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「急性骨髄性白血病」の予後を左右する要因はご存じですか?治療法も医師が解説!

 公開日:2026/02/20
「急性骨髄性白血病」の予後を左右する要因はご存じですか?治療法も医師が解説!

急性骨髄性白血病の予後は、患者さんの年齢や治療への反応に大きく依存し、早期の診断と適切な治療が鍵となります。
本記事では急性骨髄性白血病について以下の点を中心にご紹介します。
・急性骨髄性白血病について
・急性骨髄性白血病の治療法とは?
・急性骨髄性白血病の予後について
急性骨髄性白血病について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

山本 佳奈

監修医師
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

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滋賀医科大学医学部 卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

急性骨髄性白血病とは

急性骨髄性白血病(AML)とは、骨髄内で発生する血液のがんの一種です。この病気は、骨髄で正常に分化すべき前骨髄球が異常を来し、がん細胞へと変化することにより引き起こされます。これらの異常細胞は成熟せず、無秩序に増殖を続け、健康な血液細胞の生成を妨げます。その結果、骨髄内が悪性の白血病細胞で占められ、体内の免疫機能に重大な影響を与えることになります。

急性骨髄性白血病には多くのタイプがあり、それぞれ異なる遺伝的変異によって特徴づけられます。
遺伝子異常は、病気の進行様式や治療反応にも影響を及ぼすため、診断時には遺伝的分析が重要です。

急性骨髄性白血病は、年齢を問わず発症する可能性があり、幼少期に発症(小児白血病の25%程度を占める)することも少なくありません。ただし、成人において発症率が高まる傾向にあり、高齢者に多く見られる病気でもあります。
また、過去に放射線療法や化学療法を受けたことがある患者さんは、二次性として急性骨髄性白血病を発症するリスクが高まります。

急性骨髄性白血病の症状

急性骨髄性白血病の患者さんは、異常な血液細胞の増加により、さまざまな症状が現れます。
骨髄内での白血病細胞の過剰な増殖は、正常な血液細胞の生成を妨げ、その結果として以下のような健康問題が引き起こされます。

【貧血症状】
正常な赤血球が減少することで、慢性的な疲労感や息切れ、心拍の増加が生じます。
日常活動時にも容易に疲れやすくなり、顔面蒼白などを示すこともあります。

【出血関連の症状】
血小板の減少により、体内の止血機能が低下します。
鼻血、歯肉出血、紫斑(皮膚に小さな出血点が現れる)などを引き起こすことがあり、日常の軽い衝撃であっても出血しやすくなるため、注意が必要です。

【感染症のリスク増加】
白血球の機能不全により、細菌やウイルスの感染に弱くなります。
反復する発熱や、治りにくい感染症を繰り返すようになります。
さらに、白血病細胞の浸潤が他の臓器にも影響を及ぼすことがあります。

【腹部の腫れや痛み】
脾臓や肝臓への白血病細胞の浸潤は、これらの臓器の腫大を引き起こし、腹部の不快感や食欲不振の原因となることがあります。

【骨や関節の痛み】
骨髄や骨膜への白血病細胞の影響で、骨痛や関節痛が生じることもあります。

【神経系の症状】
髄膜浸潤によって引き起こされる頭痛や視覚障害、場合によっては精神状態の変化など、中枢神経系に関連する症状が現れることがあります。

これらの症状は急性骨髄性白血病の進行とともに急速に悪化する傾向にあるため、早期の発見と治療が重要です。

急性骨髄性白血病の検査

急性骨髄性白血病の診断では、まず血液検査で血球の数や形状の異常を確認し、次に骨髄検査で異常な白血病細胞の有無を調べます。
骨髄検査は、骨髄液を採取して顕微鏡で観察する方法で、急性骨髄性白血病の確定診断に不可欠です。
また、染色体異常や遺伝子変異の有無を調べるための遺伝子検査も行い、検査結果に基づいて治療方針が決定されます。
迅速かつ正確な検査が、急性骨髄性白血病の早期発見と適切な治療につながります。

急性骨髄性白血病の治療法

急性骨髄性白血病の治療は、患者さんの状態に応じてさまざまな方法が選択されます。ここでは、主な治療法を詳しく解説します。

化学療法

急性骨髄性白血病の治療法として、化学療法が主に用いられます。
化学療法は、白血病細胞を効果的に攻撃する薬剤を使用し、血液や骨髄中の異常細胞を減少させることを目指します。

急性骨髄性白血病の治療は大きく分けて、寛解導入療法と地固め療法の2つの段階で行われます。
寛解導入療法では、可能な限り白血病細胞を排除し、寛解を目指します。
地固め療法では、残存する微少な白血病細胞を徹底的に排除し、再発を防ぐことを目的としています。
治療の進行に伴い、副作用や体調管理が重要となり、長期的な治癒を目指します。

造血幹細胞移植

急性骨髄性白血病の治療法の一つに、造血幹細胞移植があります。
造血幹細胞移植は、強力な化学療法や放射線療法で白血病細胞を一掃した後に、健康な造血幹細胞を移植して新たな血液細胞の生成を促す方法です。なかでも再発リスクが高い患者さんや、従来の治療が効果を示さなかった場合に適用されることが多い傾向にあります。

移植には、適合するドナーが必要であり、骨髄や臍帯血などから採取された造血幹細胞が用いられます。成功すれば、白血病を根治できる可能性が高まりますが、合併症のリスクも伴うため、慎重な管理が求められます。

分子標的療法

分子標的療法は、がん細胞の増殖に関わる分子をターゲットにすることで、がんの進行を抑える効果が期待できます。従来の化学療法とは異なり、分子標的療法は健康な細胞への影響が少なく、患者さんにとって副作用が軽減されることが期待されています。
なかでも、遺伝子変異を持つ急性骨髄性白血病患者さんに対して有効な治療法として用いられています。
分子標的療法は急性骨髄性白血病の治療で大きな役割を果たしており、今後の研究と治療の進展により、さらに効果的な治療が期待されています。

急性骨髄性白血病の予後

急性骨髄性白血病の予後は、治療の進行状況や患者さんの個別の状態によって大きく異なります。治療開始時の年齢や全身の健康状態、そして白血病細胞の遺伝的特徴が予後に影響を与える主な要因です。若年者や健康状態が良好な患者さんの方が予後がよい傾向にあります。
また、遺伝的にリスクが低い型の急性骨髄性白血病は、治療に対する反応が良好であることが多い傾向にあります。しかし、再発のリスクも存在し、その際には予後が厳しくなることがあります。
早期診断と適切な治療が、良好な予後をえるための重要な要素となります。

急性骨髄性白血病についてよくある質問

ここまで急性骨髄性白血病を紹介しました。ここでは急性骨髄性白血病についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

急性骨髄性白血病の治療ではどのような副作用が出ますか?

根来 和輝根来 和輝 医師

急性骨髄性白血病の治療では、主に化学療法が行われ、副作用としてさまざまな症状が現れることがあります。なかでも、骨髄抑制による白血球、赤血球、血小板の減少が見られ、感染症のリスクが高まるほか、貧血や出血傾向も強くなります。また、吐き気や嘔吐、脱毛、口内炎、食欲不振などもよく見られる副作用です。
さらに、化学療法によって消化器系や皮膚に影響が出る場合もあります。
副作用は一時的なものであり、医師と相談しつつ適切な対処法を取り入れることで、症状の軽減を目指します。そのため、治療中はこまめな健康チェックとサポートが重要となります。

急性骨髄性白血病の再発について教えてください

根来 和輝根来 和輝 医師

急性骨髄性白血病の再発とは、治療が一度成功し、寛解状態に達した後に、再び白血病細胞が増殖し始める状態を指します。再発は、数ヵ月から数年後に見られる傾向にあります。
再発した場合、新たな治療が必要となりますが、その治療法は初回治療と異なる場合があります。

再発時の治療には、高用量化学療法や再移植、あるいは臨床試験を利用した新しい治療法が含まれることがあります。
また、患者さんの全体的な健康状態や再発の程度に応じて、治療計画が個別に調整されます。
再発時には早期の診断と適切な治療が重要であり、症状が現れた場合には迅速な医療機関の受診が推奨されます。

まとめ

ここまで急性骨髄性白血病についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

⚫︎まとめ
・急性骨髄性白血病とは、骨髄で異常な白血球が急速に増殖し、正常な血液細胞が圧迫される病気である
・急性骨髄性白血病の治療法には化学療法、造血幹細胞移植、分子標的療法などがある
・急性骨髄性白血病の予後は、患者さんの年齢や健康状態、治療への反応によって大きく異なる

急性骨髄性白血病と関連する病気

急性骨髄性白血病と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

血液内科の病気

  • 急性リンパ性白血病(ALL)
  • 骨髄異形成症候群(MDS)
  • 慢性骨髄性白血病(CML)
  • 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
  • リンパ腫

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

急性骨髄性白血病と関連する症状

急性骨髄性白血病と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 貧血症状
  • 出血傾向
  • 易感染
  • 腹部の腫脹や痛み
  • 骨や関節の痛み
  • 神経系の症状

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

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