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「乳がんの生存率」はご存知ですか?40代女性の生存率や治療法も医師が解説!

 公開日:2023/10/25
「乳がんの生存率」はご存知ですか?40代女性の生存率や治療法も医師が解説!

乳がんの生存率とは?Medical DOC監修医が乳がんのステージ別生存率・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

金 仁星

監修医師
金 仁星(医師)

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大阪大学医学部卒業後、地元の病院で臨床研修修了。その後、医療法人 友広会の理事に就任、同法人のAGAメディカルクリニックで勤務。
化粧品検定2級、英語発音指導士® 所有

「乳がん」とは?

乳がんとは、乳房の細胞が異常に増殖してできる悪性腫瘍のことです。乳がんは女性に多い病気ですが、男性にも発症する可能性があります。乳がんは早期に発見すれば治療の効果が高く、生存率も高くなります。しかし、進行するとリンパ節や他の臓器に転移し、治療が難しくなります。乳がんの原因や予防法、検診の方法などを知っておくことが大切です。

乳がんの生存率

乳がん・ステージ0の生存率

乳がんのステージ0とは、乳房の中の細胞ががん化しているが、まだ周囲に広がっていない状態です。この段階では、しこりや分泌物などの症状はほとんどありません。乳がん検診やマンモグラフィーで発見されることが多いです。乳腺外科で治療を受けます。治療法は、乳房温存手術や全摘出手術などがあります。手術後は放射線治療やホルモン治療などを行う場合もあります。乳がんのステージ0の生存率は非常に高く、5年後でも98%以上の人が生きています。ほとんどの場合、完治する可能性が高いです。

乳がん・ステージ1の生存率

乳がんのステージ1とは、腫瘍が2cm以下でリンパ節に転移していない状態です。この段階では、乳がんの症状はほとんど現れません。自己検診やマンモグラフィーなどで早期に発見することが重要です。乳がんのステージ1の生存率は非常に高く、5年後でも約95%以上の人が生きています。乳腺外科で手術や放射線治療などを行い、完治する可能性が高いです。ただし、再発や転移のリスクもゼロではありませんので、定期的な検査やフォローアップが必要です。

乳がん・ステージ2の生存率

乳がんのステージ2とは、腫瘍が2センチメートル以下でリンパ節に転移しているか、または2センチメートル以上5センチメートル以下でリンパ節に転移していない状態を指します。この段階では、乳房や脇の下にしこりを感じたり、乳頭から分泌物が出たりすることがあります。乳がんのステージ2の生存率は、5年で約90%、10年で約80%、20年で約70%とされています。乳がんの診断や治療は、乳腺外科や放射線科などの専門医によって行われます。検査では、マンモグラフィーや超音波検査、針生検などが行われます。治療では、手術や放射線治療、抗がん剤やホルモン療法などが選択されます。乳がんのステージ2は、早期発見・早期治療で完治する可能性が高いですが、再発や転移のリスクもあります。定期的な検診や自己検診を行い、異常に気づいたらすぐに医師に相談しましょう。

乳がん・ステージ3の生存率

乳がんのステージ3とは、乳房の中や周辺のリンパ節に広がったがんのことです。この段階では、しこりや皮膚の変化などの症状が見られることが多いです。乳がんのステージ3の生存率は、治療法やがんのタイプによって異なりますが、一般的には5年後で約80%、20年後で約55%の人が生きています。乳がんのステージ3を治療するには、外科手術や抗がん剤、放射線治療などの方法があります。治療を受ける前には、乳腺外科や放射線科などの専門医による検査や相談が必要です。乳がんのステージ3は完治する可能性は低いですが、治療によってがんの進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることができます。

乳がん・ステージ4の生存率

乳がんのステージ4とは、乳がんが他の臓器に転移している状態です。この段階では、完治することは難しいと言われています。しかし、最近の治療法の進歩により、生存率は上昇しています。ステージ4の乳がんの生存率は、1年で約80%、5年で約40%、20年で約20%です。
ステージ4の乳がんでは、転移した臓器によってさまざまな症状が現れます。例えば、肺に転移した場合は咳や呼吸困難、骨に転移した場合は骨痛や骨折、肝臓に転移した場合は黄疸や腹水などです。これらの症状に気づいたら、早めに乳腺外科や内科などの専門医に相談してください。
ステージ4の乳がんの治療法は、主に抗がん剤やホルモン療法などの全身治療です。手術や放射線治療は、転移した部位をコントロールするために行われることもあります。また、定期的に血液検査や画像検査を受けて、がんの状態をチェックする必要があります。
ステージ4の乳がんは、現在の医学では完治することはできません。しかし、適切な治療を受けて、がんと上手に付き合うことで、長く良質な生活を送ることが可能です。医師とよく相談して、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

乳がんのステージ別・治療法

乳がん・ステージ0の治療法

ステージ0の乳がんの治療法は、主に手術です。手術は、乳腺外科や形成外科で行われます。手術の種類は、がんの部分だけを切除する温存手術と、乳房全体を切除する全摘手術があります。温存手術を選ぶ場合は、手術後に放射線治療を受ける必要があります。放射線治療は、がん細胞を殺すために、乳房に高エネルギーの光線を当てる治療です。放射線治療は、放射線科で行われます。
入院の必要性や手術の方法は個人によって異なります。一般的には、温存手術の場合は数日から1週間程度、全摘手術の場合は1週間から2週間程度の入院が必要です。退院後も定期的に通院して、検査や薬物治療を受けることがあります。

乳がん・ステージ1の治療法

乳がんのステージ1の段階では、乳房の一部を切除する部分切除術や、乳房全体を切除する全摘出術のどちらかを選択することが多いです。手術は乳腺外科や形成外科で行われます。手術後は、放射線治療やホルモン治療などの補助療法が必要になる場合があります。手術の種類や補助療法の有無によって、入院期間や通院回数は異なりますが、一般的には入院は1週間程度、通院は2週間から数ヶ月です。乳がんのステージ1は早期発見された場合、治癒率が高く、再発や転移のリスクも低いです。しかし、定期的な検診や自己検診を怠らないようにしましょう。

乳がん・ステージ2の治療法

乳がんのステージ2の乳がんの治療法は、主に手術と放射線治療です。手術では、乳房全摘出術や乳房温存手術などが行われます。乳房全摘出術では、乳房全体を切除します。乳房温存手術では、腫瘍部分だけを切除し、乳房の形を残します。どちらの手術も、リンパ節の切除も同時に行われます。手術は、乳腺外科などの専門医によって行われます。手術後は、放射線治療を受けます。放射線治療は、手術で残ったがん細胞を殺すために行われます。放射線治療は、放射線科で行われます。入院は必要ですが、退院までの期間は個人差があります。通常は、手術後1週間から2週間程度です。退院後も、定期的に通院して検査や治療を受ける必要があります。

乳がん・ステージ3の治療法

乳がんのステージ3の段階では、手術や抗がん剤などの全身治療が必要になります。治療は、乳腺外科などの専門医によって行われます。まずは、乳房やリンパ節の状態を詳しく調べるために、超音波検査、MRIなどの画像検査や、細胞診や組織診などの細胞検査を受けます。その結果によって、最適な治療法を決めます。
一般的には、まず手術で乳房やリンパ節の腫瘍を取り除きます。手術の種類は、乳房全摘出術や乳房温存術などがあります。手術後は、抗がん剤や放射線治療などの全身治療を受けます。これらの治療は、残ったがん細胞を殺すために行われます。手術や全身治療は入院が必要ですが、退院後も定期的に通院して検査や治療を受ける必要があります。入院期間や通院回数は個人差がありますが、治療に数ヶ月から1年以上かかることもあります。

乳がん・ステージ4の治療法

乳がんのステージ4の段階では、完全にがんを取り除くことは難しいので、がんの進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることを目的とした治療が行われます。治療は主に抗がん剤やホルモン療法などの全身治療です。全身治療は、乳腺外科や腫瘍内科などの専門医によって行われます。検査や治療のために入院することもありますが、通常は外来で行われます。入院期間や通院頻度は、個人の状態や治療方針によって異なります。治療は長期間にわたって続けられることが多いです。

「乳がんの生存率」についてよくある質問

ここまで乳がんの生存率などを紹介しました。ここでは「乳がんの生存率」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

40代女性の乳がんの生存率はどれくらいでしょうか?

金 仁星金 仁星 医師

40代女性の乳がんの生存率は、乳がんのステージやリンパ節転移の有無などによって異なります。一般的には、ステージ1の場合は5年生存率が約95%、ステージ2の場合は約90%、ステージ3の場合は約80%、ステージ4の場合は約40%と言われています。リンパ節転移がある場合は、生存率が低くなる傾向があります。乳がんの生存率は、早期発見・早期治療が重要です。定期的な乳房自己検診やマンモグラフィー検診を受けることで、乳がんの早期発見につながります。また、治療法は個人によって異なりますが、手術や放射線治療、抗がん剤やホルモン療法などがあります。治療法の選択には、医師とよく相談することが大切です。

乳がんがリンパ節へ転移した場合、生存率はどれくらいですか?

金 仁星金 仁星 医師

一般的には、乳がんのステージが進むほど生存率は低くなります。例えば、ステージ1の乳がんの場合、5年生存率は約95%ですが、ステージ4の場合は約40%です。また、リンパ節への転移の程度や数によっても生存率は異なります。リンパ節への転移が少ない場合や、転移したリンパ節を手術で切除できる場合は生存率が高くなります。しかし、リンパ節への転移だけでなく、他の臓器への転移や乳がんのタイプやホルモン受容体の状態なども生存率に影響します。したがって、乳がんの生存率を知るためには、医師と相談して自分の病状や治療法について詳しく知ることが大切です。

編集部まとめ

乳がんの生存率は、ステージやリンパ節転移の有無などによって大きく異なります。しかし、近年の医療技術の進歩により、乳がんの治療法は多様化し、生存率も向上しています。乳がんは早期発見・早期治療が重要です。定期的な検診を受けることや、自分で胸の触診をすることがおすすめです。また乳がんになっても、あきらめずに治療に取り組むことが大切です。分からないことや不安なことがあれば医師に相談し、適切な検査や治療を行うことが大切です。

「乳がんの生存率」と関連する病気

「乳がんの生存率」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

乳腺外科の病気

内科の病気

乳がんの生存率と関連する病気や原因、治療方法として上記の項目が挙げられます。これまでご紹介したようにステージが早い段階で発見、治療を行えるほど、治療効果は高くなります。
乳がんを疑う兆候が見られずとも、早めに乳がん検診を受診することをお勧めします。

「乳がんの生存率」と関連する症状

「乳がんの生存率」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 乳房のしこり
  • 乳房の皮膚のひきつれやへこみ
  • 乳房の形や大きさの変化
  • 乳頭の分泌物
  • 脇の下や鎖骨周辺のリンパ節の腫れ
  • 黄疸

乳がんを疑う症状として、上記があげられ、詳しい検査を行うきっかけにはなります。これらの症状が長引く場合は、一度早めに病院を受診してください。

この記事の監修医師