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「食道がんは何歳から」発症リスクが高くなる?なりやすい人の特徴も解説!

 公開日:2024/11/25
食道がんは何歳から発症リスクが高くなる?原因やなりやすい人・症状も解説

高齢の方や喫煙・飲酒習慣のある方は、普段からがんについて気になることがあるかもしれません。食道がんは加齢や喫煙、飲酒などの生活習慣が発症原因となりやすいがんです。

また食道がんは初期症状の出にくいがんとして知られています。したがって食道がんを予防し、早い段階で発見するためには事前に知識を持っておくことが必要になるでしょう。

食道がんの特徴とその予防法や早期発見方法について解説します。

山本 康博

監修医師
山本 康博(MYメディカルクリニック横浜みなとみらい)

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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長
東京大学医学部医学科卒業 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医 日本内科学会認定総合内科専門医

食道がんとは

食道とはのどから下って胃にいたるまでの管状の消化管であり、成人で平均25cmです。
食道の役割は呑み込んだ食べ物を胃まで送ることであり、その筋肉の働きによって食べ物を胃まで誘導します。胃の内容物の嘔吐を防ぐのも食道の役割といえるでしょう。
食道がんはこの食道に発生するがんであり、内面を覆っている粘膜からでき始めます。

食道がんは何歳から発症リスクが高くなる?

国立がん研究センターが2020年に発表した年齢階級別罹患率によると、45歳から徐々に罹患者数が増え、75~79歳が最多となっています。
男性の場合、50~54歳の罹患率が12.8%なのに対し、75~79歳になると128.2%となり10倍近くなっています。そのため、食道がんは高齢者が発症しやすいがんだといえるでしょう。

食道がんの原因やなりやすい人の特徴

次に食道がんの要因となりやすい習慣や発症しやすい方の特徴を解説します。

喫煙量・飲酒量が多い

喫煙や飲酒と食道がんの関係について1990年から2004年に行われた調査があります。
まず喫煙について、喫煙経験のない方に比べて過去喫煙者は3.3倍、現在喫煙者は3.7倍の発生リスクが記録されています。また現在喫煙者のなかでも喫煙本数が多い方程食道がんの発生リスクが高まるとも記録されていました。
飲酒に関して普段飲まない方と比較した場合、毎日の飲酒量が1合未満で1.6倍・1合~2合では2.6倍・2合以上では4.6倍の食道がんの発生リスクとなっています。喫煙や飲酒の習慣は食道がんの発生リスクを高めるといえるでしょう。

男性

食道がんは女性より男性が発症しやすい症状です。食道がんを発症する確率は男性が2%で女性が0.4%となっています。男性の発症率は女性の約5倍です。

ビタミンが不足している

野菜や果物の摂取は食道がんの予防につながります。野菜と果物を合計して多く摂取する方は摂取量の少ない方に比べて、食道がんの発生リスクがほぼ半分になるとのデータがあります。
また野菜と果物の毎日の合計摂取量が100g増加すると、食道がんの発生率がおよそ10%下がるという記録もありました。このデータから、ビタミン不足は食道がんの発症につながりやすいといえるでしょう。

熱いものや辛いものをよく食べる習慣がある

温度が熱いものを日常的に摂取すると食道がんのリスクが高まるともいわれています。
国際がん研究機関では65度以上の飲食物に気をつけるように指摘しています。熱いお茶類は約90度で摂取されることが少なくないので注意が必要といえるでしょう。
お茶の成分が食道がんのリスクを高めるわけではありません。また辛いものが食道を通るときの刺激も食道がんにつながりやすいとされます。

頭頸部がんの既往がある

食道がんの発症にはほかのがんを併発するケースが多く見られます。頭頸部がん・胃がん・肺がん・大腸がんなどが併発しやすいがんといえるでしょう。
このなかでも頭頸部がんは食道がんとの併発が多く報告されているがんなので、頭頸部がんの治療後も食道がんへの注意が必要かもしれません。

食道がんの症状

食道がんの症状にはいくつかの特徴があります。食道がんを疑うべき症状について解説しましょう。

初期には自覚症状が出ないことが多い

食道がんは初期症状が出にくいがんとして知られています。
したがって自覚症状が出てきたときには症状がかなり進行していることも少なくありません。食道がんの初期段階の発見には内視鏡検査が有効だといえるでしょう。内視鏡検査で発見された初期段階の食道がんは完治の可能性が高くなります。

嚥下障害

食道がんの症状としてまずは嚥下障害が挙げられます。嚥下障害は飲食物の呑み込みに困難を感じる症状で、食道がんの腫瘍が飲食物の通り道を圧迫することによって発症します。
嚥下障害が進行すると、飲食物の摂取が困難になることにより栄養失調や脱水症状につながるかもしれません。嚥下障害を自覚した時点で食道がんがステージ3まで進行しているケースも多く見られます。嚥下障害は食道がんを発見するための重要なサインだといえるでしょう。

飲食時の胸の違和感

飲食時の胸の不快感も食道がんの典型的な症状です。不快感としてよく見られる症状は胸焼けで、胃酸が逆流することが原因といえます。
ただし胃酸が逆流する原因としては食道がん以外にも胃食道逆流症があります。胃酸の逆流による胸の不快感の原因が食道がんだとは断定できないので、食道がんの検査が必要だといえるでしょう。

体重減少

飲食物の飲み込みが困難になり体重減少が起こった場合、食道がんはかなり進行していることが疑われます。
食道がんの治療に移るときに体重減少による体力の低下が悪影響を与えるケースもあるでしょう。目安として3ヶ月に5kg以上の体重減少が見られる場合は検査をした方がよいかもしれません。

胸や背中の痛み

食道がんが進行して周りの器官を圧迫するようになると、胸や背中に痛みを感じることがあります。
これらの症状は食道がんだけでなく胸や背中の疾患でも見られるため、食道がんの発症を断定することができません。ただし胸や背中の病気を疑っていると実は食道がんだというケースがあるかもしれません。早期の検査が必要な症状といえるでしょう。

声のかすれ・せき

食道がんが肺や気管支にまで悪影響を与えると、声のかすれや咳といった症状を発症する場合もあります。
これらの症状は食道がん以外が原因であるケースもあります。しかし耳鼻咽喉科で検査を受けると食道がんが見逃されてしまうこともあるでしょう。これらの症状が出た場合は食道がんの発症も疑う心がけが必要かもしれません。

食道がんが何歳から発症リスクが高くなるかについてよくある質問

ここまで食道がんの症状やその特徴などを紹介しました。ここでは「食道がんの予防や早期発見」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

食道がんの予防方法について教えてください。

山本 康博医師山本 康博(医師)

食道がんの原因としてはまず喫煙や飲酒が指摘されています。喫煙習慣を持たないことや飲酒量を控えることは食道がん予防の基本といえるでしょう。喫煙は周りの家族や友人の受動喫煙にもつながりかねません。食道がん予防には食生活に注意することも重要です。熱い飲食物や辛い食べ物は食道がんの原因になりえます。野菜や果物の摂取は食道がんの予防対策によいとされています。

食道がんの早期発見のポイントを教えてください。

山本 康博医師山本 康博(医師)

食道がんは早期の症状が出ないがんとして知られています。食道がんの早期発見には内視鏡検査が有効です。定期的に検診を受けるとよいかもしれません。胸の違和感や痛みおよび咳や声のかすれは食道がんの症状ですが、別の病気だと勘違いしてしまうケースもあります。ほかには嚥下障害や体重減少などは食道がんの症状ですので、身体の異常を見逃さないことが大切だといえるでしょう。

編集部まとめ

食道がんは初期症状の自覚がむずかしいがんです。食道がんの早期発見には内視鏡検査が有効ですので、定期的に身体の検診を受けることが奨励されます。

嚥下障害・胸や背中の違和感や痛み・体重減少・咳や声のかすれは食道がん発症のサインとなります。

食道がんの発症を見逃さないように普段から気を配ることが必要かもしれません。

食道がんと関連する病気

「食道がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

食道アカラシアは食道の筋肉が弛緩しなくなる症状です。食道良性腫瘍は無症状の状態が少なくありませんが、手術が必要となることもあるでしょう。

食道がんと関連する症状

「食道がん」と関連している、似ている症状は5個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 嚥下障害
  • 体重減少
  • 胸や背中など周囲の違和感
  • 声のかすれ

これらの症状が発症すると食道がんがすでに進行している可能性があるので速やかな検診が必要といえるでしょう。

この記事の監修医師