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「乳がんの検査費用」はご存知ですか?検査項目や受診頻度も解説!【医師監修】

 公開日:2024/09/10
「乳がんの検査費用」はご存知ですか?検査項目や受診頻度も解説!【医師監修】

乳がんは女性にとって大変重要な健康問題です。乳がんの早期発見・早期治療のためには、定期的な検査や検診を受けることが推奨されています。

しかし、検査にかかる費用が気になる方も多いのではないでしょうか。

早期発見が治療成功の鍵となるため、乳がん検査の種類や費用について詳細を知っておくことは大切です。

この記事では、乳がん検査の費用や項目について詳しく解説します。

小坂 泰二郎

監修医師
小坂 泰二郎(医師)

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【経歴】
順天堂大学附属順天堂医院 卒業 (同大学で学位取得)/ 現在は佐久総合病院、佐久医療センター勤務 / 専門は乳腺外科、手術および薬物治療に従事 / 前職場であった愛媛県四国中央市HITO病院で外来業務に従事している

【資格】
日本乳癌学会 専門医
日本臨床腫瘍学会 専門医・指導医
ASUISHI 2期修了

​​乳がんとは?

乳がんは、乳房に発生する悪性腫瘍のことを指します。日本人女性の間で多く見られるがんの一つであり、2024年7月現在も増加傾向にある病気です。
早期発見・早期治療により治療の効果が高まるため、定期的な検査が推奨されています。主な症状としては、乳房のしこり・乳頭からの分泌物・乳房の形状変化などがあります。

乳がん検査にかかる費用はどのくらい?​​

乳がん検査にかかる費用は、検査の内容や医療機関によって異なります。

自覚症状があり保険診療で検査を受ける場合

自覚症状がある場合、保険診療が適用されます。例えば、初診料やマンモグラフィの費用は1,000円から3,000円程度です。

  • 診察(視診・触診):数百円〜数千円程度
  • マンモグラフィ:3,000円~5,000円程度
  • 超音波検査:3,000円~5,000円程度
  • 病理検査:数千円~数万円程度
  • 画像検査:CT検査やMRI検査で10,000円~15,000円程度

自覚症状がなく自費診療で検診を受ける場合

自覚症状がない場合でも、人間ドックなどで自費で検診を受けられます。費用は医療機関によって異なりますが、自覚症状がない場合は自費診療となり費用が高くなります。

  • マンモグラフィ:4,000~10,000円程度
  • 超音波検査:5,000円~10,000円程度
  • マンモグラフィ+超音波検査:10,000円~15,000円
  • オプション検査(細胞診、腫瘍マーカー検査など):数千円~数万円程度

自治体の乳がん検診を受ける場合

多くの自治体では、一定年齢以上の女性を対象に無料または減額して乳がん検診を提供しています。費用は自治体によって異なりますが、無料または1,000円程度の自己負担で受けられることが多いです。
対象年齢や実施間隔は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のホームページや保健センターにご確認ください。

職場・健康保険組合の乳がん検診を受ける場合

職場や健康保険組合によっては、乳がん検診の補助制度が設けられている場合があります。費用は無料から3,000円程度が一般的です。
乳がん検診を希望するときは、お勤め先の福利厚生担当窓口または健康保険組合に確認することをおすすめします。

​​自覚症状がある場合に行われる乳がん検査の項目は?

自覚症状がある場合、以下のような検査が行われることがあります。

視診・触診

医師が乳房を観察・触診することで、しこりや皮膚の変化などを確認します。これは最初の段階で行われる基本的な検査です。しかし、この検査だけでは早期の乳がんを見つけることは難しいため、ほかの検査と組み合わせて行われます。

マンモグラフィ

X線を用いて乳房の内部を撮影する検査です。しこりや石灰化などを発見するのに適しており、触診では見つからないような小さながんが見つかることがあるため乳がんの早期発見に有効です。痛みを感じる方もいますが、短時間で終わります。

超音波検査

超音波を使って乳房の内部を観察する検査です。しこりの大きさや形、血流などを詳しく調べることができます。
痛みはなく、乳腺がしっかりした若い方や、妊娠中の方も安全性が高く行えるのが特徴です。しこりの中身が固体か液体かの判別にも役立ち、マンモグラフィでは発見しにくい異常も確認できます。

病理検査

しこりや気になる部分から組織や細胞を採取し、顕微鏡で調べる検査です。顕微鏡で詳細に観察することで、がん細胞の有無を判断し乳がんの確定診断に使用されます。確定診断を行うために重要な検査ですが、痛みを伴うことがあります。

画像検査

MRIやCTを使用して、乳房や周囲の組織を詳しく調べる検査で、乳房や周囲の組織の状態を詳しく調べることが可能です。がんの広がりや転移の有無を確認する際に行われます。

腫瘍マーカー検査

血液検査で腫瘍マーカーと呼ばれる物質の量を調べます。血液検査で特定の物質を測定し、がんの可能性を評価します。乳がんの診断や経過観察に用いられますが、この検査だけで確定診断を行うことはできません。

​​乳がん検査・検診を受ける間隔はどのくらい?

一般的には、40歳以上の女性は2年に1回の乳がん検診が推奨されています。自覚症状がある場合や家族歴がある場合は、より頻繁な検査が必要です。

  • 40歳未満:自分の乳房の状態を知り変化に気を付ける習慣を見つけることが重要(ブレスト・アウェアネス、ただし、家族歴がある場合は医師に相談してください。)
  • 40歳以上:2年に1回のマンモグラフィ検査が推奨されています。
  • 乳がんの家族歴がある方や、遺伝的リスクが高い方: 医師に相談のうえ、適切な検査間隔を決めてください。

乳がん検診の推奨間隔は、年齢や状況によって異なります。

  • 40歳未満:自己触診を月1回程度
  • 40歳以上:2年に1回のマンモグラフィ検査
  • 高リスク群(家族歴がある方など):医師と相談のうえ、より頻繁な検査を検討

ただし、これはあくまで目安であり、個人の状況に応じて適切な間隔は異なる場合があります。気になる症状がある場合は、間隔に関わらず早めに医療機関を受診しましょう。

​​乳がんの検査費用についてよくある質問

ここまで乳がんの検査と費用などを紹介しました。ここでは「乳がんの検査費用」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

乳がんの精密検査には保険が適用されますか?

小坂 泰二郎医師小坂 泰二郎(医師)

はい、医師が必要と判断した精密検査には保険が適用されるため、自己負担額は低く抑えられます。例えば自覚症状があり、医師が乳がんを疑った場合、保険診療で精密検査を受けることができます。自覚症状がない場合の任意の検診(本人の希望など)には保険が適用されないことがありますので、受診予定の医療機関とご相談ください。

マンモグラフィと超音波検査は両方受けるべきですか?

小坂 泰二郎医師小坂 泰二郎(医師)

両方受けることで、より精度の高い診断が可能になります。特に、しこりがある場合や乳腺が密な方は両方の検査を受けることが推奨されます。マンモグラフィと超音波検査は、それぞれ異なる特徴を持つ検査です。マンモグラフィは、乳房の石灰化などの微小な変化を検出することに優れています。一方、超音波検査は、しこりの大きさ・形・血流などを詳しく調べることができます。一般的には、マンモグラフィと超音波検査の両方を組み合わせることで、より精度の高い検査を行うことが可能です。ただし、検査間隔や検査内容については、医師と相談のうえ決めてください。可能であれば両方受けることをおすすめします。

編集部​​まとめ

乳がん検査は早期発見と早期治療のために大変重要です。

乳がん検査の費用は、受ける場所・状況・方法によって大きく異なりますが、自治体の補助や保険診療を活用することで負担を軽減できます。

定期的な検査を受けて、乳がんの早期発見を心がけましょう。

気になる症状がある場合は、費用を気にせずに早めに医療機関を受診することが大切です。

乳がんと鑑別を要する病気​​

「乳がん」と鑑別を要する病気は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

これらの病気は必ずしも乳がんに進行するわけではありませんが、定期的な検査と経過観察が重要です。

乳がんと鑑別を要する症状​​

「乳がん」と鑑別を要する、似ている症状は6個程あります。
各症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 乳房のしこり
  • 乳房の変形(左右非対称)
  • 乳頭からの分泌物
  • 乳房の痛み
  • 乳房皮膚の変化(ひきつれ、ただれなど)
  • わきの下のしこり

これらの症状がある場合、必ずしも乳がんとは限りませんが、早めに医療機関を受診することをおすすめします。自己触診を定期的に行い、変化に気付いたら迷わず相談しましょう。

この記事の監修医師