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「口内炎と口腔がんの見分け方」はご存知ですか?口腔がんの初期症状も医師が解説!

 公開日:2024/09/06
「口内炎と口腔がんの見分け方」はご存知ですか?口腔がんの初期症状も医師が解説!

口内炎と口腔がんの見分け方とは?Medical DOC監修医が口内炎の種類や・初期症状・口腔がんができやすい部位・場所などを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

五島 志織

監修歯科医師
五島 志織(歯科医師)

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九州大学歯学部卒業。大学卒業後、同大学の付属病院で研修医終了後、クリニックで歯科医師として勤務後、現在、九州医療スポーツ専門学校で講師として、解剖学、生理学、病理学、衛生学などを、歯科衛生士学科、看護学科、柔道整復師学科の学生に指導中。

「口腔がん」とは?

口腔内にできる癌を総称して口腔がんといいます。
口唇がん、頬粘膜がん、歯肉がん、硬口蓋がん、舌がん、口底がんなどがありますが、口腔がんの中で一番多いのは、舌がんであり、全体の40パーセントをしめます。
舌がんの男女比は2:1で、ほかの口腔がんに比べ、平均年齢も低く、20~40代の罹患もしばしばみられます。好発部位は、舌縁、あるいは舌下面です。
口腔がんの治療は主に3つで、外科的療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)で、多くの場合1つだけでなく複数を採用します。
がんの治癒の目安としての5年生存率は70~80%です。

口内炎の種類

アフタ性口内炎

アフタ性口内炎とは、口腔粘膜疾患の中でもっとも頻繁にみられるもので、20~30代女性にやや多く、高齢者ではほとんどみられません。
原因には疲労、ストレス、感染症、女性では性周期などがあげられます。
対処法としてはビタミンB群を摂取すること、免疫力向上のため、十分な休養、または、口腔内を清潔に保つことも有効です。

ウイルス性口内炎

ウイルス性口内炎とは、単純ヘルペスウィルスに感染することによりおこる口内炎です。
一般的に口唇ヘルペスといわれます。口唇に小潰瘍が見られたり、発熱や倦怠感を伴ったりすることもあります。
原因となるウィルスはHSV-1で、初感染後3~7日で発症します。その後ウィルスは三叉神経節に潜伏し、免疫力が低下したり、ストレスがたまると再発が見られます。
再発を防ぐには、健康的な食生活を心掛けることが重要です。

カタル性口内炎

カタル口内炎とは、組織の崩壊がみられない漿液性の滲出性炎で、単純性口内炎ともいいます。
粘膜の発赤が主症状です。疼痛を伴う発赤や浮腫、口臭などを伴います。
不適合補綴物、細菌感染、温熱や放射線などの化学的、物理的刺激などが原因となり得ます。
口腔内清掃または不適物補綴物など原因が明確な場合はそれらの除去で対処できます。

アレルギー性口内炎

アレルギー性口内炎とは、特定の食べ物や薬剤、金属などに対してのアレルギー反応による口内炎で、見た目はアフタ性口内炎に似ています。
原因はアレルゲンとなる物資なので、アレルゲンを特定し、原因の除去が必要となります。

口内炎と口腔がんの見分け方

口内炎はよく見られる病気なので、口内炎があるといつも口腔がんを疑うわけにはいきませんが、2週間以上口内炎が治らない場合は口腔がんの可能性もあるので、専門医を受診することがおすすめです。
口腔がんの初期症状は、痛みのようなはっきりとしたものはありません。しかし、口腔内の粘膜の変化が現れることがあります。
口腔粘膜症状としては、色が白くなったり、赤みが強くなる、ただれる、ざらざらしたり、しこりを感じるといったものになります。
しかしこれらの症状は口腔がんだけにみられるわけではないので、症状だけで口腔がんとその他の疾患を見極めるのは極めて困難です。
このため、以下のようなセルフチェックを行い、このような症状がみられる場合は、歯科、歯科口腔外科または耳鼻咽喉科の専門医への受診をお勧めします。

セルフチェックポイント(口腔がんの初期症状)

  • ・口内炎が2週間以上なおらない
  • ・舌や口の中の粘膜の色が白く変化する
  • ・舌の赤みが強くただれている
  • ・舌の表面がざらざらしたり、しこりを感じる
  • ・歯ぐきの腫れや出血がある
  • ・歯のぐらつきがある

※歯のぐらつきの最大の原因は歯周病なので、歯がぐらつくだけでは、口腔がんと考えることは難しいのですが、口腔がんになると歯を支えている歯槽骨も影響をうけるため、歯がぐらつくことがあります。

口腔がんの前兆となる初期症状

白板症

白板症とは、白色の板状または、斑状の角化成病変で、擦過してもぬぐえないものをさします。
癌化率は、4.4~17.5%と報告されています。
原因は明らかにはなっていないのですが、たばこ、アルコール、刺激性食品、不適合補綴物などのような、局所への継続的な化学的もしくは、物理的刺激が誘因としてあげられます。
好発部位は、頬粘膜、舌、口底、口蓋です。また好発年齢は50~70才代で、男性は女性の2倍ほど多いことが知られています。
基本的に治療は外科的処置が必要となるので、口腔外科への受診をお勧めします。近くの歯科クリニックでも、白板症の疑いがある場合は口腔外科に紹介することが多いので、おかしいなと少しでも疑問に思った場合は、かかりつけの歯科医院で聞いてみることが重要です。
肉眼的に同じようにみえる疾患として、口腔カンジダ症という真菌感染症がありますが、カンジダ症の場合はガーゼで拭うととれるので、患者本人でも違いを認識することができるかもしれません。しかし、口腔カンジダ症であってもAIDSなどの初期症状の可能性もあるため、どちらにしても専門医への受診をお勧めします。
白板症自体、緊急性のある疾患ではないのですが、一部がん化する可能性があるため、早期発見、早期治療が望ましい疾患といえます。

紅斑症

紅斑症とは、発赤したビロード状の赤斑として生じる口腔粘膜病変です。
赤斑症はきわめてまれな疾患ですが、がん化する可能性が口腔粘膜疾患の中で最も高く、40~50パーセントといわれています。
高率でがん化するため、外科的切除が必要となります。そのため、口腔内に特に舌縁に赤斑が見られたら、早めに歯科医院を受診することをお勧めします。
また、外科手術後は、長時間にわたる経過観察が必要です。

口腔がんができやすい部位・場所

口腔がんが一番できやすい場所は舌であり、口腔がんのうち40%を占めます。
舌でも特に、舌縁にできやすいといわれています。
痛みは少なく、先述したように、白色の沈着物、赤みがみられ、表面がただれることもあります。
特に見た目として、口内炎に似ていることが多々みられるため、自己判断は困難です。
舌がんは初期には、白斑や紅斑があるびらんや小潰瘍がみられます。
さらに進行すると潰瘍と硬結(がんにより組織が硬くなること)を伴う腫瘍を形成します。
また、リンパ節転移をおこしやすいという特徴もあります。
発症したと思ったら、歯科、口腔外科もしくは耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。
受診時には、いつから見られたかを医師に伝えましょう。遺伝性のがんもあるので、家族にがんの既往がある場合も医師に伝えるようにしましょう。
がんは生活習慣病の一種なので、たばこや酒などの嗜好品といった生活歴も伝えると良いでしょう。
がん病変は、早期発見と早期治療を行うことが最も治療成績が良いので、少しでも疑いがある場合は早めの受診をお勧めします。

歯肉(歯ぐき)

舌がんに続いて多いのは歯肉(歯ぐき)がんであり、全体の30%を占めます。
先述の舌がんと、歯肉がんで口腔がんの70%を占めます。
上顎・下顎ともに臼歯部にガンが発生しやすいのですが、上顎・下顎別では、下顎歯肉は上顎歯肉の約1.7倍多いことが知られています。
自覚症状は乏しく、患者本人は気付きにくいことが多いのですが、歯肉の腫脹や潰瘍の形成がみられます。
また、歯肉は組織が薄いため、比較的早期に顎骨の吸収がみられることから、歯の動揺によって自覚することもあります。

「口内炎と口腔がんの見分け方」についてよくある質問

ここまで口内炎と口腔がんの見分け方などを紹介しました。ここでは「口内炎と口腔がんの見分け方」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

口腔がんのがんは主にどんな色が多いですか?

五島 志織五島 志織 医師

白斑や紅斑がみられることが多いので、白くなっていたり、赤みを帯びていたりしています。

編集部まとめ

口腔がんは20代から40代といった比較的若年層でもみられる疾患であるため、若くても注意が必要な疾患です。しかし、口腔がんは痛みなどを伴わないため、なかなか気づかれないことが多いのが現状です。
病期ごとの5年生存率を見てみると、初期であるstage Ⅰでの5年生存率は85%~95%である一方、末期であるstage Ⅳだと40~50%になります。
このことからも、早期発見・早期治療がいかに有効であるかがわかるかと思います。
実際には、患者自身でがんだと気づくことはなかなか難しいため、基本的には2週間以上たっても完治しないような口内炎、または白斑、紅斑などを伴う粘膜病変が見られる場合は悩まず、専門医を受診してほしいと思います。
また、飲酒喫煙で、口腔がん罹患率は上昇することがわかっているため、今一度生活習慣の改善も検討していただきたいと思います。
口腔がんのリスク要因は、飲酒禁煙だけでなく、口腔内の不衛生、が影響するため、口腔内を清潔に保つことは、歯周病や虫歯のリスクを下げるためだけでなく、口腔がんのリスクを下げるためにも有効です。

「口腔がん」と関連する病気

「口腔がん」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

歯科口腔外科の病気

白板症、紅斑症が前がん病変となり、また臨床所見も似ています。
それ以外には、梅毒性舌炎、扁平苔癬などがあげられます。特に梅毒に関しては現在日本で患者数が増加しており、社会的な問題にもなっているので、注意が必要です。

「口腔がん」と関連する症状

「口腔がん」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 口腔内の一部が白い
  • 舌の一部が白い
  • 舌表面の赤みやただれ

口腔がんの見た目は、口内炎に似ていることが多いため、自己判断は困難です。

この記事の監修歯科医師