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これが起きたら『心臓病』の前兆かも? 早期発見のポイントと発症後の運動方法を医師が解説

 公開日:2026/03/02

心臓病は突然発症するイメージがありますが、実際には小さなサインが表れていることが多くあります。果たして、どんなサインがあるのでしょうか? 今回は、かわぐち心臓呼吸器病院の心臓血管外科専門医・金森太郎先生に、心臓病の前兆や早期発見のポイント、そして発症後の運動との向き合い方について聞きました。

※2025年11月取材。

金森 太郎

監修医師
金森 太郎(かわぐち心臓呼吸器病院)

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金沢大学医薬保健学域医学類卒業。2000年同大学附属病院心肺・総合外科(現・心臓血管外科)入局。千葉西総合病院、イムス葛飾ハートセンター勤務を経て、現職。マルファンネットワークジャパンアドバイザー。医学博士、日本外科学会外科専門医、心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医・修練指導者、日本低侵襲心臓手術学会低侵襲心臓手術(MICS)指導医、胸部・腹部ステントグラフト実施医・指導医。

心臓病の基礎知識

心臓病の基礎知識

編集部

心臓病とはどんな病気を指すのですか?

金森 太郎先生金森先生

心臓病は、心臓の構造や機能の異常によって起こる病気の総称です。代表的なものには心不全、狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、不整脈、心筋症などがあります。

編集部

心臓病になる原因を教えてください。

金森 太郎先生金森先生

多岐にわたりますが、加齢や生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)、感染症、さらには喫煙、ストレス、運動不足などが主な要因です。一つではなく、複数の要因が相互に影響しあっているケースも多くあります。また、遺伝や体質、薬の副作用が関与する場合もあります。

編集部

遺伝の影響もあるのですか?

金森 太郎先生金森先生

あります。心筋症や不整脈、脂質異常症の一部には遺伝子異常が関係します。親族に若くして心臓病を発症した人や突然死した人がいる場合は、早めに心臓の検査を受けておくと安心です。

編集部

「特に注意が必要な人」がいるのですね。

金森 太郎先生金森先生

そうですね。ただし、これはあくまでも「傾向」です。例えば、加齢とともに発症者は増えますが、最近は中年層の心臓病患者も増えています。特に、運動不足やストレス過多、偏った食生活の人はリスクが高く、健康診断で血圧やコレステロールの異常を指摘されたら注意が必要です。

心臓病の前兆・初期症状

心臓病の前兆・初期症状

編集部

心臓病には、どんな初期症状があるのでしょうか? また、発症する前兆があれば教えてください。

金森 太郎先生金森先生

動悸(どうき)や息切れ、胸の圧迫感、疲れやすさが代表です。軽度だからと放置していると進行することがあります。めまい、冷や汗、吐き気などの全身症状や足のむくみが見られる場合は要注意です。心当たりのある人は放置せず、医療機関を受診しましょう。

編集部

動悸や息切れ、むくみだけだと病院へ通うことを躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。

金森 太郎先生金森先生

そういう考えの人はとても多いですね。いずれの症状も加齢による体力低下と混同されやすく、「年のせい」「普段運動していないから」と自己判断してしまい、受診が遅れるケースを数多く見ています。「以前より歩くのがつらい」「階段の昇り降りがきつくなった」と感じたら、心機能が低下している可能性があるため、医療機関を受診することをおすすめします。

編集部

どのタイミングで受診すべきですか?

金森 太郎先生金森先生

違和感を自覚した時点で受診してください。心電図や心エコー(心臓超音波検査)で早期に異常を確認できれば、重症化を防ぐ、または遅らせることが期待できます。症状が出てからでは治療の選択肢が限られてしまったり、治療そのものが難しくなったりする場合もあるため、「気のせい」と思わず検査を受けましょう。

編集部

検査はどのようにおこなうのですか?

金森 太郎先生金森先生

まずは、問診で病歴や生活歴、家族歴などを聞きます。その後、血圧、脈拍などの基本的な検査や心エコーで、心臓の動きと血液の流れを確認します。ほかにも心電図、レントゲン、血液検査などを組み合わせて原因を特定します。体に負担の少ない検査が多いので、安心して受けていただけます。

発症後の運動と心臓リハビリテーション

発症後の運動と心臓リハビリテーション

編集部

心臓病になったら運動は控えた方がいいのですか?

金森 太郎先生金森先生

以前は「安静が第一」とされていましたが、現在は「適切な運動が治療の一部」といわれています。「心臓リハビリテーション」と呼ばれる運動療法により、動脈硬化の進行を抑え、体力や血管機能の改善が期待できます。

編集部

具体的にどんな運動がよいのですか?

金森 太郎先生金森先生

ウォーキングや軽い筋トレなど、「息は軽く切れるけれど笑顔で続けられる程度」の有酸素運動が推奨されています。ただし、自己判断は禁物です。医師やリハビリスタッフが安全性を確認し、心拍数をモニタリングしながらおこなうことが重要です。

編集部

運動で得られる効果を教えてください。

金森 太郎先生金森先生

心臓への負担を減らし、血圧や血糖のコントロールがよくなるなど、さまざまな効果があり、これらは再入院の予防にもつながります。また、体を動かすことで気分が前向きになるため、うつ症状の改善効果も報告されています。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

金森 太郎先生金森先生

急性心不全で救急搬送される人の中には、「これまで大きな病気もなく元気だったのに」というケースが少なくありません。心不全は、ある日突然発症するように感じますが、小さなサインは出ていることが多いのです。「年齢のせい」と片づけず、少しでも違和感を覚えた時点で検査を受けることが大切です。体に負担の少ない検査で心臓の状態を確認し、医師や理学療法士の指導のもと無理のない運動を取り入れることで、心臓への負担も軽減でき、健康寿命を延ばすことが期待できます。

編集部まとめ

心臓病は、静かに進行する「気づきにくい病気」です。息切れや胸の違和感、体力の低下を感じたら放置せず、早めに受診を検討しましょう。早期診断が命を守り、生活の質を維持する鍵となります。

医院情報

かわぐち心臓呼吸器病院
所在地 埼玉県川口市前川1-1-51
診療科目 リハビリテーション科、内科、呼吸器科、外科、循環器科、心臓血管外科、麻酔科
診療時間 午前: 月~土 9:00~12:00
午後: 月~金 13:30~17:00
休診日 日・祝

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