処方薬と市販薬の『ロキソニン』は何が違う? 知っておくべき「痛み止めの基本」を医師が解説

頭痛や生理痛、腰痛など、日常的な痛みに対して処方されることの多いロキソニン。一方で、ドラッグストアでは市販薬としても購入できるため、「同じ名前だけれど違いはあるのか?」と疑問に思う人も少なくありません。そこで、ロキソニンの基本から、処方薬と市販薬の違い、使い分けの考え方まで、品川ホヌクリニック院長の笠茂明音先生に聞きました。
※2026年1月取材。
※『ロキソニンⓇ』は第一三共の登録商標です。本記事では一般的な認知度を考慮して商品名を使用していますが、一般名はロキソプロフェンです。

監修医師:
笠茂 明音(品川ホヌクリニック)
ロキソニンはどのような薬? 医師が解説!

編集部
ロキソニンは、どのような薬なのでしょうか?
笠茂先生
ロキソニンは非ステロイド性抗炎症薬の一つで、痛みや炎症、発熱を抑える作用があります。有効成分はロキソプロフェンで、体内で吸収された後に活性型へ変換されて効果を発揮します。比較的即効性があり、医療現場でも日常的に使用されている薬です。
編集部
どのような症状に使われることが多いですか?
笠茂先生
頭痛や歯痛、生理痛、腰痛、関節痛など、日常生活でよくみられる痛みに広く使われます。外傷後や術後の痛みに処方されることもあり、使用場面は多岐にわたります。
編集部
発熱があるときにも使われますか?
笠茂先生
使われます。発熱やのどの痛みなど、炎症が関係している症状に対して処方されることがあります。ただし、発熱の原因を治す薬ではなく、症状を一時的に和らげる目的で使用される点に留意する必要があります。
編集部
効果と汎用性の高い薬なのですね。
笠茂先生
そうですね。一般的にも、「ロキソニン=よく効く痛み止め」という印象を持つ人が多いと思います。実際に効果を実感しやすい薬ですが、症状や体調に合った使い方が重要であり、万能な薬というわけではありません。
処方薬と市販薬のロキソニンの違いは?

編集部
処方されるロキソニンと市販薬のロキソニンには、どのような違いがありますか?
笠茂先生
処方薬と市販薬は、どちらも同じ有効成分(ロキソプロフェンナトリウム水和物)を含んでおり、1錠あたりの成分量も基本的に同じです。主な違いは「使用方法」と「管理のされ方」です。処方薬は医師が症状や体調、ほかの薬との飲み合わせなどを確認したうえで処方します。一方、市販薬は自己判断で使用することを前提としているため、用法・用量や使用上の注意がより慎重に設定されています。また、市販薬の中には、胃への負担を考慮して胃粘膜を保護する成分が配合されている製品もあります。
編集部
使い分けはどのように考えればよいでしょうか?
笠茂先生
軽い痛みや一時的な症状であれば、市販薬で対応できる場合もあります。一方、痛みが強い場合や日常生活に支障が出る場合には、医師の診察を受けてから、処方薬を飲むようにしてください。
編集部
十分な効果が得られない時は、どういう理由が考えられますか?
笠茂先生
痛みの原因となる疾患が隠れていたり、痛みの程度がとても強かったり、内服のタイミングが最適ではなかったり(「痛くなり始め」や「軽い段階」が効果的)、あるいは体質による反応の出方がよくなかったり、といったことが考えられます。症状によっては消炎鎮痛薬だけでは十分な効果が得られないこともあるため、改善しない場合は医療機関で原因を評価し、適切な治療を受けることが大切です。
編集部
処方薬の判断はどのように行うのですか?
笠茂先生
痛みの強さや持続期間、生活への影響などを総合的に判断します。単に市販薬が効かないという理由だけでなく、症状の経過を踏まえて必要性を判断します。もちろん、症状によってはロキソニン以外の選択肢もありますので、幅広い治療の中から考えていきます。
ロキソニンを使い続ける場合の考え方

編集部
「飲み続けると効かなくなってくる」と聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?
笠茂先生
ロキソニンを飲み続けて「以前ほど効かなくなった」と感じる場合でも、薬そのものに耐性ができているケースはあまりありません。実際には、痛みの原因や状態が変化していることが一因となっている傾向にあります。炎症が強くなったり、痛みが慢性化したりすると、当初は効果があった薬でも十分に効きにくくなることがあるのです。また、痛みが長期間続くことで神経が過敏な状態になり、痛みを感じやすくなることもあります。この場合も、薬が効かなくなったというより、痛みの性質自体が変わっていると考えられます。そのため、同じ薬を飲み続けても効果を実感しにくくなります。飲み続けても効果が実感できない場合は、医療機関に相談してください。
編集部
ロキソニンを服用する際、注意点はありますか?
笠茂先生
ロキソニンは胃腸や腎臓に負担がかかることがあります。特に長期間の使用は、体への影響が蓄積する可能性があるため、用法・用量を守ることはもちろんのこと、漫然と使い続けないように意識してもらいたいです。
編集部
たしかにそうですね。
笠茂先生
痛みが出るたびに薬で抑えるということを長期間繰り返さないことが大切です。効果が感じられない場合はもちろんのこと、効果がある場合でも、「そもそもなぜ痛みが続いているのか」を考えることが重要です。症状が長引く場合は、医療機関で痛みの原因を検査・診断してもらうことで根本治療につながることがあります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
笠茂先生
医療は単に症状を抑えることではなく、その背景にある原因や生活への影響まで含めて考える営みだと感じています。痛み止めは日常的に使われる身近な薬ですが、使い方や位置づけを正しく理解することが安全につながります。情報があふれる時代だからこそ、正しい知識をわかりやすくお伝えし、不安を安心へと変えていくことが医療者の役割です。痛みが続く、服用回数が増えているなど、小さな変化でも一人で抱え込まずにご相談ください。
編集部まとめ
ロキソニンは身近で頼りになる薬ですが、処方薬と市販薬では使い方や位置づけが異なります。市販薬で対応できる場合もある一方、飲み続けても効果が実感できない場合や服用頻度が増えている場合には、医療機関に相談することが大切です。痛み止めに頼り続ける前に、原因を確認する視点を持つことが重要です。
医院情報

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| 診療科目 | 一般内科、予防接種、訪問診療 |
| 診療時間 | 月・火・水・木・金:9:00〜12:00 月・火・水・木・金:14:00~18:00 |
| 休診日 | 土・日・祝日 |




