目がかゆい!症状から対処法まで一気に解説します
この記事の監修ドクター:
高田 尚忠 医師(高田眼科 院長)
目のかゆみにお悩みの人もいるのではないでしょうか。その原因は、花粉だけではなくコンタクトレンズやカラーコンタクト、パソコンやスマホの使いすぎなど様々です。また、放置すると結膜炎などの病気につながるリスクもあるので、きちんとした対策をしておきたいところです。この記事では、目のかゆみの原因や対処法について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 -INDEX-
目がかゆい場合の原因
目がかゆい!と思った時に考えられる原因について以下にまとめて記載いたします。
1.病気
まずはかゆみを引き起こす病気について紹介します。
・麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
いわゆる「ものもらい」のことで、地域によっては「めばちこ」とも呼ばれています。
まぶたの裏にある脂や汗を出す腺が細菌に感染することで起こる「急性化膿性炎症」であり、かゆみの他にもまぶたの一部が赤く腫れたり、目やにが出たりといった症状が出るのが特徴です。
放置すると皮膚の下に膿が溜まり、数日で皮膚が破れて膿が出てきます。基本的には膿が出れば治るのですが、稀に重症化することもあるので眼科を受診して治療を受けることをおすすめします。
ものもらいの原因菌はいくつかありますが、多くは黄色ブドウ球菌です。
黄色ブドウ球菌は化膿した傷に多く存在する菌なので、目に怪我をした時や体の抵抗力が落ちている時に目を強くこするとものもらいになってしまうことがあります。
・霰粒腫(さんりゅうしゅ)
こちらも「ものもらい」と呼ばれる病気ですが、麦粒腫とは違って細菌感染が原因ではありません。
まぶたの裏にあるマイボーム腺(涙の油層を分泌する腺)が何らかの理由で詰まってしまい、中に分泌物が溜まってしこりができてしまうことが原因で起こるものもらいなのです。
赤みや痛みは少ないですが、悪化すると炎症を起こして「急性化膿霰粒腫」となってしまうこともあります。
急性化膿霰粒腫になると、麦粒腫と似たような症状が起こります。
・感染性結膜炎
細菌やウイルスの感染により、白目の表面にある結膜が炎症を起こしてしまう病気です。かゆみの他にも涙や目やにが出る、目が充血するなどの症状も起こることがあります。
また、目の症状だけではなく「プール熱(咽頭結膜熱)」になってしまうと発熱や喉の痛みといった風邪のような症状も出てきます。
細菌性結膜炎の原因菌はインフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などが多く、ウイルス性結膜炎の原因ウイルスはアデノウイルスであることがほとんどです。
細菌性の場合は感染力が弱いので人から人へとうつる危険性は低いですが、アデノウイルスは感染力が強いので注意が必要です。
めばちこ(ものもらい)症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
2.アレルギー
アレルギーとなる原因物質が結膜(上下まぶたの裏側と白目を覆う半透明の膜)に入ると「アレルギー性結膜炎」が起こり、強いかゆみや目の充血などの症状が出ます。ちなみにアレルギーとは、外から入ってくる異物に対して体が過剰に反応し、様々な症状が出てしまうという症状です。
アレルギー性結膜炎は症状の出る時期により「季節性」と「通年性」の2つに分けられます。
「季節性アレルギー性結膜炎」は1年のうちで特定の時期に特定の花粉が原因で起こります。アレルギー性結膜炎のうち、約85%が花粉によるものだと言われています。
「通年性アレルギー性結膜炎」は季節に関係なく発症します。原因はハウスダストやダニ、ペットの抜け毛やフケ、カビなど様々です。コンタクトレンズの汚れもアレルギー性結膜炎の原因となります。
なお、アレルギー性結膜炎の重症型は「春季カタル」という病気です。
「季節性」と「通年性」のどちらでも起こりうる病気で、強いかゆみやまぶしさや充血などの症状が起こり、春から夏にかけて症状がひどくなる傾向があります。
3.花粉症
季節性アレルギー性結膜炎は、一般的には「花粉症」の名前でよく知られています。日本では、2~5月に多くなるスギやヒノキの花粉がアレルゲンとなるケースが多くみられます。
季節性アレルギー性結膜炎はこの他にも、数としては少ないもののイネやブタクサ、ヨモギなど全部で50種類ほどの植物の花粉が原因になると言われています。
4.目の乾燥
涙は泣く時だけに出るものではありません。
人がまばたきをすると涙が目の表面を覆うのですが、この涙の膜は目の乾燥や感染を防いだり、外側の刺激から目を保護したりする役割があるのです。
これを「涙の安定性」と言います。
何かしらの原因で涙の量が減ったり、涙の膜が蒸発してしまったりすると目が乾燥してかゆみを感じてしまうことがあります。
涙が減ってしまう原因としては、
・エアコン等による室内の乾燥
・パソコンやスマホの使いすぎでまばたきが減ってしまうこと
などが考えられます。
また、強いストレスを感じた時も自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位になってしまい涙の量が減って目が乾燥してしまいます。
ちなみに涙はただの水分ではなく、外側から「油層」と「液層」の二重構造になっています。
油層はまぶたの縁にある「マイボーム腺」から分泌される油の層で、涙の蒸発を防ぐ役割があります。加齢や炎症が原因で油の分泌が減ったりマイボーム腺が詰まったりしてしまうと涙が蒸発しやすくなってしまうので乾燥によるかゆみを感じることがあるのです。
内側にある液層は、涙の95%を占める層で栄養補給や感染予防など涙の重要な役割を果たしています。この液層に含まれているムチン(分泌型ムチン)が、涙の安定性になくてはならない役割があることが、最近の研究でわかってきています。
目がかゆくなるメカニズム
そもそも花粉が原因で目がかゆくなってしまうのはなぜなのでしょうか?
まず、花粉などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が体に入ると、アレルゲンと結合するIgE抗体という物質が発生します。
このIgE抗体が目の粘膜などにある肥満細胞の表面に結合してしまうと、再びアレルゲンが体内に入ってきてIgE抗体と結合した時に肥満細胞が刺激を受けてしまいます。
刺激を受けた肥満細胞は「ヒスタミン」などの物質を生成し、このヒスタミンが知覚細胞を刺激すると脳に「かゆい」という情報が伝わってしまうのです。
つまり、一度だけではなく何回も花粉などのアレルゲンが体に入ってしまうことで、アレルギー反応によるかゆみが起きてしまうというわけなのです。
目がかゆい時に出る他の症状
目がかゆい時には、他の症状も一緒に出ることがあります。
ここではかゆみと併せて出ることが多い症状について解説いたします。
1.まぶたの腫れ
ものもらいの場合、かゆみと共にまぶたの腫れが起こります。麦粒腫の場合はまぶたの一部が赤く腫れ、霰粒腫の場合はしこりのような塊ができてまぶたが腫れます。
また、かゆみを感じたことにより目をこすってしまい、その刺激が原因で目が腫れてしまうこともあります。
目の腫れに関する症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
2.目の充血
目の充血も、かゆみと一緒に起こることが多い症状です。「充血」という名前から血が関係していることが窺えますが、そもそもなぜ白目は充血してしまうことがあるのでしょうか?
目の表面を覆っている薄い膜「結膜」は、表面近くに細い血管がいくつも通っていますが健康な状態では真っ白に見えています。しかし、目の使いすぎで疲れ目になってしまうと血管が膨張(拡張)して目立ってしまうので、目が充血して見えるのです。
また、ドライアイやコンタクトレンズを長時間着用している場合、角膜の酸素が不足してしまいます。そのため、角膜が酸素をより多く取り入れるために血管を拡張させてしまうので、充血してしまうこともあります。
充血自体は一時的な症状なので目を休めるなどすれば自然に良くなりますが、充血に加えてかゆみや目やにが多く出るなどの症状がある場合は眼科を受診しましょう。
ちなみに通常の充血であれば実際に出血しているわけでありませんが、白目の部分に真っ赤な血溜まりのようなものが出ている場合は結膜の血管が切れて出血している状態です。
「結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)」という症状で、目を強く打ったり、こすり過ぎたりして血管が刺激を受けたりすることによって起こります。
見た目は痛々しいものの、こちらも1~2週間ほどで自然に治るのでそれほど心配しなくても良いでしょう。ただし、痛みや目やにが増えるなどの症状がある場合には眼科を受診したほうが安心です。
3.目やに
目やには健康な状態でも出るものなので過剰に心配する必要はありませんが、目の異常によって出る目やにの場合は色や様子が違ってくるので注意しなくてはいけません。
・正常な目やに
目も体の他の部分と同様に代謝活動をしているので、古い細胞を老廃物として排出しています。肌から出るアカのようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。
起床時などに目頭や目尻に少しだけ付いているような目やには代謝活動により出た老廃物なので心配はありません。
・目の炎症反応が原因で出る目やに
目の病気が原因で出る目やには、それぞれ色や様子が違っているのが特徴です。
細菌感染(細菌性結膜炎など)が原因の場合、目やには黄緑色でドロッとしています。さらに膿のようなものが出ていたら細菌に感染している可能性が高いです。
一方、ウイルス感染(ウイルス性結膜炎など)の場合は白くてネバネバの目やにが出ます。糸を引いているような目やにが出たら、ウイルス感染を疑ったほうが良いかもしれませんね。
ちなみに花粉症などアレルギー反応が原因の場合は、サラサラとした水のような目やにが出ます。
いずれにせよ、目やにが大量に出てかゆみも感じる場合は眼科を受診しましょう。
目がかゆい時の対処法
目がかゆい時、他にも症状があれば眼科を受診することをおすすめします。
しかし、「忙しくて病院に行く暇もない」「症状はかゆみだけで、それほどひどくはない」などの理由で眼科の受診を見送ることもあるでしょう。
そんな場合に応急処置的にできる対処法についてまとめてみました。
1.目薬を使う
かゆみを手っ取り早く解消するのにオススメなのが、目薬です。ドラッグストア等でも、かゆみに効果のある目薬を購入することができます。
ただし、かゆみに効果がある目薬ならどれでもOKというわけではなく、かゆみの原因に効果のある成分が配合されている目薬を選ぶのがポイントです。
ただし、市販薬は、医療用のモノよりは効果が少ないので、効かない場合には、疾患をこじらせる前に、早めに専門医に相談する様に致しましょう。
・アレルギーが原因の場合
アレルギーが原因のかゆみの場合、症状に合わせて配合成分を選びましょう。
季節性でも通年性でも症状が継続している場合は、効果が出るまでにやや時間はかかるものの持続性がある「ケトチフェンフマル塩酸」や「クロモグリク酸ナトリウム」が配合されている目薬がおすすめです。
ハウスダスト等が原因の場合でも、一時的に症状が出ているだけであれば即効性のある抗ヒスタミン成分が入っている目薬が効果的。
「抗ヒスタミン剤配合」と記載があるものか、「クロルフェニラミン」が配合されているものを選びましょう。
・炎症がある場合
結膜炎などでかゆみの他に炎症が起こっている場合は抗炎症成分を配合している目薬がオススメです。
具体的には「グリチルリチン酸二カリウム」「イプシロン-アミノカプロン酸」「プラノプロフェン」などが配合されている目薬を選ぶと良いでしょう。
・ものもらいなど細菌が原因の場合
ものもらいなど、細菌が原因でかゆみが起こっている場合は抗菌剤(サルファ剤)が配合されている目薬を選ぶと良いでしょう。成分表示に「スルファメトキサゾール」と表示されているものが抗菌剤配合の目薬です。
ただし、サルファ剤はアレルギーを引き起こす可能性のある成分なので、アレルギー体質の人は使わないほうが良いでしょう。
・ドライアイが原因の場合
ドライアイが原因でかゆみが起こっている場合は、「ドライアイ専用」の目薬を選ぶと安心です。
例えばかゆみを抑えるだけならば抗ヒスタミン剤配合の目薬でも効果はあります。しかし、ほとんどの目薬に含まれている防腐剤がドライアイには悪い影響を及ぼしてしまうのです。
ドライアイ専用の目薬は基本的に防腐剤無添加なので安心して使うことができ、ドライアイの原因である目の乾燥に潤いを与える成分を配合しているので効果的です。
2.目を冷やす
基本的に冷えるとかゆみは治まるので、目の場合もかゆみを感じたらとりあえず冷やすと効果的です。清潔なタオルで作った冷たいおしぼりや、タオルにくるんだ保冷剤をまぶたの上に乗せて冷やしましょう。
ちなみにドライアイなど目の乾燥が原因でかゆみを感じた場合は、冷やしてかゆみが治まった後に温めると血行が良くなるので症状が改善します。
3.目を洗う
目がかゆくてたまらない!という時に、目を取り外して洗えたらいいのに・・・なんて思ったことはありませんか?
実際、花粉が気になった時に目を洗うことはかゆみの対処法として効果的です。
ただし、水道水で洗うのは塩素が目を傷つけてしまうことがあるのでおすすめできません。目にカップをかぶせて洗うタイプの洗浄液も、デリケートな目元の皮膚を何回も洗うことになってしまうのでおすすめできません。
目を洗うのにベストなのは、防腐剤の入っていない人工涙液です。「涙液」の名前のとおり涙に近い成分なので安心して使うことができます。
さらに防腐剤無添加であればドライアイの人でも使うことができます。
4.コンタクトレンズの場合の対処法
花粉症やものもらい、結膜炎、ドライアイなど目がかゆくなる病気や症状に大きくかかわってくるコンタクトレンズ。
コンタクトレンズが不衛生だと細菌の住処になることに加えて、長時間着用すると疲れ目やドライアイの原因となってしまいます。
また、花粉症の場合はコンタクトレンズを着用していると裸眼時よりも涙が出にくくなってしまいます。涙が少ないせいでレンズの表面についた花粉がいつまでも目の外に排出されず、目の中に留まってしまうのでコンタクトレンズを着用していることでアレルギー反応が起こりやすくなってしまうのです。
コンタクトレンズを着用していてかゆみを感じた場合、とにかくコンタクトレンズを清潔に保つことが大切です。コンタクトレンズが汚れていると細菌の温床になってしまうことがあり、花粉がレンズに付きっぱなしだとアレルギー症状がひどくなってしまうからです。
コンタクトレンズを清潔に保つのにおすすめなのが、1dayタイプのコンタクトレンズです。毎日新しいレンズに交換するので、手間をかけずに毎日清潔なレンズを着用することができます。
コストパフォーマンスの問題で使い捨てはちょっと・・・という場合はレンズを外したらまずすすぎ洗いで花粉をしっかり落としましょう。
花粉症の時期にはこすり洗いタイプの洗浄液ではなく、つけ置きタイプの洗浄液を使うのもおすすめです。つけ置きタイプの洗浄液を使う場合も、つけ置く前にすすぎ洗いで花粉を落とすことを忘れずにおこなってください。
ちなみにあまりに症状がひどい場合は、一時的にコンタクトレンズを使わないようにするのがベストです。
コンタクトレンズではなくメガネにすることで、レンズに花粉が付着することを防げる上にメガネのレンズにより目に入る花粉を減らす効果もあります。
目がかゆい時、他の部位に出る症状は?
目がかゆい時、その他の部位に出やすい症状についてまとめてみました。
1.くしゃみ・鼻水
花粉が原因の場合、目がかゆくなる症状と併せてくしゃみや鼻水が出ることが多くみられます。
くしゃみと鼻水が出るという症状だと風邪と勘違いしてしまうこともありますが、目のかゆみを伴う場合は風邪ではなく花粉症である可能性が高いと考えられます。
また、
・くしゃみが立て続けに出る
・サラサラとした水っぽい鼻水が出る
といった症状も、花粉症の特徴です。
2.まぶたのかゆみ
まぶたのかゆみもまた、目がかゆくなる症状と併せて多く起こります。まぶたを含めた目元の皮膚は、薄くてデリケートなのでドライアイや結膜炎が原因で目がかゆい時にこすったりかいたりしてしまうとまぶたがかゆくなってしまうのです。
また、ものもらいでまぶたが赤く腫れてしまった場合もまぶたがかゆくなってしまいます。
目がかゆい場合の病気の種類
目がかゆくなる病気について、症状が起こる箇所別に分けてまとめてみました。
1.結膜炎
白目とまぶたの表面を覆っている「結膜」が赤くなり、炎症を起こしてしまう病気の総称で、細菌性やウイルス性、アレルギー性などが様々な種類があります。
・細菌性結膜炎
黄色ぶどう球菌や表皮ぶどう球菌などの身近な細菌に感染することで発症しますが、抗生物質を使用すれば数日で治ります。感染力も高くありません。
・ウイルス性結膜炎
ウイルス感染で起こる結膜炎です。
アデノウイルス8型に感染すると「流行性結膜炎(はやり目)」、アデノウイルス3型に感染すると「咽頭結膜炎(プール熱)」、エンテロウイルス70型に感染すると「急性出血性結膜炎」といった感じで、原因ウイルスごとに症状が違ってきます。
いずれも感染力が高いので注意が必要です。
・アレルギー性結膜炎
一般的には花粉がアレルゲンとなる「花粉症(季節性アレルギー性結膜炎)」がよく知られていますが、ハウスダストやダニなどが原因の「通年性アレルギー性結膜炎」もあります。
2.角膜炎
いわゆる黒目の表面が角膜であり、普段は涙に覆われているので細菌やなどの病原体が侵入しないようになっています。
しかし、目をこすって角膜が傷ついてしまうと病原体に感染しやすくなってしまい角膜炎になってしまうことがあるのです。
・細菌性角膜炎
ゴミや砂が目に入ったり、コンタクトレンズを間違った方法で着用していたりして角膜が傷つくと、細菌に感染して角膜炎になってしまうことがあります。
放って置くと失明する危険性もあるので、早めに眼科を受診しましょう。
・真菌性角膜炎
真菌、いわゆるカビが原因で起こる角膜炎です。
植物による外傷やソフトコンタクトレンズの連続装用、ステロイド剤を長い期間点眼し続けることにより発症します。
・角膜ヘルペス
乳幼児期に感染したヘルペスウイルスが神経組織にひそみ、その後、発熱などが原因で再び活動を始めると角膜に移動します。このことが原因で起こる角膜炎が角膜ヘルペスです。
・アカントアメーバ角膜炎
池や沼などに存在するアメーバが原因で起こる角膜炎です。
アメーバは水道水にも存在しているので、コンタクトレンズの手入れに問題があるとアメーバに汚染されたレンズを装着することとなり、アカントアメーバ角膜炎が発症する可能性があります。
夜も眠れないほどの目の痛みが特徴です。
眼の痒みというのは、眼科医として、一番、遭遇することの多く、大部分が自然治癒したりして軽症であることが多いのですが、中には、見逃せない症状の場合もあります。
そこで、問題となる「どのタイミングで受診すべきなのか?」については、眼が全く見えないという症状、激しい痛みの症状を除けば、我慢できるような眼科症状については、一晩寝ても治らなければ、眼科への受診を検討されると良いと思います。
我慢しすぎて、症状を悪化させると、逆に治療に難渋することがありますので、お早目の受診をお願いいたします。
痒みについては、目を擦り過ぎると、いろいろな病気を引き起こします。
例えば、典型例としてはアトピー性皮膚炎の患者さんは、目の擦り過ぎで、瞼の皮膚炎を悪化させることは当然として、網膜剥離や白内障を誘発させたり、また、私の専門でもある『眼瞼下垂症』を来すことが多くなります。そのころからも、目を擦さらないようにし、収まらないようであれば、その症状にあった治療を受けるべきでしょう。
監修ドクター:高田 尚忠 医師 高田眼科 院長