「ロコモ」になりやすい人の特徴とは? 7つのチェックリスト・予防法も医師が解説!

最近、「転びやすくなった」「歩くのが億劫」と感じることはありませんか? 年齢とともに起こる筋肉や関節の衰えは、放置すると要介護状態につながることもあります。そうした“運動器の衰え”に早く気づき、予防・改善するためのキーワードが「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」です。今回は、ロコモの原因や予防法、治療について「世田谷かくた整形外科 成城学園前院」の角田先生に解説していただきました。
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監修医師:
角田 篤人(世田谷かくた整形外科 成城学園前院)
ロコモとは

編集部
ロコモとは、どのような状態を指すのでしょうか?
角田先生
運動器の障害によって立ったり歩いたりする機能が低下し、要介護のリスクが高まっている状態をロコモと言います。運動器とは、骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経など、体を動かすために欠かせない組織や器管の総称です。日本整形外科学会が2007年に提唱した概念で、近年の高齢化社会において重要な予防医療のテーマとなっています。
編集部
ロコモになりやすい人の特徴はありますか?
角田先生
高齢者に多いのはもちろんですが、若い人でも運動不足や生活習慣の乱れがあると将来的なリスクが高まります。また、骨粗しょう症、変形性関節症、脊柱管狭窄症などの整形外科疾患を抱えている人は、ロコモの進行が早い傾向にあります。
編集部
ロコモを見つける方法はありますか?
角田先生
- 片足立ちで靴下がはけない
- 家の中ですべる、つまずく
- 階段を昇るとき、手すりが必要
- やや重い家事をおこなうのが難しい
- 2kg程度(1Lの牛乳二本程度)の買いものをしたとき、 持って帰るのが難しい
- 15分くらい続けて歩けない
- 横断歩道を青信号で渡り切れない
ロコモの予防法

編集部
「介護が必要になる人の多くが運動器の障害を抱えている」というのは本当ですか?
角田先生
はい。2019年のデータでは、介護が必要になった原因の24.8%が運動器の障害に起因しています。特に「骨折・転倒」「関節疾患」などが多く、要介護となるのが、決して大きな病気からだけでなく、日常生活の自立度と密接に関連していることがわかります。
編集部
ロコモの予防には、どのような対策が有効なのでしょうか?
角田先生
最も効果的なのは「継続的な運動」です。スクワットや片足立ちなど、下肢の筋力を維持するトレーニングが特に重要です。日々の生活の中で動くことを意識し、歩く機会を増やすことも大切です。
編集部
食事や栄養の面で、注意すべきことはありますか?
角田先生
筋肉や骨の健康を支えるためには、タンパク質やカルシウム、ビタミンDやビタミンKの摂取が欠かせません。特に高齢者はタンパク質が不足しやすいので、意識して取り入れてほしいですね。
編集部
ロコモ予防に関して、日常生活で意識すべきことがあれば教えてください。
角田先生
転倒を防ぐために室内の段差や滑りやすい場所に注意したり、外出時は安定感があり自分の足にあった靴を選んだりすることが大切です。また、「最近なんとなく動きづらい」と感じたときには、整形外科に相談することをおすすめします。
ロコモの治療法・サポートについて

編集部
「ロコモかも?」と思って整形外科を受診した場合、どのような検査をするのですか?
角田先生
まずは問診と視診・触診、前述したロコモチェックなどをおこないます。また、立ち上がりのテストやステップのテストなどの身体機能評価をおこなうこともあります。ロコモは、こうした検査を組み合わせて総合的に判断されます。
編集部
ロコモと診断された場合、治療法はありますか?
角田先生
運動療法が治療の基本となりますが、関節の炎症や痛み、骨粗しょう症などがある場合は、薬物療法や注射治療を併用することもあります。
編集部
運動療法は、どのようにするのですか?
角田先生
理学療法士とともに、筋力トレーニングやストレッチ、バランス訓練などをおこないます。ロコモのために開発された「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」と呼ばれているスクワットと片足立ちの2種類の運動の継続が効果的です。個々のロコモのレベルに応じて内容は調整されます。
編集部
医療機関を選ぶ際のポイントを教えてください。
角田先生
すでにかかりつけの整形外科がある場合は、相談してみてはいかがでしょうか。もし、新たに探すのであれば「ロコモアドバイスドクター」が在籍している医療機関を選ぶのがおすすめです。ロコモアドバイスドクターは、ロコモティブシンドロームに関する正しい知識の普及と予防意識の啓発を目的に活動している、日本整形外科学会所属の整形外科専門医です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
角田先生
ロコモは突然発症するものではなく、気づかないうちに進行していきます。高齢者はもちろんのこと、若い人でも発症することがあります。しかし一方で、早期に発見して適切な対応を取ることで、発症や進行を防ぐことができる疾患です。少しでも気になる点があれば、早めにロコモアドバイスドクターのいる医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
編集部まとめ
ロコモは、高齢者だけでなく、若い世代にも無関係ではありません。早めの気づきと対策が、将来の介護リスクを下げるカギとなります。気になる症状がある人は、ロコモアドバイスドクターが在籍している整形外科での相談を検討してみてはいかがでしょうか。
医院情報

| 所在地 | 〒157-0066 東京都世田谷区成城2-40-9 成城サウスサイド1階 |
| アクセス | 小田急線「成城学園前駅」 徒歩1分 |
| 診療科目 | 整形外科 |



