「60代の骨密度正常値」はYAM値何%以上?男女別・骨密度を上げる対処法も医師が解説!

60代の骨密度正常値はどれくらい?メディカルドック監修医が男女別の目安やYAM値の見方、骨粗鬆症の診断基準、数値を上げる対策を解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
骨の強さ・硬さがわかる骨密度とは?
骨密度は、骨の中に含まれるカルシウムなどのミネラル量を示す指標で、骨の強さを評価するために用いられます。骨密度が低下すると骨がもろくなり、転倒などの軽い衝撃でも骨折が起こりやすくなるため、早期からの把握が重要です。
骨密度の定義と重要性
骨密度とは、一定の体積の骨に含まれるミネラル量を示す指標です。骨の量が少なくなると骨の強度が低下し、骨折のリスクが高くなります。骨粗鬆症は自覚症状が少ないことが多く、骨折して初めて見つかる場合もあります。そのため、骨密度検査によって骨の状態をチェックすることが大切です。
骨密度の検査方法の種類(DXA法/DEXA法・MD法など)
骨密度検査にはいくつかの方法があります。代表的なのはDXA(DEXA)法で、腰椎や大腿骨の骨密度を測定します。MD法は手の骨をX線で測定する方法です。QUS法は超音波を用いてかかとの骨密度を調べる簡易検査で、健康診断や検診で用いられることがあります。
骨密度の指標「YAM値」とは?
YAM値とは、20〜44歳の若年成人の骨密度平均値を100%としたときの割合を示す指標です。骨密度の評価ではこのYAM値が使用されることが多いです。一般的に80%以上が正常、70〜79%は骨量減少(骨粗鬆症予備群)、70%未満で骨粗鬆症と診断される目安とされています。
60代の骨密度正常値と男女別の傾向とは?
60代は骨密度が低下しやすい年代です。特に女性では閉経によるホルモン変化が影響し、骨密度の減少が進みやすい時期とされています。ここでは、年代別の骨密度の目安と男女の違いについて解説します。
全年代の骨密度の正常値・平均値とは
骨密度は若い時期に最も高くなり、その後年齢とともに少しずつ低下します。一般的な評価では、YAM値80%以上が正常とされています。70〜79%は骨量減少とされ、骨粗鬆症の前段階にあたります。70%未満では骨粗鬆症と診断され、骨折リスクが高まると考えられています。
60代女性の骨密度の傾向と閉経の影響
女性は閉経後、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少します。エストロゲンは骨の形成を助ける働きがあるため、分泌が減ると骨密度が低下しやすくなります。日本人の60代女性の22.8%が骨粗鬆症という報告もあります。また、日本での研究で、DXA検査を受けた60代の女性におけるYAMの平均は腰椎で約79%、大腿骨頸部で約73% と報告されています。 骨密度の評価ではYAM80%未満が骨量減少の目安とされるため、60代女性では骨量減少に該当する人も少なくないことが想定されます。
60代男性の骨密度の傾向とリスク要因
男性も年齢とともに骨密度は低下しますが、女性ほど急激ではありません。日本での研究で、DXA検査を受けた60代の男性におけるYAMの平均は、腰椎で約89%、大腿骨頸部で約78% という報告もあります。ただし、喫煙、過度の飲酒、運動不足、生活習慣病などがある場合には骨密度の低下が進む可能性があります。女性に比べて緩やかに低下する傾向にありますが、これらの生活習慣病などが影響する点には注意が必要です。
「骨密度検査」の見方と再検査が必要な数値・結果
ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
「骨密度検査」の基準値と結果の見方(YAM・Tスコア)
骨密度検査ではYAM値のほかにTスコアも用いられます。Tスコアは若年成人の平均値との差を示す指標で、−2.5以下の場合は骨粗鬆症と診断される基準の一つです。YAM値が80%以上なら骨量は保たれている状態と考えられます。特にYAM値が70%未満、あるいはTスコアが-2.5以下という数値は骨折リスクが高まっているため、注意が必要です。
「骨密度検査」の異常値・再検査基準と内容
YAM値が80%未満と指摘された場合には、医療機関での再検査が勧められることがあります。
- どのような検査を行うのか:精密検査ではDXA法による詳細な測定や、骨代謝マーカーを調べる血液検査が行われることがあります。
- 検査費用:保険適用の対象となりますが、医療機関や実施する検査項目により異なります。
- どこで再検査を依頼するのか:整形外科や内科(骨粗鬆症外来など)を受診しましょう。
- 緊急度・受診期間:痛みがない場合でも、将来の骨折予防のために通知を受け取ってから1ヶ月以内を目安に受診することが推奨されます。
- 治療内容:再検査結果に基づき、必要に応じて骨の破壊を抑える薬や骨形成を助ける薬を用いた薬物療法、食事・運動の生活習慣改善が行われます。
「骨密度」の低下で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「骨密度」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。加齢や閉経、栄養不足、運動不足などが原因となります。治療には薬物療法のほか、カルシウムやビタミンDの摂取、運動習慣の見直しなどが行われます。整形外科や内科で相談できます。
脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折は背骨がつぶれるように骨折する状態です。骨粗鬆症があると、軽い転倒や日常動作でも起こることがあります。背中や腰の痛み、身長の低下などが見られる場合があります。整形外科で診断され、安静や装具、薬物療法などが行われます。
大腿骨頸部骨折
大腿骨頸部骨折は太ももの付け根の骨が折れる骨折で、高齢者の転倒で多く見られます。骨密度が低下していると発症しやすくなります。多くの場合、手術が必要となり、その後リハビリテーションが行われます。
脆弱性骨折
脆弱性骨折とは、骨密度が低下した状態で、軽い外力によって起こる骨折を指します。背骨や手首、大腿骨などで起こることがあります。骨粗鬆症の重要な合併症であり、骨密度の低下を早期に見つけることが予防につながります。
「骨密度」を上げる・維持するための正しい対処法・改善法は?
骨密度は生活習慣の影響を受けます。食事、運動、日光などを意識することで、骨の健康を保つことが期待できます。
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを意識して摂取
骨の形成にはカルシウムだけでなくビタミンDやビタミンKも重要です。カルシウムは乳製品や小魚、ビタミンDは魚やきのこ類、ビタミンKは納豆や緑黄色野菜に多く含まれています。栄養バランスのよい食事を心がけることが骨密度維持につながります。
骨に刺激を与える適度な運動を行う
骨は刺激を受けることで強くなります。ウォーキングや軽い筋力トレーニングなどの運動は骨密度の維持に役立つとされています。運動不足が続くと骨量が減少しやすくなるため、日常生活に運動を取り入れることが大切です。
日光浴によるビタミンDの合成促進
ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でも合成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨の健康に関係する栄養素です。散歩など屋外での活動を取り入れることが骨密度の維持に役立つと考えられています。
「60代の骨密度の正常値」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「60代の骨密度の正常値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
骨密度が何パーセントを下回ると骨粗鬆症と診断されますか?
木村 香菜 医師
YAM値が70%を下回ると、骨粗鬆症と診断される目安とされています。一方、70〜79%の場合は骨量減少とされ、骨粗鬆症の予備段階と考えられています。数値だけでなく、骨折歴や他の検査結果も含めて医師が総合的に判断します。
60代からでも骨密度を上げることはできますか?
木村 香菜 医師
生活習慣の改善や適切な治療によって骨密度の低下を抑えることは可能です。食事の見直しや運動、日光浴などが基本となります。骨粗鬆症と診断された場合は、骨密度を維持するための薬物治療が行われることもあります。
骨密度の数値は治療から何ヶ月くらいで改善できますか?
木村 香菜 医師
骨密度は短期間で大きく変化するものではありません。薬物療法や生活習慣の改善を行いながら、6か月〜1年程度の間隔で検査を行い、変化を確認することが多いと考えられます。継続的な管理が重要になります。
定年後に骨密度検査を受けてオステオペニアと言われました。どんな生活習慣を見直したら正常値に戻れますか?
木村 香菜 医師
オステオペニアは骨密度が低下した状態を医学的に定義したものです。進行すると、骨粗鬆症になる可能性もあります。カルシウムやビタミンDを意識した食事、適度な運動、禁煙、節酒などの生活習慣を整えることが勧められます。定期的に骨密度を測定し、変化を確認することも大切です。
まとめ「60代の骨密度の正常値」はYAM値80%以上!
骨密度の評価では、20〜44歳の若年成人の平均値を基準としたYAM値が用いられます。YAM80%以上ならば正常、YAM70〜79%ならば骨量減少(骨粗鬆症予備群)、YAM70%未満ならば骨粗鬆症と判断されます。
女性では閉経後のホルモン変化の影響で骨密度が低下しやすいことが知られています。一方、男性でも生活習慣の影響で骨量が減少するリスクはあります。骨密度の低下は骨折につながる可能性があるため、検査結果を確認し、食事や運動などの生活習慣を見直すことが重要です。定期的な骨密度検査を受けながら、骨の健康を維持することを心がけましょう。
「60代の骨密度」に関連する病気
「60代の骨密度」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
骨密度の低下がこれらのような病気につながることがあります。
「骨密度」に関連する症状
「骨密度」から医師が考えられる症状は3個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
骨密度低下に伴うサイン
- 腰痛
- しびれ
- 手首の痛み
骨粗鬆症そのものでは何か症状が起こることは少ないですが、腰椎の圧迫骨折や手首の骨折によってこれらのような症状が現れることがあります。




