【闘病】働き盛りに『難病』宣告… まるで違う体になった絶望と底知れぬ恐怖

歩けないほどの関節炎から始まり、当初はリウマチと診断された畑中さん。2年後に、原因不明の高熱などの症状が出て「全身性エリテマトーデス(SLE)」と判明。長年にわたり病と闘ってきました。全身性エリテマトーデスは難病に指定されており、症状も人によってさまざまです。畑中さんにとっての全身性エリテマトーデスとは、どのようなものなのか……。半生を振り返ってもらいました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年9月取材。

体験者プロフィール:
畑中真由美
実は難病の症状だった
編集部
「全身性エリテマトーデス」によって、畑中さんにはどのような症状が出ましたか?
畑中さん
発症から5年間は、顔と腕の皮膚に赤い紅斑(こうはん)ができました。今は薬の服用により、その症状は出ていません。当時から継続している主な症状は倦怠(けんたい)感ですね。薬の副作用と思われる、うつ病も発症しています。
編集部
全身性エリテマトーデスと診断されるまでの経緯を教えてください。
畑中さん
診断される2年前に歩けないほどの関節炎に襲われました。当時はリウマチと診断され、環境を変えたら関節炎は治ったものの、貧血と倦怠感はその後も続いて……。さらに原因不明の高熱も続き、顔に蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)と呼ばれる、頬の両側に羽を開いたチョウのような左右対称の赤い発疹と、腕に紅斑が出ました。さすがに不審に思い、大学病院を受診したところ、すぐに全身性エリテマトーデスと診断されたのです。
編集部
病名が分かるまでに2年ほどかかったわけですね。医師からは、どのような説明を受けましたか?
畑中さん
一生治らない病気なので病気とうまく付き合っていかないといけないことや、治療に使用する薬の副作用でうつ症状が出てくることを説明されました。また、「私生活では無理をしないように」「風邪をひかないように」「日光に当たると紅斑ができるので、なるべく日差しを避けるように」とも言われましたね。
今までのように働けないという絶望

編集部
診断された時の心境を教えてください。
畑中さん
仕事ができなくなるかもしれないという心配と、働けなくなったらどうしようという経済的な不安を感じました。まさに「絶望」という一言がふさわしかったと思います。
編集部
発症当時から現在まで、どのような治療を行いましたか?
畑中さん
プレドニン(プレドニゾロン)というステロイドを今もずっと服用しています。診断当初は30mgでしたが、10年前くらいからは5mgに減らし、起床時の体調が改善されて楽になりました。
編集部
時間をかけて薬の量を調整したわけですね。
畑中さん
はい。診断されてから10年ほどは、入院を繰り返して薬の量を調整しました。薬の量を増やすと、モヤモヤとした自分の体じゃないような感じになり、朝は特につらかったことを覚えています。一時は皮膚炎に悩まされたり、内臓に水がたまったりという症状があったものの、薬によりその症状も治まりました。
編集部
今、最もつらいと感じる症状は何ですか?
畑中さん
倦怠感です。日によって度合いは違いますが、何もかも仕事が手につかないときもあります。毎日のことなので、副作用なのか、うつ症状なのか、ほかの病気なのか分からないというのもつらいですね。関節痛もあるので、体を動かすのがなおさら大変な日もあります。
編集部
体調が悪い日は、どのように過ごしていますか?
畑中さん
理解のある職場なので、症状がひどいときは、仕事を休ませてもらっています。主人も家事などを代わりにやってくれるので助かっていますね。
編集部
病気になって、特に困ったことがあれば教えてください。
畑中さん
無理をしているのか、していないのかの自己判断が難しいことですね。健康時とは感覚が違うので、自分の限界が分からず困っています。
編集部
発症前と発症後で生活に変化はありましたか?
畑中さん
ありましたね。発症前は仕事バリバリの自称キャリアウーマンでしたが、発症後は仕事も家事も以前のようにできなくなってしまいました。まるで違う体になったように感じています。
周りの理解とサポートが大きな支えに

編集部
病気と向き合う中で心の支えとなっているものは何ですか?
畑中さん
家族と同じ趣味の友人たちですね。家族は家事を頼むとすぐにやってくれますし、友人たちにはよく話を聞いてもらっています。
編集部
現在の生活は順調ですか?
畑中さん
関節痛、倦怠感、うつ症状はありますが、家族の協力の下、家事などを自分のペースでできています。仕事も続けられているので、そういう意味では順調なのかもしれません。
編集部
医療従事者に期待することはありますか?
畑中さん
全身性エリテマトーデスは人によって症状が大きく異なるため、根本的な治療法が見つかるよう、研究がさらに進むことを願っています。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
畑中さん
難病には、本人にしか分からないつらさが常につきまといます。また、時に死と隣り合わせの恐怖に襲われることもあります。身近に難病を患っている人がいたら、温かい励ましと、理解をお願いしたいと思います。
編集後記
畑中さんの数十年にわたる闘病生活は、難病と生きる難しさと同時に、周囲のサポートの重要性を教えてくれます。見た目では分かりにくい倦怠感や痛みを抱えながらも、家族や友人の理解に支えられて前を向く姿が印象的でした。この記事が難病への理解を深め、温かい支援の輪が広がるきっかけとなることを願います。
本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

記事監修医師:
田島 実紅(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。





