『表情じわ』に効果的なのは? ボトックスとヒアルロン酸の使い分けと違い

「ボトックス」や「ヒアルロン酸」という名前は知っていても、「何がどう違うのか?」「自分にはどちらが合うのか?」が分からないまま、しわ治療を検討している人も少なくありません。今回は、KUMIKO CLINICの下島先生に、ボトックスとは何かという基礎知識から、ヒアルロン酸との違い、組み合わせ治療の考え方に至るまで、詳しく聞きました。
※2026年1月取材。

監修医師:
下島 久美子(KUMIKO CLINIC)
知っているようで知らない!? 「ボトックス」とは?

編集部
ボトックスについて教えてください。
下島先生
ボトックスは、ボツリヌス菌が産生するA型ボツリヌス毒素を有効成分とした注射で、筋肉の動きを一時的に弱める作用があります。“毒素”と聞くと不安に感じる人もいますが、医療用として無毒化され、厳格な基準の下で管理されています。美容医療では、筋肉の過剰な収縮を抑えることで、表情じわを目立ちにくくする目的で使用されます。
編集部
注射した部分にだけ作用するのですか?
下島先生
そうですね。注射した局所の筋肉にのみ作用し、全身の筋肉に影響することはありません。特定の筋肉の動きを弱めることで、その筋肉が原因となって生じるしわやハリを和らげます。局所治療である点が、ボトックスの大きな特徴です。
編集部
表情じわ以外に使われることもありますか?
下島先生
咬筋(こうきん)の筋肉に注入してフェイスラインをすっきり見せて小顔にしたり、ふくらはぎの筋肉を抑えて脚を細く見せたりする目的でも使われます。筋肉の動きを調整する治療として、幅広い部位に応用されています。
編集部
しわができる前に使うこともありますか?
下島先生
あります。表情の癖が強い人などには、しわの定着を防ぐ目的で使うことができます。これは、将来的にしわが刻まれる前に筋肉の動きを緩めておくという予防的な観点での治療です。
ボトックス注射が効果的な部位や特徴を解説!

編集部
どのような部位にボトックスが効果的ですか?
下島先生
代表的なのは額のしわ、眉間のしわ、目尻や目の下のしわ、唇の縦じわ、顎の梅干しじわなどです。いずれも、表情を作ったときに筋肉が動くことで生じるしわで、ボトックスの効果が発揮されやすい部位です。
編集部
さまざまな部位に有用なのですね。
下島先生
ほかにも、目元に注入することで目を大きく見せたり、優しい印象を出したりする効果が期待できます。また、下がり気味の口角に打つことで、口元の印象を明るく見せることも可能です。さらに、細かな表情の調整にも用いられます。
編集部
ボトックスの効果は、どのくらいで表れますか?
下島先生
個人差はありますが、注射後1〜2週間で効果が出始め、約3〜4カ月持続します。徐々に筋肉の動きが戻ってくるため、効果を維持したい場合は定期的な治療が必要になります。
編集部
「表情が固まる」「不自然になる」という心配はありませんか?
下島先生
そういった不安を抱える人は少なくないですね。しかし、適切な部位に適切な量を注入すれば、問題ありません。不自然になる原因の多くは量の過不足です。経験のある医師が調整すれば、自然な表情を保ったまましわを和らげることができます。
ヒアルロン酸とはどう違う? 使い分けと組み合わせ

編集部
ヒアルロン酸は、ボトックスとどう違うのでしょうか?
下島先生
ヒアルロン酸は、ボリュームを補うための製剤です。へこみをふっくらさせたり、輪郭を整えたりする治療で、筋肉の動きを抑えるボトックスとは作用が異なります。役割がはっきり分かれているのです。
編集部
どのように使い分けるのですか?
下島先生
表情を作ったときに出るしわにはボトックス、無表情でも刻まれているしわやへこみにはヒアルロン酸が適しています。どちらか一方で十分な場合もあれば、両方を組み合わせた方がよい場合もあります。
編集部
組み合わせることもできるのですか?
下島先生
できます。例えば顎は加齢とともに平たんになりやすく、フェイスラインが四角く見えがちです。ボトックスでオトガイ筋の動きを抑えて土台を整え、その後ヒアルロン酸で顎の形を作ることで、滑らかでシャープな顎先に仕上げやすくなります。
編集部
ボトックスやヒアルロン酸注射について、ほかに知っておいた方がよいことはありますか?
下島先生
ボトックスやヒアルロン酸注射は美容目的の治療で、基本的に保険適用外です。使用する製剤や注入量、部位によって費用が異なるため、事前に治療内容と料金について十分な説明を受け、納得した上で行うことが重要です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
下島先生
ボトックスは、表情じわが固定化する前に取り入れることで、しわを深くさせない予防的な効果が期待できる治療です。適切な間隔で注射を続ければ効果の持続性も高まり、結果として新たなしわの形成を抑えることにつながります。過度に怖がらず、美容医療の選択肢の一つとして検討してもらえたらと思います。
編集部まとめ
ボトックスは筋肉の動きを調整し、ヒアルロン酸はボリュームを補う治療です。しわの種類や部位によって適した方法は異なり、場合によっては組み合わせることでより自然で高い効果が得られます。それぞれの特性を理解した上で、最小限の治療で最大の効果を目指すことが大切です。
医院情報
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| 診療科目 | 皮膚科 |
| 診療時間 | 月火水木金 9:00~18:00(完全予約制/保険適用外) 土 10:00~18:00 |
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