『眼瞼下垂』の手術でおでこのしわが消えるって本当? 原因と治療法を徹底解説

まぶたが重くて目が開きづらい……。「眼瞼下垂(がんけんかすい)」になると、無意識に額の筋肉でまぶたを持ち上げ続けることにより、おでこに深い横じわが刻まれるケースがあります。しかし、手術でまぶたの開きを改善すると、しわまで目立ちにくくなることも。その仕組みについて、酒井形成外科の酒井先生に詳しく教えてもらいました。
※2025年12月取材。

監修医師:
酒井 倫明(酒井形成外科)
眼瞼下垂の手術で、おでこのしわが改善できる?

編集部
眼瞼下垂の手術をすると、本当におでこのしわが減るのですか?
酒井先生
はい。眼瞼下垂になると、まぶたが十分に開かないため、無意識に額の筋肉(前頭筋)を使って目を開こうとします。その結果、おでこに深い横じわが刻まれることが多いのです。手術でまぶたの開きが改善すると、前頭筋に力を入れる必要がなくなり、しわが目立ちにくくなることがあります。
編集部
手術を受けた全ての人が、しわの軽減を実感するのでしょうか?
酒井先生
多くの人に変化が見られますが、しわが深く刻まれている場合や皮膚の弾力が低下している場合は、改善が限定的なこともあります。特に、年配の人は傷跡のような深いしわが多いため、どれくらいの治療効果が期待できるかは、医師に聞いてみてください。
編集部
しわ改善が目的でも、手術を受けてよいのでしょうか?
酒井先生
瞳孔の距離を測るなど、いくつかの検査が必要になります。その結果、眼瞼下垂であると診断されれば保険が適用になります。
編集部
しわ改善のほかに美容効果はありますか?
酒井先生
目元が開きやすくなることで若返ったように見えたり、疲れ顔や眠そうな表情が改善したりする人もいます。そのほか、肩凝りや首凝りの減少も期待できます。
眼瞼下垂の手術とは?

編集部
眼瞼下垂の手術は、どのようにおこなうのですか?
酒井先生
いろいろな術式があり、原因に応じて選択します。例えば、加齢などの理由によってまぶたの皮膚がたるみ、眼瞼下垂になっている場合には、皮膚を切り取ることで症状を解消します。上まぶたを持ち上げる筋肉が伸び切ってしまった場合には、「挙筋前転術」といって、伸び切ってしまった筋肉を縫い縮めることもあります。
編集部
手術は痛いのでしょうか?
酒井先生
局所麻酔でおこなうため、施術中の痛みは最小限です。術後は腫れや軽い痛みがあるものの、通常は数日〜1週間程度で落ち着きます。
編集部
手術の所要時間を教えてください。
酒井先生
術式にもよりますが、両目で1〜2時間が目安です。日帰りで受けられ、術後すぐに帰宅できます。
編集部
一度手術をしたら再発することはありませんか?
酒井先生
場合によっては再発することもあります。特に、手術で固定した挙筋腱膜(きょきんけんまく)が、加齢の影響で再びたるむことにより再発するケースもあります。ただし、一度の治療でしっかりと眼瞼下垂を治すことができれば、複数回手術が必要になる人はほとんどいません。不安な人は、ぜひ経験豊富で信頼できる医師に相談してください。
編集部
「おでこのしわの改善」というと、ボトックス治療が思い浮びますが、眼瞼下垂の手術も必要ですか?
酒井先生
しわの原因が眼瞼下垂の場合には、眼瞼下垂の手術とボトックス治療を併用することがあります。おでこにボトックスを注射して、筋肉の動きを抑えてから眼瞼下垂の手術をするのか、あるいは逆に、眼瞼下垂の手術をしてからボトックス注射をするのかは、一人ひとりの状態によって異なります。気になる人は、医師に聞いてみてください。
眼瞼下垂の症状と原因

編集部
眼瞼下垂の症状について詳しく教えてください。
酒井先生
まぶたが重く感じる、視野が暗くなってぼやける、夕方になると目が開きにくい、肩凝りや頭痛が増える、額にしわを寄せて物を見ることがある、などが代表的な症状です。中には、「目つきが悪い」「眠そうに見える写真が増えた」と感じる人もいます。
編集部
主な原因は何ですか?
酒井先生
加齢による筋力低下、長年のコンタクトレンズ使用、まぶたをこする癖、パソコンやスマートフォンの長時間使用などが主な原因です。また、生まれつき眼瞼下垂という人もいます。
編集部
自分が眼瞼下垂だと気づきにくいケースが多いのでしょうか?
酒井先生
はい。「疲れやすい」「視界がぼやける」といった症状を加齢や視力の問題と思い込み、眼瞼下垂に気づかない人は多いですね。額に常にしわが寄っている人は要注意です。そもそも日本人を含む東アジアの人たちは、解剖学的に眼瞼下垂になりやすいという性質を持っていて、70代になったら程度の差はあるものの、ほぼ全員眼瞼下垂になっています。症状が軽いうちに治療をすれば進行を抑えることができるので、40~50代になったら自分のまぶたの状態を少し気にかけてもらえればと思います。
編集部
放置するとどうなりますか?
酒井先生
前頭筋で目を開ける癖が続き、慢性的な頭痛や肩凝りを引き起こすことがあります。視野が狭くなっていくと生活に不便が生じるため、早めの診断が大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
酒井先生
鏡を見た時に「何だか目元がどよんとしてきた」「以前の自分と表情が違う気がする」と感じたら、眼瞼下垂の可能性を一度疑ってみてください。まぶたの機能や見た目が改善すると表情が明るくなり、若々しさを取り戻せることも少なくありません。形成外科や眼科を受診し、眼瞼下垂と診断されれば保険適用で治療が受けられます。時間がたってもよくならない場合は我慢せず、医師に相談してみましょう。
編集部まとめ
何となく「疲れて見える」「目が重い」と感じても、忙しさのせいにしまいがちです。もしかしたら、その小さな違和感こそが眼瞼下垂のサインかもしれません。眼瞼下垂は放置しても改善しないことが多く、適切な診断と治療で見た目も機能も大きく変わります。「印象が変わってきた」と感じたら、早めに受診してみましょう。
医院情報

| 所在地 | 東京都豊島区北大塚2-3-1 |
| 診療科目 | 婦人科、形成外科、性病科、泌尿器科、皮膚科、美容外科、美容皮膚科 |
| 診療時間 | 午前: 月水木金土 10:00~20:00(予約制) 日 10:00~19:00(予約制) |
| 休診日 | 火 |




