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とにかくつらい花粉症の症状にオススメの治療法や対策グッズ

 更新日:2023/03/27

花粉症の季節がやってくると、毎日本当に憂鬱で嫌になりますよね。

今回は、そんなつらい花粉症の原因となる植物や、花粉の飛散時期から

症状を和らげてくれる治療方法まで広くご紹介しています。是非参考にしてください。

この記事の監修医師
鈴木 香奈 (金沢駅前ぐっすりクリニック 院長)

花粉症の原因となる植物の種類

毎年2月ごろからテレビコマーシャルなどで騒がれ始める花粉症。

戦後の植林政策によって林地が拡大されたことで広まった花粉症は、日本全国どこに暮らしていてもまったく無縁の生活を送ることは不可能であると言っても過言ではなく、今現在花粉症の症状がない方でも、ある年を境に突然発症することがあります。

特に罹患者が多い花粉症はスギとヒノキですが、この2つ以外にも花粉症を引き起こす植物は様々にあります。

そこでまずは、花粉症を起こす植物にはどんなものがあるのかをご紹介します。

日本の花粉症の原因のツートップ『スギ』と『ヒノキ』

2次世界大戦後の日本では、街の復興や高度経済背長期の住宅需要の増加などによって国内で木材が多く必要になったことから成長の早いスギやヒノキの植林が盛んに行われました。

このように木材需要が激しく拡大する中で国を挙げてスギやヒノキの植樹を進めていたものの、木材の供給が追い付かない状況が続いていました。

こうした状況下で木材の価格高騰を懸念した政府は、木材の輸入制限を緩和しました。

段階的な輸入規制の撤廃により海外から安い木材が輸入されるようになると、国産のスギやヒノキの需要は低迷し、業者の撤退が相次ぎました。

これらの業者によって植林された樹林は手入れをされることがなくなり、伐採も間伐もされなくなってしまったため、スギやヒノキ花粉の飛散量が増加してしまいました。

こうして日本は世界に類を見ないほどにスギやヒノキの花粉症が流行するようになりました。

また、都市の開発が進んでアスファルト舗装の道路やコンクリートの建物が増えてきたことによって飛散した花粉が分解されにくくなったことや、自動車の増加や工場の乱立による有毒な排気ガスの増加も、花粉症の増加・悪化の原因となっています。

花粉症を引き起こす植物は四季それぞれにあります

日本ではスギ花粉が猛威を振るう一方で世界に目を向けてみると、実はスギの花粉症は珍しいものなのです。

ヨーロッパでは花粉症と言えばイネ科の植物で、アメリカではブタクサの花粉症が代表的です。

このようにスギやヒノキ以外にも花粉症を引き起こす植物は数多くあります。

もちろん日本でもイネ科やブタクサの花粉症に罹る可能性はあり、四季折々の多様な植物がそれぞれの季節特有の花粉症の原因となっています。

植物は気候によって栄枯盛衰しますので、花粉症の発症には季節に加えて地域による差もあります。

地域による違いも織り交ぜつつ、スギとヒノキ以外に日本で花粉症を発生させる代表的な植物を、木本植物と草本植物にわけて挙げていきます。

木本植物(樹木)

樹木は背が高いため、その花粉は数10kmもの長い距離を移動します。風の力で大量に飛散するため完全に避けて生活をすることはできません。

それでは、スギとヒノキ以外で花粉症の原因となる木本植物を見ていきましょう。

ハンノキ

湿原で森林を作ることが特徴の高木で、北海道や北陸地方に多く分布します。かつては木炭の原料として利用されていました。

ハンノキの花粉はスギ花粉と飛散時期が重なりますが、スギの育たない北海道でこの時期に花粉症が出た場合は、ハンノキが原因だと考えられます。

シラカンバ

樹皮が白い落葉樹で、日本では高原に多く分布しています。木材としては堅くて木目がきれいなため家具にされるほか、アイスクリームのスプーンや割りばしなどにも利用されます。また、樹液は人工甘味料や保湿用の化粧品にも加工されます。

花粉の飛散時期はヒノキ花粉と似ていますが、ハンノキと同じようにヒノキのない北海道でこの時期に花粉症になった場合は、シラカンバを疑ってください。

ヤシャブシ

西日本に多く分布する落葉高木の一種です。痩せた土でもよく育つことから山地の緑化に利用されます。

果穂(松ぼっくりのようなもの)にタンニンが多く含まれるため、黒の顔料としてお歯黒に使用されていました。また、最近では熱帯魚などのアクアリウムの水質維持のためにも使われています。

以前兵庫県の六甲山周辺で多くのヤシャブシが植えられた結果、花粉の飛散時期になって近隣地域の方々が花粉症を発症しました。ヤシャブシの花粉症は、スギ花粉と比べて重い症状が出やすい特徴があります。

オリーブ

瀬戸内地方で栽培が盛んなオリーブについても、花粉症が報告されています。特に長いオリーブ栽培の歴史を持つ小豆島ではオリーブの花粉症に罹っている方が多くみられます。

草本植物(草)

背の低い草の花粉は、数10m程度しか飛散しません。そのため、アレルゲンとなる植物が繁茂している場所に近づかなければ花粉症を回避することもできます。

それでは、花粉症の原因となる代表的な草本植物を見ていきましょう。

イネ科の植物

カモガヤやオオアワガエリ(チモシー)などの牧草の花粉によって症状が現れます。本来日本原産の植物ではありませんが、明治時代に日本へ持ち込まれ、それ以来広い範囲で野生化しています。

畑・河原・空き地・土手など、あらゆる場所に生息しています。オオアワガエリは日当たりのよい場所に多く、カモガヤは日陰でも育ちます。

キク科の植物

ヨモギやブタクサなどのキク科の植物によって花粉症が引き起こされます。繁殖力が強くどこにでも生えているという厄介な特徴があります。

アメリカではブタクサの花粉症患者が人口の515%もいると言われており、日本でもスギとヒノキに次いで3番目の花粉症患者数を持っています。

花粉の飛散時期

花粉症は季節ごとの植物がもたらすものですので、どの植物がご自分のアレルゲンとなるかを知ることで時期が来る前に予防をすることができます。

上記でご紹介した代表的な花粉症の原因となる植物の花粉飛散時期を以下に列挙します。アレルゲンとなる植物の季節が来る前に早めに手を打ち、辛い症状の緩和にお役立てください。

スギ

もっとも患者数の多いスギ花粉は、2月~4月が飛散のピークです。また、夏場はほとんど飛びませんが秋から冬にかけては少量の飛散が見られます。

花粉症と聞くと春のイメージを持たれている方も多いと思いますが、2月の寒い時期から飛び始めますので耳鼻科での予防をお考えの場合は年末から準備をしておくことをおすすめします。

なお、北海道と沖縄では一年を通じてほとんど飛散が見られません。

ヒノキ

スギに次いで患者数の多いヒノキ花粉は、スギ花粉の飛散が終わりかける34月ごろに飛び始めます。関東地方では2月ごろから飛散し始める地域もあります。

スギ花粉とは違い、秋から冬にかけては飛散しません。

ハンノキ

ハンノキ花粉は1月から6月にかけて飛散し、34月にピークを迎えます。全国的にほぼ同時期に飛散しますが、北海道だけは35月のみに見られます。

飛散量はスギやヒノキに比べて全国的に少なめです。

シラカンバ

シラカンバ花粉は北海道や東北地方に多く、46月に飛散します。先述の通りヒノキ花粉の飛散ピーク時期の一部と重なります。

ヤシャブシ

主に関西地方で蔓延するヤシャブシ花粉は14月に飛散し、34月にピークを迎えます。

ヤシャブシは道路の法面緑化に用いられるほか近年は住宅地に植樹されるケースも増えてきていますので、14月に重い花粉症にお悩みの方はご自宅周辺にヤシャブシが植えられていないかチェックしてみてください。

オリーブ

オリーブの花粉は56月に飛散します。オリーブの栽培が盛んな小豆島では、アレルギー持ちの方の4人に1人がオリーブアレルギーであると言われています。

世界的には、やはりオリーブの栽培が盛んなヨーロッパの地中海地域の花粉症の原因植物となっています。

イネ科の植物

イネ科植物の花粉のピークは56月ごろですが、冬場以外は少量ながら飛散しています。

キク科の植物

キク科植物の花粉は811月に飛散し、晩夏から秋口にかけての時期にピークを迎えます。

飛散量が多くなるのはいつ?

季節による花粉症の原因植物の違いをご紹介してきました。

花粉症の方にとっては、自分がどの植物の花粉に反応しているのかということに加えて、どういう日の何時ごろに花粉が多く飛散するのかは気になるところでしょう。

日々の花粉の飛散量については、以下のようなことがよく言われています。

  • 晴れて気温が高いは多い
  • 風が強い日は多い
  • 雨の日は少ない
  • 一日の中では昼過ぎごろに最も多く飛ぶ

晴れて風が強ければ花粉がよく飛び、反対に雨が降ると地面に落とされてしまうため飛びにくいと考えられます。

その一方で、むしろ雨の日に症状がひどくなると感じている方や、昼過ぎよりも夕方にくしゃみが多いという実感を持たれている方も少なくないことでしょう。

確かに雨が降っていると花粉は飛びませんが、降り始めには空気中にある花粉が雨と一緒に落ちてきますので、一時的に人が生活している高さの花粉の量は多くなります。

また気圧が低くなると鼻づまりやかゆみを発生させる『ヒスタミン』が体内で増えるため、花粉症の症状が重くなることもあります。

ちなみに、雨の日は花粉が飛びにくくなりますが、飛ばずに地面に落ちた花粉が無くなるわけではなく、次に晴れた日には風で舞い上がりますので、雨の次に晴れた日は注意が必要です。

身体の部位ごとにみる花粉症の症状

スギやヒノキの花粉症シーズンには、薬局で鼻水・鼻づまりや目のかゆみ対策の薬がわかりやすく陳列されているのを目にします。このように花粉症は目や鼻が辛くなる病気だということは、花粉症ではない方でも広く知っていることでしょう。

しかし、去年までの花粉シーズンではなんともなかったのに、ある時突然鼻がむずむずしだしてしまうのが花粉症の怖いところです。初めて花粉症に罹られた方の中には、風邪と勘違いしてしまう方も多いことでしょう。

そこで次に、花粉症では目や鼻が具体的にはどうなってしまうのか、また目・鼻以外の部位に出る花粉症の症状についてご紹介します。

「もしかして花粉症かな?」と感じている方はぜひご参考ください。

目の症状

目に出る花粉症の症状には、『かゆみ』『涙』『充血』の3つがあります。

鼻の症状についても後述しますが、花粉が体に入ってから症状が出るまでの基本的なメカニズムは目も鼻も同じです。

はじめに、飛散した花粉が目や鼻に入ってきた時に体の中で何が起こっているかを解説します。

花粉症の症状は、体内に侵入した花粉を体が有害物質だと勘違いしてしまい、過剰な免疫作用がはたらくことで現れます。

花粉が体内に入ると、『肥満細胞』という免疫をつかさどる細胞が『ヒスタミン』を出します。

ヒスタミンは血管を拡げて血圧を下げ、体内で異変のあった場所で血管から白血球などが出ていきやすくするはたらきがあります。

また、神経伝達物質の一つでもあり、集中力の維持などにも貢献しています。

このように体の維持管理に必要なヒスタミンですが、過剰分泌されると炎症やアレルギー反応を起こしてしまいます。

花粉が目に入って肥満細胞を刺激しヒスタミンが放出されると、血管が膨張して目が充血したり強いかゆみを引き起こしたりします。

また、体が花粉を異物として認識しますので洗い流すために涙が出ます。

鼻の症状

むずがゆい目の症状と同じくらい鼻に出る花粉症の症状も辛いものです。鼻の症状としては、『くしゃみ』『鼻水』『鼻づまり』があります。

くしゃみや鼻水は、鼻から吸い込まれた花粉を体外へ追い出すために起こります。風邪をひいたときの鼻の症状とは少し違い、くしゃみは何回も続けて出たり、鼻水は粘り気が弱くさらさらしたりしています。

一方で鼻づまりは、鼻の粘膜が炎症を起こすことで発症します。

鼻がつまると鼻で呼吸ができなくなり、食べ物の味がわからなくなってしまうなどといった煩わしさに悩まされますが、鼻づまりの悪影響はこれだけではなく、下記のような症状を併発することがあります。

口内が渇く

鼻がつまってしまい口で呼吸をする状態が続くと、口やのどが渇きます。

咳が出る

のどが乾燥すると異物が付着しやすくなり、咳が出ます。

眠れなくなる・睡眠の質が悪くなる

息苦しさから睡眠にも悪影響が出ます。横になると鼻づまりがひどくなると感じる方も少なくはないでしょう。

その他の症状について

花粉症の症状の大半は上記でご紹介したように目と鼻に起こりますが、そのほかにも頭痛・皮膚のかゆみ・のどのかゆみなどが起こることがあります。

それぞれの症状や原因などについて解説します。

頭痛

花粉症で鼻水が出た際に頻繁に鼻をかむと、頭蓋の中にある副鼻腔が炎症を起こします。頭に近い場所にある副鼻腔が腫れあがることで頭痛を感じることがあります。

また鼻づまりによって呼吸が遮られると、脳が酸欠状態になって頭痛を起こすこともあります。

花粉症の症状から付随的に起こる睡眠不足や肩こり、ヒスタミンの血管拡張作用なども頭痛の原因になることがあります。

花粉症の時期に起こる頭痛を治めるには、まずは鼻づまりを解消してみることをおすすめします。

皮膚のかゆみ

花粉が皮膚に付くとかゆみが出ることがあります。この症状は『花粉皮膚炎』と呼ばれており、特に敏感肌の方やアトピー性皮膚炎にかかられている方は注意が必要です。

特定の季節になると肌がかゆくなる方は花粉皮膚炎の可能性がありますので、以下のことをチェックしてみてください。

  • 特定の季節だけ肌がかゆくなる
  • 風の強い日や強風が吹いた後に雨が降ったときに症状が出やすい
  • 頬や目の周囲に湿疹ができる
  • 花粉症持ちである
  • 天気予報などで花粉注意報が出ている日は特に症状がひどくなる

のどのかゆみ

花粉がのどに直接あたってアレルギー反応が起きると、のどにかゆみを感じることもあります。鼻づまりによって口呼吸が多くなるとのどへ花粉が届きやすくなってしまいますのでご注意ください。

また鼻水がたくさん出てきてしまい鼻水がのどに流れていく『後鼻漏』が発症すると、ののどではかゆみのほかに痛みや吐き気が起こることもあります。

花粉症の症状を和らげる治療方法

花粉症の症状はいずれも日常生活に支障をきたすものばかりです。自動車の運転中にくしゃみが止まらなくなり、怖い思いをしたという方もいらっしゃるでしょう。

そこで次に、大変な思いをする花粉症の時期を少しでも楽に過ごせるよう、症状を緩和する方法をご紹介します。ご自身に都合のよい方法を選択し、辛い季節を乗り切ってください。

投薬治療

花粉症の症状緩和には、薬物療法が効果的です。花粉症の薬には作用の仕方の違いから以下の種類があります。

抗ヒスタミン薬

肥満細胞から出てきたヒスタミンが、花粉症の症状を起こす作用をできないようにする薬です。第一世代(抗ヒスタミン薬)と第二世代(抗アレルギー薬)2種類に大別されます。

第一世代抗ヒスタミン薬は即効性があり、投与から数10分ほどで効果を発揮します。効果が強力である反面で眠気などの副作用も強く、判断力の低下を招きますので自動車や機械類の運転をされる方は控えたほうがよいでしょう。

第二世代抗ヒスタミン薬はこの副作用が抑えられています。投与から効果が現れるまでに数日から2週間ほどかかりますので、花粉症の季節が来る前に飲むようにしてください。

ケミカルメディエーター遊離抑制薬

ヒスタミンが肥満細胞から出てくるのを抑制する薬です。このタイプの薬は効果を実感できるまでに数日かかりますので、予防的に使用することをおすすめします。

ステロイド薬

ステロイドは抗ヒスタミン薬やケミカルメディエーター遊離抑制薬とは違い、アレルギーのメカニズム全般に効果のある薬です。とても強力な薬ですが、免疫機能であるアレルギーを抑えこむということは、その分免疫力が低下するということでもあります。

そのためステロイド薬の使用は、特に症状のきついときだけにとどめておくべきです。

血管収縮薬

点鼻薬や点眼薬に使用される薬で、鼻づまりや目の充血がただちに取り除かれます。

血管収縮薬を使用した後すぐに鼻が通っていく感覚には中毒性があり、つい依存してしまう方の多い薬です。非常に即効性が高いですが、乱用すると効き目が弱くなる上、かえって症状を悪化させてしまいます。

市販の点鼻薬の大半に含まれていますので、薬の説明書に書かれている用法・用量をきちんと守るようにしてください。

上記の薬にどんな成分名のものがあるか、花粉症治療に使われる点鼻薬・点眼薬・経口薬にわけて挙げていきます。薬選びにご参考ください。

点鼻薬

  • 第二世代抗ヒスタミン薬:塩酸レボカバスチン
  • ケミカルメディエーター遊離抑制薬:クロモグリク酸ナトリウムなど
  • ステロイド薬:デキサメタゾンシペシル酸エステル・プロピオン酸ベクロメタゾン・プロピオン酸フルチカゾンなど
  • 血管収縮薬:硝酸ナファゾリン・塩酸トラマゾリンなど

点眼薬

  • 第二世代抗ヒスタミン薬:塩酸レボカバスチン
  • ケミカルメディエーター遊離抑制薬:クロモグリク酸ナトリウムなど
  • ステロイド薬:フルオロメトロンなど

経口薬

  • 第一世代抗ヒスタミン薬:マレイン酸クロルフェニラミン・塩酸ジフェンヒドラミン・マレイン酸カルビノキサミン・フマル酸クレマスチンなど
  • 第二世代抗ヒスタミン薬:フマル酸ケトチフェン・塩酸アゼラスチン・オキサトミド・メキタジン・フマル酸エメダスチン・塩酸エピナスチン・エバスチン・塩酸セチリジン・ベシル酸ベポタスチン・塩酸フェキソフェナジン・塩酸オロパタジン・ロラタジンなど
  • ケミカルメディエーター遊離抑制薬:トラニラスト・ペミロラストカリウムなど
  • ステロイド薬:ベタメタゾン・マレイン酸クロルフェニラミン配合剤・プレドニゾロンなど

経口薬の第二世代抗ヒスタミン薬の中でも、フェキソフェナジン・セチリジン・ロラタジンはとりわけ副作用が少ないと言われています。セチリジンをさらに開発し、効果の高いレボセチリジン(医薬品名『ザイザル』)という抗ヒスタミン薬も使用されています。

レーザー治療

歯科や皮膚科など、近年様々な医療分野で活用されているレーザー治療。花粉症の嫌な鼻水・鼻づまりもレーザーで解消される可能性があります。

鼻の粘膜にレーザーを照射してアレルギー反応を起こす部分を減らしてしまうことで、花粉症の症状を緩和できます。

レーザー治療は妊娠中の方やお子様など、花粉症の薬を使用することができない方でも安心して受けられます。

レーザー治療は鼻の粘膜を刺激しますので、花粉のシーズンが到来してからの治療では一時的に症状が悪化する可能性もあります。そのため、花粉の季節が来る前に治療を受けることをおすすめします。スギの花粉の場合は、前年の秋から冬ころにレーザー治療を受けると効果を実感できるでしょう。

なお、レーザーで焼かれた部分の粘膜が再生すると花粉症の緩和効果はなくなります。一度受ければ花粉症が完治するというわけではありませんのでご注意ください。

注射

花粉症対策の注射として、ステロイド注射とアレルゲンの注射(アレルゲン免疫療法)があります。それぞれについて下記にご説明します。

ステロイド注射

上述した花粉症の治療薬であるステロイドを注射する方法です。ステロイドは強力なアレルギー抑制作用がありますが、先述したように副作用も強い薬です。

あまりにも辛いときの頓服として使用するのには問題ありませんが、ほかの花粉症対策方法がとれる場合は、そちらを優先することをおすすめします。

アレルゲンの注射

体内に濃度の低い花粉抽出液を注射し、アレルゲンに対する免疫を作っていく方法です。花粉抽出液の濃度を少しずつ上げながら注射を打ち続け、これを2年以上根気よく続ければ、花粉症が根治できる可能性もあります。

花粉対策のためにできること

花粉症の季節を上手に乗り切るためには、花粉が目や口に入らないようにすることと、家の中へ花粉を持ち込まないようにすることが重要です。また、鼻づまりに起因してのどが乾燥してしまうと花粉症に加えて風邪にもかかりやすくなってしまいますので、こちらの問題もなんとかしたいところです。

これらのことに有効なグッズとして、『帽子』『メガネ』『マスク』『あめ』の利用をおすすめします。

帽子

外出先で頭に花粉がつくことを防ぐためには、帽子の着用が効果的です。髪についた花粉はなかなか払い落とせないもの。目や鼻に加えて頭もしっかり守りましょう。

メガネ

花粉症対策としてもっとも普及しているマスク。最近は口元にしっかりフィットするものや眼鏡が曇りにくいものなど、様々なタイプのマスクが販売されています。

マスクを着けると鼻に入る花粉の量を3分の1ほどに抑えられるというデータもあります。花粉症対策用マスクではさらに半分まで花粉の侵入を防げますので、使わない手はないでしょう。

マスク

目に入ってくる花粉は眼鏡の着用で減らすことができます。結膜に届く花粉の量は、普通の眼鏡の着用で約半分、花粉症対策用のものでは3分の1まで減少させられます。

最近の眼鏡のレンズには花粉対策のオプションを付けることもできます。眼鏡の新調をお考えの方はこのオプションをぜひ付けてみてください。

あめ

鼻づまりによって起こるのどの乾燥を防ぐためには、のど飴がおすすめです。メントールやハッカを使用した『はなのど飴』も花粉症シーズンには人気の商品です。

花粉症に効果があると言われている果物『じゃばら』を使った飴も販売されていますので一度お試ししてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

毎年必ずやって来る花粉症の季節が近づいてくると、アレルギー持ちの方は気が重くなるものです。穏やかな気候や年度をはさんで新鮮な環境を楽しめるはずの春先が、花粉症のせいで台無しになってしまうのは残念なことでしょう。

今回はスギやヒノキ以外にも様々な季節の花粉症があることをご紹介し、治療方法と対策方法をまとめました。

ご自身がどの花粉症であるのかをご確認するとともに、シーズン前の治療やマスク・帽子などの対策グッズをご検討いただき、少しでも快適な生活を送れるように役立てていただければ幸いです。

鈴木 香奈 医師 金沢駅前ぐっすりクリニック 院長監修ドクターのコメント
21世紀はアレルギー世紀とも言われ日本人の2人に1人は何らかのアレルギー疾患に罹患していると言われています。スギ花粉症に於いては26.5%、4人に1人が罹患しています。花粉症は一度症状が出ると基本的には治らないと聞きますが、治療期間が3-5年と長く治療開始時期ににも制限はあるもの症状の緩和や完治が期待できる新しい治療方法「舌下免疫療法」が2014年より開始されました(現在のところはスギとダニのみ)。従来、通院にて注射で行うアレルギー免疫療法はありましたが自宅での投薬で治療ができます。舌下免疫療法の効き目には個人差がありますが近い未来には「脱・花粉症」を手に入れられるかもしれません。

監修ドクター:鈴木 香奈 医師 金沢駅前ぐっすりクリニック 院長

花粉症治療でおすすめの耳鼻咽喉科 中部編

金沢駅前ぐっすりクリニック

出典:http://www.gussuri.jp/kanazawa-index.html

電話番号 076-265-7225
住所 石川県金沢市本町2丁目12-16
アクセス
診療時間 【月曜・火曜・木曜・金曜・土曜】9:00~12:30/14:30~17:00
休診日 水曜・日曜・第5土曜・祝祭日
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