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「大腸がんの進行速度」が”速くなる人の特徴”は?発症した時の症状も医師が解説!

 公開日:2026/01/13
「大腸がんの進行速度」が”速くなる人の特徴”は?発症した時の症状も医師が解説!

大腸がんは、食の欧米化などの影響で近年患者さんの数も死亡数も増加している病気です。

がんと聞いただけで怖い病気というイメージが先行して、「余命はどのくらい?」「進行速度は速い?」と不安が押し寄せてくる人も少なくないでしょう。

しかし、近年では検査や治療の方法が進化している病気でもあります。

この記事では大腸がんの症状や進行速度などの特徴をご紹介し、発症を予防したり進行を遅らせたりするための治療方法、検診の頻度などについても解説します。参考にしてみてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

大腸がんとは?

大腸がんとは、大腸に発生する悪性腫瘍の総称です。大腸は盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸の結腸部分と、上部直腸・下部直腸の直腸部分に分けられます。大腸がんになりやすいのは、便が長い間とどまるS状結腸と直腸です。
治療方法には内視鏡治療・外科治療・化学療法・放射線治療などがあります。がんの深さや転移・浸潤の有無などから総合的に判断して選択されます。早期に発見して治療すれば多くが治癒できるといわれているがんです。

症状

早期の状態では自覚症状がない場合がほとんどですが、進行すると以下のような症状が現れます。

  • 血便や下血など便に血が混じる
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 残便感がある
  • 便が細くなる
  • 貧血
  • 腹痛
  • 嘔吐

痛み

大腸がんは、がんそのもので痛みを感じることはあまりありません。大腸がんの痛みは、腸の中で便が通ることを妨げられるために感じる痛みです。
そのため、断続的に続くようなものではなく、腸の動きに伴って痛みが波のように寄せて引いてを繰り返すように感じます。また、腫瘍が大腸以外の神経やほかの臓器に浸潤していると、腹部以外の脚・背中・お尻などの場所に痛みが現れます。

自覚症状

大腸がんに特徴的な自覚症状としては、ここまで挙げてきたような腹部の違和感や痛み、排便習慣の変化や違和感などが主です。早期の場合は自覚症状はほとんどありませんので、大腸がんを早期に発見するには、毎年欠かさず大腸がん検診を受けることが大切です。

大腸がんは若い人ほど進行速度が速いって本当?

大腸がんに限らず、がんという病気は若い人程進行速度が速いというイメージがありますが、実はそうとも限りません。患者さんによる個人差や免疫状態、がんの種類とステージなど複数の要因が関係しています。また、一般的に大腸がんの進行速度は遅いといわれています。

若い人にできるがんの方が悪性度が高い傾向にある

例えば、10代に発生することが多いといわれるがんには、白血病・胚細胞腫瘍・骨軟部肉腫・脳腫瘍などの希少がんと呼ばれるものが多いため、診断や治療が難しいという状況があります。
また大腸がんの症例では、若い人がかかるとそれ以外の人に比べてリンパ管の侵襲度合いやリンパ節転移の進行度合いが高く、予後不良であったというデータもあるのです。

若い人の方が検診の頻度が低いため早期発見しにくい

若い人はがんに対する危機意識が低いので、40代以上などと比べて積極的に検診を受ける人や頻度が少なく、早期発見につながりにくい状態となっています。
一般的な企業や自治体での検診では、35歳や40歳などを機に基本の健康診断の項目が増える傾向にあり、若い人の健康診断だけではがんが見つかりにくいということも考えられます。早期発見が重要な大腸がんでは、若いうちから大腸がん検査を受けることが大切です。

免疫力の差で高齢者の方が進行速度が速い場合もある

免疫とは、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどから身を守るための自己防衛機能です。がんは、何らかの原因によって遺伝子の一部が変異したり、ウイルスに感染したりすることによって発生します。
免疫力が高いと細胞の異常を発見して取り除くことができるため、免疫力の高さとがんには相関関係があります。免疫力は、一般的には20〜30代でピークを迎え、40代以降は急激に低下します。がんの進行速度にはさまざまな要因が関係するため一概にはいえませんが、高齢になって免疫力が低下することで、がんの進行速度が速まる可能性もあるのです。

大腸がんの発症や進行速度を遅らせるポイント

大腸がんの発症を抑制したり進行を遅らせたりするにはどうしたらいいのでしょうか。生活習慣の改善ポイントや治療法などをご紹介します。

発症リスクを抑えるために生活習慣を見直す

一部の例を除き、大腸がんの大きな原因は生活習慣です。食べ物では豚肉や牛肉などの赤い肉や加工肉などはその発症リスクを高めるといわれ、魚や野菜を多く食べると大腸がんのリスクが低下するといいます。
食物繊維やカルシウムの摂取も大腸がん予防に効果的な可能性が高いとされています。また、喫煙と過度の飲酒も避けるべき習慣です。さらに日常生活を活動的に過ごして適正体重を保つことも大切です。運動は大腸がんの予防に効果的であることがほぼ確定的だといわれています。

化学療法や放射線治療を受ける

化学療法とは、抗がん剤などを使ってがん細胞の増殖を抑えたり破壊したりして治癒や延命を図る治療方法です。化学療法は全身に対してくまなく治療することができるため、複数箇所に転移があるがんを治療するのに効果が期待できます。
放射線治療とは、エックス線やガンマ線などの放射線をがんのある部位に当て、がん細胞を壊す治療法です。放射線によって正常な細胞も壊れますが、正常な細胞は自ら修復できます。これらの方法は、手術と組み合わせて進行速度を遅らせたり再発を防いだりするために用いられます。

感染症にかからないよう注意する

一部のがんは細菌やウイルスによる感染が原因でリスクを高め、日本人では、B型C型の肝炎ウイルスによる肝がんやピロリ菌による胃がんがよく知られています。その他にもヒトパピローマウイルスによる子宮頚がん、ヒトT細胞白血病ウイルス、Ⅰ型による成人T細胞白血病リンパ腫などがあります。
さらに、予防的な観点からだけでなくがん治療中の患者さんの視点からも感染症には注意が必要です。がん治療中は免疫力が低下するため、その状態で感染症にかかると重症化する危険があります。

身内にがん患者がいる場合は特に注意する

大腸がんのうち約5%は遺伝性のがんです。異常のある遺伝子を持っていることで、がんになりやすいのです。遺伝性の大腸がんには以下のようなものがあります。

  • リンチ症候群:遺伝子の異常を修復する遺伝子に異常があって発生します。リンチ症候群は50歳未満で発症することや右側大腸に多いこと、子宮体がんなど大腸以外のがんが発生するなどの特徴があります。
  • 家族性大腸腺腫症(FAP):腺腫と呼ばれるポリープの一種が大腸に数え切れない程たくさんできる病気です。この病気は大腸がんを発症する可能性が高く、40歳代までに半数の患者さんに大腸がんが発生します。

身内にこれらの病気の患者さんがいる場合は、若い頃から定期的な検診を欠かさないようにすることをおすすめします。

大腸がん検診を受ける頻度

大腸がん検診は、40歳以上の大腸がんの発症リスクが高い傾向にあることから、40歳以上の方は年に1回受診してください。受診のメリットとしては、大腸がんを早期発見し早期治療することができます。
デメリットとしては、受診のための時間や労力、また偽陰性や偽陽性、過剰診断や偶発症などの可能性があることです。これらを考慮したうえで、大腸がん検診の適正な頻度は年に1回となります。

大腸がんの進行速度についてよくある質問

ここまで大腸がんの症状・進行速度・検診の受診頻度などを紹介しました。ここでは「大腸がんの進行速度」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

大腸がんが進行するとどのような症状が現れますか?

大腸がんが進行してがんが大きくなると、腫瘍が便の通り道を邪魔して腹部に違和感や痛みが起こったり、腫瘍からの出血によって便に血が混じったりすることがあります。がんによって慢性的な出血があると貧血によるめまいが現れたり、腸が狭くなって便秘や下痢、お腹の張りを感じることもあります。がんが大きくなり腫瘍が完全に腸をふさいでしまった状態が腸閉塞です。腸閉塞になると便は完全に出なくなり、腹痛や嘔吐などの症状が出てきます。体重も目に見えて減ってくるケースがあります。

大腸がんは進行していても治りますか?

大腸がんは、がんが粘膜の深くまで達している場合やリンパ節への転移がある場合も、手術の適応範囲です。またほかの臓器への転移がある場合でも、化学療法のステップを踏んでから手術を行い、完全に切除すれば長期的な生存が見込まれます。化学療法も近年は成果が上がっているため、進行度などにもよりますが治る可能性は十分にあります。

編集部まとめ

今回は、大腸がんの進行速度と発症や進行を遅らせるポイントについて解説しました。

また、年齢による進行速度の違いが一概にはいえないことを紹介しましたが、意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

大腸がんは増加傾向にあるがんですが、早期に発見すれば手術などによる身体への負担も軽く、しっかり治しやすい病気です。

年に1回大腸がん検診を受診することは、早期発見につながる方法です。不安なく過ごすためにもぜひ受診しましょう。

大腸がんと関連する病気

大腸がんと関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 腺腫性ポリープ
  • 家族性大腸ポリポーシス
  • 大腸炎(潰瘍性大腸炎やクローン病など)

これらの病気は、放置することで将来がん化したりがんの原因となったりするため、適切な治療が必要です。

大腸がんと関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は7個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 便通の変化
  • 便の性状変化
  • 腹部膨満感
  • 肛門痛
  • 腹部のしこり

大腸がんは、最初は無症状かつ多少の症状が出てもお腹の調子が悪いという程度で見過ごされやすいものです。普段から排便習慣や便の状態を気にかけておき、生活や食事スタイルに大きな変化がないのに上記のような症状が現れた場合は、特に注意が必要です。

この記事の監修医師