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「オキシトシンの出し方」はご存知ですか?男女別の出し方・出やすい人の特徴も解説!

 公開日:2026/03/26
「オキシトシンの出し方」はご存知ですか?男女別の出し方・出やすい人の特徴も解説!

オキシトシンの出し方とは?メディカルドック監修医がオキシトシンの男女別の効果・出しやすい人の特徴・1人で出す方法などを解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

「オキシトシン」とは?

「オキシトシン」とは?

オキシトシンは、脳の視床下部で作られるホルモンの一種です。もともとは、出産時に子宮を収縮させたり、母乳が出るよう促したりする働きで知られていました。加えて近年の研究では、オキシトシンが脳内でも作用し、不安を和らげたり、他者への信頼感を高めたりする働きもあるとわかってきました。
そのため、オキシトシンは安らぎと結びつきをもたらすものとして、「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれることもあります。オキシトシンは、女性だけでなく男性にとっても、家族や友人とのつながり、こころの安定に関わる大切な物質なのです。

オキシトシンはどこから分泌されるの?

オキシトシンはどこから分泌されるの?

オキシトシンは、脳の視床下部にある「神経細胞(ニューロン)」という場所で作られます。そこで産生されたオキシトシンは、軸索(※)を通って、下垂体後葉と呼ばれる部分まで運ばれ、そこから血液中に分泌されるのです。
(※)軸索とは、神経細胞から伸びる長い突起のこと。情報を伝達する出力ケーブルのような役割をもつ。
血液とともに全身を巡るオキシトシンは、子宮や乳腺にある受容体と結合し、子宮の収縮や母乳の分泌を促します。また、一部のオキシトシンは下垂体後葉ではなく、扁桃体や海馬、側坐核、前頭前野といった場所にも運ばれ、軸索の先端から分泌されます。そこで各領域の受容体と結合し、不安の軽減や、信頼関係の形成などに関わっているのです。

【男性】オキシトシンが分泌されるとどんな効果がある?

【男性】オキシトシンが分泌されるとどんな効果がある?

オキシトシンは、男性のこころや人間関係にも大きく関わります。父性行動やパートナーとの関係、不安の軽減など、男性に見られる主な働きを紹介します。

父性行動の形成

自分の子どもが生まれると、育児やスキンシップを通して父親の脳内でもオキシトシンの分泌が高まることがわかっています。これにより、子どもへの愛着や関わろうとする気持ちが強まり、父子行動の形成が促されると考えられているのです。実際、父親と母親の血液中および唾液中のオキシトシン濃度が高いことは、親子のコミュニケーションや感情の同期が良好であったとする報告もあります。

夫婦・パートナー関係の安定

オキシトシンには、他者への信頼感を高める作用があると報告されています。そのため、夫婦やパートナーの絆を深め、関係を安定させる働きが期待されます。相手に対しての不安や警戒心が和らぐことで、気持ちを共有しやすくなり、良好な人間関係の土台づくりにもなるでしょう。

不安の軽減

オキシトシンには不安や恐怖、うつ症状を軽減する効果が知られています。とくに男性の場合は、不安や恐怖の処理に関わる「扁桃体」の活動を抑える方向に働く傾向があると報告されており、過剰な緊張や警戒心が和らぐ可能性が示唆されています。それゆえ、他者と関わる場面でも落ち着いて対応しやすくなり、円滑なコミュニケーションにつながることも期待できるでしょう。

【女性】オキシトシンが分泌されるとどんな効果がある?

【女性】オキシトシンが分泌されるとどんな効果がある?

女性では、妊娠や出産、授乳といったライフイベントの際に、オキシトシンが重要な役割を担っています。ほかにも、こころの安定やストレス緩和効果も期待できます。

出産をサポート

妊娠が進むにつれ、オキシトシンの分泌量は徐々に増えていきます。これは、分娩時に子宮を収縮させ、赤ちゃんを体外へ送り出すための準備と考えられているのです。実際に出産時には、オキシトシンの働きによって子宮収縮が促され、陣痛が起こります。また、産後の子宮収縮を助けることで出血を抑えたり、妊娠で広がった子宮を元の状態に戻したりする役割も担っています。

母乳の分泌を促す

授乳時の肌の触れ合いや、赤ちゃんが乳房を吸う刺激によっても、オキシトシンの分泌は高まります。オキシトシンには母乳の分泌を促す働きがあるため、スムーズな授乳の助けとなるのです。さらに、授乳やスキンシップによるオキシトシン分泌は、母親のこころを落ち着かせ、赤ちゃんへの愛着形成や母子関係の構築にも役立つでしょう。

こころの不調を和らげる

ストレスを受けたときに脳内での分泌量が増えるオキシトシンは、ストレスホルモンであるコルチゾールの働きを弱める作用があると知られています。これまでの研究で、うつ患者の血中オキシトシン濃度が低いことや、妊娠中のオキシトシン濃度が低い女性ほど産後うつのリスクが高いことが報告されています。
またある実験では、ストレスホルモンによって引き起こされる神経細胞のダメージが、オキシトシンの存在によって抑えられたそうです。さらに、オキシトシンは脳の神経細胞の成長や生存を支える因子の増加にも関わるとされています。
これらのことから、オキシトシンはストレスによる悪影響から脳を守り、こころの不調緩和につながる物質であると考えられています。

オキシトシンが出やすい人の特徴

オキシトシンが出やすい人の特徴

日常の過ごし方や習慣によってオキシトシンの出やすさは異なります。ここでは、オキシトシンが分泌されやすい人に見られる特徴を紹介します。

人との触れ合いがある人

心地よい触れ合いは、オキシトシンの分泌を促進させることが知られています。家族やパートナーなど親しい人とのスキンシップはもちろん、リラクゼーションをもたらすマッサージによってもオキシトシンの分泌は高まります。

日常に心地よい刺激やリラックス体験がある人

「心地よい」という感覚も、オキシトシンの分泌を促します。たとえば、柔らかい滑らかな生地に触れ、心地よいと実感することでオキシトシンの分泌が増えたとの報告があります。また、マッサージのような軽い皮膚への刺激は、接触刺激によるものだけでなく、その心地よさによってもオキシトシンが分泌されると示唆されているのです。

動物やペットとの触れ合いがある人

人だけでなく、動物との触れ合いでもオキシトシンの分泌増加が期待できます。飼い犬と飼い主が視線を合わせることで、犬も人も尿中のオキシトシン濃度が上昇したとの報告があります。

オキシトシンの出し方(増やし方)

オキシトシンの出し方(増やし方)

オキシトシンは人と関わるなかで、自然に分泌されるホルモンです。ここでは、日常の中で取り入れやすいオキシトシンの出し方を紹介します。

スキンシップをはかる

家族やパートナーなど、親しい人とのスキンシップは、オキシトシンの分泌を促すことが知られています。手をつないだり、ハグしたりと、安心感を伴う触れ合いを日常の中で取り入れてみてはいかがでしょうか。

タッチケアを受ける

マッサージを受けたり、痛みのある部位を優しくさすってもらったりなどのタッチケアもオキシトシンが出やすくなる刺激の1つです。実際に、15分間背中をマッサージされると、血液中のオキシトシン量が増加したとの報告があります。

相手を思いやる

思いやりの気持ちを持つことも、オキシトシンが出ることにつながるでしょう。実際、マッサージの前後に血液中のオキシトシン量を測定したところ、マッサージを「受ける側」よりも「する側」のオキシトシン増加量が大きかったとの報告があります。これは皮膚刺激だけでなく、「この触れ方は気持ちいいかな?」や「痛みがよくなってほしい」といった思いやり、共感などマッサージする側の心理的影響を受けていると考えられています。

会話を楽しむ

会話もオキシトシンの分泌に関わっている可能性があります。母子間の研究では、対面や電話で会話をした場合は、メッセージのみのやり取りよりも、尿中のオキシトシン濃度が高かったとの報告があるのです。メッセージでのやり取りは便利な面もありますが、会話する時間も大切にしたいですね。

目を見て接する

親しい人と目を合わせるといった相互的なコミュニケーションは、オキシトシンの分泌を促す可能性があります。たとえば、乳児と見つめ合う視覚的な刺激によって、母親の体内でオキシトシンの分泌が促されると知られています。また、先ほど紹介した人と犬の実験でも、視線を合わせることで尿中オキシトシン濃度が上昇していました。このように、相手の目を見て接するというちょっとした行動も、オキシトシンを増やす一因になる可能性があるのです。

【1人】オキシトシンの出し方(増やし方)

【1人】オキシトシンの出し方(増やし方)

「1人でできる方法を知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。そこで、1人でも実践しやすいオキシトシンの出し方を紹介します。

触り心地のよいものに触れる

「心地よい」と感じる触感刺激は、オキシトシンの分泌に関わる神経系を刺激すると考えられています。タオルやブランケット、ぬいぐるみなどお好みの素材に触れることで、オキシトシンが出やすい状態になるでしょう。

セルフタッチする

自分自身に優しく触れるセルフタッチも、オキシトシンの分泌増加が期待できます。リラックスした状態で腕や足をゆっくりとさすったり、両手の指の腹を使って軽く弾ませるようにタッチしたりしてみましょう。

マインドフルネス瞑想をする

「今、この瞬間」の自分に意識を向けるマインドフルネス瞑想は、こころを刺激して脳内のオキシトシン放出を促す可能性があります。基本的なやり方は下記のとおりです。

1. 座った状態で目を閉じ、呼吸に集中する
2. 雑念が浮かんできたら、その考えに気付き、再び呼吸に集中する

1日15分程度を目安に、無理のない範囲で続けてみましょう。

アロマを取り入れる

ラベンダーオイルを用いたアロマセラピーによって、女性の唾液中オキシトシン濃度が上昇したとの報告があります。香りの感じ方には個人差がありますので、「心地よい」や「落ち着く」と感じる香りを選ぶことが大切です。就寝前やリラックスタイムに取り入れてみるのもよいでしょう。

音楽

リラクゼーションをもたらすスローテンポの音楽を聴くことで、唾液中のオキシトシン濃度が高まったと報告されています。落ち着く音を日常に取り入れることで、ストレス軽減とともにオキシトシンが出やすい状態づくりにつながるでしょう。

「オキシトシンの出し方」についてよくある質問

「オキシトシンの出し方」についてよくある質問

ここまでオキシトシンの出し方について紹介しました。ここでは「オキシトシンの出し方」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

男性と女性でオキシトシンの出し方は異なるのでしょうか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

オキシトシンは男女ともに分泌されるホルモンですが、放出されるきっかけは必ずしも同じではありません。たとえば女性は妊娠や出産、授乳といったタイミングでオキシトシンの分泌が増加します。一方で、スキンシップや安心感を伴うコミュニケーションなど、男女共通でオキシトシンが分泌されやすい場面もあります。
オキシトシンは「心地よさ」や「安心感」と深く関わるホルモンでもあるため、性別にとらわれすぎず、自分に合ったオキシトシンの出し方を見つけていくことが大切と言えるでしょう。

まとめ

オキシトシンは、出産や授乳に関わるだけでなく、不安の軽減や信頼関係の形成、ストレス緩和などこころの健康にも深く関わっています。オキシトシンはさまざまな刺激をきっかけに分泌されるため、無理に出そうと頑張るのではなく、自分が心地よいと感じる行動を日常に取り入れることが大切です。毎日のちょっとした心地よさが、こころの安定や人とのつながりを支える土台づくりになるでしょう。

「オキシトシン」と関連する病気

「オキシトシン」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

精神科系

上記の病気では、血液中のオキシトシン濃度が低い可能性があります。

「オキシトシン」と関連する症状

「オキシトシン」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 後陣痛
  • 過強陣痛

出産時や産後は、オキシトシンの作用が強く出ることもあります。症状がつらいときには、我慢せず主治医に相談しましょう。

この記事の監修医師