【闘病】『肺がん』告知で目の前が真っ白に… 「なぜこのタイミングで」

かほりさん(仮称)は、健診で肺の陰影を指摘され、経過観察していた数年後に行った血液検査や精密検査で「肺がん」と診断されました。肺がんは、男女問わず罹患者が多く、日本の罹患者数ランキングの上位3位に入っている病気です。抗がん剤治療を続ける彼女に現在の心境について聞きました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年10月取材。

体験者プロフィール:
かほりさん(仮称)
手術が難しく、現在も闘病の日々が続く

編集部
初めに、病気が判明した経緯を教えてもらえますか?
かほりさん
2012年の職場健診で右肺に淡い陰影が見つかり、経過観察していました。しかし、2016年の採血結果で腫瘍マーカーが上昇していることが判明し、再度CT検査をしたところ肺腺がんが見つかったのです。
編集部
現在の病状は、どのような状態でしょうか?
かほりさん
2016年に右肺中葉摘出術と右肺上葉・下葉の手術(右肺の一部を切除する手術)を行った後、2回も再発しました。今も右肺下葉にがんが残っていて、分子標的薬(がん細胞の増殖に関わる特定の目印を狙い撃ちにし、正常な細胞へのダメージをできるだけ抑えるよう工夫された抗がん剤)を投与し、できるだけがん細胞を少なくする治療をしています。これまでにアテゾリズマブやベバシズマブ、カルボプラチン、シスプラチン、ペメトレキセドをはじめとした抗がん剤のほか、副作用で副腎不全となった際には、ホルモン剤のヒドロコルチゾンも使用しました。肺がんの新薬がどんどん開発されているので、先の希望を持っているものの、抗がん剤の副作用で肝機能や腎機能を悪くしたり、間質性肺炎になったりする可能性もあるので予断を許しません。
編集部
どのくらいの間隔で治療を行われていますか?
かほりさん
3週間に一度、分子標的薬を点滴しています。分子標的薬は一般的に、殺細胞性抗がん剤に比べて正常な細胞へのダメージが抑えられるといわれている薬剤ですが、それでも投与から2週間くらい吐き気と倦怠(けんたい)感で、つらい日々が続いています。
編集部
今行っている治療について、医師からどのような説明をされたのでしょうか?
かほりさん
残っているがんを小さくするために、2026年6月まで分子標的薬をできるだけ長く投与するという説明を受けました。
編集部
病気が判明した時の心境を教えてください。
かほりさん
がんの告知を受けた時は目の前が真っ白になり、がくぜんとしました。当時64歳で仕事もプライベートも充実していたこともあって、「なぜこのタイミングでがんが見つかるの?」という思いでしたね。
健康を大事にしながら、人生を謳歌してほしい

編集部
治療中、心の支えになっているものはありますか?
かほりさん
月に1回、がん患者が対象の患者会を開催しており、会を運営することが私の心の支えになっています。今後も取り組み続けたいと思っています。
編集部
もし病気が判明する前の自分に声を掛けるなら、どんなアドバイスをしますか?
かほりさん
「健康な時間を十分に満喫してほしい」ですね。人間はいずれ病気や体力の衰えにより命の終わりを迎えますから、健康な人生を謳歌してもらいたいと思います。
編集部
現在は、どのような生活リズムで日々を過ごしていますか?
かほりさん
分子標的薬治療の影響で白血球の数が減り、感染しやすい状態になっているため、外出の予定は投与日を考えながら立てています。家で過ごす日々が増えた分、パートナーとの暮らしを楽しみながら家事をする日々を送っていますね。
編集部
肺がんを意識したことのない人、病気のことを知らない人に伝えたいことがあれば教えてください。
かほりさん
呼吸器系の病気は、スポーツだけでなく階段、坂道などもつらくなります。体調の良しあしは外からは分からないので、歩くときは歩調を合わせてほしいですね。また、「がん=死」と考えずに、思いやりのある声掛けをお願いします。
編集部
医療従事者に期待することや望むことはありますか?
かほりさん
対応一つで治療に対するやる気、医療従事者への信頼感は高まります。仕事として関わっていることは十分に理解しているつもりですが、思いやりを持って患者一人ひとりと向き合ってほしいと思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
かほりさん
私のように健診で突然異常が見つかり、精密検査で病名が発覚するケースは珍しくありません。今は2人に1人ががんになる時代ですから、地域で行うがん検診だけでなく気になることがあれば検査することをおすすめします。幸いにも、がん治療に関しては各方面で研究が進められています。私と同じくがんを患っている人は、がんとうまく付き合いながら、より良い人生を送ってもらえればと思います。
編集後記
肺がん治療は年々新たな薬剤が登場しており、早期に発見し、治療を開始することが重要です。定期的な検診を欠かさず、かほりさんの経験を参考に、自分の健康をもう一度見つめ直しましょう。
本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

記事監修医師:
川島 峻(新宿アイランド内科クリニック院長)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。


