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「口腔がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状も解説!医師が監修!

 更新日:2024/08/01
「口腔がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状も解説!医師が監修!

口腔がんとは、口腔内粘膜や舌、歯茎などに生じるがんの総称です。初期段階では、口内炎や歯周病によく似た症状がみられます。

口腔粘膜のただれや変色をきたすため、セルフチェックによる早期発見が可能ですが、日本人の罹患率・死亡率はともに高くなっています。

この記事では口腔がんの初期症状や末期症状、治療法などを詳しく解説しています。ご自身に当てはまる症状がないか、セルフチェックの際の参考にしてください。

熊谷 靖司

監修歯科医師
熊谷 靖司(歯科医師)

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熊谷歯科医院 院長

口腔がんとは

口腔がんとは、口腔内に発生するがんの総称です。発症部位によって病気の呼び方が異なります。

  • 舌がん
  • 歯肉がん(歯茎にできるがん)
  • 頬粘膜がん(頬の内側にできるがん)
  • 口蓋がん(上顎にできるがん)
  • 口腔底がん(舌と歯の間にできるがん)

唇や唾液腺に発生するがんも、口腔がんの一種です。なかでも日本人の罹患率が高いのは舌がんで、口腔がんの半数以上を占めています。

口腔がんの末期症状

口腔がんは罹患率・死亡率ともに増加傾向にあります。生存率を上げるためには病気の早期発見・早期治療が重要ですが、気付かないうちに進行してしまった場合どのような症状がみられるのでしょうか。
ここでは、口腔がんの末期に起こりうる症状を3つご紹介します。

体重減少

口腔がんに限らず、がんと診断された患者さんの多くに体重減少がみられます。主な原因は、食事摂取量の低下とがんそのものによる影響の2つです。
まず、食事摂取量の低下を引き起こす原因には以下のようなものがあります。

  • 口腔内の痛みや粘膜のただれによって食事が摂りにくい
  • がんの告知による精神的ショック
  • 化学療法や放射線療法による副作用

次に、がんの合併症の一つにがん悪液質(あくえきしつ)があります。主な症状は食欲不振と体重減少です。
がん細胞から分泌されるサイトカインが代謝異常を引き起こし、全身の脂肪や筋肉が減少します。

全身の痛み

口腔がんの初期には痛みを感じない場合もありますが、がんが進行して他臓器や骨に転移すると全身の痛みを引き起こします。なかでも、神経への浸潤によって痛みを生じるのが神経障害性疼痛です。
強い痛みや痺れなどの症状を引き起こし日常生活に支障が出るケースもあるため、できるだけ早期に治療を開始する必要があります。

構音障害

口腔がんが進行すると舌や唇、口腔内の粘膜が腫れることで舌の動きが悪くなり、構音障害を引き起こします。
構音障害とは、さまざまな原因によって正しく発音できない状態です。不明瞭な発音によって相手にうまく伝わらず、コミュニケーションに支障をきたすためQOL(生活の質)低下を招くおそれがあります。

口腔がんの初期症状

口腔がんは口の中や唇に症状があらわれるため、セルフチェックによって早期発見が可能な病気です。以下のような症状に気付いたら、できるだけ早く受診しましょう。

口の中の異物感

舌や口腔内粘膜にがんが発生すると粘膜のただれや腫れを生じるため、口の中の異物感を自覚する場合があります。進行すると発音や嚥下機能(食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能)にも影響を与え、QOLの低下を招くおそれがあります。
気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。

しこりができる

口腔がんが発生すると口腔内の粘膜や歯茎にしこりができ、部位によっては入れ歯が合わないと感じることもあります。
また、首や顎の下にしこりを見つけた場合は特に注意が必要です。リンパ節転移を起こしている可能性があるため、早めに病院で検査を受けましょう。
全身転移を予防するため、早急に治療を開始する必要があります。

なかなか治らない口内炎ができる

口腔がんによって生じる粘膜のただれやしこりは口内炎の症状とよく似ており、口内炎との違いをご自身で見分けることは困難です。すぐに治るだろうと放置してしまうと、気付かないうちにがんは進行してしまいます。
口内炎がなかなか治らない場合は、かかりつけの歯科医院で一度診てもらうとよいでしょう。

出血する

口腔内に痛みや出血などの症状がみられる場合、がんはすでに進行している可能性があるため要注意です。
しかし、歯茎に発生する歯肉がんでは歯周病との区別が困難な場合もあります。口腔がんを早期発見するためには症状が軽いうちに病院を受診し、定期的に診察を受けることが大切です。

口腔がん末期の治療

口腔がんの治療には手術や放射線療法、化学療法などがあります。治療法の選択は予後やQOLに大きな影響を及ぼすため、がんの進行度や患者さんの体力、本人・家族の希望などを考慮し慎重に行われます。

手術

口腔がんに対する標準治療は手術療法です。
治療後は構音障害や嚥下機能障害によって日常生活に支障をきたす場合があります。機能回復に向け、積極的にリハビリテーションに取り組みましょう。
また、口腔内の細菌が感染症を引き起こす可能性があるため、口腔内を清潔に保つ必要があります。定期的に歯科検診を受け、むし歯が発生した場合はできるだけ早く治療を受けましょう。

放射線療法

放射線を照射し、がん細胞のDNAを傷つけることでがんを消滅させる方法です。化学療法と併せて行うこともあり、これを化学放射線療法と呼びます。
体力低下などによって手術を受けられない患者さんや、手術後の再発リスクが高い場合などに適応されます。起こりうる副作用は、口腔粘膜炎や吐き気・嘔吐、味覚障害、唾液分泌障害などです。

化学療法

がんの浸潤が広範囲におよび手術が困難と判断された場合や、手術後の再発予防を目的として化学療法が行われます。
使用される抗がん剤には分子標的薬や細胞障害性抗がん薬・免疫チェックポイント阻害薬などの種類があり、がんの進行度や患者さんの全身状態に合わせて選択します。
副作用は薬剤の種類によって異なりますが、主な症状は吐き気や下痢、脱毛などです。

口腔がん末期についてよくある質問

ここまで口腔がんの症状や治療法などを紹介しました。ここでは「口腔がん末期」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

口腔がんの早期発見のポイントを教えてください。

熊谷 靖司医師熊谷 靖司(医師)

口腔がんを初期段階で発見するには、日頃からのセルフチェックと歯科の定期受診が重要です。初期症状として口内炎によく似た症状がみられますが、がんによる症状と口内炎をご自身で判別することは困難です。気になる症状があれば、まずはかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。自覚症状がなくても定期健診を受けることで、病気の早期発見につながります。

口腔がんの緩和医療にはどのようなものがありますか?

熊谷 靖司医師熊谷 靖司(医師)

口腔がんの緩和医療には以下のようなものがあります。

  • 鎮痛剤による疼痛コントロール
  • 食べたいときに、食べたいものを食べられるよう食形態の工夫
  • カウンセリングによるメンタルケア

緩和医療の目的はQOLの維持と向上です。口腔がんの治療やがんそのものによって起こる症状は日常生活に大きな影響を与えるため、終末期の患者さんだけでなく、がんと診断されたときから緩和医療の対象となります。

編集部まとめ

口腔がんは、口腔内に発生するがんの総称です。

舌や口腔内粘膜に症状があらわれるため、セルフチェックや歯科検診によって早期発見が可能です。気になる症状があれば早めに受診しましょう。

口腔がんの標準治療は手術ですが、再発のリスクが高い場合には放射線療法や化学療法を併せて行います。

また、がんが広範囲に浸潤していると手術で取り除くことが困難な場合もあります。

自覚症状がなくても定期的に検診を受け、がんの早期発見に努めましょう。

口腔がんと関連する病気

「口腔がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

これらの病気は前がん病変と呼ばれ、放置するとがん化する可能性があります。口腔粘膜が白色もしくは鮮紅色に変色するため、セルフチェックによる発見が可能です。
気になる症状があれば早急に受診し、適切な治療を受けましょう。

口腔がんと関連する症状

「口腔がん」と関連している、似ている症状は4個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 口腔粘膜のただれ
  • 歯茎の腫れ
  • 口蓋隆起

口腔がんの初期症状は、口内炎や歯周病の症状とよく似ています。がんとの判別には専門の医師による診察や検査が必要なため、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。

この記事の監修歯科医師

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