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「アフターピルの副作用」はご存知ですか?いつからいつまで続くのか・対処法も解説!

 更新日:2023/03/23
「アフターピルの副作用」はご存知ですか?いつからいつまで続くのか・対処法も解説!

アフターピルは避妊薬として広く認知されています。効果は知っていても、副作用についてはあまり知らないという方も多いでしょう。

アフターピルを服用すると、副作用が表れることがあります。ですが、数日間で治まることがほとんどです。

しかし副作用についての知識がないと、副作用が表れた時に不安になってしまうこともあるでしょう。

そこで本記事では、アフターピルはどのような副作用が現れるのか、どのくらいの確率で起こるのかなどについて、詳しく解説します。

浅野 仁覚

監修医師
浅野 仁覚(医師)

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福島県立医科大学大学院卒業。所属:ロイヤルベルクリニック。主な研究内容・論文:切迫早産、先天性サイトメガロウイルス感染症、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術など。

アフターピルとは?

錠剤
アフターピルとは、緊急避妊薬のことです。計画的に妊娠を回避するものとは異なり、緊急的な場合に使用されます。例えばコンドームが破れた場合・避妊具を使用しなかった場合・避妊薬を飲み忘れた場合・性的な暴力の被害に遭った場合などです。
避妊薬として低用量ピルも有名ですが、低用量ピルは毎日服用することで避妊効果が高まるものなので、アフターピルとは全く別物です。アフターピルは、性交後72時間以内に服用することで高い避妊効果が得られます。
アフターピルは、排卵の抑制または排卵を遅らせる効果があるといわれています。しかし、アフターピルを服用したからといって100%避妊できるわけではありません。
また、アフターピルには副作用がある場合があります。一般的な副作用は眠気・吐き気・めまい・下痢・出血などです。重度の副作用がある場合は、医師に相談する必要があります。

アフターピルの副作用

吐き気に襲われる女性
主な副作用は眠気・吐き気・めまい・下痢・出血などです。特に吐き気は比較的多くみられる副作用です。ほとんどの場合、アフターピルによる副作用は数日以内に治まりますが、場合によっては数週間続くこともあります。
アフターピルの服用後、吐き出してしまった場合にはもう一度アフターピルを服用しなければなりません。
アフターピルによる副作用は個人差があり、ほとんど副作用を経験しない場合もあります。 アフターピルを服用する前には医師や薬剤師に相談し、適切な用法と投与量を確認することが重要です。

眠気

眠気などの神経系障害はアフターピルの副作用の1つです。眠気の症状が出る原因として、アフターピルの服用により体内のホルモンバランスが崩れることが考えられています。
眠気によって、日常生活で次のような支障がでます。

  • 授業や仕事中に集中できない
  • 運転中に眠気を感じる

眠気を強く感じる場合は、車の運転や危険な機械操作を避けるようにしましょう。
アフターピル服用後の眠気の症状には個人差があります。アフターピルを服用する際には眠気が出る可能性があることを理解し、安全に使用するためにも注意が必要です。

吐き気

アフターピルの副作用として、吐き気があります。
吐き気はアフターピルの副作用の中でも、多くの方に表れやすいです。
アフターピルに含まれる成分が中枢神経に影響を与えることで、吐き気を引き起こすと考えられています。
アフターピルの服用後2時間以内に嘔吐した場合には、ただちに追加で1錠服用しなければなりません。そのため、嘔吐してしまった場合には速やかに医師に相談しましょう。
アフターピルによる副作用は数日以内に治まることがほとんどです。しかし吐き気の症状には個人差があり、ひどい場合には嘔吐を繰り返してしまいます。嘔吐を繰り返す場合には、吐き気止めを処方してくれることもあるため、医師に相談しましょう。
アフターピルを服用する際には、吐気が出る可能性があることを理解し、安全に使用するためにも注意が必要です。

めまい

アフターピルを服用した場合、めまいが副作用として表れます。めまいも眠気と同様に、アフターピルの服用によってホルモンバランスが崩れることが原因です。
アフターピル服用後は、浮動性めまいや体位性めまいが表れます。これらのめまいは姿勢の変化で起きたりふわふわ浮くようなめまいを感じたりするのが特徴です。
めまいが起きた場合には次のような方法で対処しましょう。

  • 楽な姿勢で安静を保つ
  • めまいが起こらない頭の位置を探して安静にする
  • 身体を温かくして休む
  • 急に立ち上がったり頭を動かしたりする動作は避ける

めまいが継続する場合は、医師に相談すると良いでしょう。

下痢

アフターピルの副作用として下痢があります。下痢を起こしたとしても、アフターピルの効果には影響はありません。
下痢を起こしている時、体内では水分と電解質のバランスが崩れているため補給が大切です。身近な飲み物では、スポーツドリンクが適しています。
そして、おかゆやうどんなど消化の良い炭水化物を摂取しましょう。炭酸飲料やアルコール類はお腹に刺激を与えるので控えるようにします。
アフターピルは下痢止めとの併用が可能な薬です。しかし、下痢が長引く場合には念のため医師に相談すると良いでしょう。

出血

アフターピルの服用後には消退出血といって、生理のような出血が起こります。消退出血は多くの場合早ければ3〜4日後、遅くとも3週間後には起こるといわれています。
消退出血はおよそ2~3日間続き、消退出血が起こると避妊に成功した可能性が高いです。しかし、3週間を過ぎても消退出血が生じなかった場合には、妊娠しているかもしれません。市販の妊娠検査薬を使用するなどして、妊娠の確認を行いましょう。
アフターピルの服用後の出血は消退出血だけではなく、他の理由での不正出血や妊娠初期の出血の場合もあります。出血があっても妊娠の不安がある場合には、妊娠反応を行い、医師に相談すると良いでしょう。

副作用が起こる確率

問診表を書く女性医師
副作用の症状によって起こる確率は異なります。5%以上の方に表れる副作用は眠気・出血・吐き気などです。5%未満の方に現れる副作用はめまい・下痢などです。
このうち副作用による出血の1つである消退出血は約半数の方に表れます。
ほとんどの場合、副作用は数日以内に治まりますが、長引く場合には医師に相談しましょう。
アフターピルの副作用について事前に理解していると、安心して服用できます。そのため、アフターピルの使用前には医師や薬剤師に相談し、適切な用法と投与量を確認することが重要です。

副作用はいつからいつまで続く?

時計とカレンダー
アフターピルの副作用は服用後すぐに表れるものもあれば、数日後に表れるものもあります。例えばアフターピルを服用した後、すぐに吐き気を感じ、数時間後に下痢が起こったというケースがあります。
副作用の継続期間も個人差がありますが、数日以内に治まることがほとんどです。
もし副作用が長引く場合や症状が重篤な場合には、医師に相談しましょう。アフターピルを服用する際には、事前に医師や薬剤師から副作用についての説明を受け、症状の変化に注意することが必要です。

副作用への対処法

眠る女性
アフターピルの副作用には眠気・吐き気・めまい・下痢・出血などがあります。副作用への対処の基本は安静に過ごす十分な睡眠をとることです。
基本的な対処方法に加えて、症状に応じて適切な対処を行いましょう。
眠気が強い場合には、車の運転や危険な機械操作は避けるようにします。吐き気やめまいに対しては、無理に動こうとせず、楽な姿勢で安静を心掛けます。
下痢を起こしている場合には、スポーツドリンクや消化の良い食べ物を摂取すると良いです。消化の悪い食べ物や、炭酸飲料やアルコールなどお腹への刺激が強い飲み物の摂取は控えましょう。
また、出血はいつ起こるか分からないため生理用品を使用すると良いでしょう。
これらの対処法を行っても症状が改善されない場合もあります。症状が重度である場合や症状が継続する場合には、医師に相談することが必要です。

コーヒーを飲む

コーヒーを飲むことでアフターピルの副作用が軽減されることがあります。アフターピルはプロゲストロンというホルモンを含んでおり、このホルモンは頭痛・むくみ・精神的な不安・眠気などを引き起こすといわれています。
コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用や覚醒作用があるため、むくみや眠気の解消に繋がるのです。
また、コーヒーにはリラックス効果があります。リラックスした状態になると自律神経が整い、頭痛の軽減や精神的に安定することが期待できます。
ただし、これは個人差があり、すべての人に効果があるわけではありません。また、下痢が起こっている場合はコーヒーを飲むことでお腹に刺激を与えてしまうため摂取を控えましょう。
コーヒーを飲むタイミングにも注意が必要です。アフターピルの成分がしっかり体内に吸収されるように、アフターピルの服用前後30分程度はコーヒーを飲まないようにしましょう。
コーヒーを飲むことでアフターピルの副作用が軽減されることがありますが、下痢が起こっている場合や飲むタイミングには注意が必要です。

頭痛薬と併用する

アフターピルの副作用に対して頭痛薬を併用することができます。市販薬であれば、併用可能なものがほとんどです。
しかし、病院からの処方薬は成分が異なり、アフターピルの効果を弱めてしまう成分が入っていることがあるため担当医に確認しましょう。
頭痛薬は症状を緩和するためのものであり、副作用を完全に解消するわけではありません。症状が酷い場合や、長引く場合には医師に相談することが重要です。

編集部まとめ

ポイントを示す医師
アフターピルの副作用について解説しました。

アフターピルとは緊急避妊薬のことであり、性交後72時間以内に服用することで高い避妊効果が得られます。

アフターピルの主な副作用は眠気・吐き気・めまい・下痢・出血などです。このうち吐き気や出血の副作用は表れやすく、消退出血は約半数の方に表れます。

副作用は服用後すぐに表れるものもあれば、数日後に表れるものもあります。副作用の継続期間は数日間であることがほとんどです。

副作用が現れた場合には、適切な対処を行うことが重要です。頭痛や吐き気に対しては、市販薬を使用できますが、症状が長引く場合には医師へ相談しましょう。

アフターピルを服用する前には医師や薬剤師から事前に副作用についての説明を受け、副作用について理解しておくことで、安心して服用できます。

本記事が、アフターピルの副作用に不安を感じている方の参考になれば幸いです。

この記事の監修医師