嬉しい反面、不安もある… 妊娠が判明したときに「やるべきこと」を医師が解説!

待ち望んだ妊娠が判明し、喜びに湧く人も多いでしょう。その一方、「妊娠が分かったら、一体何をしたらいいの?」といった疑問が浮かぶこともあるかもしれません。妊娠が判明したら、具体的にまずは何をすればいいのかについて、「医療法人社団喜咲会ローズマタニティクリニック」の前先生に解説していただきました。

監修医師:
前 和幸(ローズマタニティクリニック)
妊娠が判明したらまずは何をするべき?

編集部
妊娠検査薬で陽性が出ました。最初にするべきことを教えてください。
前先生
まずは産婦人科を受診しましょう。妊娠検査薬は正確性が高いとされていますが、子宮外妊娠などの異常妊娠の可能性も否定できません。医師の診察で、子宮内に正常な妊娠が成立しているか確認することが大切です。目安として、生理予定日から1〜2週間後の受診がいいでしょう。
編集部
病院を選ぶときに、気をつけることはありますか?
前先生
出産まで通うことになるので、自宅や職場から通いやすく、信頼できる医療機関を選ぶのが基本です。分娩の取り扱いがあるか、無痛分娩など希望する出産方法に対応しているかもしっかり確認しましょう。インターネットの口コミよりも、実際に行ってみての印象を重視してください。
編集部
妊娠が判明したら、会社にはいつ報告すべきですか?
前先生
安定期まで待つ人も多いですが、体調に変化がある人は早めの報告をおすすめします。妊娠初期はつわりや貧血で体調を崩しやすいため、職場の理解を得ておくと安心です。直属の上司にまず相談し、無理なく働ける環境を整えていきましょう。
編集部
パートナーにはどう伝えたらいいのでしょうか?
前先生
驚きや喜び、不安など、感情が混ざるのが自然だと思いますが、大事なのは「一緒に親になる」という気持ちを共有することです。相手の反応に一喜一憂せず、まずは自分の気持ちを素直に伝えましょう。女性と違って、男性は自覚が遅れることが多いため、具体的に何をサポートしてほしいかを伝えておくのが好ましいです。
妊娠初期の見逃しがちな注意点

編集部
妊娠初期で忘れがちな手続きはありますか?
前先生
意外と見落としがちなのが「母子健康手帳の取得」です。産婦人科で妊娠を確認して、時期がきたら自治体で母子健康手帳を受け取りましょう。妊婦健診の補助券もこのタイミングでもらえます。妊婦健診は自費なので、補助券を使うことで経済的な負担が減ります。
編集部
普段から飲んでいた薬は、どうすればいいのですか?
前先生
妊娠が判明した時点で、すぐに医師や薬剤師に相談してください。市販薬や処方薬の中には、胎児に影響を及ぼすものもあります。勝手に中止するのではなく、専門家の判断を仰ぎましょう。サプリメントや健康食品も含めて、全て申告するのが安心です。
編集部
妊娠中の食生活で見落としがちな点は?
前先生
「妊娠したから栄養をたくさん摂らなきゃいけない」と思いがちですが、過剰なカロリー摂取は逆効果です。重要なのは栄養バランスです。また、生卵、生肉、ナチュラルチーズなどの加熱が不十分な食べ物は避けましょう。加えて、食中毒のリスクを減らすことも大事です。もちろん、お酒やタバコは厳禁。カフェインもあまり摂らないように気をつけましょう。
編集部
つわりも心配です。
前先生
つわりの有無や強さには個人差があります。ときどき「つわりが軽いのは先天性の異常がある証拠」「つわりが軽いと流産の可能性がある」などの噂を耳にしますが、それらには何の根拠もありません。つわりの有無で順調かどうかを判断せず、おりものの変化や腹痛、出血などの症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。自己判断せず、医師に相談する姿勢を大切にしましょう。
妊娠が判明してから気をつけること

編集部
妊娠初期は流産のリスクがあると聞きます。どのように注意すればいいでしょうか?
前先生
初期流産の多くは染色体異常が原因で、防ぎようがないことがほとんどです。ただし、重い荷物を持つ、無理な運動をする、ストレスを溜め込むといったことは避けるに越したことはありません。自分を責めず、無理せず過ごすことが一番の予防です。
編集部
仕事や家事はどの程度セーブしたらいいですか?
前先生
つわりがひどいときや体調が不安定なときは、無理をしないでください。家事も、手抜きをすることは悪いことではありません。立ちっぱなしや重労働は避け、こまめに休憩を入れながら進めましょう。職場でも時短や業務変更を相談できるといいと思います。
編集部
妊娠中のストレスは、やはり赤ちゃんに良くないのでしょうか?
前先生
はい。強いストレスはホルモンバランスに影響を与えることがあるため、できるだけ穏やかな生活を意識しましょう。とはいえ、ストレスを完全になくすことは難しいので、「ストレスを減らす工夫」が大切です。深呼吸や軽いストレッチ、信頼できる人との会話も効果的です。
編集部
パートナーや周囲との関係で気をつけたいことは?
前先生
妊娠中はホルモンの変化で感情が不安定になりやすいので、家族とのコミュニケーションは丁寧におこないましょう。特にパートナーには「体調が悪いとき、どうしてほしいか」を具体的に伝えることが大切です。「察してほしい」ではなく、言葉で伝えることが円満の秘訣です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
前先生
産婦人科としての長い経験から感じるのは、近年、子どもがどんどん減っているということです。出産し、子どもを育てるという経験はかけがえのないものです。妊娠や出産、子育てには不安が伴うかもしれませんし、妊娠が判明したときに喜びよりも不安を強く感じる人もいるかもしれません。ぜひ信頼できる医療機関を見つけ、周囲の協力を得ながら、元気な赤ちゃんを産んでほしいと思います。
編集部まとめ
妊娠が判明した瞬間、不安を感じる人も多いはず。しかし、信頼できる医師を見つけたり、周囲に相談したりするうちに、不安も解消されていくはずです。いざというときのために、信頼できる産婦人科を事前に見つけておくことも役立つかもしれませんね。
医院情報

| 所在地 | 〒336-0026 埼玉県さいたま市南区辻7丁目8-17 |
| アクセス | JR埼京線「北戸田駅」 徒歩14分 |
| 診療科目 | 産科 婦人科 |




