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「薄毛治療の効果」とは?効果が実感できるまでの期間・費用や受けられる場所もご紹介

 更新日:2023/04/20
「薄毛治療の効果」とは?効果が実感できるまでの期間・費用や受けられる場所もご紹介

薄毛は見た目に影響するため気にされる方が多いです。治療を検討している方もいるのではないでしょうか。

薄毛治療は市販薬もあるため試しやすいといえます。しかし、効果が得られるのか不安に思う方もいるでしょう。

また、効果が中々出ないと治療を中断してしまう方もいるため、効果が実感できる期間について正しく理解しておくことは治療を継続することに繋がります。

そこで本記事では、薄毛治療で得られる効果・効果が実感できるまでの期間・費用などについて詳しく解説します。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

薄毛治療で得られる効果

薄毛に悩む男性
薄毛治療で得られる効果は主に次の2つです。

  • 抜け毛の減少
  • 発毛を促す

薄毛はホルモン・酵素・細胞などが原因です。薄毛治療では、これらに作用することで薄毛の改善が期待できます。ここでは、それぞれの効果について詳しく解説します。

抜け毛の減少

1つ目は抜け毛の減少です。抜け毛は、DHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンが原因になるといわれています。このDHTは、男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合することで生成されます。
DHT自体は男性外生殖器の形成に必要なホルモンですが、増えすぎると抜け毛の原因になるのです。薄毛治療では、DHTそのものを減らすのではなく、DHTの生成に必要とされる5αリダクターゼという酵素の働きを抑制します。
これにより、結果的にDHTの量を減らせるため抜け毛の減少に繋がるのです。

発毛を促す

2つ目は発毛を促す効果です。薄毛治療で使用される薬の中には、インスリン様成長因子1や血管内皮細胞増殖因子など発毛を促す発毛因子の産生を促すものがあります。これらが髪の産生・成長に重要な役割を果たす毛母細胞に働きかけることで発毛が促されるのです。
また、毛母細胞の死滅を抑制する働きを持つ薬もあります。毛母細胞の死滅を抑制することで、毛周期の成長期が延長されるため発毛を促すことに繋がります。
薄毛治療では、毛母細胞に働きかけることで発毛を促す効果が得られるのです。

薄毛治療の効果が実感できるまでの期間と費用

医療費・高額療養費
薄毛治療の効果が実感できるまでの期間は治療開始から4~6ヶ月であることが多いです。もちろん薄毛の状態によるため個人差はあります。費用は治療方法によって異なります。
一番安価であっても月々3,000円~15,000円です。高価な治療では1回あたり20,000円~60,000円の費用がかかります。薄毛治療の治療費は基本的には保険適用外です。
そのため、治療費の負担が大きくなりやすいです。しかし、薄毛治療薬の中にはジェネリック医薬品もあります。少しでも費用を抑えたい方はジェネリック医薬品を希望していると伝えると良いでしょう。

薄毛治療が受けられる場所

医療スタッフと受付カウンター
薄毛治療が受けられる場所は主に次の3つです。

  • 皮膚科
  • 美容皮膚科
  • 薄毛治療専門クリニック

3つも選択肢があると、どこを受診したら良いのか迷う方もいるでしょう。それぞれ特徴があるため、自分に合った場所で治療を行うことが大切です。ここでは、薄毛治療が受けられる場所のそれぞれの特徴について解説します。

皮膚科

1つ目は皮膚科です。皮膚科は病気に伴う薄毛の治療を得意としています。皮膚科で治療可能な薄毛の原因となる病気には次のようなものがあります。

  • 円形脱毛症
  • 全身性疾患に伴う脱毛
  • 薬剤性脱毛症
  • トリコチロマニア

このような病気に対し、根本的な治療を行い薄毛の改善を目指すのが皮膚科です。皮膚科での主な治療は薬物療法になります。病気に伴う薄毛治療の費用は保険適用となる場合もあるため、経済的負担を抑えて治療できます。
皮膚科は病気に伴う薄毛治療を得意とするため、男性型脱毛症や女性型脱毛症の治療実績は少ないことが多いです。

美容皮膚科

2つ目は美容皮膚科です。美容皮膚科は皮膚科に比べて男性型脱毛症や女性型脱毛症の治療実績も豊富なことが多いです。美容皮膚科での主な治療方法は薬物療法になります。
治療費は保険適応外であることが一般的であり、経済的負担が大きくなりやすいです。美容皮膚科でも薄毛治療は可能ですが、一般的に美容皮膚科は綺麗な肌を保つことを目的とした治療を得意としており、病院によっては薄毛治療の実績が少ない場合もあります。
美容皮膚科で薄毛治療を行う際には、実績があるか必ず確認しましょう。

薄毛治療専門クリニック

3つ目は薄毛治療専門クリニックです。薄毛治療専門クリニックは薄毛治療のみを行っているため、実績が豊富であり安心して治療を行えます。治療方法は薬物療法のみでなく、注入治療や自毛植毛なども行っているため、多様な治療方法から自分に合った治療を選択できます。
費用は保険適応外であることが一般的ですが、治療方法が多様なため予算に合わせて治療方法を選べるのもメリットです。薄毛治療専門クリニックは薄毛治療に特化しているため、薄毛に悩んだらまずは受診してみると良いでしょう。

薄毛の治療方法

育毛
薄毛の治療方法には主に次の4つがあります。

  • 内服薬
  • 外用薬
  • 注入治療
  • 自毛植毛

ここではそれぞれの治療方法や効果について詳しく解説します。

内服薬

1つ目は内服薬です。内服薬は主に次の4つがあります。

  • ミノキシジル
  • プロペシア
  • ザガーロ
  • フィンペシア

これらの飲み薬の違いは効果と未承認薬かどうかという点です。まず効果について解説します。4つの薬のうち、ミノキシジルだけ効果が異なります。ミノキシジルは服用することで血管拡張による血行改善や髪の成長因子の増殖といった効果が期待できるのです。
一方、他の3つの内服薬は、男性型脱毛症の発症に関与する酵素の働きを阻害し、抜け毛の進行を防ぐ効果があります。次に、未承認薬についてです。上記の内服薬のうち、ミノキシジルとフィンペシアは未承認薬です。未承認薬とは国内で認可されていない薬のことであり、期待する効果が得られなかったり重篤な副作用が起こったりリスクがある薬をいいます。
一般的に病院で未承認薬が処方されることはありませんが、個人輸入される方がいらっしゃいます。安全に薄毛治療を行うためにも、内服薬は国内で認可されているものを使用しましょう。

外用薬

2つ目は外用薬です。頭皮に使用する外用薬は、有効成分が頭皮に浸透し毛根へ届くことで効果を発揮します。外用薬は男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでも推奨度が高く、有効な治療手段といえます。外用薬を多く使用しても効果が大きくなるわけではありません。
正しい用法・用量を守ることが効果を実感する近道です。外用薬は薬局で購入できますが、市販薬は濃度が定められており人によっては効果を感じにくいこともあるでしょう。
そのため専門クリニックを受診し、医師に処方されたものを使用することをおすすめします。

注入治療

3つ目は注入治療です。注入治療とは、髪の再成長や頭皮の再構築に必要な成分を頭皮に直接注入する治療方法です。次のような方におすすめといえます。

  • より高い発毛効果がほしい
  • 継続的な頭髪を希望している
  • 短い期間での治療を希望している

注入治療は、髪の成長を促す遺伝子やたんぱく質の発現を促したり、抜け毛を起こす遺伝子の発現を抑制したりする効果があります。頭皮に直接注入することで、ピンポイントで髪の組織にアプローチが可能です。そのため、効率よく治療を行えます。注入治療を行えるかどうかはクリニックによって異なるため、希望する場合は事前に確認しておくと良いでしょう。

自毛植毛

4つ目は自毛植毛です。自毛植毛とは、自分の髪の毛を薄毛部分に移植する治療方法です。植毛するのは自分の髪の毛であるため拒絶反応のリスクも低く、安心して治療に臨めます。自毛植毛では、髪の毛を作り出す組織ごと移植します。
そのため、移植した髪は通常の髪と同じように伸びたり抜けたりし、半永久的に生え変わり続けるのです。移植元になった部分からはもう髪が生えてこなくなってしまいますが、基本的には目立たないように治療を行うため過度に心配する必要はありません。
自毛植毛には高い治療技術が必要であるため、実績のあるクリニックで治療を行うと良いでしょう。

薄毛治療をしても効果を実感できない場合は?

落ち込む男性
薄毛治療をしても効果を実感できない場合、次の6つの理由が考えられます。

  • 治療を途中でやめた
  • 薬が合っていない
  • 用法用量を守っていない
  • 初期脱毛の時期
  • 医師の処方を受けていない
  • 治療を始めるのが遅かった

それぞれ詳しく解説します。まず1つ目の「治療を途中でやめた」についてです。薄毛治療の効果を実感するまでには時間がかかります。中々効果が出ないからといって自己判断で治療をやめてしまうと薄毛治療の効果は実感できません。治療は長期間にわたって必要なので、自己判断で治療をやめないようにしましょう。
次に2つ目の「薬が合っていない」についてです。薬が合っていない場合、もちろん薄毛治療の効果は得られません。薄毛治療の薬は薬によって効果や改善できる症状が異なります。そのため、適切な薬の組み合わせが必要です。医師に処方された薬を用法用量を守り使用しているにも関わらず効果を実感できない場合には、医師へ相談しましょう。
次に3つ目の「用法用量を守っていない」についてです。薬の飲み忘れが続いたり、自己判断で薬の量を調整したりすると効果を実感できない場合があります。薬の効果を実感する近道は用法用量を適切に守ることです。決められた用法用量をしっかり守って正しく使用しましょう。
次に4つ目の「初期脱毛の時期」についてです。薄毛治療では初期脱毛といって新しい髪に生え変わるために古い髪が抜け落ちる症状があらわれます。薄毛の治療を行っているのに髪が抜けたら効果がないと感じてしまうでしょう。しかし、初期脱毛はしばらくすると落ち着くため焦らずしばらく様子をみましょう。
次に5つ目の「医師の処方を受けていない」についてです。薄毛治療の薬は医師の処方がなくとも、個人輸入で薬を手に入れられます。しかし、中には偽物の薬もあります。偽物の薬では当然薄毛治療の効果は実感できません。薄毛治療は、必ず医師の処方を受けましょう。
最後に6つ目の「治療を始めるのが遅かった」についてです。薄毛は進行することがほとんどであり、薄毛の範囲が広範囲になると効果的な治療を行えない場合もあります。そのため、効果を実感するためには早期に治療を開始することが重要です。

編集部まとめ

指をさす白衣を着た男性
薄毛治療で得られる効果・効果が実感できるまでの期間・費用などについて解説しました。

薄毛治療では抜け毛を減らしたり発毛を促したりする効果が期待できます。効果が実感できるまでにかかる期間は4~6ヶ月であることが多いです。

薄毛治療は一般的に保険適用外です。そのため、治療費の負担が大きくなる可能性があります。

薄毛治療は皮膚科・美容皮膚科・薄毛治療専門クリニックで治療可能です。

治療場所によって選択できる治療方法は異なります。治療方法は、内服薬・外用薬・注入治療・自毛植毛などです。

薄毛治療をしても効果を実感できない場合様々な理由が考えられます。早期治療を行い、適切な治療を行うことで効果を実感できる可能性が高くなります。

本記事が参考になれば幸いです。

この記事の監修医師