロールの上昇を抑える働きが期待できる水溶性食物繊維と便のかさを増やして腸を刺激し、便通を促すことで便秘の改善に役立つ不溶性食物繊維どちらも含まれています。
特に多く含まれるのは不溶性食物繊維です。
葉酸
もやしに含まれている葉酸はビタミンB群のひとつで、赤血球をつくるために欠かせないことから「造血のビタミン」と呼ばれています。
貧血を防ぐ働きのほかにも、口内炎の予防や病気への抵抗力を高める作用も期待できます。
また、葉酸は細胞の増殖を支えるDNAの合成に関わっており、特に妊娠初期の胎児の成長にとても大切な役割をしています。
ビタミンC
もやしには抗酸化作用のあるビタミンCが含まれており、体内で過剰に発生すると細胞を傷つけ、老化や病気のリスクを高める要因となる活性酸素から細胞を守る役割があります。
また、ビタミンCは皮膚や腱、軟骨などをつくるコラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、不足すると血管がもろくなる要因となり、出血しやすくなることがあります。
もやしの健康効果

むくみ対策に役立つ
むくみの一因には、塩分(ナトリウム)のとり過ぎによる体内の水分バランスの乱れが関係していることがあります。カリウムは、体内の余分なナトリウムの排出を助ける働きがあるため、食事から適切に摂取することが大切です。
もやしにもカリウムが含まれており、なかでも豆もやしは緑豆もやしと比べてカリウムを多く含む傾向があります。そのため、日々の食事に取り入れることで、塩分摂取が多くなりがちな方の栄養バランスを整える一助となるでしょう。
ただし、むくみの原因は塩分だけでなく、運動不足や長時間同じ姿勢でいること、ホルモンバランスの変化などさまざまです。特に腎機能に不安がある方は、カリウム摂取について医師に相談することが望ましいでしょう。
腸内環境の改善
もやしには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、どちらもバランスよくとることで便秘対策に役立つ食材です。
食物繊維は人の消化酵素では分解されず、そのまま腸まで届くのが特徴です。
なかでも不溶性食物繊維は、水分を吸ってふくらみながら便のかさを増やし、腸をやさしく刺激して自然なお通じを促してくれます。
一方で水溶性食物繊維は、腸内の環境を整える働きがあり、こうした働きは便秘の改善だけでなく、腸内環境が整うことで肌の調子にも良い影響が期待できるため、大切な栄養素といえます。
肌の調子を整えるサポート
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、体を守る力を支えるだけでなく、肌の調子を整えるうえでも大切な役割を果たします。
風邪などへの抵抗力を高めたり、鉄分の吸収を助けたりと、日々の健康を支える働きに加えて、肌のハリを保つために欠かせないコラーゲンの生成にも関わっています。
もやしの食べ過ぎで現れる症状

下痢・軟便になりやすい
もやしには食物繊維が含まれているため、食べ過ぎると腸が刺激され、下痢や軟便につながることがあります。
特に胃腸が敏感な方は、急に量を増やすことでお腹がゆるくなりやすいため、体調に合わせてほどよい量を心がけることが大切です。
栄養バランスの偏り
もやしは低カロリーでヘルシーな食材ですが、それだけに頼りすぎると必要な栄養が不足してしまうことがあります。
ビタミンやたんぱく質など、他の食品からとりたい栄養素も多いため、もやしはあくまで“プラス一品”として取り入れ、バランスの良い食事を意識することが大切です。
腹痛・ゴロゴロしやすい
食物繊維が多いもやしを一度にたくさん食べると、腸内でガスが発生しやすくなり、お腹がゴロゴロしたり張ったりすることがあります。
特に不溶性食物繊維は便のかさを増やす働きがあるため、量が多いと負担になりやすいことがあります。
ゆっくり噛んで食べたり、加熱して消化しやすくすることで負担を軽減できます。
豆もやしの食べ過ぎで現れる症状

食べ過ぎによる体への影響
豆もやしは、一般的な緑豆もやしに比べてたんぱく質をやや多く含むのが特徴です。ただし、通常の食事量であれば、豆もやしだけでたんぱく質の摂り過ぎになることはほとんどありません。一方で、どの食品でも同様ですが、一度に大量に食べると消化器に負担がかかり、お腹の張りや不快感につながることがあります。特に腎臓の病気などで医師からたんぱく質やカリウムの摂取制限を指示されている方は、事前に医師へ相談することが大切です。
おなかのハリや便秘になりやすい
豆もやしには不溶性食物繊維が多く含まれており、お腹の張りやゴロゴロ感につながることがあります。
水分が不足していると便が固くなり、かえって便秘を招くことも。ゆっくり噛んで食べたり、水分をしっかりとることで、負担をやわらげることができます。
もやしを効率的に摂取する方法

加熱は短時間にする
もやしは火が通りやすい食材なので、長く加熱するとビタミンCなどの水溶性の栄養素が失われやすくなります。
サッと炒めたり、短時間でゆでることで、栄養をできるだけ残したままおいしく食べられます。
スープなど汁ごと飲めるメニューにする
ビタミンCやカリウムなど、水に溶けやすい栄養素はゆで汁に流れ出やすい性質があります。
スープや味噌汁など“汁ごといただける料理”にすると、溶け出した栄養素も無駄なくとることができます。
蒸して栄養素の流出を最小限に
蒸し調理は水に直接触れないため、栄養素の流出を抑えながら加熱できる方法です。
シャキッとした食感も残りやすく、もやしの風味をやさしく楽しめます。
もやしの保存方法や期間

| 保存方法 | 保存期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵(袋のまま) | 2〜3日 | 購入当日の使用が理想 |
| 冷蔵(水に浸す) | 3〜5日 | 毎日取り替える |
| 冷凍保存 | 約1か月 | 水気を切り平らにして凍らせる |
もやしの保存方法
冷蔵する時は、袋から出して水を張った容器に入れ、ふたをして保存するとシャキシャキ感が長持ちします。
水に浸す保存の場合、水は毎日取り替える。
冷凍する場合は、水気をしっかり切って保存袋に入れ、平らにならして冷凍庫へ。
凍ったままスープや炒め物に使えるので、忙しい時にも便利です。
もやしの保存方法や期間
常温保存は傷みが早いため、購入した当日に使うようにしましょう。
冷蔵保存では、袋のままなら2〜3日、水に浸して保存すると3〜5日ほど持ちます。
冷凍保存なら約1か月ほど保存可能で、食感はやや柔らかくなりますが、炒め物や汁物に使うには十分です。
「もやしの食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまでもやしについて紹介しました。ここでは「もやしの食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
もやしを毎日食べるとどんな効果が現れますか
鈴木 友美
もやしを毎日食べることで、食物繊維やビタミンC、葉酸、カリウムなどを摂取することができるのでお腹を整える効果や、かさがあるので満足感が得やすかったりと体にも嬉しい効果が期待できます。
もやしを毎日食べる場合、1日何袋までなら良いでしょうか?
鈴木 友美
毎日食べる量の目安としては、1日1袋(約200g)程度が、無理なく続けやすい量といえるでしょう。もやしは食物繊維を含むため、体質や体調によっては一度に多く食べるとお腹が張ったり、ゆるくなることがあります。そのため、様子を見ながら量を調整することが大切です。また、もやしは低カロリーで取り入れやすい反面、それだけに偏ると栄養バランスが崩れやすくなります。ほかの野菜や主菜・主食と組み合わせ、毎日の食事の一部として上手に取り入れましょう。
まとめ
もやしは種類ごとに食感や栄養が異なり、料理に取り入れやすい身近な食材です。
アスパラギン酸やカリウム、食物繊維、ビタミンCなどが含まれ、むくみ対策や腸内環境の改善、肌の調子を整えるサポートなど、健康面でも役立ちます。
ただし、食べ過ぎるとお腹の張りや下痢、栄養の偏りにつながることがあるため、ほかの食材と組み合わせながら適量を意識することが大切です。
調理や保存の工夫を取り入れれば、毎日の食事に無理なく活用できます。
「もやし」と関連する病気
「もやし」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内分泌・代謝系の病気
- 下痢
- 腹痛
「もやし」と関連する症状
「もやし」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
もやしに関連する症状
- ガスがたまりやすい
- お腹の張り
- 軽い腹痛
- 下痢
- 吐き気

