「じゃがいもは何の予防効果」が期待できるかご存じですか?管理栄養士が解説!

じゃがいもの効果とは?メディカルドック監修医がじゃがいもの健康効果・含まれる栄養素・効率的な摂取方法・保存方法・摂取する際の注意点などを解説します。

監修管理栄養士:
寒河江 陽子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「じゃがいも」とは?

原産地は、南アメリカの中央アンデス高地。植物分類学上はナス科に分類される野菜の一種です。旬は5〜6月と9〜12月の2回。地下にある茎の先端にでんぷんなどの栄養分を蓄えて大きくなったものです。メークインや男爵など品種も豊富です。
じゃがいもに含まれる栄養素

100g当たり炭水化物17.3g、ビタミンC28mg、カリウム410mg、食物繊維8.9mg、ビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン)、ミネラル(リン、マグネシウム)等が含まれています。
炭水化物
炭水化物は唾液や消化酵素によってブドウ糖に分解され、身体や脳のエネルギーとして利用されます。摂り過ぎると脂肪として蓄積されます。
ビタミンC
ビタミンCは、抗酸化作用とコラーゲンの合成に関与する働きがあり、体内の老化を防ぎ皮膚や粘膜を健やかに保つために必要な栄養素です。
じゃがいもに含まれるビタミンCは、でんぷんに包まれているため加熱しても壊れにくく効率よく摂取することができます。
カリウム
カリウムには体液の浸透圧をナトリウムと拮抗してバランスを保つ働きがあり、体内のナトリウム量の調節をします。筋肉の収縮や神経の伝達を正常に保つ働きに関与しています。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる働きがあります。
食物繊維
食物繊維は、腸内環境を改善する働きがあり、水分を吸収して便をやわらかくし排便を促します。また食後の血糖値上昇を抑える作用、コレステロールを吸着して体外に排出する作用もあり、生活習慣病の発症率と死亡率が低くなることが報告されています。
ビタミンB群とミネラル
ビタミンB群はエネルギーの産生と代謝の補酵素に必要な栄養素です。ミネラルも糖質、脂質、タンパク質の代謝に関与しており、体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。体内での代謝を助ける酵素の補助や身体の構成要素と調整に関与しています。
じゃがいもの健康効果

美肌と老化予防
コラーゲンの合成や強い抗酸化作用があるビタミンCが多く含まれているため、肌にハリを持たせ血管や粘膜、骨、軟骨、筋肉を丈夫にして傷の修復をします。
また有害な活性酸素の働きを抑えて老化を防ぎます。
腸内環境の改善
食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整え便通の改善に役立ちます。
高血圧の予防
カリウムが豊富に含まれているため、体内の余分なナトリウムを排泄して血圧の上昇を抑えます。
じゃがいものダイエットに対する効果

低カロリーで栄養豊富
じゃがいもは食べ応えがある割に食物繊維が豊富で腹持ちが良く、腸内環境を整えて便通の改善が期待できます。またご飯やパンに比べて低カロリーなため主食の置き換えにも有効な食材といえます。
血糖値の上昇を抑える
じゃがいものでんぷんは冷めるとレジスタントスターチに変化し、食物繊維と同じ働きをします。食後の血糖値の上昇を抑える作用があります。
脂質の代謝を促進
ビタミンB2が脂質の代謝をサポートするため、脂肪をエネルギーに変えやすくします。
じゃがいもの栄養素を効率的に摂取する方法

じゃがいもと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
じゃがいもと同じくカリウムが豊富な大豆製品と一緒に摂取することで、体内の余分なナトリウムの排泄を促す効果が期待できます。味噌汁やミネストローネなどはいかがでしょうか。また、じゃがいもはタンパク質が100gあたり1.8gと少ないので、大豆製品のタンパク質が不足を補ってくれます。じゃがいもだけ単品で食べず他の食品と組み合わせて、じゃがいもの栄養素を効率的に摂取しましょう。
じゃがいもの栄養効果を高める摂取タイミング
朝食や昼食、間食で食べることがおすすめです。その日の活動エネルギーとなり消費ができると考えられます。夕食や遅い時間に食べると消費されずに脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。
じゃがいもを食べる際の注意点

芽が出ている・皮が緑のものは避ける
天然の毒素であるソラニンなどのステロイドアルカロイド配糖体が含まれるので、芽が出ていたり、皮に緑色の部分があるじゃがいもは避けるようにしましょう。芽は取り除く、緑色の皮の部分は厚めに剥くなどすれば食べることができます。
じゃがいもをたくさん食べる際は、主食の量を少なめに
エネルギーが過剰になるので、じゃがいもをたくさん食べる食事の際には、ごはんやパンなどの主食の量を少し控えるなど調整しましょう。
ゆで汁を有効活用しましょう
ゆでることで水溶性のビタミンが流出するため、ゆで汁ごと摂取できる汁物やレンジ調理がおすすめです。疾患等でカリウムの制限がある方には向かないので注意が必要です。
じゃがいもの保存方法や期間

じゃがいもの鮮度を保つ保存方法
太陽光や蛍光灯などの光にあたる、20℃以上になると発芽、腐敗しやすくなるため、10℃くらいの冷暗所が好ましいです。かごなどに入れて、通気性の良い場所で保存しましょう。
切ったものは水に浸けて保存容器に入れ、冷蔵庫で保存し2~3日で使うようにしましょう。生のまま冷凍すると味や食感が落ちます。マッシュポテトの状態にし、ラップや保存袋で平たくして冷凍すると1か月保存できます。
じゃがいもの保存期間
室温で3か月程度保存がききます。家庭で長期保存をせずにその都度新鮮なものを購入するのも良いでしょう。
「じゃがいもの効果」についてよくある質問

ここまでじゃがいもの効果を紹介しました。ここでは「じゃがいもの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
じゃがいもは毎日食べても大丈夫なのでしょうか?
寒河江 陽子
問題ありません。和洋中いろいろな料理に使え、主食にも副菜にもなれる食品です。煮る、蒸す、揚げるなど調理法を変えて楽しむことができます。
じゃがいもと白米どちらが太りにくいですか?
寒河江 陽子
同じ量を食べるなら、じゃがいもの方がエネルギー量(カロリー)が低いので太りにくいといえます。味付けや調理にマヨネーズやバターなど油を使用するとエネルギーが過剰になってしまうので注意が必要です。
まとめ
いろんな料理に使え、栄養豊富なじゃがいも。野菜の中でも炭水化物が多いので主食の代わりにもなります。食べ過ぎには注意が必要ですが、他の食品と組み合わせて色々な料理に挑戦してみてください。
「じゃがいも」と関連する病気
「じゃがいも」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系の病気
- ソラニンによる食中毒
「じゃがいも」と関連する症状
「じゃがいも」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 吐き気、嘔吐
- 腹痛、下痢
- めまい、頭痛
