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【闘病】浴室で血の塊が… 第二子の夢を奪う『子宮頸がん』の恐怖

 公開日:2026/03/28
【闘病】浴室で血の塊が… 第二子の夢を奪う『子宮頸がん』の恐怖と絶望

突然の大量出血から始まった闘病の日々――。妊活の最中に子宮頸(しきゅうけい)がんと診断された花さん(仮称)は、看護師として働きながら、さまざまな出会いに支えられて治療を乗り越えました。発症から治療、そして社会復帰まで、花さんの道のりを振り返りながら、私たちが今できる予防と備えについて考えます。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年8月取材。

花さん

体験者プロフィール:
花さん(仮称)

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1988年生まれ、沖縄県在住。家族構成は夫、息子(4歳)。診断時の職業は看護師。2024年4月1日、突然の発症により緊急入院。数日間近隣の病院に入院した後、6月12日に大学病院で手術を実施。8月より抗がん剤治療を開始。現在は経過観察中。

突然の出血から始まった闘病の日々

突然の出血から始まった闘病の日々

編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

花さん花さん

2024年4月1日の20時ごろ、当時2歳の息子と一緒にシャワーを浴びていた時のことです。浴室から出ようとした瞬間、生理は終わったばかりなのに腟から直径6cmほどの血の塊がドロッと出てきました。「不正出血かな?」と思ったものの、ポタポタ垂れるような出血ではなかったこともあり、婦人科を受診する際の記録用写真を撮るためにスマホを取りにリビングへ向かいました。浴室に戻って血の塊を撮影していると、再びドロッと血の塊が出てきたのです。出血が止まる気配がなかったため、「これはまずい」と感じて救急受診を決断しました。

編集部

不安や迷いはありましたか?

花さん花さん

もちろんありました。夫が夜勤で不在だったため、まず迷ったのは救急車を呼ぶべきか、自分で車を運転して病院へ行くか、子どもを連れて行くかということでした。結局、子どもは近くの親戚に預けて、自分で運転して救急病院へ向かうことにしました。その間も出血は止まらなかったので、大きめのナプキンをあて、パンツをはき、念のためペットシーツも挟んでいましたね。病院には10分ほどで到着し、当直の婦人科医による内診で、腟にガーゼを詰めて応急止血を行い、そのまま入院。医師は夜間緊急手術をするか迷っていましたが、止血できたため翌日の手術で出血源を確認することになりました。手術前の説明では「おそらく子宮筋腫だろう。筋腫が取れれば妊娠もしやすくなると思う」と言われ、「それならよかった」と前向きな気持ちで手術に臨みました。しかし、手術後に医師から「思っていたより良くないものかもしれない」と告げられ、子宮頸がんが発覚した時には落胆しました。

編集部

子宮頸がんと診断された時の心境について教えてください。

花さん花さん

正直に言うと、元々病気になるのも運命と考えるタイプだったので、「治療しなくてもいいかもしれない」と思った瞬間もありました。でも、夫から「子どもの気持ちを考えてみて。ママがいなくなったら子どもは悲しいよ」と言われ、ハッとしました。2回目の大学病院の診察までには、「治療を頑張ろう」と気持ちを切り替えることができたのです。第二子を望む気持ちが簡単には捨てられず、最初は妊娠の可能性を残すため、妊孕(にんよう)性温存療法を希望していましたが、医師からの「誕生していない命よりも、今ある命が大事だと思うよ」という言葉に背中を押される形で、広汎子宮全摘術を受ける決断をしました。

編集部

病名が判明する以前に自覚症状などはありましたか?

花さん花さん

性行為中や行為後に出血することがあったものの、「産後だから不正出血しやすいのかな?」くらいに思っていましたね。また、腟ケアのためにオイルを塗る際、腟の奥に何か触れるような違和感があっても、「こんなものかな?」と深く考えずに過ごしていました。実は、第一子出産後も不正出血が半年以上続いていて、知り合いからは婦人科の受診を勧められていたのです。でも費用がかかるのが嫌で、つい受診を先延ばしにしてしまって……。今振り返ると、それも良くなかったのかもしれません。

支え合いながら乗り越えた治療と再出発

支え合いながら乗り越えた治療と再出発

編集部

医師から治療法についての説明はありましたか?

花さん花さん

はい。「第一選択として、広汎子宮全摘術を行う」という説明を受けました。その手術の結果を見て、抗がん剤治療が必要か、放射線治療が必要かを判断するという流れでした。

編集部

病気の発症後、生活にはどのような変化がありましたか?

花さん花さん

体調自体は特に変わりません。強いて挙げるなら、夜勤仕事をやめて日勤のみの勤務に変更してもらったことでしょうか。それ以外、生活のスタイルに大きな変化はありませんでした。

編集部

闘病を支えてくれた存在を教えてください。

花さん花さん

「これからもずっと子どもの成長を見届けたい」という気持ちが、何よりの支えでした。その思いがあったからこそ、治療にも前向きに取り組むことができたのだと実感しています。

病気が教えてくれた、人生の優先順位

病気が教えてくれた、人生の優先順位

編集部

過去の自分に声を掛けられるとしたら、何を伝えたいですか?

花さん花さん

まずは「子宮頸がん検診を毎年ちゃんと受けて!」と強く言いたいです。あとは、「住宅ローンを組むときは、がん団信(がん保障特約付団体信用生命保険)を絶対に付けて!」とも伝えたいですね。子どもが生まれた年に家を建てて住宅ローンを組みましたが、数年で借り換える予定だったため、がん団信のオプションを付けませんでした。それを今でも一番後悔しています。診断後も治療中も、思い出すたびに気持ちが沈みましたが、夫に「変えられない過去のことで落ち込むな!」と叱られてからは、できるだけ考えないようにしています。最後にもう一つ、「医療保険は早めに見直して、今の医療に合った内容に切り替えて!」と主張したいですね。私の場合、いざ申請しようと保険を確認したところ、あまり良い保障内容ではありませんでした。診断後は保険の変更も新規加入もできず、結局は元々入っていた保険をそのまま継続するしかありませんでしたね。

編集部

現在の体調や生活について教えてください。

花さん花さん

手術から1年、抗がん剤治療を終えてから半年以上が過ぎました。現在も指先や、足先から足裏にかけてのしびれが残っていて、これはおそらく抗がん剤の後遺症だと思います。副作用のしびれ対策として、治療中はリリカを使っていました。症状が改善しなかったため、同じくしびれを抑えるサインバルタに切り替えましたが、内出血しやすくなり、神経症状も変わらなかったので飲むのをやめました。また手術の影響か、下肢のだるさを感じやすくなっています。もしかしたら、治療期間中に体重が10kgほど増えたことも関係しているかもしれません。あとは、むくみのせいか、寝起きや長時間座った後に歩き始めると、足首が固まっていて動きにくいです。それ以外の体調はほぼ元通り。今は薬も服用しておらず、生理のない日々がとても楽ですね。

編集部

しびれ以外に抗がん剤の影響はありますか?

花さん花さん

特にありません。髪の毛は一度抜け落ちましたが、治療終了から1カ月ほどで生え始めましたし、現在はまつ毛や眉毛も元通りになり、髪の毛はまだ細いものの、7cmほど伸びています。仕事に関しても、日勤のみで復帰しており、重たいものを持つことも、採血などの細かい作業も問題なくこなせています。ただ、まだウィッグを使用しているため、大人数のシャワー介助などは避けながら働いています。

編集部

医療従事者への思いがあればお聞かせください。

花さん花さん

これは自分自身にも言えることですが、医療従事者は毎日の業務に慣れすぎて、患者さんと流れ作業のように接してしまうことがあると思います。でも、その人にとっては「初めての病気」なのだということに気付かされました。「体調どうですか?」の一言だけでももらえると、すごくうれしいし安心するものです。不安な気持ちでいっぱいなので、話を聞こうとしてくれる姿勢だけでも見せてくれると心が軽くなるのです。医療従事者の皆さんに、この思いをぜひ伝えたいですね。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

花さん花さん

生理痛や不正出血は、体から出てくる大事なサインです。私のように「お金がかかるから病院に行かない」「何もなかったらもったいない」と受診を先延ばしにするのは、本当に危険です。子宮頸がんは、痛みがない病気だからこそ、症状が出てからでは遅いのです。予防も早期発見もできる病気なので、予防接種と定期検診は必ず受けてください。自分の体を守るために、後回しにしないでほしいですね。あとは、保険についても伝えたいことがあります。知り合いに勧められた保険に入るのではなく、今の医療に合った内容かどうかを、定期的に専門家に相談して見直してください。病気になってしまうと、保険の変更も新規加入も何年もできないからこそ、健康なうちにしっかり見直しておくことが大切です。

編集後記

「気付いた時に動く」、本当に大切なことだと思います。子宮頸がんは、HPVワクチンと定期検診の組み合わせで防げるがんです。自治体の助成制度を活用して、2年に1度の検診を継続して受けましょう。不正性器出血などの症状がある場合は、検診の時期を待たず、早めに婦人科を受診してください。症状によっては、頸がんの検査とは別に子宮体がんの検査が必要なこともあります。花さんのような経験をする人が、一人でも減っていきますように……。

本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

佐藤 綾華

記事監修医師
佐藤 綾華(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

この記事の監修医師