「男性ホルモンを増やす方法」はご存知ですか?増やす食べ物・飲み物も医師が解説!

男性ホルモンを増やす方法とは?メディカルドック監修医が男性ホルモンを増やす食べ物や飲み物・サプリメントなどを解説します。

監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)
2011年福島県立医科大学医学部卒業。2013年福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長を歴任。2022年より東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医、健康経営エキスパートアドバイザー。
目次 -INDEX-
「男性ホルモン」とは?

「男性ホルモン」と聞くといくつか種類がありますが、一般的に話題に上がるのは主にテストステロンです。テストステロンは男性の精巣(睾丸)で多く作られ、筋肉や骨を保つ、男性らしい体つきや第二次性徴(声変わり、体毛の変化など)に関わる、性欲や勃起など性機能に関与する、といった重要な働きを持っています。 女性にも少量存在し、男女ともに心身の健康維持に関わるホルモンです。ただし、テストステロンの働きや症状の出方には個人差が大きく、「数値が少し低い=必ず不調が出る」「数値を上げれば必ず元気になる」とは限りません。大切なのは、症状・生活習慣・検査結果を合わせて総合的に判断することです。
男性ホルモンはどこから分泌されるの?

男性ホルモン(テストステロン)は、主に精巣の中にあるライディッヒ細胞(Leydig細胞)から分泌されます。テストステロンは精巣で多く作られ、残りは副腎由来のホルモン(DHEAなど)から作られる経路もあります。 分泌は、脳(視床下部)→下垂体→精巣へと指令が伝わる視床下部―下垂体―精巣(HPG)軸によって調整されます。下垂体から分泌される黄体化ホルモン(LH)がライディッヒ細胞を刺激し、テストステロンが産生・分泌されます。 この仕組みにより、体は必要量を保とうとしますが、加齢、肥満、睡眠不足、ストレス、基礎疾患、薬剤などの影響でバランスが崩れ、結果としてテストステロンが低下することがあります。
男性ホルモンの働き(役割)

男性ホルモンであるテストステロンは、体の様々な部分に作用して男性の健康を支えています。その代表的な働きをいくつか紹介します。
性機能を維持する働き
テストステロンは男性の性欲(リビドー)に関わり、勃起や射精などの性機能を支えるホルモンの一つです。思春期以降に十分なテストステロンがあることで、精子形成が進みやすい状態になります。また脳にも作用し、意欲や活動性に関わる可能性が指摘されています。
ただし、性機能や意欲はテストステロンだけで決まるわけではなく、血管の状態(動脈硬化)、睡眠、ストレス、パートナーとの関係、服用薬、基礎疾患(糖尿病など)も大きく影響します。
筋肉や骨を強くする働き
テストステロンにはタンパク同化作用があり、筋肉のタンパク質合成に関わります。テストステロンが適切に保たれることは、筋力・筋肉量の維持にとって重要です。また骨代謝にも関与し、骨密度の維持に役立ちます。
中高年でテストステロンが低下すると、筋力低下や骨密度低下につながることがあり、転倒・骨折リスクにも影響します。とはいえ、筋肉や骨は運動習慣や栄養(タンパク質、ビタミンD、カルシウム等)にも大きく左右されます。
血液を作る働き
テストステロンは造血(赤血球を作る働き)にも関与します。男性の赤血球数やヘモグロビンが女性より高い背景には、性ホルモンの影響があるとされています。
一方で、テストステロン補充療法(TRT)では赤血球が増えすぎる(多血)ことが副作用として問題になることがあります。後述するように、治療を行う場合は定期的な採血で安全性を確認することが重要です。
精神面への働き
テストステロンは脳に作用し、気分、集中力、意欲などに関わる可能性が報告されています。テストステロンが低い状態で、抑うつ気分や活力低下を伴う方がいることも知られています。ただし、気分の落ち込みや不眠、集中力低下はストレス、うつ病、不安障害、睡眠障害、甲状腺疾患、貧血などでも起こります。「男性ホルモンだけが原因」と決めつけず、必要に応じて医療機関で総合的に評価することが大切です。
代謝を改善する働き
テストステロンは体組成や代謝とも関係し、テストステロンが低い男性では内臓脂肪が増えやすい、糖代謝が悪化しやすい、といった関連が報告されています。 また、低テストステロンの男性に対するテストステロン補充療法(TRT)で、インスリン抵抗性や脂質の一部が改善したという報告もあります。ただし研究結果は対象や条件で差があり、効果は個人差も大きい点に注意が必要です。代謝改善の基本は、まずは睡眠・運動・食事の土台作りです。
男性ホルモンが不足すると現れる症状

テストステロンが年齢や他の要因で低下すると、体と心にさまざまな不調が現れることがあります。中高年男性でテストステロン低下に関連した症状がみられる状態は、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)として扱われることがあります。 ただし、同じような症状は別の病気でも起こり得るため、「症状+血液検査+背景因子」を合わせて判断します。
性機能に関する症状
男性ホルモン不足では、性欲低下や勃起力低下(ED)を感じることがあります。朝の勃起が減ることもあります。 自分でできる対応策としては、睡眠不足や過労を避ける、ストレスを調整する、適度な運動と体重管理を行う、パートナーとコミュニケーションを取るといった生活習慣の見直しが基本です。
勃起不全が続く場合や生活に支障がある場合は、泌尿器科などの医療機関へ相談しましょう。EDは血管の病気(動脈硬化)や糖尿病、薬剤の影響などが関係していることもあり、背景評価が重要です。必要に応じてテストステロン値の測定、ED治療薬などの選択肢も検討されます。
疲労感や倦怠感
男性ホルモンの低下に伴い、疲労感、倦怠感、筋力低下、体脂肪の増加などを感じることがあります。とくに内臓脂肪の増加は、さらにホルモン環境を悪化させる要因になり得ます。 まずは無理のない範囲での運動(散歩、軽い筋トレ、ストレッチなど)と、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠の確保が重要です。
一方、強い倦怠感は睡眠時無呼吸症候群、甲状腺疾患、貧血、うつ病などでも起こります。日常生活に支障がある場合は、内科・泌尿器科・内分泌科などで相談し、必要な検査を受けましょう。
気分の落ち込みやうつ傾向
気分の落ち込み、意欲低下、イライラ、不安感、睡眠障害などがみられることがあります。テストステロン低下と関連が示唆される報告もありますが、精神症状は原因が多岐にわたるため注意が必要です。ストレス対策、睡眠衛生(寝る前のスマホやカフェインを控える等)、適度な運動は多くの方で有効な基本策です。抑うつ状態が続く場合や日常生活に支障がある場合は、心療内科・精神科の受診も含めて検討してください。その際、男性更年期(LOH)も気になっていることを伝え、必要ならホルモン検査も相談するとスムーズです。
男性ホルモンが不足する原因

男性ホルモン(テストステロン)が不足する背景には、加齢、生活習慣、睡眠、ストレス、基礎疾患、薬剤など多くの要因が関係します。代表的な原因を説明します。
加齢による自然減少
テストステロンは加齢とともに低下しやすく、一般に「年齢とともに緩やかに減少する傾向」が知られています。ただし低下の程度には個人差が大きく、生活習慣や体格、病気の有無で変わります。
加齢により、視床下部―下垂体―精巣軸の調節機能や精巣の反応性が変化し、結果としてテストステロンが低下することがあります。加齢そのものは避けられませんが、体重管理、運動、睡眠などで“低下しやすい環境”を整えることは可能です。
生活習慣やメタボリックシンドローム
肥満(特に内臓脂肪型肥満)や生活習慣病は、テストステロン低下と関連することが報告されています。体重増加により炎症やインスリン抵抗性が進むと、ホルモンバランスが崩れやすくなるためです。 睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群も関係します。テストステロンは睡眠と関連し、睡眠が不足すると低下する可能性が報告されています。また慢性的なストレスはコルチゾール増加を介してホルモン環境に影響することがあります。生活習慣の乱れは単独ではなく複合的に影響するため、睡眠・運動・食事・ストレスをセットで改善することが重要です。
病気や外的要因
特定の病気や薬剤、けがなどがテストステロン低下の原因になることがあります。例として、肥満症や糖尿病、慢性腎疾患、慢性肝疾患、HIV感染などでは低テストステロンがみられることがあります。
薬剤では、長期のステロイド使用や、オピオイド系鎮痛薬などが影響することがあります。抗うつ薬・抗精神病薬などは性機能に影響する場合があり、ホルモンだけでなく総合的評価が必要です。また前立腺肥大症やAGAなどで使われる5α還元酵素阻害薬は、テストステロンそのものよりもDHT(ジヒドロテストステロン)に影響する薬です。
症状との関連は個人差があるため、気になる場合は処方医に相談しましょう。 精巣の外傷、精巣捻転、精巣摘出などで精巣機能が低下するとテストステロンが大きく低下することがあります。ムンプス(おたふく風邪)による精巣炎も、まれに機能低下に関与する可能性があります。
男性ホルモンの分泌を増やす方法

低下した男性ホルモンを「確実に」増やす万能法はありませんが、生活習慣の改善によって、テストステロンが低下しにくい体の状態をつくることは可能です。 なお、症状が強く、血液検査で明らかな低テストステロンが確認される場合は、医師の評価のもとで治療(テストステロン補充療法:TRT)を検討することがあります。
適度な運動をする
運動はテストステロン維持に役立つ可能性があり、特に体重増加がある方では、運動と減量によりテストステロンが改善するという報告があります。筋力トレーニングや有酸素運動は、筋肉量の維持、内臓脂肪の減少、代謝改善に寄与し、結果的にホルモン環境を整える助けになります。 ただし、運動直後のホルモン変化は一時的で、長期の変化は体重・睡眠・栄養などの総合要因で決まります。まずは継続しやすい運動(週数回のウォーキング、軽い筋トレなど)から始めましょう。持病がある方は医師に相談の上で安全に行ってください。
十分な睡眠をとる
テストステロンは睡眠と関連し、睡眠が不足すると低下する可能性が報告されています。忙しい時期に睡眠が短くなると、日中のテストステロンが下がることが示された研究もあります。 睡眠時間の目安は人により異なりますが、多くの方で7時間前後を確保し、規則正しい就寝・起床を心がけることが基本です。寝る前のスマホやカフェインを控える、入浴でリラックスするなど、睡眠の質を上げる工夫も役立ちます。いびきが強い、日中の眠気が強い場合は睡眠時無呼吸症候群の評価も検討しましょう。
ストレスを減らし生活習慣を整える
慢性ストレスは睡眠の質を下げたり、生活習慣を乱したりして、結果的にホルモン環境に影響する可能性があります。ストレスをゼロにするのは難しいため、「回復の時間(休息・趣味・入浴・軽い運動など)」を意識的に作ることが重要です。
また適正体重の維持は大切です。内臓脂肪が増えるとテストステロンが低下しやすい傾向があるため、極端な食事制限ではなく、続けられる方法で体重を整えましょう。
飲酒は量が重要で、過度の飲酒は性機能や睡眠の質に悪影響を及ぼすことがあります。喫煙も血管に悪影響でEDを悪化させる可能性があるため、控えることが推奨されます。
男性ホルモンの分泌を増やす食べ物

食べ物でテストステロンを「劇的に増やす」ことは一般に難しいですが、欠乏がある栄養素を是正し、体重管理や代謝改善につながる食事を続けることは、ホルモン環境の維持に役立ちます。ここでは、土台として意識したい栄養素と食材を紹介します。
亜鉛を豊富に含む食品
亜鉛(Zn)は体内の多くの酵素反応に関わる重要なミネラルで、欠乏がある場合には性腺機能やテストステロンに影響する可能性があります。実際、亜鉛を極端に制限した状況でテストステロンが低下した報告や、亜鉛欠乏傾向の方で補充によりテストステロンが改善した報告があります。
ただし、亜鉛が十分な人が多く摂ればさらに増えるという意味ではありません。まずは食事で不足が起きにくい形を目指しましょう。亜鉛を多く含む食品は、牡蠣、赤身肉、レバー、魚介類、豆類、ナッツ類などです。 なお、亜鉛の過剰摂取は健康被害につながる可能性があるため、サプリを使う場合も含めて摂りすぎには注意してください。
ビタミンDやカルシウムを含む食品
ビタミンDは骨の健康だけでなく、体のさまざまな働きと関連する栄養素です。ビタミンD不足の方では、ビタミンD補充によりテストステロンが改善した研究もあります。ただし、研究結果は一貫しない部分もあり、効果は「不足がある場合に期待されやすい」と考えるのが現実的です。
ビタミンDは日光を浴びることで体内合成され、食品では魚(サケ、サバ、イワシなど)、卵黄、きのこ類などに含まれます。カルシウムは骨の健康に重要で、乳製品や小魚、大豆製品などから摂取できます。
一部で乳製品とホルモンの話題が取り上げられることがありますが、一般的には「適量の範囲」で極端に心配し過ぎる必要はありません。偏りなく、適量を続けることが大切です。
良質な脂肪を含む食品
脂質はホルモン合成の材料の一部であり、極端な脂質制限は体調に影響する場合があります。一方で、脂質を摂ればテストステロンが上がる、という単純な話でもありません。 ポイントは「脂の質」と「食事全体のバランス」です。オリーブオイル、魚の脂(EPA/DHA)、ナッツ、アボカドなどに含まれる不飽和脂肪酸は、食事の質を整える上で選びやすい脂質です。反対に、揚げ物中心・超加工食品が多い食生活は体重増加につながり、結果的にテストステロン低下の要因になり得ます。 また、タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など)と野菜・海藻・きのこ類などを組み合わせ、体重管理につながる食事パターンを作ることが、ホルモン環境の土台になります。
男性ホルモンの分泌を増やす飲み物

特定の飲み物でテストステロンが「確実に増える」と言えるものは限られます。飲み物は、睡眠や体重管理、ストレスのコントロールを助ける生活の補助として位置づけるのが現実的です。糖分の多い飲料は体重増加につながりやすいため注意しましょう。
緑茶(特に抹茶)
緑茶(抹茶を含む)は、日常に取り入れやすい飲み物です。抹茶に含まれるテアニンなどがリラックスに役立つ可能性はありますが、抹茶がテストステロンを直接増やすことを示す強い臨床根拠は十分ではありません。 そのため、「ストレスを減らす」「間食を減らす」「甘い飲料の置き換え」といった目的で取り入れるのがおすすめです。カフェインを含むため、夕方以降に飲むと睡眠の質を下げることがある点には注意しましょう。また、緑茶を大量に飲むと鉄の吸収に影響する可能性があるため、貧血傾向の方は適量を心がけてください。
ザクロジュース
ザクロジュースは抗酸化成分を含み、健康飲料として人気があります。一方で、テストステロン増加については小規模・短期の報告(唾液テストステロンなど)で示唆がある程度で、確立した方法とは言えません。取り入れる場合は、加糖飲料ではなく100%に近いものを選び、量は控えめにしましょう。ジュースは糖分摂取が増えやすく、体重管理の観点では飲み過ぎに注意が必要です。
ショウガ湯
ショウガ(生姜)は体を温める食材として親しまれています。動物研究ではショウガ成分とテストステロンの関連が示唆されていますが、ヒトでテストステロンを確実に増やす効果がはっきり示されたとは言いにくいのが現状です。 そのため、「体を温めてリラックスする」「寝る前に甘い飲料を避ける」など、生活習慣を整える補助として活用するとよいでしょう。はちみつを加える場合は糖分量に注意してください。 また、十分な水分補給は体調管理の基本です。脱水は疲労感やパフォーマンス低下につながるため、こまめに水分をとりましょう。
男性ホルモンの分泌を増やすサプリメント

サプリメントは、食事で不足しがちな栄養素を補う手段になり得ます。ただし、正常な人が多く摂ればテストステロンが大きく上がるといったブースター的な期待はし過ぎないことが大切です。基本は食事・睡眠・運動・体重管理で、サプリは不足が疑われる場合の補助として考えましょう。持病や服薬がある方は、開始前に医師・薬剤師へ相談してください。
亜鉛サプリ
亜鉛は欠乏がある場合に性腺機能へ影響し得るため、食事内容から不足が疑われる方では補助として検討されます。市販サプリは1日15~30mg程度の製品が多く、食事で不足しやすい方には使いやすいことがあります。
ただし、亜鉛は過剰摂取で健康被害(銅欠乏など)につながる可能性があるため、推奨量を超えないようにし、長期に続ける場合は医療者に相談すると安心です。「亜鉛を飲めば誰でもテストステロンが増える」と考えるのではなく、あくまで欠乏是正の位置づけで利用しましょう。
ビタミンDサプリ
ビタミンDは不足が多い栄養素として知られ、欠乏がある場合に補充する意義があります。ビタミンD不足の方で、補充によりテストステロンが改善した研究もありますが、すべての研究で一貫して増えるわけではなく、効果には個人差があります。摂取量は製品の表示に従い、過剰摂取にならないよう注意してください。脂溶性ビタミンのため、食後の摂取が一般に行われます。腎機能障害がある方や高カルシウム血症の既往がある方は、医師に相談してからにしましょう。
ハーブ・漢方系サプリ
マカ、高麗人参、アシュワガンダ、フェヌグリークなど、活力や性機能に関するサプリは多く存在します。これらは「気分」「疲労感」「睡眠」「ストレス」などを介して生活の質に影響する可能性が示唆されるものもありますが、テストステロンを確実に上げると断定できるものは限られます。 また、ハーブは薬剤との相互作用や副作用(肝機能への影響など)が問題になることがあります。持病がある方、服薬中の方、手術予定がある方は、自己判断で複数のサプリを併用せず、医師・薬剤師に相談してください。
「男性ホルモンを増やす方法」についてよくある質問

ここまで男性ホルモンを増やす方法について紹介しました。ここでは「男性ホルモンを増やす方法」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
男性ホルモンは性行為後に分泌されるのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
性行為(射精)をした直後に、テストステロンが「劇的に」増えると断定できるわけではありません。研究では、性行為やオーガズム前後のホルモン変化は一定ではなく、日内変動や測定条件の影響も受けます。
一方で、「禁欲7日目に一時的な上昇が見られた」とする報告もありますが、これは短期の観察で、臨床的にテストステロンを恒常的に高める方法として確立しているわけではありません。
まとめると、性行為そのものをテストステロンを上げる手段として考える必要はあまりありません。重要なのは、睡眠・運動・体重管理など、基礎的な生活習慣を整えてホルモンが低下しにくい環境を作ることです。
男性ホルモンが少ない人の特徴を教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
テストステロンが低い方では、筋肉量の低下や内臓脂肪の増加、疲れやすさ、性欲低下、朝の勃起の減少、気分の落ち込み、集中力低下などを自覚することがあります。
ただし、同様の症状は睡眠障害、ストレス、うつ病、甲状腺疾患、貧血、糖尿病などでも起こるため、症状だけで判断はできません。気になる症状が続く場合は、医療機関で生活背景も含めて相談し、必要に応じて血液検査で評価するとよいでしょう。
まとめ
男性ホルモン(テストステロン)は、筋肉や骨、性機能、気分や代謝などに関わる重要なホルモンです。加齢とともに低下しやすい傾向がありますが、低下の程度には個人差があり、肥満、睡眠不足、ストレス、基礎疾患、薬剤など複数の要因が影響します。
男性ホルモンを「増やす」ために最も現実的で安全なのは、まず生活習慣を整えることです。適度な運動、十分な睡眠、体重管理、バランスの良い食事は、テストステロンが低下しにくい体の土台になります。 食べ物・飲み物・サプリメントは、あくまで補助として考えましょう。
症状が強い場合や血液検査で明らかな低テストステロンが確認される場合には、医師の評価のもとでテストステロン補充療法(TRT)が検討されることがあります。TRTは適応を見極めて行う治療であり、赤血球が増えすぎる(多血)などの副作用が起こり得るため、定期的な採血を含む安全管理が必須です。自己判断でのホルモン使用は避け、泌尿器科・内分泌科などの医療機関で相談しましょう。
「男性ホルモン」と関連する病気
「男性ホルモン」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
泌尿器科の病気
- LOH症候群
- 勃起不全
男性ホルモンが低下した際の症状は精神疾患や内科疾患などでも現れることがあります。なかなか改善しない場合には、男性ホルモンのせいだと決めつけずに検査を受けることをお勧めします。
「男性ホルモン」と関連する症状
「男性ホルモン」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 勃起不全
- 性欲低下
- 疲労感
- 倦怠感
- 筋力低下
- 体脂肪の増加
- 気分の落ち込み
- うつ傾向
男性ホルモンが低下するとこれらの症状が出現することがあります。セルフケアを行っても改善しない場合には、一度医療機関で相談することも考慮しましょう。
参考文献
- 日本泌尿器科学会ほか. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き 2022年版.
- Testosterone Therapy in Men With Hypogonadism: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2018
- Effect of 1 week of sleep restriction on testosterone levels in young healthy men. JAMA. 2011
- Vigorous Physical Activity is Associated with Regular Aerobic Exercise-Induced Increased Serum Testosterone Levels in Overweight/Obese Men. Horm Metab Res. 2018
- Zinc deficiency in elderly men and its effect on serum testosterone. Nutrition. 1996
- Effect of vitamin D supplementation on testosterone levels in men. Horm Metab Res. 2011
- A research on the relationship between ejaculation and serum testosterone level in men. J Zhejiang Univ Sci. 2003
- Hypogonadism and male obesity: Focus on unresolved questions. Clin Endocrinol. 2018
- Testosterone and metabolic syndrome: a meta-analysis study. J Sex Med. 2011
- Vitamin D and testosterone in healthy men. J Clin Endocrinol Metab. 2017
- Ginger and testosterone. Biomolecules. 2018




