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「盲腸がんに初期症状」はあるの?進行した場合の症状も解説!【医師監修】

 公開日:2024/03/06
「盲腸がんに初期症状」はあるの?進行した場合の症状も解説!【医師監修】

盲腸癌とはいったいどんな症状が出るの?盲腸癌の初期症状が知りたい。そんな疑問をお持ちでしょうか?
本記事では、盲腸癌の初期症状について以下の点を中心にご紹介します。

  • ・盲腸癌の初期症状
  • ・盲腸癌の生存率
  • ・盲腸癌の原因

盲腸癌の初期症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

盲腸癌とは

盲腸癌は、大腸の一部である盲腸に発生する癌です。よく盲腸と誤解されることがありますが、これは腸の部位を指す名称で病名ではありません。大腸癌は大腸にできる癌全般を指し、盲腸癌もその一部に含まれます。大腸は盲腸や上行結腸、横行結腸などいくつかの部位に分かれており、盲腸癌はこの中の一つとして分類されます。

盲腸癌の初期症状

盲腸癌の症状は、その位置のために初期段階では目立たないことが多いようです。肛門に近い部位の癌と異なり、盲腸癌では通過障害が起こりにくく、症状が現れにくいのが特徴です。多くの場合、癌が大きくなってからお腹にしこりがあると感じるようになったり、検診での採血で貧血が発見されて初めて気づかれることがあります。また、大きくなった癌が腸閉塞を引き起こし、盲腸炎の症状から発見されることもあります。

盲腸癌の進行後の症状

盲腸癌が進行している場合どのような症状が現れるのでしょうか?以下に二つ紹介します。

しこりができる

進行した盲腸癌は、大きなしこりを形成することがあります。このしこりは、外から触るだけで感じることが可能なほどに成長する場合があります。

貧血

進行した盲腸癌の場合、癌による出血が原因で貧血を引き起こすことがあります。この状況は、採血検査において貧血が指摘されることで初めて発覚するケースがあります。

盲腸癌の生存率

大腸癌の生存率は、その病期によって大きく異なります。大腸癌の病期は、癌の進行度を示すステージ0からステージⅣまでの5段階に分けられます。ステージが進行するほど、生存率は低下します。
癌だけが死因となる状況を前提にした計算手法であるネット・サバイバルを採用した生存率だと、ステージⅠの大腸癌患者の5年生存率は92.3%、ステージⅡは85.5%、ステージⅢは75.5%、そしてステージⅣは18.3%となっています。これらの数値は、2014年から2015年に診断された患者さんの生存率を示しています。
しかし、これらの生存率はあくまで平均的な値であり、個々の患者さんの生存率を決定するものではありません。また、治療の進歩により、これから治療を受ける患者さんの生存率は異なる可能性があります。したがって、これらの生存率は参考の一つと考え、医師との詳細な相談を通じて適切な治療法を選択することが重要です。

出典:国立がん研究センター がん情報サービス「院内がん登録生存率集計結果」

盲腸癌の原因

盲腸癌の原因について解説します。
盲腸癌の発生要因には、加齢のほか、生活習慣が関連しており、肥満や動物性たんぱく質や脂質が多い食事、過度な飲酒、喫煙などがリスク要因として挙げられます。これらの要因は大腸癌全体に共通していると考えられています。

盲腸癌の検査方法

盲腸癌を診断し、癌の広がりなどを調べるためにはいくつかの検査が必要です。以下で三つの検査を紹介します。

CT検査

CT(Computed Tomography)検査は、X線を用いて体の断面画像を作成する精密検査です。癌の有無や広がり、他臓器への転移を調べたり、治療効果の判定、再発の確認など多様な目的で利用されます。撮影する部位や検査目的に応じて画像の厚みを調整し、必要に応じて造影剤を使用することもあります。

MRI検査

MRI検査は、強力な磁場と無線波を利用して体内の詳細な画像を作成する検査です。この検査では、X線を使用しないため放射線被曝の心配がありません。MRIは様々な組織や器官の詳細を観察するのに適しており、特に脳や脊髄、関節、筋肉などの画像診断に有効とされています。

注腸造影検査

注腸造影検査は、バリウムと空気を肛門から注入し、X線撮影により患部の画像を得る検査方法です。癌の位置や大きさ、腸の狭窄を正確に把握できます。検査前日には下剤を服用して腸を空にする準備が必要です。

盲腸癌についてよくある質問

ここまで盲腸癌を紹介しました。ここでは盲腸癌についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

盲腸癌と虫垂癌の違いはなんですか?

中路 幸之助医師中路 幸之助(医師)

盲腸癌と虫垂癌は異なります。盲腸癌は大腸の一部である盲腸に発生する癌で、虫垂癌は盲腸から伸びる小指程度の虫垂に発生する癌です。虫垂癌がある場合、虫垂の閉塞が起こりやすく、結果として虫垂炎(盲腸)になることが多いようです。これらの癌は発見時には腹膜への転移が多く、手術と化学療法が必要ですが、非常にまれで治療が困難な病気です。

盲腸癌の治療期間はどのくらいですか?

中路 幸之助医師中路 幸之助(医師)

盲腸癌の術後補助化学療法では、通常の治療期間は約6ヶ月です。しかし、現在はこの期間を3ヶ月に短縮する臨床試験が行われています。これは、全体の予後が良好であることから、短縮しても効果が期待できるという予測に基づいています。

まとめ

ここまで盲腸の初期症状についてお伝えしてきました。盲腸癌の初期症状についての要点をまとめると以下のとおりです。

⚫︎まとめ

  • ・盲腸癌の初期症状は通常目立たないことが多い。多くの場合、癌が大きくなるとお腹にしこりを感じたり、検診での貧血で発見される場合がある
  • ・盲腸癌の生存率については、大腸癌全体の5年および10年生存率は約65%と良好で、盲腸癌の具体的な生存率のデータは少ないものの、症状の発見が遅れる傾向にあるためやや低い可能性が指摘されている
  • ・盲腸癌の発生要因には加齢の他、生活習慣が影響する。肥満、動物性たんぱく質や脂質の多い食事、過度な飲酒、喫煙などがリスク要因とされ、これらは大腸癌全体の発生要因としても共通している

盲腸癌と関連する病気

盲腸癌と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器外科・遺伝子診療科の病気

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

盲腸癌と関連する症状

盲腸癌と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

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