1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 三大疾病
  4. がん
  5. 「骨肉腫ができやすい部位」はご存知ですか?大人・子供それぞれ医師が解説!

「骨肉腫ができやすい部位」はご存知ですか?大人・子供それぞれ医師が解説!

 公開日:2025/02/22
「骨肉腫ができやすい部位」はご存知ですか?大人・子供それぞれ医師が解説!

骨肉腫ができやすい部位とは?Medical DOC監修医が骨肉腫ができやすい部位初期症状・原因・検査法・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

柏木 悠吾

監修医師
柏木 悠吾(医師)

プロフィールをもっと見る
宮崎大学医学部卒業。宮崎県立宮崎病院、宮崎大学附属病院で研修。地元地域に貢献すべく、2022年より橘病院(宮崎県)に勤務。日本医師会認定スポーツドクター。日本整形外科学会、日本骨折治療学会、日本人工関節学会会員。他に日本医師会認定産業医などの資格を有する。

「骨肉腫」とは?

骨肉腫は、骨の細胞に発生する悪性腫瘍です。特に10代の子供や若年層にピークが見られ、次いで60〜80代の方にも小さなピークが見られます、
発生部位の大半は、大腿骨や脛骨などの膝関節や肩関節周囲です。そして、初期症状としては関節周辺の痛みや腫れ、跛行、運動時の不快感が挙げられます。初期段階での発見が難しく、成長期の痛みと誤解されることがあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。
今回の記事では、大人と子供の骨肉腫の好発部位について解説します。さらに、原因や初期症状、治療法についても説明します。

【大人】骨肉腫ができやすい部位

骨肉腫は子供に多い腫瘍ですが、65歳以上の方にも起こります。
大人、子供に関係なく、骨肉腫は四肢の骨の骨幹端部に発生しやすいという特徴があります。骨幹端部とは、大腿骨(太ももの骨)や上腕骨(肩に近い方の腕の骨)などにおける、「骨の真ん中と端の間の部分」を指します。この部分は骨の長さが伸びる際に成長が活発なエリアで、骨肉腫などの腫瘍ができやすい部位の一つです。
まずは、ここでは大人の骨肉腫ができやすい、あるいは発生することが知られている場所について解説していきます。

大腿骨

骨肉腫は、大腿骨に最も発生しやすいです。特に、大腿骨の膝周りの骨幹端部に発生しやすいです。

脛骨

骨肉腫は、脛骨の膝関節周りの骨幹端部にも発生しやすいです。脛骨はすねの骨のことで、膝から足首までをつなぐ太い骨です。脛骨は体重を支える重要な役割をしています。

上腕骨

骨肉腫は上腕骨の肩関節近くの骨幹端部にも発生しやすいです。上腕骨は腕の骨で、肩から肘にかけての部分にある太い骨です。上腕骨は腕の動きを支える役割を担っています。

体幹部

骨肉腫は、体幹部にも生じます。体幹部は、頭と手足を除いた部分です。胸部や腹部の壁である胸壁や腹壁、後腹膜(お腹の臓器を包む腹膜の背中側にあるスペース)のことです。さらに、脊椎、肋骨、骨盤部も含みます。
骨肉腫が体幹部に発生することはあまりありません。一方で、高齢者に起こりやすいことや、治療が難しく、再発しやすいという点などから予後は不良です。

頭蓋骨

頭蓋骨とは頭の骨のことです。骨肉腫は、頭蓋骨にもまれに発生することが知られています。

【子供】骨肉腫ができやすい部位

骨肉腫の多くは10歳台の子供に発生し、10歳台後半に発生のピークがあります。
子供の骨肉腫の発生部位も、大腿骨や脛骨、上腕骨の順に多く、膝関節周囲に最もよく発生します。ここでは、子供の骨肉腫ができやすい部位について解説します。

大腿骨の膝周囲

子供の場合にも、骨肉腫は大腿骨の膝関節の近くの骨幹端部に発生しやすいです。

脛骨の膝関節周囲

大人と同様に、子供の骨肉腫も脛骨の膝関節近くの骨幹端部に発生しやすいです。

上腕骨の肩関節周囲 できやすい部位

子供の骨肉腫も、上腕骨の肩関節に近い部位の骨幹端部に発生しやすいです。

股関節周囲の大腿骨

子供の骨肉腫は、大腿骨の股関節に近い部位の骨幹端部にも発生します。

頭蓋骨

小児の骨肉腫の大部分は手足の骨の骨幹端部に発生します。しかし、まれに頭蓋顔面骨(頭や顔の骨)にも発生することがあります。さらに、この中でも、特に頬の骨に発生しやすいです。

骨肉腫の前兆となる初期症状

骨肉腫は初期段階では特に症状がない場合もあります。ここでは、骨肉腫の症状としてよく知られているものについて説明します。

患部の骨の痛み

骨肉腫の症状として初めに現れるのは、発生した部位の痛みがあります。この痛みは、最初は現れたり消えたりすることもありますが、徐々にひどくなります。特に、夜間に持続するようになります。
骨肉腫は10歳台の子供に多いため、こうした痛みは成長痛と間違われることもあります。痛みが続く際には、整形外科や小児科を受診するようにしましょう。

骨の腫れ

骨肉腫の症状の一つとして、腫瘍が生じた部位の骨の周囲に腫れが生じることもあります。
痛みを伴う手足の腫れ、特に関節周囲の腫れが続く場合には、整形外科や小児科を受診しましょう。

跛行 初期症状

骨肉腫の症状として、跛行(はこう)も知られています。これは、歩行が不自然になることを指します。痛みや筋力の低下、関節の異常などによって、片足をかばうように歩いたり、左右の足の動きがアンバランスになったりします。例えば、骨肉腫が原因で脚に痛みが生じると、痛む足に体重をかけないようにして歩くため、跛行が見られることがあります。
こうした歩き方の異常がみられる場合には、早めに整形外科や小児科を受診するようにしましょう。

骨肉腫を発症する原因

それでは、骨肉腫の原因として考えられているものについて解説していきます。

遺伝子的な要因

骨肉腫の原因として、遺伝的な要因があります。
骨肉腫の細胞には、がんの成長を抑える役割を持つ「RB1遺伝子」や「TP53遺伝子」に変異が見られることがあります。多くの骨肉腫患者で、腫瘍ができる原因となる遺伝的な背景ははっきりしません。しかし、網膜芽細胞腫という目のがんを経験した人に二次的に骨肉腫が発生することが知られています。また、TP53遺伝子の変異が原因の「リ・フラウメ二症候群」という遺伝性がんの一種を持つ人に骨肉腫が発生することも知られています。
骨肉腫のリスクが遺伝的に高いと診断されている場合、定期的に整形外科や腫瘍専門医でのチェックが推奨されます。異常を感じたら早めに受診し、遺伝的リスクについても医師に伝えることで、適切な検査や治療が受けられるようにしましょう。

骨パジェット病

特に大人の骨肉腫は、子供の骨肉腫と比較すると、骨パジェット病という病気に伴う場合が多くみられます。骨パジェット病は、骨の異常な再生によって骨が不規則に大きくなったり、変形したりする病気です。通常、骨は新しい骨に置き換わる過程を繰り返していますが、この病気ではそのプロセスが異常に早くなり、骨が弱くなりやすく、痛みや変形が起こりやすくなります。特に、背骨、骨盤、大腿骨、脛骨などに発生しやすく、高齢者に多く見られる病気です。
骨パジェット病の方に骨肉腫が発生することはまれですが、一般の方と比べるとリスクは格段にあがります。骨パジェット病に伴う骨肉腫は、体幹部に出現しやすく、また高齢で発症しやすいことから予後は不良です。
骨パジェット病の方は、主治医の整形外科医などで治療やその後のフォローを受けるようにしましょう。

過去の放射線治療

過去にがんなどの治療で放射線を受けた部位に、時間が経過してから骨肉腫が発生する場合があります。放射線が骨の細胞にダメージを与え、長期間にわたり遺伝子に変化を引き起こすことで腫瘍が発生しやすくなります。
過去に放射線治療を受けた方に、骨肉腫の症状である痛みや腫れが出た場合は、整形外科またはがん専門の医療機関を受診しましょう。できるだけ早く専門医に相談し、必要な検査を受けることをおすすめします。

骨肉腫の検査法

骨肉腫の診断には、いくつかの検査が必要です。以下に代表的な検査法を紹介します。

X線検査

これは主に整形外科で行われ、総合病院やがん専門病院の放射線科でも検査が可能です。X線検査では、骨の状態を確認し、腫瘍の有無や形状、広がりなどを調べます。入院は不要で、外来での検査が一般的です。検査当日に帰宅が可能で、短時間で済むため、患者にとっても負担の少ない方法です。

MRI検査

次に、MRI検査が行われます。整形外科や放射線科がある総合病院やがん専門病院で受けることができ、腫瘍の詳細な広がりを確認するために重要な検査です。
MRIでは、骨肉腫の位置やサイズ、周囲の軟部組織への影響も評価できます。外来で予約をして検査を受けることが一般的で、入院の必要はありません。検査当日に帰宅可能で、所要時間は30分〜1時間程度です。

生検(組織検査)

生検(組織検査)も骨肉腫の診断に欠かせない検査です。主に整形外科や病理科がある病院で行われ、がんセンターなどの専門病院でも実施されます。生検では腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で詳細に分析することで、骨肉腫かどうかを確定することが可能です。
簡易な生検であれば日帰りも可能です。局所麻酔ではなく全身麻酔が必要な場合や、検査後の経過観察が必要な場合には入院することもあります。入院に必要な日数は、1日〜数日程度が想定されます。

骨肉腫の治療法

骨肉腫に対しては、病状や患者の年齢、腫瘍の進行具合に応じて最適な治療が選ばれます。以下に代表的な治療法を紹介します。

薬物治療

骨肉腫に対する治療のメインとなるのが、薬物治療(化学療法)です。
骨肉腫に対しては、2〜3ヶ月の薬物治療後に手術を行い、数ヶ月の間薬物治療を追加することがスタンダードな治療となっています。
薬物治療で用いられるのは、メトトレキサート、シスプラチン、アドリアマイシンの3つが基本です。この3剤に、イホスファミドを加えることもあります。薬物治療は主に腫瘍内科やがん治療専門の科で行われ、総合病院やがん専門病院で受けることができます。
通常は入院が必要で、化学療法のスケジュールに応じて数週間から1ヶ月程度必要となることが多いです。治療に伴う副作用があり、シスプラチンでは腎機能障害や聴力障害、アドリアマイシンでは心臓の障害の恐れがあります。そのため、薬物療法中ならびに薬物療法後には、それらの副作用について対応し検査を定期的に行っていきます。

手術療法

骨肉腫に対しては、手術療法も重要です。
手術では、腫瘍が表に出ないように、周りの健康な組織ごとひとかたまりで取り除くことが基本です。これを「広範切除」と呼びます。もし手足に栄養を送る大切な血管や動かすための神経を残せる場合は、手足を切断せずに残す「患肢温存手術」が可能です。必要に応じて人工関節や骨移植を行う場合もあります。
手術は整形外科やがん外科で行われ、がん専門病院や設備の整った総合病院で受けられます。手術の内容や範囲に応じて入院が必要で、一般的には1〜2週間程度の入院が見込まれます。術後はリハビリが重要で、特に切除部位が脚や腕の場合は、日常生活に必要な筋力や関節の可動域を取り戻すために理学療法が行われます。

放射線治療

骨肉腫は放射線治療が効きにくい腫瘍であるため、通常、放射線治療はあまり行われません。しかし、腫瘍が大きかったり、発生した部位によって広範切除が難しかったりする場合や、患肢温存術での再建が難しい場合には、手術前後の補助治療として放射線治療が行われることがあります。また、脊椎や骨盤など、広範切除が難しい部位に発生した場合には、粒子線治療(陽子線や重粒子線(炭素イオンなど)を病変に照射する治療)を用いることもあります。
放射線治療は放射線科やがん放射線治療専門の科で実施され、がんセンターや高度医療を提供する病院で受けることが多いです。放射線を腫瘍部位に照射して腫瘍の増殖を抑える方法で、通常は外来通院で行うため入院は不要です。ただし、治療が複数回にわたり行われるため、2〜3週間の通院が必要になることが一般的です。

「骨肉腫の部位」についてよくある質問

ここまで骨肉腫の部位について紹介しました。ここでは「骨肉腫の部位」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

骨肉腫を発症すると体のどこに腫れができやすいですか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

骨肉腫が発症すると、特に大腿骨(太ももの骨)や脛骨(すねの骨)、上腕骨(腕の骨)の近くに腫れができやすいです。これらの骨の端に近い部分、特に膝や肩の周辺で腫れが見られることが多いです。腫れは初期には目立たないこともありますが、腫瘍が大きくなるにつれて徐々に目に見えてくることが多く、痛みを伴うこともあります。

編集部まとめ

今回の記事では、骨肉腫ができやすい部位について、大人と子供に分けて説明しました。
骨肉腫は膝関節や肩関節の周りに起こりやすい腫瘍です。
骨肉腫は、発生する部位や症状からは早期発見が難しいこともあります。しかし、治療の成功率を高めるためには、少しでも異変を感じたら早めに受診しましょう。関節周囲の痛みや腫れなどの症状が続く場合には、整形外科もしくは小児科を受診するようにしましょう。

「骨肉腫」と関連する病気

「骨肉腫」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

  • 骨パジェット病
  • 線維性骨異形成症

遺伝性疾患系の病気

  • 遺伝性網膜芽細胞腫
  • ブルーム症候群
  • リ・フラウメニ症候群
  • ロスムンド・トムソン症候群

こうした病気は、骨肉腫のリスクを高める可能性があります。

「骨肉腫」と関連する症状

「骨肉腫」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 痛み
  • 腫れ
  • 関節が動かしづらくなる
  • 跛行
  • 手足の麻痺
  • 感覚異常
  • 膀胱・直腸障害

骨肉腫の症状としてはこれらのようなものがあります。骨肉腫が進行するまでは症状に乏しい場合もあるので、気になる症状があれば整形外科や小児科を受診しましょう。

この記事の監修医師

注目記事

S