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「膵臓がんにかかりやすい年齢層」はご存知ですか?初期症状も解説!【医師監修】

 更新日:2025/09/19
「膵臓がんにかかりやすい年齢層」はご存知ですか?初期症状も解説!【医師監修】

膵臓がんは発見が難しく、予後が厳しいがんの一つです。近年、日本での膵臓がん患者数と死亡者数は増加傾向にあり、高齢化に伴って発症も増えています。本記事では、膵臓がんが発症しやすい年齢や平均発症年齢、初期症状、検査方法と診断基準、そして早期発見のポイントを解説します。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

膵臓がんの平均発症年齢は?国内の膵臓がんに関する統計情報


膵臓がんは発見が厳しく、予後が厳しいがんとして知られていますが、そのデータについて国内の統計情報をもとに解説します。

膵臓がんの平均発症年齢

膵臓がんは主に中高年以降で発症する病気で、60歳頃から増え始め、高齢になればなるほど患者数は増えます。一方で、20~30代などの若い世代で膵臓がんになるケースはまれで、患者さんの多くは50代以降です。加齢とともに発症リスクが高まるため、高齢になるほど膵臓がんにかかりやすくなります。

年齢別の膵臓がん罹患率

国立がん研究センターの統計によれば、2020年に新たに膵臓がんと診断された方は44,448人にのぼり、高齢者層で多く発症しています。男女比を見ると男性の方がやや多いものの、男女ともに年齢が上がるにつれてリスクが高まる点は共通しています。

年齢別膵臓がんの死亡率

膵臓がんは発症数だけでなく死亡数も高齢者で顕著に増加します。進行が速く治療が難しいため、膵臓がんによる死亡者数は年齢とともに増える傾向があります。日本では毎年3万人以上が膵臓がんで亡くなっており、近年は年間約4万人が膵臓がんで命を落としています。これは全がん死亡のなかでも上位を占め、2023年には膵臓がんはがん死亡原因の第3位となっています。特に高齢の患者さんで膵臓がんが見つかった場合、ほかの疾患を併せ持つことも多く、治療が難航しやすいため死亡率が高くなりがちです。

膵臓がんの初期症状


膵臓がんは沈黙の臓器ともいわれており、初期には自覚症状がほとんどないことが多いです。膵臓はお腹の深部に位置するため、がんが小さいうちは症状が出にくく、早期発見は簡単ではありません。がんが進行してくると、次第に以下のような症状が現れます。

  • 腹痛や背中の痛み
  • 食欲不振と体重減少
  • 黄疸(おうだん)

膵臓がんの検査方法と診断基準


膵臓がんの症状が出ている場合はさまざまな検査を行い、診断を確定します。本章では膵臓がんの検査方法と診断基準について解説します。

膵臓がんの検査方法

膵臓がんが疑われる場合、医療機関ではいくつかの検査を組み合わせて行います。主な検査方法は次のとおりです。

  • 血液検査:膵臓から出る消化酵素(アミラーゼなど)の値や、腫瘍マーカー(CA19-9など)の値を調べます
  • 画像検査(エコー・CT・MRI):腹部超音波(エコー)検査や造影剤を用いたCT、MRI検査で、膵臓の腫瘍の有無や広がりを調べます。これらの画像診断により、腫瘍の位置や大きさ、周囲臓器への影響を確認します
  • 内視鏡検査(EUS・ERCP):超音波内視鏡(EUS)では内視鏡の先端から超音波を発して膵臓を直接観察し、必要に応じて細胞を採取します。また、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)では十二指腸から胆管・膵管に造影剤を入れてX線撮影し、膵管の詰まり具合などを調べます
  • 病理検査(細胞診・組織診):画像検査で腫瘍が見つかった場合、最終的な確定診断のために腫瘍の一部を採取して顕微鏡で調べます
これらの検査を組み合わせることで、膵臓がんかどうかの診断と、もしがんであれば病期を判定します。

膵臓がんの診断基準

膵臓がんの診断は、基本的に画像で腫瘍を確認し、病理検査でがん細胞を確認することによって確定します。また、診断時には同時に病期の判定も行われます。ステージI(早期)~IV(進行期)まで分類され、腫瘍の大きさやリンパ節・他臓器への転移状況によって決まります。

膵臓がんを早期発見するためにできること


膵臓がんは自覚症状が出にくい病気であるため、早期発見をするためには意識しなければいけないことがあります。本章では膵臓がんの危険因子と定期検査の重要性について解説します。

膵臓がんの危険因子を知る

膵臓がんの発症にはいくつかの危険因子が知られています。これらに当てはまる方は特に注意が必要です。

  • 膵臓がんの家族歴がある
  • 糖尿病
  • 慢性膵炎
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 肥満・高脂肪食
上記のような危険因子を持つ方は、日頃から症状の有無に注意するとともに、医師に相談して必要な検査を検討することが大切です。

定期的に膵臓がんの検査を受ける

結論からいえば、現時点で膵臓がんの有効な検診方法は確立されていません。胃がんや大腸がんのように、国が推奨する定期的ながん検診プログラムは膵臓がんにはないのが現状です。厚生労働省の指針でも、膵臓がん検診は明確に定められていません。これは、膵臓がん検診で死亡率を下げる明確な効果がまだ証明されていないためです。しかし、だからといって何もできないわけではありません。リスク因子を有する方や気になる症状がある方は、早めに医療機関を受診して相談することが重要です。

膵臓がんについてよくある質問

ここまで膵臓がんを紹介しました。ここでは「膵臓がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

膵臓がんを疑うときは何科を受診すればよいですか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

膵臓がんが心配な症状がある場合は、消化器内科を受診するのがおすすめです。消化器内科医が症状や血液検査などから膵臓がんの疑いが高いと判断した場合、腹部超音波検査を行ったり、CTやMRIなどの高度な検査設備のある病院への紹介を行ったりしてくれます。なお、強い腹痛で急性膵炎が疑われるような場合は緊急で救急科を受診することもありますが、膵臓がんの可能性という点ではまず専門外来につながる消化器内科が適切です。

膵臓がんは完治を目指せますか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

膵臓がんはほかのがんに比べて完治することが難しい病気です。全症例の5年相対生存率は約8~9%と報告されており、これは裏を返せば大多数の患者さんが診断から5年以内に亡くなっていることを意味します。このように厳しい数字ですが、早期に発見し手術でがんを取り切れた場合には完治も不可能ではありません。ステージIなどの初期に手術できたケースでは術後5年以上元気に過ごされている方もいますし、手術が難しい進行膵がんでも抗がん剤治療の進歩により長期生存を目指せる方もいらっしゃいます。

膵臓がんと似た症状が現れる病気を教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

膵臓がんの症状はほかの病気と紛らわしい場合が多々あります。代表的なものをいくつか挙げます。
  • 慢性膵炎
  • 胆石症
  • 胆管炎
  • 胆道がん(胆管がん・乳頭部がん)
  • 胃潰瘍
  • 胃がん
  • 十二指腸潰瘍

このようにさまざまな病気が鑑別に挙げられます。症状だけで自己判断せず、気になる場合は医療機関で適切な検査を受けることが大切です。

まとめ


膵臓がんは主に高齢者に多いがんで、初期には症状が乏しく、見つかったときには進行していることが少なくありません。腹痛や黄疸など膵臓がんを疑う症状が現れたら、迷わず医療機関を受診しましょう。残念ながら現状では完治が難しいケースが多いものの、治療技術の進歩により生存期間の延長が図られています。リスクの高い方は生活習慣の改善や定期的な健診で膵臓の健康にも目を向け、万が一の場合に備えておきましょう。

関連する病気

  • 慢性膵炎
  • 胆石症
  • 胆管炎
  • 胆道がん(胆管がん・乳頭部がん)
  • 胃潰瘍
  • 胃がん
  • 十二指腸潰瘍

関連する症状

  • 上腹部痛
  • 体重減少
  • 黄疸
  • 食欲不振
  • 倦怠感

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