「女性のこめかみが薄毛」になる原因はご存知ですか?対策や目立たない髪型も解説!
こめかみ部分の薄毛が目立つようになり、悩んでいる人はいらっしゃるのではないでしょうか。
女性の場合、一般的には頭皮全体が徐々に薄毛になっていく人が多いですが、まれに側頭部のこめかみ部分が薄毛になる人もいます。
また、自分で予防できるのか、それともクリニックや病院で受診した方が良いのか、悩む人もいるでしょう。
そこでこの記事では、こめかみ薄毛は治るかについて解説します。また、原因や対策方法についても解説するので、参考にしてください。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
女性のこめかみ薄毛は治る?
こめかみ薄毛が気になり出すと、治るか不安と考える人が多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、女性のこめかみ薄毛は治療を行うことで治る可能性が高いです。
女性の薄毛にはさまざまな症状がありますが、代表的な症状は下記の通りです。
- びまん性脱毛症:頭全体や、まだら状に髪の毛が抜ける脱毛症。ストレスが原因の場合があり、頭頂部が薄くなることが多い。
- 円形脱毛症:頭皮の一部で円形状に髪の毛が抜ける脱毛症。原因は解明されていないが、ストレスや自己免疫疾患が関わっている可能性がある。
- 牽引性脱毛症:同じ場所を強く引っ張られることで起こる脱毛症。女性の場合、ポニーテールや、エクステを付けている人に多い。
- 産後脱毛症:妊娠・出産に伴うホルモン変化によって起こる脱毛症。一時的な症状で、ホルモンの分泌が通常に戻ると解消されることが多い。
上記以外にも症状はありますが、女性の薄毛は一般的にびまん性脱毛症が多いと考えられています。病院やクリニックでご自身の症状を把握し、早期の治療に取り組みましょう。
こめかみ薄毛の原因
こめかみ薄毛を治すためには、原因を把握することが重要です。ここからは、原因と合わせて症状についても詳しく解説します。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンの1つにエストロゲンと呼ばれるホルモンがあります。エストロゲンは、髪の毛の成長期間を維持する働きがありますが、20代をピークに徐々に減少していきます。
そのため、加齢によってエストロゲンの分泌が低下し、髪の毛が細くなり薄毛になってしまうのです。また、出産の影響で減少し、一時的にこめかみ薄毛の症状が起こる可能性もあるでしょう。
過度なストレス
過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱す原因です。さらに、精神面や身体面にも影響が出て薄毛の進行を早めてしまいます。
過度なストレスによる症状は以下の通りです。
- 不眠症:不眠症とはストレスにより自律神経が乱れることで、夜になっても眠れない症状です。不眠症になると成長ホルモンが分泌されにくくなるため、薄毛が進行してしまうでしょう。
- 血行不良:頭皮の血行から栄養が送られることにより、髪の毛は成長します。その際、自律神経によって血行をコントロールしていますが、過度なストレスを受けてしまうと自律神経が乱れ血管が縮小してしまいます。その結果、血流が減少し、血行不良が起き薄毛になりやすくなるでしょう。
- アドレナリンの過剰分泌:ストレスを受けると、アドレナリンが体内で分泌されます。アドレナリンは活性酸素を発生させる作用があり、過剰に発生すると酸化が進み、頭皮の皮脂汚れが過酸化脂質に変わってしまいます。過酸化脂質は粘性の特徴を持ち、毛穴に詰まりやすく、放置しておくと炎症を起こす場合もあるでしょう。その結果、髪の毛の成長を妨げてしまい、薄毛や脱毛症を引き起こす原因となってしまいます。
上記の通り過度なストレスにより、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。どの症状も最終的には、頭皮や髪の毛にダメージを与えてしまうため、ストレスを溜め込まない生活を心がけると良いでしょう。
食生活の乱れ
食事からとれる栄養は髪の毛をはじめ、肌や体調の健康を維持する重要な役割を果たしています。そのため、毎日同じ食べ物を食べている人は、栄養が足りなくなるので注意が必要です。
特に、コレステロールや中性脂肪が多いものは、薄毛だけでなく肥満にも繋がってしまいます。また、過度なダイエットで食事をとらない人も、栄養不足に陥ってしまうでしょう。
食生活が乱れている人は、髪の毛の成長には栄養が必要なことを念頭において、食生活の見直しをしましょう。
頭皮へのダメージ
パーマやヘアカラーなどによる、頭皮のダメージもこめかみ薄毛の原因の一つです。肌に安全な薬剤を使っているものの、刺激が強いため薬剤を使った後に頭皮が赤くなり、重度の場合は炎症を起こすこともあります。かゆみが生じ我慢できず頭皮をかいてしまい、さらにダメージを与えてしまう場合もあるでしょう。
一方で、白髪が増えてきて見た目も気になるため、どうしても髪を染めたい人もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合、市販で売っているカラー材を使うのではなく、美容院で頭皮の状態をカウンセリングしてもらいましょう。あなたの頭皮にあったカラー材を選んでくれるため安心です。
また、パーマを検討されている人は、この記事を参考にした上で、極力控えていただくことをおすすめします。一度頭皮にダメージを与えてしまうと元の状態に戻るまで時間がかかるため、パーマやカラーは慎重に検討しましょう。
こめかみ薄毛の対策法
原因がわかっても対策方法がわかっていなければ、こめかみ薄毛を防ぐことはできません。ここからは、対策方法を解説していきます。
ご自身の生活を見直すだけでできる対策方法ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
ストレスを減らす
上述の「過度なストレス」で解説したように、ストレスを溜め込むと薄毛の進行を早めてしまうため、ご自身に合ったストレス発散方法を見つけることが重要です。さまざまな方法があるかと思いますが、散歩・軽い運動・ストレッチなどで体を動かすことをおすすめします。
特に、普段からあまり外出しない人は運動不足になりやすいでしょう。運動不足の場合筋肉が凝り固まってしまい、血管の流れが悪くなり血行不良を起こしてしまいます。そのため、体を動かすことで運動不足とストレスを解消できる上に、薄毛の原因となる血行不良を防ぐことも可能です。
ランニングやジムなどの激しい運動をする必要はないので、毎日継続して体を動かすことを意識すると良いでしょう。
栄養バランスを考えた食事をとる
こめかみ薄毛を対策するには、食事の栄養バランスに気を遣いましょう。髪の毛の大部分はアミノ酸が結合したケラチンと呼ばれるタンパク質から構成されています。
そのため、アミノ酸が不足してしまうとケラチンが生成されず、髪の毛が成長せず薄毛になってしまうでしょう。特に、20種類あるアミノ酸の中で、体内で生成できない必須アミノ酸が必要不可欠です。
必須アミノ酸は9種類あり下記の通りです。
- バリン
- リジン
- ヒスチジン
- フェニルアラニン
- メチオニン
- スレオニン
- ロイシン
- イソロイシン
- トリプトファン
必須アミノ酸が多く含まれる食品は、鶏むね肉・牛乳・チーズ・卵などがあげられます。必須アミノ酸はどれか1種類だけを摂取すれば良いわけではなく、9種類全てをバランス良く摂取することが必要です。
ただし、日々の食事で全てを用意するのは困難かと思いますので、サプリメントなどで補うと良いでしょう。
規則正しい生活を送る
栄養バランスやストレスを減らす運動も重要ですが、規則正しい生活を送ることも同様に重要です。特に、睡眠時間が短く、常に睡眠不足の人は注意しましょう。
睡眠時に分泌される成長ホルモンは、一般的に22〜2時の間が最も分泌されやすいとされています。そのため、タイミングがずれてしまうと分泌がされにくくなってしまいます。仕事や家事をしていると難しいと思いますが、なるべく22時前には就寝できる生活を心がけましょう。
また、タバコに含まれるニコチンも血行不良の原因ですので、喫煙されている人は禁煙を始めましょう。
頭皮マッサージをする
頭皮のマッサージもこめかみ薄毛の有効な対策です。頭皮の血行の流れを良くするために、毎日ケアすると良いでしょう。
こめかみ・前頭部・後頭部を順番に指圧マッサージをしてください。ただし、力を入れて強く押したり、爪を立てたりしないように注意しましょう。
適度な力加減でマッサージをしないと、頭皮にダメージを与えてしまい、余計に薄毛が進行してしまいます。指の腹部分で優しく包み込みながらケアをすると良いでしょう。
こめかみ薄毛を目立たせない髪型の工夫とは?
こめかみ薄毛の対策や治療を初めても、すぐに効果が出るわけではありません。そのため、周りからの目線が気になって悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
そこで、ここからはこめかみ薄毛を目立たせない髪型の工夫について解説します。
分け目を変える
髪の毛は人それぞれつむじの場所や生えぐせが異なり、左右どちらかに髪の毛を流しやすいようになっています。そのため、一般的には髪をセットする際にいつも同じ分け目にする人が多いでしょう。
ただし、同じ分け目にすることで、常に一定方向に髪の毛が引っ張られている状態なので、頭皮に負担がかかり薄毛になりやすいです。
また、外出する際は分け目の部分に紫外線が当たり続けてしまい、同様に頭皮に負担がかかってしまいます。そのため、毎日分け目を変えることで、負担を減らしこめかみ薄毛を目立たないようにできるでしょう。
ショートヘアにする
ロングヘアの人は、ショートヘアに変更することをおすすめします。ただし、ショートヘアにすると薄毛が隠せないため不安に思う人もいらっしゃるのではないでしょうか。結論としてショートヘアにすると髪の毛の立ち上がりが軽くなりセットしやすいため、薄毛が目立ちにくくなるでしょう。
一方で、ロングヘアの場合、髪の毛の重量が重く、生え際やこめかみ部分が常にダメージを負っている状態です。そのため、立ち上りも悪く頭皮が目立ってしまいます。
どうしてもロングヘアをキープしたい場合は、定期的に髪の毛をすいてもらい、量を減らすと頭皮の負担が少なくなるでしょう。
帽子をかぶる
上記ではヘアスタイルを変える方法を解説しましたが、工夫を凝らしてもこめかみ薄毛が目立ってしまい、困っている人もいらっしゃるでしょう。その他の方法として、帽子をかぶって目立たないようにする工夫もあります。
目立たないようなヘアスタイルにセットするのは大変ですし、ヘアスタイルを考えすぎるとストレスになってしまう場合もあるでしょう。あまりにも悩むようであれば、帽子をかぶり目立たないようにすると、気持ちも楽になります。
編集部まとめ
この記事では、こめかみ薄毛の原因や対策について解説しました。
こめかみ薄毛は治る症状ではありますが、適切な対策や治療が必要です。症状を予防する対策方法はこの記事を参考にしていただき、生活習慣を見直しましょう。
ただし、症状が重い場合はご自身で治すのは大変困難です。症状を放置してしまうと、余計に進行する可能性もあるでしょう。
少しでも不安や気になる点がある場合は、1人で悩まずクリニックや病院でカウンセリングを受けましょう。