【体験談】「火傷しても気づかない」異変。原因はキアリ奇形と脊髄空洞症だった(2/2ページ)

不調のある方はそのままにしないでほしいです

編集部
今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?
ELENAさん
初めて異変を感じてから診断まで14年。途中で諦めず、自分の納得のいくまで原因を追求していれば、今も後遺症に悩むことも、薬を飲む毎日にもならなかったのではないかと思うことがあります。この14年の間に少しずつ進行していたと考えると、「もっと早く治療できていれば……」と今でも考えてしまうことは多いですね。
編集部
現在の体調や生活はどうですか?
ELENAさん
手術も成功して小脳の下垂も無くなったことで、脊髄に溜まった髄液は少しずつ減ってきました。嬉しいことに足の痺れ、屈んだ時の頭痛はなくなりました。今はお薬で痛みをコントロールしています。使っていたお薬で突然アレルギーが出たり、頸椎ヘルニアが見つかったり(後日、複合性局所疼痛症候群[CRPS]だと判明した)と、スッキリしないところはありますが、主治医からはキアリ奇形と脊髄空洞症は今以上に悪くはならないから心配しなくていいよ、と言っていただけました。右手の温痛覚が乏しいので、火傷や怪我には気をつけながら生活しています。
編集部
医療機関や医療従事者に望むことはありますか?
ELENAさん
受診する時って苦痛や不安など、色々な気持ちを抱えて病院に来ている方がほとんどだと思います。医療従事者から見れば、心配しなくてもいい病気かもしれないけれど、笑ったり軽くあしらわれたりすると、ととても嫌な気持ちになります。「若いから大丈夫」「『気の持ちよう」「『病は気から」「思い込みじゃないですか?」これらは私が実際に言われた言葉です。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
ELENAさん
今、感じている不調があるのに原因が分からない方がいらっしゃったら、そのままにせず病院を受診してほしいです。原因が分かった時、心配しなくていいものであればそれで安心できるし、進行するものや治療が必要な病気であれば早く見つかるに越したことはありません。少しでも早く、不安が解消し良くなる事を願っています!
編集部まとめ
確定診断までに何ヶ所もドクターショッピングを繰り返していたというELENAさんのお話を伺いました。診断まで14年というのは本当に長く、不安な時間だったかと思います。その分、入院や治療で素晴らしい医療従事者の方々と出会えたのは本当に良かったですね。退院後、学校に通い、今は病院で働く側になっているというELENAさんの「不調をそのままにせず、受診してほしい」という言葉は、とても力強く心に響きました。ELENAさん、ありがとうございました。






