「アフターピルのもらい方」はご存知ですか?種類や飲み方・注意点も解説!
アフターピルは、避妊薬として広く知られている薬です。しかし、効果を知ってはいてももらい方などは知らないという方もいるのではないでしょうか。
実際に使用を考えている時に、もらい方を知らないままでは正しい使い方ができない可能性があります。それでは、正しい効果も得られません。
そこで本記事では、アフターピルのもらい方を解説します。アフターピルの種類・飲み方・注意点なども詳しくご紹介するので、参考にしてください。
監修医師:
浅野 仁覚(医師)
目次 -INDEX-
アフターピルのもらい方
アフターピルのもらい方には、いくつかの方法がありますが、ドラッグストアなどで個人的に直接購入することはできません。そのため、入手するためには正確なもらい方を知っておく必要があります。ここでは、アフターピルのもらい方についてご紹介します。
病院での処方
アフターピルのもらい方の1つが、病院での処方を受けることです。一般的には、産婦人科などで処方してもらえます。
医師に事情を相談して、問診後(必要なときは診察もあり)に適切な医薬品を処方してもらえるので、安心して薬を服用できるでしょう。
緊急避妊に関わる診療が可能な産婦人科などの医療機関を知りたい場合は、厚生労働省のホームページから確認できるようになっています。
緊急で必要な場合などは、ホームページを参考にしてすぐに受診し、処方してもらいましょう。
オンライン
アフターピルは、オンラインでも入手可能です。
直接産婦人科などを訪れるのは抵抗がある方や、恥ずかしいと感じる方にはオンラインを利用しましょう。通院の必要がなく、パソコンやスマホから利用して、ご自分の都合が良いタイミングで診療が受けられる点が特徴です。
オンライン診療に特化したクリニックなどもあるため、きちんと受診してもらった後に安心して購入できます。しかし、オンラインで購入する際には次のような注意点もあります。
- 信頼できるオンラインクリニックを選ぶ
- 配送に時間がかかる
オンラインクリニックを利用する場合は、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。一般的には、診察を行って、患者様の状態に合わせて適切な薬を処方してくれます。オンライン診療に特化したクリニックなどもあるため、どのクリニックが良いかをしっかりと選びましょう。
また、配送に時間がかかる点も押さえておきましょう。すぐに送ってもらえるといわれても、配送には必ず時間がかかります。
アフターピルは72時間以内に使用する必要があります。早急なアフターピルの使用を考えている場合は、この時間以内に使用できるかを考えながら、入手方法を考える必要もあるでしょう。
個人輸入
個人輸入でアフターピルを手に入れる方法もあります。
低価格で、いつでもご自分の都合で手に入れられるというメリットはありますが、非常に危険であるため注意が必要です。危険な理由は次のようなものが挙げられます。
- 粗悪品や偽造品の危険性がある
- 手元に届くまで時間がかかる
- 副作用への対応が万全ではない
個人輸入で入手する場合、粗悪品や偽造品の危険性があります。
海外で取り扱っている薬は、必ずしも国内の薬のように品質や安全が管理されているものとは限りません。本来であれば、混入するはずのない不純物などが含まれていることがあります。また、本来の目的とは全く異なる成分が含まれていることもあるでしょう。
このような成分は、ご自身の身体にどのような影響があるか分かりません。万が一の場合は、身体を壊すだけでなく命にかかわる可能性もあります。
また、手元に届くまでに時間がかかる点も注意すべき理由の1つです。
海外からの輸入であるため、当然時間がかかります。先述したように、アフターピルの使用を考えている方の中には、すぐに必要とするケースもあるでしょう。
アフターピルは72時間以内に服用しなければ、効果が発揮されません。そのため、手元に届くまでの時間を十分考慮する必要があります。
副作用への対応が万全ではない点も、個人輸入が危険な理由の1つです。個人輸入で入手した薬は、どのような成分が入っているかわからないため、服用後に副作用が起きる可能性があります。
通常であれば医師に相談して適切な対応を教えてもらえますが、海外の薬は医師でも副作用の原因が分からず対応が遅れることも考えられます。
重度の副作用であれば、対応が困難になるケースもあり、非常にリスクが大きいです。低価格だけの理由で個人輸入をすることは大変危険です。
薬局・ドラッグストア
アフターピルのもらい方としては、薬局やドラッグストアも挙げられます。
しかし、この場合は、医療機関からの処方が欠かせません。薬局やドラッグストアで市販されているわけではないため、注意が必要です。
専門の医療機関を受診するか、オンラインクリニックなどで処方箋をもらい、薬局やドラッグストアで購入しましょう。
アフターピルの種類
アフターピルはどれも同じと思われている方も多いかもしれませんが、実はいくつか種類があります。用法用量などがそれぞれ異なるため、細かな違いを把握しておくことは重要です。ここでは、アフターピルの種類についてご紹介します。
ノルレボ(またはレボノルゲストレル)
アフターピルの1つが、ノルレボです。レボノルゲストレル法のアフターピルで、WHOから緊急避妊の必須薬として指定を受けています。
世界でも広く飲まれている薬で、費用は15,000~20,000円程度です。後述する薬の中でも最も高額な点も特徴に挙げられます。
1回1.5mgの服用が必要で、効果を得るためには1日1錠、性行為後72時間以内に服用が必要です。服用が早いほど避妊の成功率は高くなり、20時間以内であれば95%の成功率を示しています。
ノルレボは、薬に含まれる黄体ホルモンの作用で排卵を抑制することで避妊効果が期待できるというものです。また、ノルレボには子宮内膜の増殖を防止する効果や体温の上昇を防ぐ効果にも期待できます。
そのため、万が一受精卵となった場合でも、着床を防ぎ妊娠の可能性を下げられる点が特徴です。
一般的に副作用は少ないとされていますが、稀に次のような副作用が生じることがあります。
- 吐き気
- 不正出血
- 頭痛やめまい
- 乳房のハリ
- 眠気
嘔吐してしまうと薬の効果が失われる可能性があるため、気をつけなければなりません。
ヤッペ法
ヤッペ法のアフターピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合したもので、ノルレボやレボノルゲストレルと比較すると低価格である一方で、副作用が起きやすい点が特徴です。費用は4,000~8,000円程度で、副作用としては、次のようなものが挙げられます。
- 吐き気
- 食欲不振
- 不正出血
- 頭痛やめまい
- 乳房のハリ
- 眠気
また、開発目的もノルレボやレボノルゲストレルとは異なり、ヤッペ法は緊急避妊薬として作られた薬ではありません。ホルモンバランスを整え、月経トラブル改善や月経周期を整えて不妊治療を行うことを目的にして処方されるものです。
用法や用量もノルレボなどと大きく異なります。性行為後72時間以内に2錠服用し、そこから12時間後に2錠の服用が必要で、1日4錠の服用が必要となるため用法用量の十分な確認が必要です。
2度目の服用は、2時間程度の遅れであれば影響は少ないですが、2時間以上飲み忘れた場合や完全に飲み忘れた場合は正しい効果が得られない可能性があります。
ノルレボ同様に、1度目の服用が早いほど高い避妊効果が期待でき、24時間以内であれば77%程度の避妊阻止率があると考えられます。
産婦人科でアフターピルをもらう流れ
産婦人科でアフターピルをもらう流れは、次の通りです。
- 受付・受診
- 問診表記入
- 検査
- 薬についての説明
- 問診と処方薬の決定
- 処方・服用
まずは、産婦人科に「緊急避妊ピル希望」と伝えて予約しましょう。そして、問診表に必要事項を記入します。
必要事項の記入が終わったら、検査を行います。主に血圧測定や尿検査による妊娠検査です。
検査が終わったら、産婦人科で取り扱う薬の説明が行われます。説明内容は効果・用法用量・副作用・注意事項・料金などです。
そして、医師による問診と処方薬の決定を行います。問診表を参考にして、普段から服用する薬がないかなどを聞きながら診察します。
薬についての疑問や不安などがある場合には、相談しましょう。問診が終わったら、普段から服用する薬や健康状態をもとに薬を決定します。
そして、薬の説明などに納得できたら同意書にサインした後に処方されるため、処方後すぐに医師の前で服用しましょう。
アフターピルの飲み方
アフターピルの飲み方としては、薬の種類によっても異なります。基本的には、性行為後できるだけ早く服用を行い、薬に合った用法用量を守りましょう。
例えばノルレボの場合であれば、性行為後できるだけ早く水かお茶で1錠飲みます。1錠ずつ処方されており、錠剤であるため、飲みづらさを感じることも少なく、かみ砕いても効果を期待できます。
副作用が強い場合には、副作用の内容によって対応する必要があります。
眠気の場合は時間経過で解決できる可能性がありますが、不正出血の場合は診察が必要です。
また腹痛の場合は、普段の薬を服用しても良いかあらかじめ医師に確認し、服用しましょう。吐き気の場合は、吐いてしまうと薬の効果を下げてしまう可能性があります。
そのため、吐き気止めの薬を医師に相談しておき、処方してもらっておくと良いでしょう。
アフターピルの注意点
アフターピルは避妊効果に期待できる薬ですが、メリットばかりではありません。服用にあたって注意すべきことは多いため、しっかりと把握しておきましょう。
ここでは、アフターピルの注意点をご紹介します。
副作用のリスク
アフターピルの注意点の1つが、副作用のリスクについてです。
具体的な内容は、薬の種類によっても異なりますが、主な副作用は次のようなものが挙げられます。
- 吐き気
- 腹痛
- 頭痛
- 眠気
中でも特に注意が必要なのが、吐き気です。
吐き気によって嘔吐してしまうと、薬の有効成分も一緒に吐き出してしまう可能性があります。万が一、服用して時間が経過しないうちに吐いてしまうと、正しい効果が見込めません。
しかし、吐いたからといって自己判断で飲み直して良いものではないため、吐いてしまった場合は医療機関に相談しましょう。
また、消退出血になることもあります。消退出血は、子宮内膜が剥がれ落ちることでの出血です。
生理のように長期間続くものではないため焦らないようにしましょう。
併用できない薬がある
アフターピルには、併用できない薬がある点にも注意が必要です。
併用ができない理由としては、薬の効果を弱めてしまうケースや強めてしまうケースが考えられるためです。
例えば効果を弱めてしまう薬としては、抗けいれん薬やHIVプロテアーゼ阻害薬などが挙げられます。これらはアフターピルの効果を弱めてしまうのです。
一方、効果や副作用を強めてしまう薬としては、副腎皮質ホルモン剤や三環系抗うつ剤などが挙げられます。
使用前には、必ず医師に服用中の薬の相談を行い、注意事項を守りながら服用しましょう。
編集部まとめ
アフターピルは、避妊の効果が期待できる薬です。世界的にも広く使用されている薬もあるため、安心して使えるものはありますが、日本では医師による処方が欠かせません。
薬局やドラッグストアなどで市販はされておらず、個人輸入などは粗悪品の可能性や副作用への対応が万全ではないことから、大変危険です。
安心して服用するためにも、きちんと専門の医療機関を受診して相談の下で服用しましょう。また、薬についての不安や服用方法なども医療機関で教えてもらえます。
副作用など不安な点を全て把握し、納得した上でアフターピルの服用をしましょう。
参考文献