アフター ピル(緊急避妊薬)はいつまでに服用すれば効果が期待できる?必要なケース・副作用も解説
低用量ピルの飲み忘れなどで予定外の妊娠をするとそれまでの生活を変えてしまいます。
また、予定外の妊娠は若年層の場合も多く、就学や収入などの問題や育児環境などにも影響するのです。
一方、緊急避妊法アフターピルを72時間以内に服用することで妊娠率を大きく下げることがわかっています。
ただし、アフターピル(緊急避妊薬)は医薬品であるため、さまざまな副作用もあるので本記事ではアフターピル服用の効果や副作用について解説します。
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アフターピル(緊急避妊薬)はいつまでに服用すれば効果が期待できる?
緊急避妊薬アフターピルは、避妊しないで行われた性交または、避妊したが十分な結果が得られていないときなどに服用する緊急避難的に服用する薬です。性交前に服用する低用量経口避妊薬(ピル)や避妊方法のように計画的に妊娠を回避するものではありません。
また、アフターピルは2018年3月より厚生労働省のオンライン診療の適切な実施に関する指針において、オンライン診療のもと、研修を受けた薬剤師によって調剤を受けることが可能になりました。
ただし、この指針は今はまだ調査段階のため、一部の薬局のみの対応になります。
72時間以内に服用する必要がある
アフターピルは、性交後72時間以内にできるだけ速く1回1錠服用することを奨励しています。このアフターピルは黄体ホルモンを含んでいるため、排卵の抑制や受精の妨害の作用があるのです。
また、アフターピルを服用するとその後、5~7日間は子宮内膜の変化で、排卵が抑制され着床しにくくなるとされています。そのため、避妊の失敗が排卵日に重なっていたとしても、受精卵は子宮内膜に着床できないため、妊娠の予防になるのです。
正確に使用することで80%以上の効果が期待できるとされる
アフターピルは、72時間以内に服用すると約80%の女性に効果が5日間は続くことが実証されています。また、妊娠阻止率は性交後24時間以内で95%、25~48時間では85%、48~72時間で58%と服用時間が遅くなればその効果は低下するのです。
ただし、72時間を過ぎても避妊効果がまったくなくなるわけではないので、性交後120時間以内であれば効果を期待することはできます。なお、アフターピルを服用した場合の72時間以内の平均妊娠阻止率は85%です。
避妊をするなら低用量ピルなどを使用する必要がある
避妊するなら性交前に服用する低用量ピルやコンドームなどの利用が求められるでしょう。1年間欠かさず低用量ピルを服用した場合の、妊娠率は0.3%でたまに飲み忘れることがある場合の妊娠率は8.0%という統計がでています。
また、コンドームを利用すると妊娠率は2.0%になるため、低用量ピルの避妊率の高さが窺えます。ただし、低用量ピルは避妊が目的で使用するもので性病や性感染症を予防するものではありません。
アフターピルが必要となるケース
避妊しないで性交をした場合やコンドームが裂けた、低用量ピルの飲み忘れなどで妊娠が心配な場合、アフターピルで妊娠率を下げることは前述してきました。ただし、アフターピルは100%避妊できるものではないことも覚えておきましょう。
また、アフターピルは中絶薬ではないので着床してから服用しても効果は得らません。そのため。性交後すみやかに服用する必要があります。なお、アフターピルは排卵を遅らせることがあるので服用後の性交で妊娠する可能性もあります。
低用量ピルを飲み忘れた
低用量ピルとは、卵胞刺激ホルモンまたは黄体化ホルモンの分泌を抑制することで卵胞の発育・排卵を抑制する効果があるのです。ただし、7日間連続して服用する必要があり、服用を止めると排卵する可能性があります。
なお、ほとんどの場合長期間服用しても安全だと認められていますが、稀に以下のようなリスクがあります。
- 気持ちが悪くなる
- 嘔吐
- 頭痛
- 不正性器出血
- 静脈血栓塞栓症
- 出血性脳卒中
- 虚血性心疾患
- 乳がん
- 子宮頸がん
- 体重増加
低用量ピルを服用すると避妊以外での副効果があることも立証されています。例えば月経困難症・貧血・子宮外妊娠・卵巣がんなどほかにも多数のメリットが報告されているのです。
コンドームが破けた
コンドームを使用した場合の妊娠率は全体の2.0%といわれています。避妊をしないで性交を行った場合の確率は46.0%のため、コンドームを正しく使用した場合の妊娠率が低いことがわかるでしょう。
なお、コンドームが破損する原因は爪など尖ったものでひっかいて破れることが多い原因とされています。また、コンドームは男性用と女性が膣内に装着するものがあります。
コンドームのような避妊具は避妊の回避のほかに性感染症などのリスクも減少できるので、コンドームの破けなどの事故がないように注意しましょう。
避妊するのを忘れてしまった
低用量ピルを1週目に3錠以上飲み忘れた場合や、飲み始めが3日以上遅れた場合の性交は全体の30%で妊娠する可能性がでてきます。なお、ひと月の月経周期中では6日間の妊娠可能期間はあるのです。
そのため、最終月経が不確か・月経周期が不規則などの人は妊娠するリスクがより高まるので、妊娠を望まない場合は早めにアフターピルを服用することをおすすめします。
アフターピルの副作用は?
アフターピルは、1970年代の半ばより使用されてきました。副作用は性器出血・頭痛・吐き気・倦怠感・下腹部痛・めまい・乳房の張り・生理周期の乱れなどがいわれていますが、国内で発症した副作用の症例は全体の7.96%です。また、副作用がでた場合もおおよそ24時間以内に自然に改善します。
不正出血
不正出血は、消退出血や着床出血とは別のものです。消退出血の量はそれほど多くないのが特徴です。出血量が意外に多い場合やずっと続く場合は着床出血や不正出血と考えられます。
なお、出血が3日以上続き粘質性の黒っぽい血の場合は月経の可能性があります。一方、消退出血や着床出血はさらさらした血です。
頭痛
アフターピルの副作用には頭痛があります。アフターピルには多量の黄体ホルモンが含まれているため、頭痛を引き起こす場合があるのです。
なお、黄体ホルモンは月経前にも急激に増加するので、月経前にいつも頭痛が起こるという人はアフターピルの服用で頭痛を発症するリスクは高いでしょう。
吐き気
アフターピルを服用すると、3.6%の人に悪心(気分が悪くなる)がみられますが、嘔吐はほとんど認められません。ただし、アフターピルの服用後2時間以内に嘔吐した場合は、アフターピルの成分を同時に吐き出した可能性があるためただちに1錠追加で飲む必要があります。
なお、吐き気は基本的には24時間以内に治まりますが、それ以上に続く場合は薬を処方してもらった医師に相談しましょう。
月経周期の乱れ
アフターピルの服用に際しては服用後の月経周期の乱れが頻繁に認められます。なお、臨床試験では16%の方が予定の月経日とは関係なく、アフターピルの服用後7日以内に出血がみられました。
また、ほぼ50%の女性に数日前後月経がずれ込むことが確認されています。そして、アフターピル服用後21日以内に血液中のエストロゲンとプロゲステロンが減少して性器出血が起こるという報告があります。なお、この消退出血は避妊成功のサインといわれているのです。
まとめ
アフターピルは、緊急避妊法として使用が認められ性交後72時間以内であれば高い確率で避妊できます。
ただし、あくまでもアフターピルは、予定外の妊娠のリスクを減少するために使用するものです。なお、アフターピルには服用が禁止されている症状があります。
- アフターピルの成分によるアレルギーの既往歴がある
- 重篤な肝障害患者さん
- 妊婦
肝障害患者さん・心疾患・腎疾患の既往歴がある人にはアフターピルの服用には注意が必要とされています。
予定しない妊娠のリスクを抱えた場合、男性より女性が抱えるリスクが数段多くなります。
「妊娠しているのではないか」と心配な場合は、早急にアフターピルを医師に処方してもらうようにしましょう。