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メジコンの効果とは?咳止め薬メジコン錠15mgの基本情報や副作用を解説

 更新日:2024/07/11
メジコン 効果

風邪で咳が止まらなかったりのどが痛かったりして病院を受診した際に、メジコンを処方されたことがありませんか。

処方どおりに服用してみたものの、実際にどのような効果がある薬なのか気になる方も多いでしょう。また、処方されたものの薬に含まれる成分・副作用などが心配な方も少なくありません。

この記事ではメジコンの効果や基本情報・副作用を解説します。メジコンについて詳しい情報を知りたい方は参考にしてください。

吉田 大貴

監修薬剤師
吉田 大貴(薬剤師)

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経歴
城西大学薬学部卒 株式会社pharb所属

保有免許・資格
薬剤師免許、認知症研修認定薬剤師

メジコンの効果とは?

薬を飲む
メジコンはデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を有効成分とする咳止め薬です。メジコンは、以下の疾患に伴う咳に対して効果があります。

  • 感冒
  • 急性気管支炎
  • 慢性気管支炎
  • 気管支拡張症
  • 肺炎
  • 肺結核
  • 上気道炎(咽喉頭炎・鼻カタル)

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が、脳の下部にある延髄の咳中枢に直接作用し咳反射を抑えることで咳止めの効果を発揮します。
延髄は呼吸・嘔吐・嚥下・消化・心拍数などをコントロールする脳幹の一部です。メジコンは咳の原因改善ではなく、咳の症状そのものを抑える対症療法を目的として処方されます。

メジコン錠15mgの基本情報

錠剤
前述のとおり、メジコン錠15mgの成分はデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物で、気管支炎・肺炎・上気道炎などによる咳の症状を止める治療に用いられる薬です。ここではメジコン錠15mgについて以下の基本情報を解説します。

  • 成分
  • 効果
  • 用法・用量
  • 使用上の注意

成分

メジコン錠15mgの有効成分は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物です。また、添加剤として乳糖水和物・トウモロコシデンプン・結晶セルロース・ステアリン酸マグネシウム・タルク・白色セラミック・ヒマシ油が含まれています。
添加剤は薬剤の有効成分以外に含まれる成分を指し、製剤化しやすくする・品質を安定させる・薬剤の有用性を高めるなどの目的で添加される成分です。

効果

メジコン錠15mgは、以下のような疾患における発咳に対して効果がある薬剤です。激しい咳が続いてつらい場合などに、咳の症状を抑える薬剤として処方されます。

  • 感冒
  • 急性気管支炎
  • 慢性気管支炎
  • 気管支拡張症
  • 肺炎
  • 肺結核
  • 上気道炎(咽喉頭炎・鼻カタル)

また、気管支造影術・気管支鏡検査時の咳嗽にも効果がある薬です。

用法・用量

メジコン錠15mは通常、成人には1回1〜2錠を1日1〜4回経口投与します。用法・用量は年齢や症状により適宜増減するため、医師からご自身に処方された量・回数にしたがって服用するようにしましょう。

使用上の注意

メジコン錠15mgの使用において留意したい注意点は、基本的な注意事項・特定の背景を有する患者さんに関する注意事項・薬の併用に関する注意事項の3つがあります。基本的な注意事項は、メジコン錠を服用した際には眠気が出現する場合があるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないことです。
次に、特定の背景を有する患者さんとは、妊婦・授乳婦・小児・高齢者が該当します。妊娠中もしくは妊娠している可能性がある女性は、メジコン錠15mgによる治療の有益性が薬の服用による危険性を上回る場合にのみ投与します。
授乳中の女性においては、授乳の継続または中止の検討が必要です。小児患者さんの場合は、小児に対する臨床試験が実施されていないことから、服用には注意が必要とされています。
高齢者は一般的に生理機能が低下していると考えられるので、服用時には減量するなどの配慮を要します。加えて、メジコン錠15mgを過去に服用し、過敏症の既往歴がある方への投与はできません。また、以下の薬剤は併用に注意することとされています。

  • 選択的MAO-B阻害薬(セレギリン塩酸塩・ラサギリンメシル酸塩・サフィナミドメシル酸塩)
  • CYP2D6を阻害する薬(キニジン・アミオダロン・テルビナフィンなど)
  • セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤など)

選択的MAO-B阻害薬は脳内のセロトニン濃度を高める効果があり、メジコン錠15mgと併用することでさらにセロトニンの濃度を高めてしまいセロトニン症候群を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
CYP2D6とは体内で薬物を代謝する酵素で、この酵素の働きを阻害する作用がある薬剤と併用する場合は、メジコン錠15mgの成分の代謝が阻害され血中濃度が高くなるおそれがあります。セロトニン作用薬はメジコン錠15mgと併用すると、セロトニン作用が強くあらわれセロトニン症候群などの症状を発現することがあります。
このようにメジコン錠15mgには併用に注意が必要な薬剤が複数あるため、処方された際にほかの薬を服用している場合は、医師・薬剤師に相談するとよいでしょう。

メジコン錠15mgの副作用

薬とマスク
メジコン錠15mgを服用して副作用があらわれた場合には、薬剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこととされています。
薬剤を服用して体に異常があらわれた場合は、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。メジコン錠15mgで確認されている主な副作用は、以下のとおりです。

  • 眠気
  • 頭痛
  • めまい
  • 悪心・嘔吐
  • 便秘
  • 蕁麻疹

それぞれの副作用について詳しく解説します。

眠気

メジコン錠15mgの代表的な副作用として眠気があります。メジコン錠15mgの有効成分であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、中枢神経をコントロールする延髄に作用するため眠気が起こりやすくなります。
発生頻度は0.1〜5%未満です。前述のとおり、服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作は控えるようにしましょう。

頭痛

メジコン錠15mgを服用することで頭痛の副作用があらわれることが確認されています。眠気と同じく、有効成分のデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が延髄に作用し、中枢神経系に影響を与えることが原因とされています。
発生頻度は0.1〜5%未満です。頭痛は副作用ではなくほかの疾患が原因で引き起こされている場合もあるので、自己判断せず医師・薬剤師に相談しましょう。

めまい

自分や周りのものが回転しているように感じたり、ふわふわしているような感覚がしたりするめまいも、メジコン錠15mgの副作用としてあらわれることがあります。前述の眠気・頭痛と同じく、メジコン錠15mgに含まれるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が延髄の中枢神経を刺激することが原因です。発生頻度は0.1〜5%未満です。
めまいも副作用ではなくほかの疾患で引き起こされている場合があるため、症状があらわれたら医師・薬剤師に相談しましょう。

悪心・嘔吐

メジコン錠15mgを服用することで、悪心・嘔吐が副作用としてあらわれることがあります。悪心とは胃がムカムカしたり、のど・胸・みぞおちあたりに不快感や気持ち悪さを感じたりし、吐きそうになる感覚のことです。
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が作用する延髄には消化器をコントロールする機能があるため、薬剤の影響を受け悪心・嘔吐を引き起こすことが原因になります。
発生頻度は0.1〜5%未満です。食欲不振・腹痛も同時にあらわれる場合もあるため、服用中の食事や対処法など医師に相談したうえで療養するとよいでしょう。

便秘

悪心・嘔吐と同じく、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が延髄に作用し消化器にも影響が出ることで、便秘の副作用があらわれる場合があります。発生頻度は0.1~5%未満です。
便秘がひどかったり療養に影響が出るようであれば下剤などを服用して症状を改善することもあるため、気になる場合は医師に相談してみるとよいでしょう。

蕁麻疹

蕁麻疹はメジコン錠15mgの過敏症によりあらわれる発疹です。重篤な副作用とされるショック・アナフィラキシーに伴い見られる症状で、蕁麻疹が確認された場合は服用を中止し、今後処方されることはありません。
このほか呼吸困難・血管浮腫などの症状が見られた場合には、医師によりメジコン錠15mgの投与が中止されます。発現頻度不明の副作用です。メジコン錠15mgを服用して蕁麻疹が出た場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

編集部まとめ

薬局
咳止め薬として処方されるメジコン錠15mgの基本情報・副作用についてまとめました。延髄にある咳中枢に直接作用するため、咳が止まらないのど風邪・肺炎などで処方されることが多い薬剤です。

メジコン錠15mgには注意事項や副作用があるため、服用の際は必ず医師の指示に従うようにしましょう。副作用が発現したり、気になる症状があったりする場合はすぐに医師・薬剤師に相談してください。

適切にメジコンを服用することで、順調な症状の回復が期待できるでしょう。

この記事の監修薬剤師