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「子宮頸がん検診」でひっかかる“4つの原因”とは?異形成の判定や症状も医師が解説!

 公開日:2026/03/16
「子宮頸がん検診」でひっかかる“4つの原因”とは?異形成の判定や症状も医師が解説!

子宮頸がん検診にひっかかる原因は何?メディカルドック監修医が、精密検査になる理由やHPVとの関係、注意すべき症状や受診の重要性を解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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子宮頸がん検診とは?

子宮頸がん検診は、子宮の入り口にできるがんやその前段階の変化を早期に見つけるための検査です。自覚症状がない段階で異常を発見できる点が大きな特徴です。

子宮頸がん検診の目的と方法

子宮頸がん検診の目的は、がんそのものだけでなく、がんになる前の「前がん病変(異形成)」の段階で発見し、適切な経過観察や治療につなげることです。主な検査は子宮頸部の細胞を採取して顕微鏡で調べる「細胞診」です。近年はHPV検査を併用する方法も広がっています。これにより、将来の発症リスクをより正確に評価できるようになっています。

子宮頸がん検診は何歳から受けた方が良い?

日本では20歳以上の女性に対し、定期的な子宮頸がん検診が推奨されています。性交渉の経験があればHPVに感染する可能性があるため、若年層であっても対象となります。多くの自治体では2年に1回の受診が推奨されており、症状がなくても定期的に受けることが重要です。

子宮頸がん検診にひっかかる原因とは?

検診で「要精密検査」や「異常あり」と言われると不安になりますが、ひっかかる理由はがんだけではありません。検診には偽陽性と呼ばれる判定も含まれ、精密検査で問題がないと分かるケースもあります。

子宮頸がんの「グレーゾーン(異形成)」とは

子宮頸部細胞診の結果は、現在「ベセスダシステム」に基づいて報告されます。がんと断定できないものの、正常とも言い切れない状態がいわゆるグレーゾーンにあたります。

代表的な判定は次のとおりです。

  • ASC-US(Atypical Squamous Cells of Undetermined Significance)
    意義不明の扁平上皮細胞異型を意味します。軽度の細胞変化があるものの、反応性変化(炎症など)との区別が難しい状態です。まずHPV検査を行い、リスク評価をすることが一般的です。
  • LSIL(Low-grade Squamous Intraepithelial Lesion)
    軽度の上皮内病変を示します。多くはHPV感染による一過性の変化で、自然に改善することもあります。若年層では経過観察となる場合もあります。
  • HSIL(High-grade Squamous Intraepithelial Lesion)
    高度の上皮内病変を示し、がんに進行する可能性が相対的に高い状態です。コルポスコピーや組織診を行い、必要に応じて治療が検討されます。

いずれの場合も、結果だけでがんと確定するわけではありません。精密検査によって実際の病変の有無や程度を確認することが重要です。

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染

子宮頸がんの主な原因はHPVの持続感染です。HPVは性交渉で感染し、多くの人が一生のうちに一度は感染するとされています。多くは免疫によって排除されますが、感染が長期化すると細胞異常を引き起こし、検診で異常と判定されることがあります。

膣炎などの炎症

腟炎や子宮頸管炎などの炎症があると、細胞の形態が一時的に変化し、細胞診で異常と判定されることがあります。性感染症が関与する場合もありますが、炎症が改善すれば正常に戻るケースもあります。

ホルモンバランスの変化による一時的な異形成

妊娠中や更年期など、ホルモン環境の変化によって子宮頸部の細胞の見え方が変わることがあります。これが細胞診で異常と判断される場合もありますが、必ずしも前がん病変とは限りません。

検体採取時にうまく採取できなかった

出血やおりものが混ざっていた場合や、細胞が十分に採取できなかった場合は、正確な評価ができず再検査となることがあります。これは異常とは異なり、検査精度を保つための対応です。

子宮頸がんになりやすい人の特徴は?

子宮頸がんの発症には、いくつかのリスク因子が関与しています。予防や早期発見のためには、これらを理解しておくことが大切です。

高リスク型のHPVに感染している

子宮頸がんの多くは高リスク型HPVの持続感染が原因です。感染自体は珍しくありませんが、長期間体内に残ることで異形成やがんへと進展する可能性があります。

免疫力が低下している

免疫機能が低下していると、HPVウイルスを排除しにくくなります。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)への感染などで免疫力が弱っている場合にも、子宮頸がんを発症する可能性が高まるのではと考えられています。

喫煙している

喫煙は子宮頸がんのリスク因子の一つです。タバコに含まれる有害物質が子宮頸部の細胞に影響を与え、HPV感染の持続を助長すると考えられています。

子宮頸がんの疑いがある場合の症状は?

子宮頸がんは初期には自覚症状がないことが多く、検診が重要です。

不正出血など子宮頸がんの初期段階での自覚症状

性交後出血や月経以外の出血、おりものの変化などがみられることがあります。ただし、これらは他の婦人科疾患でも起こるため、症状のみで判断することはできません。

子宮頸がんのステージが進行した場合に現れる症状

進行すると、持続する不正出血、下腹部痛、腰痛、排尿・排便時の違和感などがみられることがあります。症状が続く場合は速やかに婦人科を受診することが勧められます。

子宮頸がん検診でひっかかる=がんではない?

子宮頸がん検診で「異常あり」と言われても、直ちにがんと診断されるわけではありません。実際には、軽度の細胞変化や炎症などが多くを占めます。
子宮頸がん検診は、がんそのものだけでなく、がんになる前の段階や一時的な細胞変化も拾い上げる仕組みになっています。そのため、精密検査の結果「問題なし」あるいは「経過観察」となるケースも少なくありません。
重要なのは、結果を放置せず、医師の指示に従って追加検査や再検査を受けることです。

「子宮頸がん検診」で見つかる病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「子宮頸がん検診」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

子宮頸がん

子宮頸部に発生するがんで、主な原因は高リスク型HPVの持続感染です。初期は無症状のことが多く、進行すると不正出血や性交後出血、骨盤痛などがみられます。治療は進行度に応じて手術、放射線治療、抗がん剤治療が選択されます。不正出血が続く場合や検診で異常を指摘された場合は、婦人科を受診しましょう。

子宮頸管炎

子宮頸部に炎症が起こる状態で、細菌感染やクラミジアなどの性感染症が原因となることがあります。おりものの増加や下腹部の違和感、不正出血がみられる場合があります。抗菌薬による治療が中心です。症状がある場合や検診で炎症を指摘された場合は婦人科を受診しましょう。

子宮体がん

子宮内膜から発生するがんで、閉経後の不正出血が代表的な症状です。子宮頸がんとは発生部位や原因が異なり、ホルモン環境が関与するとされています。診断には超音波検査や内膜組織検査が行われます。異常出血がある場合は速やかに婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が子宮外に存在する病気です。強い月経痛や慢性的な骨盤痛、不妊の原因になることがあります。薬物療法や手術療法が選択されます。月経痛が日常生活に支障をきたす場合は婦人科への相談が勧められます。

子宮筋腫

子宮の筋層にできる良性腫瘍です。過多月経や貧血、下腹部の圧迫感などがみられることがあります。症状や大きさによって経過観察、薬物療法、手術療法が検討されます。月経量が増えた場合や、貧血が続くなどの症状がある場合は婦人科を受診します。

子宮頸がん検診で「要精密検査」と言われたらどうすればいい?

「要精密検査」と書かれていると不安になりますが、冷静に対応することが大切です。

がんを心配しすぎずに、専門医を受診しましょう

多くの場合、精密検査でがんが否定されることもあります。結果を自己判断で放置することが最も避けたい行動です。通知書を持参し、婦人科で説明を受けましょう。疑問点があればその場で確認することも重要です。

子宮頸がん検診の精密検査の内容とは?

精密検査では、HPV検査やコルポスコピー(拡大鏡による観察)、必要に応じて組織生検が行われます。組織を採取して顕微鏡で詳しく調べることで、異形成の有無や程度を正確に判断します。検査は外来で実施されることが一般的です。

「子宮頸がん検診にひっかかる原因」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「子宮頸がん検診にひっかかる原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

子宮頸がん検診で指摘をうけましたが、症状がなくても精密検査は必要ですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

はい、必要です。子宮頸がんは初期には自覚症状がないことが多いため、検診での指摘が唯一のサインとなる場合があります。症状がなくても精密検査を受けることで、正確な診断が可能になります。

子宮頸がんの原因はパートナーからと聞きますが、本当でしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

子宮頸がんの主な原因はHPV感染です。HPVは性交渉で感染しますが、いつ・誰から感染したかを特定することはできません。過去の感染が長期間持続することもあります。

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を打っていても、検診にひっかかることはありますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

あります。ワクチンは主な高リスク型HPVを予防しますが、すべての型を防ぐわけではありません。また、炎症など他の要因で異常と判定されることもあります。ワクチン接種後も検診は必要です。

がん検診で子宮頸部の異形成が見つかったら手術が必要ですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

軽度異形成の場合は経過観察が基本です。高度病変の場合には円錐切除などの治療が検討されます。病変の程度や年齢、妊娠希望の有無などを踏まえて方針が決まります。

まとめ 子宮頸がん検診で大切なことは早期発見・早期対応!

子宮頸がん検診でひっかかる原因は、HPV感染による異形成だけでなく、炎症やホルモン変化、検体採取上の要因などさまざまです。 「ひっかかった=がん」とは限りませんが、精密検査を受けることで初めて正確な判断ができます。
症状がなくても定期検診を継続し、異常を指摘された場合は必ず医療機関を受診することが、子宮頸がんの早期発見・早期対応につながります。

「子宮頸がん検診」に関連する病気

「子宮頸がん検診」から医師が見つかる病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

子宮頸がん検診によって、上記のような病気がわかります。がん以外にもさまざまな病気が起こることがあるので、健康チェックの一つとしても、定期的にがん検診を受けることをおすすめします。

「子宮頸がん検診」に関連する症状

「子宮頸がん検診」と関連する症状は8個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • おりものの変化
  • 出血
  • 骨盤痛
  • 腰痛
  • 尿や便が血に混じる
  • 下肢のむくみ

子宮頸がんは早期の段階では特に症状がみられないこともありますが、進行するとさまざまな症状が現れます。

この記事の監修医師