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がん検診の費用はどのくらい?検診内容や費用相場について解説

 公開日:2023/12/14
悪性リンパ腫を治療しないとどうなる

がん検診を受けてみたいけれど、費用が気になる…。そんな悩みを抱えていませんか?
本記事では、がん検診の費用について以下の点を中心に紹介します!
・そもそも「がん」とは何か
・5種類のがん検診について
・がん検診の費用について
がん検診の費用について知りたい方、がん検診を受けようか迷っている方はご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

松澤 宗範

監修医師
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)

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2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会

そもそも「がん」とは?

そもそも「がん」とは?

そもそも「がん」とはなんなのでしょうか。
以下から解説していきます。

がんとは

がんとは、遺伝子の異常によって生まれた異常増殖する細胞のことです。
通常、正常な細胞は一定期間で寿命を迎え、分裂を繰り返すことはありません。
しかし、遺伝子のコピーミスなどによって制御機構が狂い、無制限に分裂し続ける異常細胞が生まれます。
この異常細胞が複数集まって腫瘍を形成することがあり、それががんと呼ばれる疾患です。
がん細胞は治癒することが難しく、進行すると他の組織にも転移し、多くの場合生命を脅かすことになります。
また、がんは「悪性腫瘍と呼ばれることもあります。
悪性腫瘍と良性腫瘍には大きな違いがあります。
良性腫瘍は周りの組織を押しのけるようにして徐々に増殖し、場合によってはそのまま静かに存在し続けます。
しかし、悪性腫瘍は浸潤や転移を起こすことがあり、近隣の組織に侵入して増殖を続け、最終的には全身に広がって生命に危険をもたらすこともあります。

がんの種類

癌の種類は大きく3つに分類されます。
1つ目は上皮細胞に発生する「癌腫」で、肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、頭頸部のがんなどが含まれます。これらのがんは、まとまりを作って増殖し、周囲に広がり、体のあちこちに飛び火して新しいがんのかたまりを作る「転移」が起こります。
2つ目は非上皮性細胞に発生する「肉腫」で、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などが含まれます。
これらのがんも、まとまりを作って増殖し、周囲に広がり、体のあちこちに飛び火して新しいがんのかたまりを作る転移が起こります。
3つ目は血球に発生する「血液がん」で、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫などが含まれます。
これらのがんはかたまりを作らず、血液中に散在しているため、特定の部位にかたまりができることはありません。
悪性リンパ腫はリンパ節などが腫れることがあります。
これらのうち、「癌腫」と「肉腫」はかたまりを作るという性質上、かたまりを作らない血液がんと対比して「固形がん」と呼ばれます。

がんの症状

がんの症状は、初期段階ではほとんど現れません。
がんが増殖するにつれて、周囲の組織に刺激や圧迫がかかり、痛みや不快感、組織の正常な機能の妨げなどの症状が現れることがあります。
がんは特定の物質を分泌して、他の部位に症状を引き起こすこともあります。
がんが大腸や胸腔などの広い空間で増殖すると、かなり大きくなるまで症状がないこともありますが、声帯などの狭い空間で増殖するがんは、比較的小さくても症状を引き起こすことがあります。
また、胸膜や心膜にできたがんは、体液がにじみ出して周囲にたまり、呼吸や心臓の拍動を阻害することがあります。

細胞ががん化するメカニズム

細胞ががん化するメカニズムは、細胞内のDNAに異常が起こることが原因となっています。
細胞は分裂するたびに、DNAを複製します。
この複製が起こる際に、化学物質や紫外線などの外的要因が影響を与え、DNAに損傷が生じることがあります。
この損傷は、通常は細胞自身の修復機構によって修復されますが、修復されないまま変異が蓄積すると、細胞ががん化する可能性が高くなります。
また、遺伝子のプログラムにエラーが生じた場合、細胞は異常な分裂を続け、がん細胞が形成されることもあります。
これらの異常は、遺伝子の修復機構の不具合や環境因子の影響によって引き起こされることがあります。

がんを誘発するリスクファクター

がんは、様々な要因によって発症するとされており、その中でも特に重要なリスクファクターが存在します。
日本人においては、男性のがんの43.4%、女性のがんの25.3%が生活習慣や感染が原因であると推測されています。
ここでは、がんを誘発するリスクファクターについていくつか紹介します。
喫煙は、肺がんをはじめとする様々ながんの原因となることが科学的に明らかにされています。
男性の約23.6%、女性の約4.0%のがんは、喫煙が原因とされています。
飲酒も、がんのリスクを上げるとされています。
口腔、咽頭、喉頭、食道、大腸、肝臓、乳房のがんのリスクを増大させる可能性があります。
飲酒により体内に取り込まれたエタノールは、がんの原因になるアセトアルデヒドに代謝されるため、がんを誘発する可能性があります。
また、食物や栄養に関してもがんのリスクファクターとして知られています。
塩蔵食品には、胃がんのリスクを高めるとされる塩分や発がん物質が含まれています。
過剰な食事摂取や栄養不良も、がんのリスクを増大させる可能性があります。
身体活動の不足もがんのリスクを上げるとされています。
運動不足は、結腸がんや乳がん、子宮体がんなどの発症リスクを増加させる可能性があります。
運動によって肥満やインスリン抵抗性の改善、免疫機能の増強、胆汁酸の代謝への影響などが期待されるため、適度な運動ががん予防に役立つことが報告されています。

がん検診の重要性

がん検診の重要性

がん検診は、がんを早期発見し、治療の成功率を高めるために極めて重要です。
特に、がんは進行してから症状が現れることが多く、その際には手遅れになっている場合が多いため、早期発見が生命を救うことにつながります。
このように、定期的にがん検診を受けることで、自分自身の健康を守り、命を守ることができるのです。
しかし、がん検診は、自分自身だけでなく、周りの人々にとっても非常に重要なのです。
家族や友人たちと一緒にがん検診を受けることで、互いに健康管理を促し合うことができます。
また、検査を受けることで、がんについて正しい知識を得ることができ、予防や治療のための行動を取ることができます。
こうした取り組みが、がんを早期発見し、治療に成功するための重要な要素となるのです。
したがって、がん検診は、健康な生活を送るために必要不可欠なものと言えます。
自分自身の健康だけでなく、周りの人々の健康も守るために、定期的にがん検診を受けることをおすすめします。
がんは早期発見できれば、治療の成功率が高まるため、ぜひ検診を受けて、がんの早期発見・治療につなげましょう。

がん検診の受診目安

がん検診の受診目安

厚生労働省が定めた「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(令和3年一部改正)」によると、がん検診は胃がん検診、子宮頸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診の5つがあります。
対象者、受診間隔、検査項目は以下の通りです。
胃がん検診:50歳以上(当分の間は40歳以上にも可)、2年に1回(当分の間は年1回も可)、問診に加え、胃部X線検査または胃内視鏡検査のいずれか
子宮頸がん検診:20歳以上、2年に1回、問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診
肺がん検診:40歳以上、年1回、質問、胸部X線検査および喀痰細胞診(ただし原則50歳以上で喫煙指数が600以上の人のみ。過去の喫煙者も含む)
乳がん検診:40歳以上、2年に1回、問診および乳房X線検査(マンモグラフィ)
大腸がん検診:40歳以上、年1回、問診および便潜血検査

がん検診は大きく分けて5種類

がん検診は大きく分けて5種類

市区町村が主体となり、専門家の委員会によって検討されたデータをもとに、現在では5種類のがん検診が行われています。
それぞれ対象となるがんの種類や検査方法が異なり、検診の対象者も範囲が異なります。
以下に、がん検診の種類を説明します。

①胃がん検診

胃にできる胃がんを早期発見するために行われます。
胃内視鏡検査、胃レントゲン検査、血液中のがんマーカー検査などがあります。
対象年齢は50歳以上で、2年に1回の検診間隔が設けられています。

②大腸がん検診

大腸にできる大腸がんを早期発見するために行われます。
便潜血検査、大腸内視鏡検査、CTコロノグラフィーなどがあります。
対象年齢は40歳以上で、毎年受けることが望ましいです。

③肺がん検診

肺にできる肺がんを早期発見するために行われます。
胸部X線検査、胸部CT検査、喀痰検査、気管支鏡検査などがあります。
対象年齢は40歳以上で、毎年受けることが望ましいです。

④乳がん検診

女性の乳房にできる乳がんを早期発見するために行われます。
乳房をX線で撮影するマンモグラフィーや超音波検査を中心に、乳房の触診や乳首からの分泌物検査も行われます。
対象年齢は40歳以上で、2年に1回の検診間隔です。

⑤子宮頸がん検診

女性の子宮にできる子宮がんを早期発見するために行われます。
子宮頸部細胞診、子宮頸部HPV検査、子宮体がん細胞診などがあります。
対象年齢は20歳以上で、2年に1回の検診間隔が設けられています。

がん検診の受け方は大きく分けて2種類

がん検診の受け方は大きく分けて2種類

ここからは2種類のがん検診について解説していきます。

自分の自治体が主催する検診を受ける場合

がん検診は、各地方自治体で行われており、自己負担する金額は市区町村によって異なります。
ただし、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんについては、ほとんどの市区町村で検診が行われており、費用額としてはほとんどが2,000円以内です。
厚生労働省では、一定年齢の方に対して検診無料クーポン券を送付するなどの施策を行っており、検診率の向上に努めています。
自己負担金については、各自治体のホームページや広報誌で確認できるので、検診を受ける際には確認するようにしよう。
また、一部の自治体では無料で受けられる場合もあるため、積極的に情報を収集し、がん検診を受診することが大切です。

一般の医療機関で受ける場合

がん検診は、自分の地域で実施されていない場合や、上記5つのがん以外の検査を希望する場合には、一般の医療機関でも受けることができます。
ただし、公的に主催されている検診に比べると、費用が高くなる場合があります。
たとえば、国立がん研究センターが運営するがん予防・検診研究センター(東京)では、総合健診とPET/CT検査を合わせて受ける場合、費用は18万9,000円から22万5,750円となります。
単独のがん検査では、肺がん検査は4,650円から3万4,650円、女性がん検査は6万8,250円、乳がん検査は2万1,000円、消化管がん検査は5万2,500円、上部消化管がん内視鏡検査は3万3,495円、大腸がん検査は3万1,500円です。
このように、がん検診には費用がかかる場合があるため、自分に合った方法を選択することが大切です。

がん検診の費用の補助は各市区町村によってさまざま

がん検診の費用の補助は各市区町村によってさまざま

がん検診を受ける際の費用について、市区町村によって自己負担する金額が異なります。
しかし、市区町村が実施しているがん検診には、検診費用の補助があります。
自治体のホームページや広報誌には、自己負担する費用について記載があるので、確認できます。
記載や広報誌がない場合には、自治体に電話で問い合わせることをおすすめします。
がん検診は定期的に受けることで早期発見につながり、治療の成功率を高められます。
費用については事前に確認しておくことが大切です。

がん検診の費用についてまとめ

がん検診の費用についてまとめ

ここまでがん検診の費用についてお伝えしてきました。
がん検診の費用の要点をまとめると以下の通りです。
・がんとは、細胞が異常なまでに増殖し、正常な組織や器官の機能を破壊する病気である
・がん検診は、大きく分けて胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診の5種類がある
・がん検診の費用は、自己負担する金額は市区町村によって異なるが、2000円以下であることが多い
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師