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「大腸がんのステージ別再発率」はご存知ですか?治療法も解説!【医師監修】

 公開日:2025/03/30
「大腸がんのステージ別再発率」はご存知ですか?治療法も解説!【医師監修】

食生活の欧米化などにより大腸がんはがんのなかでも患者数の増加が激しく、現在では男女ともに2位と上位です。

がんのなかでもある程度進行しないと初期症状が出ないのが特徴で、発見が遅れたことによる病状の悪化が不安視されています。

がんの進行はステージによって分類します。ステージの進行とがんの再発率は正比例の関係です。この記事では大腸がんのステージごとの再発率と、治療法などを解説します。

山本 康博

監修医師
山本 康博(MYメディカルクリニック横浜みなとみらい)

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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長
東京大学医学部医学科卒業 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医 日本内科学会認定総合内科専門医

大腸がんの種類

大腸と一口にいっても1.5mと長く盲腸から始まりS状結腸と呼ばれる部分までを結腸、直腸S状部から肛門の手前までを直腸と呼びます。これだけの距離があるため同じ大腸でもがんが発生した部分によって症状や遺伝の関係性などが変わってきます。
発症件数にも差があり、結腸がんが全体の約3分の2を占めていることが特徴です。ここでは結腸がん、直腸がんそれぞれの発生件数や症状を解説します。

結腸がん

結腸は小腸から送られてきた内容物から水分やミネラルを吸収する役割を持ちます。そのため内容物が固形化するに従いがんの自覚症状に変化が出るのが特徴です。
結腸がんは盲腸がん・上行結腸がん・横行結腸がん・下行結腸がん・S状結腸がんに分かれます。盲腸がんから横行結腸がんまでは血便や体重減少などが自覚症状です。下行結腸がんとS状結腸がんでは自覚症状が便秘や鮮血便に変化します。しかしいずれの場合も症状が進行しないと自覚症状が出ないため、定期健診などで早期発見するのが重要です。
2020年のデータによると、日本では98,240人が結腸がんを発症しています。

直腸がん

直腸は、肛門から15~20cmの位置にある臓器で、便を一時的に貯める役割を果たしています。直腸は肛門に近い臓器であり、直腸がんを疑う症状は血便・下痢・便秘の繰り返し・残便感・便の狭小化・腹部膨満・腹部不快感などです。
直腸がんの発症原因はいろいろありますが、そのなかでも食生活の欧米化が特に関与しているといわれています。2020年のデータによると、日本では49,485人が直腸がんを発症しています。

ステージごとの大腸がんの再発率

がんの進行の程度はステージとして分類します。ステージは0~4に分類され、数字が大きいほどがんが進行していることを示します。がんが進行すると完治が難しくなるだけでなく、再発の可能性も高くなり危険です。5年生存率でみるとステージ0で94%、ステージ4で19%です。
ここでは症状がある程度進行したステージ1から5年生存率が60%とある程度高いステージ3までに絞って、大腸がんの再発率を解説します。

ステージ1

ステージ1とは、大腸の粘膜で発生したがんが固有筋層まで浸透している状態を指します。まだまだ再発リスクは低く、ステージ1の再発率は約6%です。

ステージ2

ステージ2とは、がんが固有筋層を超えて大腸壁内を貫通しているものの、リンパ節への転移をしていない状態を指します。肝臓や肺などへの遠隔転移の可能性が高くなり、再発率は約15%~20%です。
再発の可能性は3年以内までが高く、全体の約85%を占めます。再発リスクを考慮し、手術後に薬物療法を行うのが一般的です。

ステージ3

ステージ3とは、がんが大腸壁内を貫通し、リンパ節への転移が認められた状態を指します。再発する可能性は約30~40%とステージ2の約2倍まで増加します。
リンパ節へと転移すると、リンパ液を介して広範囲にがん細胞が広がる可能性があり、早急な対応が必要です。ステージ3でも同様に再発の可能性は3年以内までが高く、全体の約85%を占めます。
手術後2~3年は特に転移しやすい肝臓・肺・骨盤腔に関する諸検査を行い、再発の有無をチェックします。

大腸がんの再発パターン

大腸がんが再発する場合、その場所は大腸だけに限りません。がんは完全に切除したと思われても、目に見えない小さながんが残存したり、縮小したものが再び成長したりする可能性があります。そして大きくなったがんが血液やリンパ液のなかに混ざって全身を駆け巡り、たどり着いた先で再発する場合もあるのです。
ここではどのような再発のケースがあるか解説します。

局所再発

局所再発とは元々がんがあった場所と同じかその近くにがんが再発する現象です。局所再発は大腸がんのなかでも直腸がんに多く、男性なら精嚢や前立腺、女性なら子宮や膣などの直腸と隣接した部分に再発する可能性が高くなります。
これは直腸が骨盤内の奥深くにある臓器のため、手術がとても複雑で難易度が高いことにも影響しています。

転移再発

転移再発とはがん細胞が最初に発生した場所から血管やリンパ管に入り込み、その流れに乗って別の臓器や器官へ移動し、そこで再発した状態をいいます。本来がんは発生した部位によって有効な薬が変わりますが、この場合は最初に発生したがんに有効な薬しか効果がありません。
最初に発生した部分を原発巣と呼び、そこから転移した場所によって肺転移・肝転移・脳転移・骨転移・腹膜転移などと呼ばれます。

腹膜播種

腹膜播種とはがんが進行した状態の一つで、消化器がんの末期状態です。腹膜とは腹部にある内臓を包む薄い膜のことで、腹膜と内臓の間にがんが広がった状態を腹膜がんと呼びます。腹水や腸閉塞などの症状があらわれ、かつては手術不可能といわれていました。
1995年に米国で腹膜切除手術が発表され、現在では約85%で完全切除に成功しています。この場合約半数は再発しないこともわかっています。

大腸がん再発時の治療法

大腸がんの再発時には、再発部位や症状に応じて、化学療法や外科手術を選択します。また状況によっては両方の治療法を採用するケースもあります。外科手術の前に化学療法を行う場合などです。
ここではどのような場合に化学療法と外科手術を使い分けるか解説します。

化学療法

化学療法とは、化学物質を用いてがんや病原体を殺したり、その成長を抑制したりする治療法です。主に抗がん剤を用いる治療法が該当します。がんは血液やリンパ液を介して一度転移してしまうと次はどこに転移するかわかりません。そのため抗がん剤により全身に作用させる方法が有効になります。
ただし抗がん剤は正常な細胞にも影響を与えるので、がんを全滅させるような強力なものは使えません。この場合は完治よりも症状やがんの進行を遅らせることが目標になります。
また転移が局所再発で済んでいる場合は外科手術前にがんの縮小と転移防止のために化学療法を行う場合もあります。

外科手術

大腸がんの再発による外科手術には主に2つの目標があります。がんの完治と症状の緩和です。再発部位が元のがんの周辺の局所再発の場合は完治に向けた外科手術を行います。
一方で再発部位が肺や肝臓などの遠隔転移の場合はがんを再度切除しても完治は難しくなります。その場合はがんによってふさがれた気道や消化器官にバイパスを作る手術が主です。またがんによって脊髄神経が圧迫され麻痺やしびれが起きた場合の脊椎骨の切除もこれにあたります。

大腸がんについてよくある質問

ここまで大腸がんの種類・再発率・再春パターンなどを紹介しました。ここでは「大腸がん」によくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

大腸がん再発の原因は何が考えられますか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

がんには目に見えない程小さな状態のものもあります。そのためすべて切除したと判断しても切除した範囲の外に飛び火している場合があります。これが成長し大きくなった状態が再発です。またがんがリンパ節まで転移していた場合、リンパ液を介して目に見えない大きさのものがすでに転移していた可能性もあります。

大腸がんが再発しても完治は望めますか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

再発部位が最初にがんがあった場所の周辺やリンパ節までの場合は可能です。いわゆるステージ3までの症状です。がんは血液やリンパ液を介して最終的に全身に転移します。こうなるとどこに転移するかわからず、またどこにがん細胞が眠っているかもわからなくなります。この場合いかに症状を抑え、延命するかが主な目標です。がんは再発しても早期なら完治可能です。早期発見のためにも定期検査は欠かさないようにしましょう。

編集部まとめ

すべてのがんにいえることですが、ステージが低いうちに発見し完治させることががん治療にとって何より重要です。

一方で大腸がんは自覚症状がなく、症状が出た際にはある程度ステージが進行してしまっている危険性があります。

大腸がんの予防に何より重要なのは定期健診です。費用はかかりますが、少なくとも2年に1度は定期的な検診を受けるようにしましょう。

大腸がんと関連する病気

「大腸がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

大腸ポリポーシスは遺伝子の変異により親から子へ遺伝するとわかっています。がん化する場合も多いのでご家族で大腸ポリポーシスの方がいる場合は注意が必要です。

大腸がんと関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は5個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 体重減少
  • 鮮血便
  • 下痢・便秘の繰り返し
  • 腹部不快感

大腸は全長で1.5m程あり、発症部位によって症状が変わります。また症状が出た時点である程度の進行が予想されるので、定期的に検診を受けることが何よりも重要です。

この記事の監修医師

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