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市販薬で改善しない『片頭痛』の原因は? 受診の目安と見分け方を医師が解説

 公開日:2026/04/20
市販薬で改善しない『片頭痛』の原因は? 受診の目安と見分け方を医師が解説

頭痛は多くの人が経験する身近な症状ですが、「いつものことだから」「市販薬で様子を見ている」という人も少なくありません。しかし、頭痛にはいくつかの種類があり、原因や対処法はそれぞれ異なります。市販薬で十分に改善しない場合、医療機関での診断や治療によって、症状の軽減が期待できることもあります。今回は、頭痛の種類や見分け方、受診のタイミングについて、川口並木クリニック院長の神谷先生に聞きました。

※2026年2月取材。

神谷 文雄

監修医師
神谷 文雄(川口並木クリニック)

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内科全般から神経疾患、認知症診療まで幅広く診療に当たっている。2026年7月、埼玉県さいたま市浦和区に UNクリニックを開院予定。医療法人社団集GO会理事長。認知症サポート医。

頭痛で悩む人は多い?

頭痛で悩む人は多い?

編集部

頭痛に悩む人は多いのでしょうか?

神谷 文雄先生神谷先生

多いですね。頭痛の有病率は高く、特に働き盛りの世代や女性に多く見られることが知られています。ただ、日常的な症状である故に、我慢してしまったり、市販薬で対処し続けていたりする人も多数いて、十分な改善に至っていないケースも少なくありません。

編集部

頭痛には、どのような種類があるのですか?

神谷 文雄先生神谷先生

頭痛は大きく、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。一次性頭痛は、緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)、片頭痛、群発頭痛が代表です。一方、二次性頭痛は脳出血や脳腫瘍、感染症による炎症ほか、さまざまな原因で起こる頭痛です。

編集部

一次性頭痛と二次性頭痛は、どのように見分けるのでしょうか?

神谷 文雄先生神谷先生

症状の経過や痛みの性質、随伴症状(主な症状に伴って起こる別の症状)などを総合的に見て判断します。必要に応じてMRI画像などの検査を行い、緊急性の高い二次性頭痛の可能性がないかを確認することも重要です。

編集部

二次性頭痛では、どのような点に注意が必要ですか?

神谷 文雄先生神谷先生

これまで経験したことのない強い頭痛が突然出た場合や、嘔吐(おうと)、手足のまひやしびれ、意識障害などを伴う場合には注意が必要です。早急な対応が必要となるケースが多いため、クリニックで二次性頭痛が疑われる場合は、きちんと鑑別を行い、必要時は二次救急の対応ができる医療機関を紹介することもあります。

一次性頭痛の特徴は?

一次性頭痛の特徴は?

編集部

一次性頭痛には、どのような特徴があるのでしょうか?

神谷 文雄先生神谷先生

一次性頭痛は命に直結することは少ないものの、症状が繰り返されることで日常生活の質を大きく低下させます。そのため、各症状の特徴を理解し、適切に対処することが大切です。

編集部

片頭痛の特徴について詳しく教えてください。

神谷 文雄先生神谷先生

片頭痛の典型的な症状は、ズキンズキンと脈打つような痛みです。頭の片側に起こることが多く、両側に出ることもあります。光や音に過敏になる前兆があったり、吐き気を伴ったりするケースもあり、20~40代の女性に多く見られ、30代の女性の約20%が片頭痛を抱えているという報告もあります。症状の出方には個人差があるものの、動くと痛みが強くなるため、日常生活に支障を来しやすいのが特徴ですね。

編集部

緊張型頭痛には、どのような特徴がありますか?

神谷 文雄先生神谷先生

緊張型頭痛の特徴は、頭全体が締め付けられるような鈍い痛みです。肩や首の凝り、精神的ストレス、長時間にわたる同一姿勢の維持、眼精疲労などが引き金になることが多く、片頭痛と共に患者数が多い病気です。

編集部

群発頭痛についても教えてください。

神谷 文雄先生神谷先生

群発頭痛の特徴は、目の奥をえぐられるような非常に強い痛みです。一定期間に集中して起こることが多く、痛みが非常に強いため、生活への影響が大きくなります。前述した3種類以外にも、頭痛にはたくさんのタイプがありますが、患者さんの大半は、片頭痛や緊張型頭痛、またはその両方を併発しています。

市販薬で治らない頭痛と片頭痛の可能性

市販薬で治らない頭痛と片頭痛の可能性

編集部

市販薬で治らない場合、どのタイプの頭痛だと考えたらよいでしょうか?

神谷 文雄先生神谷先生

「市販薬で十分な効果が得られない」というだけで頭痛の種類を断定できません。ただ、市販の鎮痛薬だけでは痛みを抑えきれないタイプの頭痛の場合、片頭痛であるケースが多い傾向にあります。症状が続く場合には、一度、頭痛の診療を専門とする医療機関で相談することが大切です。

編集部

片頭痛は、なぜ起こると考えられているのですか?

神谷 文雄先生神谷先生

片頭痛の発生には、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が深く関与しているケースが多いということが、近年分かってきました。CGRPが過剰に働くことで、三叉(さんさ)神経や血管に影響を及ぼし、痛みが生じるとされています。

編集部

医療機関に行くと、どのような流れで治療が始まるのでしょうか?

神谷 文雄先生神谷先生

頭痛の種類の鑑別を十分な時間をかけて行った後、発作時に使用する薬の処方や、頭痛の発作頻度を抑える予防薬の調整、生活習慣の工夫に関する説明をします。近年は、CGRPの働きを抑える注射薬が使用できるようになり、発作の頻度低下や日常生活の質の改善が期待できるケースが増えています。また最近、類似の作用を持つ経口薬(ゲパント系)も国内で処方可能になりました。

編集部

受診のタイミングについて教えてください。

神谷 文雄先生神谷先生

市販薬を使っても改善しない状態が続いたり、頭痛の頻度や強さが増してきたりする場合は、受診を検討する一つのタイミングです。片頭痛は、適切な診断を行い、原因やタイプに合った治療を講じることで、症状の改善が期待できる病気です。早めに医師に相談することにより、日常生活の負担を軽減できる可能性があります。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

神谷 文雄先生神谷先生

頭痛は「いつものこと」と我慢してしまいがちなものの、適切な診断と治療により、症状の軽減が期待できます。また、頭痛のない人にはそのつらさが理解されにくい側面もあります。しかし、一人で抱え込まず、早めに頭痛を専門とする医師へ相談する一歩につなげてもらえればと思います。毎年2月22日は「頭痛の日」です。頭痛の日のイメージカラーは「グリーン」ですので、この機会にぜひ覚えてください。

編集部まとめ

頭痛は身近な症状である一方、種類によって原因や対処法は大きく異なります。市販薬で改善しなかったり、症状が続いたりする場合は、我慢せずに医療機関に相談してみてください。新たな治療の選択肢が見つかることもあります。

参考文献
日本頭痛学会

医院情報

川口並木クリニック
所在地 埼玉県川口市並木3-34-17
診療科目 内科、小児科、神経内科
診療時間 午前: 月火水金 9:30~11:30 木 10:00~12:00 土 9:30~12:00 (科目毎曜日あり)
午後: 月水金 15:00~18:00 火 15:00~19:00 木 13:00~17:00 (科目毎曜日あり)
休診日 日・祝

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