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【闘病】「大切な家族のため自分の健康を優先すべき」子宮体がんを克服した母(1/2ページ)

 更新日:2025/12/12
~実録・闘病体験記~ 「大切な家族のため自分の健康を優先すべき」子宮体がんを克服した母

出産を経験していても、していなくても、婦人科に行くのは女性にとって少し勇気がいるものです。また、「仕事も家事も育児も忙しい」という生活をしていると、つい自分の体調を後回しにしがちです。今回は、そんないわゆる“あるある”な日常を過ごしていた中で、突然「子宮体がん」を宣告され、手術、抗がん剤治療を経験することになったNORIKOさん(仮称)に、闘病生活の話を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年10月取材。

NORIKOさん

体験者プロフィール
NORIKO(仮称)

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東京在住、45歳。シングルマザーのため仕事・子育てを優先し、自分も健康のためにサプリメントなども摂取していたが、子宮体がんステージ3Cの診断。子宮、卵巣とともに傍大動脈リンパ節などの周辺組織も9時間かけて一度に切除・摘出するという大手術の後、TC療法(パクリタキセル・カルボプラチン/抗がん剤治療)を経て、現在経過観察中。フリーランスに転身し、仕事をしている(取材時)。

村上 友太

記事監修医師
村上 友太
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

母の付き添いで行った大学病院で、がん宣告を受ける

母の付き添いで行った大学病院で、がん宣告を受ける

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

NORIKOさんNORIKOさん

不正出血があったのですが、40歳を過ぎているし、「閉経するのか」と冗談半分で受け止めて放置していました。痛みもなかったので。しかし、その後も半年くらい不正出血が続き、鮮血も出たためさすがにおかしいと思い、街の婦人科クリニックで超音波検査をしてもらいました。でも、原因はわからないと。その1週間後、母の付き添いで大学病院に行ったときに、婦人科が空いていたので飛び込みで診察してもらいました。その場で内診、超音波検査をして、即日で、「恐らくがん」だと宣告されました。

編集部編集部

そのときどう感じましたか?

NORIKOさんNORIKOさん

まさか自分が、という思いでした。手術になるだろう、子宮は取らざるを得ないだろうという説明を聞き、娘に「もう弟・妹をつくってあげられないんだなぁ」とか、「自分に何かあったら娘はどうなるのだろう」と心配になりました。娘の心配はもちろんのこと、同居の母が病気で手術することになっており、家に穴を開けないように自分の手術は母の手術の後にまわそうと考えていました。周りの心配ばかりしていたので、主治医の先生に「自分の心配をしなさい」と叱責されてハッとしました。

セカンドオピニオンを受けるため、がん専門病院へ

セカンドオピニオンを受けるため、がん専門病院へ

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

NORIKOさんNORIKOさん

最初に行った大学病院では、腫瘍が大きいので手術になると聞きました。手術の際は、足の付け根のリンパ節も切除するだろうとのことでした。大きな手術なのでセカンドオピニオンを受けようと思い、がんの専門病院を紹介していただきました。

編集部編集部

そこではどのような説明がありましたか?

NORIKOさんNORIKOさん

がん専門病院でセカンドオピニオンを受け、説明がしっかり納得できたのでそちらに転院しました。転院後、すぐに検査をしたところ、足のリンパ節にはがんは無かったので切除しなくても良いと言われました。そして検査の後、最短日に手術を予約しました。

編集部編集部

子宮体がんになってから、生活にどのような変化がありましたか?

NORIKOさんNORIKOさん

痛みもなかったので、生活そのものは特に変わらず、手術で入院する前日まで普通に仕事をしていました。でも、振り返るととにかく疲れやすかったり、不正出血もびっくりするような鮮血が出たりして、今考えるとおかしかったと思います。忙しかったので自分のことは全て後回しになってしまっていました。

編集部編集部

手術を終えてどうでしたか?

NORIKOさんNORIKOさん

開腹した際、おなかの大動脈リンパ節にもがんが広がっていたため、なるべく早く抗がん剤治療をしたほうがよいと勧められました。抗がん剤治療は絶対避けたかったのですが、そんなことも言っていられない状況だとわかり、半年間月1回のTC療法(パクリタキセル・カルボプラチン)の抗がん剤投与を始めることにしました。

編集部編集部

治療中はどのように過ごしていましたか?

NORIKOさんNORIKOさん

抗がん剤の副作用は想像以上にしんどく、脱毛していく途中は切ない気持ちになりましたが、家族や友人たちのおかげで明るく前向きに過ごせました。友人は、がんと宣告された後、気持ちを保つ本やメッセージ、情報などを送ってくれました。入院中も、花束の写真と「毎日想っているよ」とメッセージを添えて送ってくれたので、本当に心が明るくいられて、とてもありがたかったです。また、家族ともこんなにゆっくり時間がとれたのは初めてで、自分が忙しさのあまり忘れていたものを思い出した気がしました。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられるなら、どんな助言をしますか?

NORIKOさんNORIKOさん

体の不調を感じたらすぐに病院で診てもらうことです。世の働くママさんは、家のこともして、子育てもして、自分のことを後回しにしている人は多いと思います。ですが、いざ自分が病気になって子どもや家族のことを考えたとき、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。大切な人を大切にするためにも、自分の健康はきちんと最優先で守るべきだなと思います。

子どもを大切にするためには、ママの健康を後回しにしない

この記事の監修医師