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「急性骨髄性白血病の再発」は見逃しやすい?再発時の症状と治療法を医師が解説!

 公開日:2026/01/14
「急性骨髄性白血病の再発」は見逃しやすい?再発時の症状と治療法を医師が解説!

急性骨髄性白血病が再発した場合は、どのように対処するかご存知ですか?

血液のがんである急性骨髄性白血病は、症状が急速に進行するため、速やかに治療しないと命を落とすことも少なくありません。

この記事では、急性骨髄性白血病の再発率や再発した場合の治療方法などを解説します。

治療にあたっての注意点を理解し、白血病の早期発見・早期治療につなげる参考になれば幸いです。

山本 佳奈

監修医師
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

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滋賀医科大学医学部 卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

急性骨髄性白血病とは?

急性骨髄性白血病(AML)は、血液中の血球を作る細胞に異常が生じ、未成熟な血球が増殖する血液のがんです。
血球には骨髄性のものとリンパ性のものがあり、異常細胞の由来によって、白血病も骨髄性とリンパ性に区別されています。
また、症状の進行が急性か慢性かでも別の病気として扱われており、骨髄性の異常細胞が急激に増えるのが急性骨髄性白血病です。
この病気の主な症状と原因と解説します。

症状

急性骨髄性白血病の症状は、異常な血球の増殖によって、正常な血球が減少してしまうことで起こります。
血球は大きく分けて以下の3つがあり、それぞれ生命に関わる重要な役目があります。

  • 白血球:外敵を駆除する免疫機能を持つ
  • 赤血球:酸素を運搬する機能を持つ
  • 血小板:凝固して出血を止める機能を持つ

白血球が減少すると、体内に侵入した細菌やウイルスを駆除できなくなり、感染症にかかりやすくなります。赤血球が減少すると起こる症状は貧血で、貧血による立ち眩みや息切れは、急性骨髄性白血病に気がつく代表的な症状です。
血小板が減少すると出血しやすくなり、鼻血が出やすくなったり、小さな傷口からの血が止まらなくなったりします。
急性骨髄性白血病は、これらの症状が急速に進行するため、速やかに治療しないと致死的になることも少なくありません。

原因

急性骨髄性白血病の原因ははっきりわかっておらず、大部分の症例は原因不明です。遺伝や生活習慣による要因も少ないと考えられており、偶発的に発生する病気です。
白血病の明確なリスク因子は放射線被ばくで、広島長崎の被ばく者では被ばく後6〜8年で白血病の発症がピークになっています。医療機関で受けるレントゲン撮影やCT撮影による被ばくを医療被ばくといい、白血病のリスク因子とする報告もあります。

急性骨髄性白血病の再発・転移

急性骨髄性白血病は血液のがんであり、大腸がんや肺がんのように大きな腫瘍ができるがんではありません。このため寛解や再発がわかりにくく、寛解したように見えても再発していることがあります。
急性骨髄性白血病の再発・転移の診断や治療法・対処法を解説します。

再発・転移とは

急性骨髄性白血病は、血液中に異常な白血病細胞が増加することで発症します。白血病細胞には抗がん剤が効きやすいため、初期は強力な化学療法を行うのが基本です。
初期の化学療法によって約80%の患者さんは寛解し、白血病細胞が検出されなくなります。しかし、寛解時でも体内には白血病細胞が残っており、再び増殖して症状が現れることを再発といいます。
がん細胞が血管やリンパ管を通ってほかの臓器でも発現することを転移といいますが、白血病はもとから血液のがんであるため、転移とはいいません。異常な白血病細胞が骨髄内で増殖し、臓器内に浸潤して腫瘍のようなものを形成することはあります。
白血病細胞が浸潤する部位によって、腹部膨満感や頭痛などの症状が起こり、再発に気がつくこともあります。

再発・転移の診断

急性骨髄性白血病が再発したかどうかの検査は、初回の診断時と同じく血液検査や骨髄穿刺などによって行います。
白血病治療ではカテーテルを挿入することもあるため、すでにカテーテルがある場合にはそちらから血液を採取して検査が可能です。血液検査や骨髄検査で白血病細胞の増殖を認めたら、再発と診断して治療を再開しなければいけません。

再発・転移したときの対処法

急性骨髄性白血病が再発した場合は、速やかに治療を再開します。日本血液学会による急性骨髄性白血病治療のガイドラインでは、再発した場合でも化学療法によって約50%は再寛解すると報告されています。

再発時の治療法

急性骨髄性白血病が再発した場合の治療法は、初回治療時と同じ治療法を継続する場合が少なくありません。
白血病は血液のがんであるため、手術で腫瘍を取り除くことはできず、薬剤による治療が基本となります。再発時に選択される主な治療法は、以下の3つです。

  • 化学療法
  • 支持療法
  • 骨髄移植・末梢血幹細胞移植

それぞれの内容を解説します。

化学療法

化学療法は薬剤療法とも呼ばれ、薬剤を用いた治療方法のことです。白血病細胞は固形がんに比べて抗がん剤が効きやすいといわれており、初回から強力な化学療法によって寛解を目指します。再発した場合も、がんのタイプに合わせて効きやすい抗がん剤を用いて寛解へ導くのが基本です。
抗がん剤はがん細胞の増殖を抑制する代わりに、正常な細胞も殺してしまうので副作用が少なくありません。白血病に対する化学療法では、吐き気・脱毛・口内炎・消化器症状・肝機能障害などの副作用があります。

支持療法

支持療法とは、化学療法による副作用を軽減して患者さんの生活の質を維持するための療法です。白血球が減少していると感染症にかかりやすいため、無菌室に移るなどの対処も行います。
赤血球や血小板の減少を補う薬や、吐き気を抑える薬を用いて、化学療法に伴う患者さんの負担をできる限り軽減していきます。

骨髄移植・末梢血幹細胞移植

急性骨髄性白血病が再発した場合には、骨髄移植や末梢血幹細胞移植が検討されます。これは強力な化学療法によって正常な細胞ごと白血病細胞を死滅させ、その後に正常な細胞を移植して回復を図る治療方法です。
骨髄移植と末梢血幹細胞移植では、移植する細胞の種類や量が異なるため、症例に応じて適切な方法が選択されます。

再発時の注意点

急性骨髄性白血病の治療では、患者さん自身が注意すべき点もあります。
患者さんと医療チームがいい関係を築き、協力しながら治療に臨むのが理想的です。患者さんが知っておくべき注意点を、治療中と治療後に分けて解説します。

治療期間中の注意点

急性骨髄性白血病の治療では、白血病細胞を死滅させる強力な抗がん剤での治療が基本です。抗がん剤には副作用があり、脱毛や吐き気などで心理的な負担が大きくなることも少なくありません。
また、抗がん剤が血管から漏れた場合には、激しい炎症が起こることがあります。患者さんが抗がん剤の負担に耐えられるかを見極めながら治療を進めていくため、つらい症状があればすぐに医師に相談してください。

治療後の注意点

急性骨髄性白血病が寛解した後も、正常な血球が回復するまでは時間がかかります。白血球の減少によって感染症にかかりやすいため、日々の手洗いうがいや消毒など、感染対策を徹底してください。
また、食べ物は生のものを避けてよく火を通すなど、食中毒の対策も重要になります。

急性骨髄性白血病の再発についてよくある質問

ここまで急性骨髄性白血病の症状や治療方法などを紹介しました。ここでは「急性骨髄性白血病の再発」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

急性骨髄性白血病の再発率はどのくらいですか?

米国の研究では、急性骨髄性白血病の再発率は約40%と報告されています。

急性骨髄性白血病の再発は何年後に起きることが多いですか?

急性骨髄性白血病の再発は、ほとんどの場合治療後2年以内であり、4年を過ぎてから再発する可能性は1%以下です。

編集部まとめ

急性骨髄性白血病の再発・転移や、治療法を解説してきました。

急性骨髄性白血病は症状が急速に進行するため、速やかに治療しないと致死的になることも少なくありません。

しかし、適切な治療を受ければ80%以上は寛解し、再発しても治療方法はあります

症状を自覚しやすいがんでもあるため、身体の不調が続くときには早めに医療機関を受診しましょう。

急性骨髄性白血病と関連する病気

「急性骨髄性白血病」と関連する病気は1個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 急性リンパ性白血病

急性リンパ性白血病は、リンパ球を由来とする異常細胞が増殖する血液のがんです。初期の自覚症状は骨髄性白血病とほとんど同じであるため、検査を受けないと区別は付きません。骨髄性白血病と同様に症状は急性であるため、速やかな治療が必要です。

急性骨髄性白血病と関連する症状

「急性骨髄性白血病」と関連している、似ている症状は3個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

急性骨髄性白血病の症状は、異常細胞の増殖によって正常な白血病・赤血球・血小板が減少するために起こります。これらの症状が急に悪化してきた場合は、早めに医療機関を受診してください。

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