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「カリウムの効果」とは?不足するとどのような症状が現れる?管理栄養士が徹底解説!

 公開日:2025/09/01
「カリウムの効果」とは?不足するとどのような症状が現れる?管理栄養士が徹底解説!

カリウムの効果とは?Medical DOC監修医がカリウムの効果・一日の摂取量・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

工藤 恭子

監修管理栄養士
工藤 恭子(管理栄養士)

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専門学校を卒業後、栄養士として実業団のバレーボール部に所属し選手の食事作りに関わる。その後も第一子出産までスポーツ選手の栄養管理に関わり、出産後は専業主婦に。子育てが一段落してからフリーランスで大学教授の研究の手伝い、弁当屋の献立作成、産院での調乳指導等を経て、現在は市の保健センターで管理栄養士として、日々乳幼児から高齢者に関わっている。勤続7年目。

「カリウム」とは?

「カリウム」とは?

人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内には120g~200gのカリウムが含まれています。遊離イオンやリン酸塩、たんぱく質との結合体としてそのほとんどが細胞内にありますが、ごく一部は血液やリンパなどの体液(細胞外液)や骨にも含まれています。
カリウムは、細胞の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。一方、不足するとこれらの働きに影響することはもちろん、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。健康な人では過剰摂取によるリスクは低いですが、腎機能が低下している場合やサプリメントでの極端な摂取によって、高カリウム血症を引き起こすことがあります。また、健康な人は下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合を除き、カリウム欠乏を起こすことはまずないと言われています。

カリウムの一日の摂取量

カリウムの一日の摂取量

・一日の摂取量(目標量)について
3~5歳 男性 1600㎎以上  女性 1400㎎以上
6~7歳 男性 1800㎎以上 女性 1600㎎以上
8~9歳 男性 2000㎎以上 女性 1800㎎以上
10~11歳 男性 2200㎎以上 女性 2000㎎以上
12~14歳 男性 2600㎎以上 女性 2400㎎以上
15歳以上 男性 3000㎎以上 女性 2600㎎以上
妊婦・授乳婦 2600㎎以上

カリウムの効果

カリウムの効果

ナトリウムを排出する

カリウムには細胞の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。細胞外液のナトリウムが多くなると浸透圧を調整するために、ナトリウムを排泄して均等を保ちます。そのため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。

血圧を下げる

体内のナトリウム量が多くなった時に、そのナトリウムによって血圧が上がります。と同時に細胞の浸透圧も変化します。そのためカリウムが浸透圧を調整するために、ナトリウムを体外に排出する効果も持っていることから、血圧が下がります。

筋肉の働きを維持

身体はカリウムとナトリウムが協力して筋肉を動かしています。細胞膜にカリウムイオンとナトリウムイオンが出入りすることで電気信号が発生し、筋肉の収縮・弛緩を起こしています。

体内の水分を調整する

細胞壁にはカリウムとナトリウムのバランスによって働くポンプの機能が備わっています。この機能によって細胞内外の水分量を調整していて、どちらかが多すぎたり少なすぎたりすると働きに支障が起こります。

神経の伝導に関与する

神経細胞の働きは、カリウムイオンとナトリウムイオンが細胞膜の内外で電位差を作り、この電圧の変化によって神経細胞が信号を送り、末端へと伝わる仕組みになります。

カリウムが不足すると現れる症状

カリウムが不足すると現れる症状

むくみ

カリウム不足が間接的にむくみの原因となる可能性がありますが、主な原因は塩分の摂りすぎや水分の排出不全です。カリウムはむくみを予防する補助的な役割を果たします。

高血圧

カリウムの働きである体内の余計な塩分を体外に排出する効果が弱まり、血圧を下げることが難しくなります。

だるさや脱力感

カリウムは細胞の浸透圧を維持しているので、不足すると水分調節がうまくいかず、細胞活動が減退し、だるさや脱力感に繋がります。

筋肉の収縮異常

カリウムは筋肉の収縮に関わっているので、不足すると正常な収縮ができず、筋肉の収縮異常が起き、けいれんを引き起こします。

不整脈

カリウムは筋肉の収縮に関わるため、心臓の収縮にも関わります。不足すること正常な収縮ができず、不整脈の原因になります。

カリウムを過剰摂取すると現れる症状

カリウムを過剰摂取すると現れる症状

健康な人は大量に摂取した場合でも体内の調整機構が働くので、通常はカリウムが過剰になることはまれですが、腎臓の機能に障害のある方はカリウムが正常に排出されず、身体に蓄積して高カリウム血症を引き起こします。

消化機能の低下

細胞内外の浸透圧のバランスが崩れることで、電解質の異常が消化器系にも影響を及ぼします。これにより、胃腸の働きが低下し、結果的に食欲が減退する可能性があります。カリウムの過剰摂取が続く場合は注意が必要です。

しびれ

カリウムの過剰摂取が直接的にしびれを引き起こすという確実な根拠は少ないですが、電解質のバランスが崩れることで神経の働きに影響を及ぼす可能性はあります。

脱力感

細胞の浸透圧を維持しているので、不足すると水分調節がうまくいかず、細胞活動が減退し、脱力感に繋がります。

不整脈

カリウムは筋肉の収縮に関わるため、心臓の収縮にも関わります。過剰でも正常な収縮ができず、不整脈の原因になります。

筋肉の低下

神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっているが、そもそも体液の浸透圧を決定する重要な因子であるため、過不足で乱れれば、筋肉の収縮がうまく働かなくなります。
 

カリウムを多く含む食品

カリウムを多く含む食品

野菜類

葉物野菜や緑黄色野菜に多く含まれ、ほうれん草、ブロッコリーは特に豊富。ただ、カリウムは水溶性のため、ゆでることでお湯に流出して減る性質があります。電子レンジや蒸すなどの調理方法やスープなどで煮汁も一緒に摂る事をお勧めします。

海藻類

海苔やひじきといった海藻類の食品にもカリウムは含まれています。水に溶けやすい性質のため、海苔は生で、ひじきは煮物で、わかめは味噌汁にして汁も一緒に摂るようにしましょう。

大豆・大豆製品

豆腐や納豆などの大豆製品類にも多く含まれています。豆乳は飲むだけで手軽に摂ることができます。

いも類

葉物野菜に比べると、ゆでてもカリウムの損失量が少ないいも類。さらに減らしたくない場合は、丸ごとの状態で調理したほうがよいでしょう。

果物類

バナナに多く含まれるイメージが強いのですが、さらに豊富なのがアボカド。果物はどれも生で食べられるので、流出を抑えてしっかり摂ることができます。

カリウムの効果的な摂取方法

カリウムの効果的な摂取方法

カリウムを多く含む食品の摂取

カリウムは、緑黄色野菜や果物、海藻、豆類、いも類などに多く含まれています。

カリウムと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

カリウムは水に溶けやすい性質があるため、効率的に摂取するには、生のまま食べる、茹でる代わりにレンジで加熱する、スープなどにして汁ごと食べるといった方法があります。

カリウムの効果を高める摂取タイミング

基本的にはいつ食べても良いですが、カリウムは、水溶性で水に溶けやすい成分なので、こまめに摂取するのがよいでしょう。また、利尿作用のあるお茶やコーヒー、ビールなどのアルコール飲料を摂りすぎるとカリウムが排泄されやすくなります。

「カリウムの効果」についてよくある質問

「カリウムの効果」についてよくある質問

ここまでカリウムの効果を紹介しました。ここでは「カリウムの効果」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

カリウムを多く含むフルーツについて教えてください。

工藤 恭子工藤 恭子

ドライバナナやドライマンゴー、干し柿など、水分が抜けている加工食品はやはり100g当たりのカリウム含有量が非常に多いですが、ドライフルーツは果実が濃縮されて糖分が多くなるため、食べ過ぎには注意が必要です。バナナは果物のなかではカリウム含有量が多く、生でも手軽に食べられるのでお勧めです。だた、生のフルーツにも果糖が多く含まれていますので、食べ過ぎに注意が必要です。

カリウムが不足している際、何をどのように摂取すると効率的ですか?

工藤 恭子工藤 恭子

カリウムは、緑黄色野菜や果物、海藻、豆類、いも類などに多く含まれています。ただ、水に溶けやすい性質があるため、レンジで加熱する、スープなどにして汁ごと食べるといった方法がお勧めです。また、果物は生のまま食べることが出来るので効率的にカリウムを摂ることが出来ます。医師の診断によって、グルコンサンK(グルコン酸カリウム)や、アスパラカリウム(アスパラギン酸カリウム)、塩化カリウムといったカリウム製剤(経口剤)が処方される場合があります。

まとめ

カリウムは人間にとって欠かせない必須ミネラルの一つです。細胞内液の浸透圧を調節する他、神経伝達や筋肉の収縮、ナトリウムの排出などさまざまな役割を担っています。そのため、不足しても過剰でもこれらの働きに異常が出る他、だるさや脱力感、筋力の低下、痙攣(けいれん)などの症状を引き起こす恐れがあります。基本的にはカリウムはたくさんの食品に含まれているため、通常の食生活を送っていれば不足することはありませんが、下痢や嘔吐、大量の発汗、利尿剤の服用の場合は低カリウム血症を引き起こします。また過剰摂取は高カリウム血症を引き起こす恐れがありますが、腎機能が正常であれば尿としてカリウムを体外に排出するため心配する必要はほとんどないといえます。

「カリウム」と関連する病気

「カリウム」と関連する病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

整形外科の病気

  • しびれ
  • 筋肉のけいれん

内科の病気

  • 脱力感
  • 食欲不振

「カリウム」と関連する症状

「カリウム」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • むくみ
  • だるさ
  • 脱力感
  • 食欲不振
  • しびれ
  • 筋肉のけいれん

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