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「急性骨髄性白血病の予後」を左右する”5つの要因”とは?治療法も医師が解説!

 公開日:2026/02/23
急性骨髄性白血病の予後

ある日突然、あなたは急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia:AML)です、といわれたら誰だって頭が真っ白になるでしょう。

白血病に対しては、いまだに治らない病気のイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし白血病の治療法はこの30年で飛躍的に改善され、今では治癒する方も決して珍しい病気ではなくなっています

白血病という病気を知り、その治療法を理解し、よりよい予後を目指しましょう。

山本 佳奈

監修医師
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

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滋賀医科大学医学部 卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

急性骨髄性白血病とは

急性骨髄性白血病は、血液中の血液細胞(赤血球・白血球・血小板など)のなかの白血球になる前の細胞(骨髄芽球)ががん化し、骨髄で無限に増えてしまう病気です。
血液細胞ががん化することで、赤血球・白血球・血小板が減少するため、貧血の症状が見られます。血小板の減少によって鼻血や歯茎からの出血、発熱・頭痛・関節痛などの症状が見られることもあるでしょう。
急性骨髄性白血病の特徴は、その名のとおり進行が早いことです。症状も突然あらわれるため、症状が見られたらできるだけ速やかに医療機関で診断を受けるようにしてください。
遅くなればなるほど、骨髄のなかの白血病細胞が増えていくため、できるだけ迅速に治療を開始することが望まれます。

急性骨髄性白血病の予後を決める要因

急性骨髄性白血病の予後は、さまざまな要因によって変化します。ここではその要因別に解説していきます。

患者さんの年齢

不治の病といわれていた白血病も、現在では治癒を目指して治療のできる病気になりました。特に65歳以下の患者さんの場合、およそ80%が完全寛解になり、そのうちの40%前後の治癒が期待されています。
治癒とは病気そのものが治ることを指しており、急性骨髄性白血病は治せる病気になっているということです。白血病全般にいえることとして、患者さんの年齢が若いほど、治癒の可能性は高くなります。一般的な年齢の区切りは、30歳・50歳・65歳・70歳といわれています。
65歳以上の急性骨髄性白血病の患者さんの場合、完全寛解率は60%台であり寛解しても再発することが少なくなく、治癒の期待はあまり持てないのが現状です。
75歳以上の患者さんの場合は治癒を望むことが難しいケースが多く、患者さんのQOLに配慮した治療を行います。
造血幹細胞移植の治療を行う場合、40歳以下の患者さんは副作用に耐えられますが、50歳以上になると厳しいケースが少なくありません。しかし、近年では55歳でも体力があり、移植に耐えられる方も増えています。

全身状態

治療の開始が遅れると、血液中の白血球が急速に増加していきます。病気が進行すれば、脾臓・肝臓・リンパ節などが肥大し、臓器への浸潤が見られるようになります。急性骨髄性白血病は進行の早いことが特徴です。
浸潤は皮膚や脳髄膜などへと進んでいき、頭痛といった症状が見られることもあります。貧血症状や紫斑など、全身の症状が広がってからの治療の場合は、それだけ白血病細胞を駆逐するのに時間がかかります。

合併症の有無

急性骨髄性白血病に多い合併症は感染症と出血です。抗がん剤の使用によって粘膜障害を引き起こすケースも多く、消化管粘膜のびらんを起こすことや、肺炎や敗血症を起こすこともあります。
症状が進むと免疫が落ち、感染症が抑えられず命を落とすケースもあり、注意が必要です。

白血病細胞の特徴

白血病細胞とは、血液細胞になる前の細胞や、造血幹細胞ががん化したものです。白血病細胞が増えていくと、正常な血液細胞が作られなくなるため、貧血といった症状を引き起こします。
また白血病細胞が増えることで正常な白血球が減少し、感染症を引き起こすこともあります。白血病細胞は増殖する速度がとても早いのが特徴です。

治療の効果

治療の効果は年齢によってかなり差があります。基本的に、薬物療法・化学療法・造血幹細胞移植すべてにおいて、年齢が若い方が治療の効果が高いことがわかっています。65歳未満の場合完全寛解率はおよそ80%です。
65歳以上の場合60%台と寛解率が下がり、再発も見られるようになります。75歳を超えると抗がん剤に対して体力的にもたないことが少なくないため、積極的な治療ではなく、QOLを考慮した緩和ケアに切り替わるケースがほとんどです。

急性骨髄性白血病の診断・検査方法

急性骨髄性白血病の診断をするために必要な検査方法について解説します。検査によって何を見ているのか、どこに着目しているのか、理解すれば検査も安心して受けられるでしょう。

血液検査

血液を採取し、血液中の赤血球・白血球・血小板の数や、各成分のバランスを確認します。赤血球の数や血小板の数は減少していないか、白血球数は増えていないか、正常な血液中には見られない白血病細胞(未完成の血液細胞)がないかを検査します。
これらの内容に異常があった場合、詳しく調べるために、骨髄検査を行います。

骨髄検査

骨髄穿刺または骨髄生検ともいい、腰または胸の骨に太い針を刺し、骨髄液を採取する検査です。骨髄液のなかに白血病細胞が存在しているか、血液細胞の密度や形状に異常はないかなどを顕微鏡を使って検査します。
近年では遺伝子を調べることで白血病の型まで特定できるようになりました。ただ遺伝子検査は高額なため、一般的には顕微鏡での検査が主流です。顕微鏡検査で白血病細胞の存在が20%以上認められた場合、急性白血病と診断されます。

画像診断

進行具合によっては、画像診断が行われることもあります。画像診断は主に、急性骨髄性白血病の診断をするというよりも、白血病の浸潤を確認するために使われることがほとんどです。
診断までに時間がかかった場合、脾臓・肝臓・リンパ節などの腫れが見られる臓器浸潤が考えられます。脳髄膜への浸潤も考慮に入れて、画像診断を行うケースがあります。

急性骨髄性白血病の治療法

急性骨髄性白血病の主な治療法を解説します。治療の方法や時期によっても予後に違いが出るため、治療の目的や内容を把握しておくことが大切です。

化学療法

化学療法は別名薬物療法とも呼ばれ、シタラビンやイダルビシンなどの抗がん剤を使用して、完全寛解を目指します。現在の化学療法では、患者さんが若いほど寛解率は高く70〜80%です。
それに対して高齢者の化学療法の完全寛解率は低いのが現状で、これは化学療法が強力なため、高齢者の身体では耐えられないためだと考えられています。
75歳以上の患者さんの場合には、副作用が出る化学療法は行わないことが多く、QOLを優先する治療法をとります。

造血幹細胞移植

造血幹細胞とは血液細胞(赤血球・白血球・血小板)のもとになる細胞のことです。この細胞が骨髄中で細胞分裂を繰り返して増えていきます。
血液細胞の一部ががん化することで白血病が発症するため、元となる造血幹細胞を移植して白血病の治癒を目指すのが造血幹細胞移植です。
造血幹細胞移植には、自家造血幹細胞移植と同種造血幹細胞移植の2種類があります。
自家造血幹細胞移植は、あらかじめ採取しておいた自分の造血幹細胞を凍結保存します。凍結保存した造血幹細胞に大量化学療法によって処置を施し、解凍して身体に移植する治療法です。
同種造血幹細胞移植は、主に放射線治療や化学療法の後に、白血球の型が適合したドナーから造血幹細胞の提供を受けて移植します。放射線治療や化学療法の効果が高い種類の白血病に、再発や完治を目的として行われる治療法です。

急性骨髄性白血病の予後についてよくある質問

ここまで急性骨髄性白血病の予後を決める要因・診断・検査方法や治療法などを紹介しました。ここでは「急性骨髄性白血病の予後」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

急性骨髄性白血病の余命はどのくらいですか?

白血病全体の5年相対生存率は44%(男性43.4%・女性44.9%)です。急性骨髄性白血病の65歳未満の完全寛解がおよそ80%という数字を見ても、生存率の向上がうかがえます。

急性骨髄性白血病の再発率はどのくらいですか?

急性骨髄性白血病は、治療が終わってから3〜5年以内に再発することが多く、完全寛解の状態が3年以上続くようであればほぼ再発はしないといわれています。完全寛解状態が5年以上続くと治癒したと考えられます。65歳以上の場合は一度寛解しても、再発するケースが少なくない傾向です。

編集部まとめ

急性骨髄性白血病とはどのような病気なのか、その検査方法・治療法・予後について解説しました。

急性骨髄性白血病は年齢が若いほど治癒率が高く、発見・治療開始が早いほど治療の効果が出やすい病気です。

進行の速さもこの病気の特徴であるため、小さな兆候も見落とさず、早めの受診・検査を心がけましょう。

急性骨髄性白血病と関連する病気

「急性骨髄性白血病」と関連する病気は6個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 急性前骨髄球性白血病
  • 急性リンパ性白血病
  • 慢性骨髄性白血病
  • 慢性リンパ性白血病
  • 小児急性リンパ性白血病

白血病のなかには、急性骨髄性白血病以外にも、上記のような病気があります。白血病のなかでも進行速度や症状に違いがあります。

急性骨髄性白血病と関連する症状

「急性骨髄性白血病」と関連している、似ている症状は9個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 貧血
  • 紫斑
  • 皮下出血
  • 敗血症
  • 感染症
  • 肺炎
  • 出血すると止まりにくい

急性骨髄性白血病には、進行がとても早いという特徴があります。そのため、症状に気付いた場合は速やかに医療機関の診察を受けるようにしてください。

この記事の監修医師