目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 闘病体験
  4. 「自己免疫疾患・膠原病」の闘病体験
  5. 【闘病】「一生治らない」女子高生を襲う『全身性エリテマトーデス』死を考える孤独

【闘病】「一生治らない」女子高生を襲う『全身性エリテマトーデス』死を考える孤独

 公開日:2026/03/22
【闘病】「一生治らない」女子高生を襲う『全身性エリテマトーデス』死を考える孤独

「全身性エリテマトーデス(SLE)」という難病と向き合いながら、介護職や子育てを続けてきた飛田樹李さん(仮称)。17歳で発症し、将来への不安や周囲の理解不足に苦しみながらも、自らの手で人生を切り開いてきました。飛田さんが、20年以上にわたる闘病の記録と希望の光を語ります。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年8月取材。

飛田さん

体験者プロフィール:
飛田 樹李さん(仮称)

プロフィールをもっと見る
1981年生まれ、長野県在住。17歳で「全身性エリテマトーデス(SLE)」を発症。高校卒業後は介護職に従事し、22歳と23歳の時に出産を経験。離婚を機に、シングルマザーとして2人の子どもを育てる生活が始まる。仕事と子育てに追われる日々を過ごし、33歳で再婚。現在も、家庭と仕事の両立に向き合い続けている。

高校生での発症と、突然の入院

高校生での発症と、突然の入院

編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

飛田さん飛田さん

17歳のある日、突然40℃の高熱が出てなかなか下がらなかったため、一人で大学病院を受診し、検査をしました。結果を聞く際には親も呼び出され、医師から「膠原病の疑いがある」と言われて検査入院が決まったのです。入院中も熱が下がらず、口腔内に直径5cmほどの円形の口内炎ができ、飲食もできないほどの痛みが続きましたね。精密検査の結果、「全身性エリテマトーデス」と診断され、すぐにステロイド治療が始まりました。

編集部

診断が下された時の心境について教えてください。

飛田さん飛田さん

医師から「一生治らない」「子どもが産めるかも分からない」と告げられたこともあって、高校生だった私は毎日泣いていました。

編集部

高熱が出る以外に自覚症状はなかったのでしょうか?

飛田さん飛田さん

仙腸関節の痛みで歩けないことがあり、複数の病院を受診しても改善されなかったことくらいですね。健康優良児として育ったので、検診でも特に異常はありませんでした。

周囲の理解不足による孤独な闘病生活

周囲の理解不足による孤独な闘病生活

編集部

治療方針について医師からどのような説明がありましたか?

飛田さん飛田さん

ステロイド薬の使用とその副作用について説明がありました。「骨粗しょう症予防のための薬を併用する」とも言われましたね。

編集部

発症後、生活にはどのような変化がありましたか?

飛田さん飛田さん

ムーンフェイスや関節痛、強い倦怠(けんたい)感に悩まされた上に、学校ではいじめにも遭いました。文化・スポーツ推薦で入学した私にとって唯一の道だった剣道も、痛みとの闘いでした。当時は「膠原病」の認知度が低く、病名を伝えても先生ですら理解してくれませんでしたね。何度も死を考えるほど苦しい日々でした。

子どもという希望と、今も続く病気との闘い

子どもという希望と、今も続く病気との闘い

編集部

闘病中の支えになっている存在を教えてください。

飛田さん飛田さん

子どもが私の支えになっています。出産する際、周囲からは反対されましたが、「誰にでも何が起きるか分からない」と覚悟を決めました。若さゆえの決断でしたが、後悔はしていません。子どもがいるからこそ、ここまで生きてこられました。

編集部

過去の自分に声を掛けられるとしたら、何を伝えたいですか?

飛田さん飛田さん

「休みたいときは無理せずに休んでいい」と伝えてあげたいですね。

編集部

現在の体調はいかがでしょうか?

飛田さん飛田さん

ステロイドの長期服用による影響を考慮し、最近入院して薬の調整を行いました。現在はステロイドや痛み止めの使用を減らし、免疫抑制剤であるバイオ医薬品へと切り替えて、自分で皮下注射を行っています。薬の変更により体が軽くなったと感じているものの、ステロイド減量の反動もあり、今も闘病中です。発症から20年以上がたちましたが、まだ闘いは続いています。

編集部

医療従事者に望むことはありますか?

飛田さん飛田さん

入院中も優しくフォローしてくれた医療従事者には感謝しています。ただ悲しいことに、過去には心無い発言をする医師もいました。40℃の熱が出て酸素飽和度が85%まで下がっていたのにもかかわらず、「帰れ」と言われたことは忘れられません。

編集部

読者へのメッセージをお願いします。

飛田さん飛田さん

私は昔、無茶をしたり、病気に反発をしたりしたこともありました。この記事を読んでいる皆さんには、「病気になっても自暴自棄にならず、どうか自分の体を大切にしてほしい」と伝えたいですね。また、病気と生きていくには周囲の人間の理解も必要です。人は誰しも、助けが必要な時が来ます。今健康に過ごしている人には、病気で苦しむ人に少しでも心を寄せてもらえればと思います。

編集後記

高校生で全身性エリテマトーデスと診断された飛田さんは、痛みや偏見と闘いながら20年以上、病気と向き合ってきました。出産や仕事など、これまでさまざまな葛藤があったものの、子どもや医療の進歩に希望を見出しています。出産、離婚、再婚を経て、現在も介護の現場で働き続ける彼女の言葉には、病気とともに生きる覚悟と、支えてくれる存在への深い感謝が込められています。

本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

 
田島 実紅

記事監修医師
田島 実紅(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

この記事の監修医師